
タイトル写真は沖縄の旧読谷飛行場付近にある旧日本軍の義烈空挺隊玉砕之地。
太平洋戦争末期沖縄戦時に日本陸軍のコマンド部隊・義烈空挺隊がアメリカ軍の飛行場に飛行機で強行着陸して強襲殴り込みを掛けて米飛行場施設及び航空機を地上破壊したそうです。
着陸に成功したのは1機だけでしたが攻撃はある程度成功したようで、たった数名の日本兵により米飛行場は大混乱に陥り一時的に使用不能となったみたいですが、天候不良等により残念ながら本土の日本軍航空隊と連携が取れずその隙を活かせなかったようです。

旧日本軍の掩体壕の近くに白標が立っています、あたり一面は畑で長閑な場所です。なぜか観光マップに乗っていたの寄ったところですが道は狭かったです。
〇なぜ日産はe-powerにエンジン直結機構を付けないのか?
昨今のニュースで話題になっている日産ですが、新型リーフや第三世代e-powerなどを投入して立て直しなどと言った話のネット記事が目につきます。
そこでe-powerの弱点は高速走行時の燃費低下であり、どうしてエンジン直結機能を付けないのか、そういう内容が書かれているものを目にします。

そんなの理由は明白です、
「乗り心地が大幅に悪くなるから」です。
e-powerの売りはEVのような走行感覚です、駆動軸からエンジンを切り離していることが最大のアドバンテージですからエンジン直結なんてe-powerのコンセプトを否定しているようなものでしょう。

(上記はノートe-powerが発売されたころに借りたレンタカー、粗削りですがよく走る車でした)
先代ノートやエクストレイルにセレナとe-power車にはそれなりに乗った事はありますがEVのような走行感覚でとてもおもしろい車です、エンジン直結機能を持ったEVの出来損のような走りをするアウトランダーと違いを紹介です。
先代ノートe-powerが発売されるまでエンジンで電気作ってモーターを回す非効率なハイブリッド車など見向きもされませんでした、しかし「ひと踏み惚れ」と言うキャッチフレーズの通りEVらしい走りが受けてサニー以来の大ヒットになったのは2016年ともう9年前の事ですが、そろそろ登場する第三世代のe-powerはどれほど進化しているのか期待大です。
燃費重視の方には向かないがその走行感覚が一定層に支持されている車だと思います。

さて、それより3年前の2013年に先代アウトランダーPHEVが発売されています、「自分で発電する電気自動車」と宣伝して構造的にもe-powerと似ており中速領域まではモーター走行を基本とする車です、電欠を気にせず電動走行を楽しめると言うコンセプトを日産より何年も前に先取りしていたのに、なぜアウトランダーには「ひと踏み惚れ」の一大ブームが起きなかったのでしょうか?

(国頭村にて、レンタカーの現行ノートMC前モデル、車の作りは良くなってますがワンペダルドライブが無くなったのが残念)
EVのような走りができるe-powerは個人的に魅力的だと思うのでエクストレイルを買うつもりでしたが、当時2022年頃は残念ながら半導体不足の納車遅れで人気車種は1年待ちと言う状態だったので断念、新型アウトランダーはエクストレイルの兄弟車で日産の部品を多用しておりシリーズ走行を基本とするPHEVでエンジン直結機能を持っており高速燃費も良いはず、はっきり言ってe-powerの上位互換だろう、そう思って購入しました。
そのアウトランダーに2年ぐらい乗りましたが、なぜ日産はe-powerにエンジン直結機能を付けなかったのか、気になっていた答えはアウトランダーが教えてくれました。
〇エンジン直結による走り心地の低下
さらっと説明するとアウトランダーは中速以上になるとパラレル走行をしようと運転者の意思に関係なくクラッチをつなげてエンジン走行をします、走行感覚はガラリと変わりアクセル踏んでもエンジン回転数に追従したもさっとした走りとなります、発電機用に調整された4B12エンジンを5速ギアに繋いで走らせているだけなので官能的な吹け上がりとは無縁な走りとなっております、なおアクセル踏み込み過ぎたらシリーズ走行に切り替わります。
次に惰性走行や回生走行になるとクラッチを切ってエンジン入力を外します、なので走行感覚が完全にエンジン車の状態になりクラッチを切ったり繋げったりギクシャクしたEVとはかけ離れたフィーリングになります、エンジン車に慣れた人だとそれほど気にならないかもがEVやシリーズHVに慣れた人だと直ぐに違和感を感じ取れるはずです。
とくにB0(回生オフのシフト)惰性走行で滑走する際にエンジン直結モードだと頻繁に上記の現象が発生しとても苦痛な乗り心地です、スピードメーターの速度は1km/hも変わっていないのに回生が入り減速ショックを感じるという摩訶不思議な制御になっております、エンジンを駆動軸から切り離した際のクランクシャフト惰性回転を回生回収してるのでしょうか?。

(先代ノートe-powerで美ヶ原に行ったことありましたが、アウトみたいに電欠パワーダウンを感じなかったのはやはり軽いから?)
日産のe-powerは電気自動車の走りを売りにしているので、もしエクストレイルにパラレル機能を付けたら走りが悪くなってしまうからそうしなかったのでしょう、トヨタのTHS2と比べて燃費が悪いのに一定層に売れているのはEVと変わらない走行感覚が受けたのですから。
〇アウトランダーの試乗の勧め
前文でアウトランダーのエンジン直結モードの走りをごちゃごちゃうるさく書きましたが文章だとよくわからないと思います、なので一番いいのはやはり実車に乗ることです。
特にe-powerやトヨタ・スマートHVなどの完全シリーズHV車に乗っている方でパラレル走行が無くて高速燃費が悪いと気になっている人は一度アウトランダーを冷やかしがてら三菱ディーラーへ試乗してエンジン直結走行を体験することをおすすめします、クラッチの介入があるだけでどれほど乗り心地が悪くなるか感じてみる事です。
気にならない人ならもしかしたらアウトランダーを気に入るかもしれないですし。

(スピードメーターをエンハンスモードの上記画面にして、オレンジ矢印が前輪に向かって動いていればエンジン直結走行しています)
アウトランダーの劣悪なエンジン直結モードを体験する方法は以下の通りです
1、ノーマルモードにする、e-ペダル(三菱名:イノベーティブペダルオペレーションモードだと長ったらしいので以下e-ペダルにします)はオフ。
2、バッテリーが100%以下(出来れば62.5%以下)でセーブモードかチャージもどにしてエンジンを駆動させる。
3、時速65km/h以上で走り出力計(上画像の左側)が20~30kwぐらいに振れる程度に緩くアクセルを踏み込む。
これでだいたいの確率でエンジン直結走行をしてくれます。
切り替わったら少し振動を出しながらエンジン音が「フィーン」と言う音から「ブゥーン」と言うやや重い音に変ります。

(走行中に上の画面見てれば分かりますが、エンジン直結走行だと瞬時に回生に移行してくれません)
そして一番分かりやすい挙動として回生減速です、エンジン直結走行中にアクセルを一瞬浮かして再度踏み込んでみてください。
エンジン直結解除→回転速度同調→モーター接続と言う流れを往復する事になりますが、ガクっと減速し違和感あるグニャグニャした感触を感じると思います。
ここが完全シリーズHV車と最大の違いです、エンジンを駆動輪に繋げたり外したりする為に感じる極めて不快な挙動です。
e-powerなどシリーズHV車を気に入っている人には是非とも体験して欲しい挙動です。
とは言え試乗コースで65km/h出してかつ一定距離を走るのは結構難しいと思いますが、加速を試したいのでバイパス走りたいとか言えば行けるかもしれません。
ちなみにアウトの加速なんて大して早くも無いし(0-100・8秒メーカー公式)なによりバッテリー切れたら遅いから態々試す価値もないですよ、てかノートと同等程度なのかアウトランダー。
百聞は一乗りに如かずとでも言いましょうか、とくに兄弟車のエクストレイルに乗っている方は一度体験した方が良いと思います。
〇デメリットは多いがメリットは少ないエンジン直結機能
電動車らしい走り心地と言う最大のアピールポイントを捨ててまで得たエンジン直結機能ですが残念ながらアウトランダーはエンジン直結パラレル走行をしても大して燃費は伸びません、自然吸気2.4L直4エンジンで燃費を繋いで燃費10前後で走行しているだけですからね、通常のエンジン車のように高速走れば燃費が伸びると言うことはないですよ、2005年に発売された初代アウトランダー(JC08モードで14.6km/L)と同じ2400ccの4B12エンジンで走らせてるだけですから、もしこれが燃費の良いエンジンで20km/L越えるなら直結モードを付けても納得出来ますが。
なお前述の兄弟車同士の4WD仕様にを比較したら
アウトランダーの公称高速燃費が16.4km/L
エクストレイルの公称高速燃費が18.3km/L
となります、エンジン直結機能がついても完全シリーズHV車に負けてます。
重いバッテリーと熱効率の悪い古いエンジンで走るアウトには涙します。
アウトの方が2トンもあり重いから燃費悪いのも当たり前と感じるかもですが大容量バッテリー積んで燃費誤魔化してこの数値ですから自業自得みたいなものです。
てか同じ重さぐらいの4WDSUVでモデルYなどと比べると電費が絶望的に悪いし本当になんなのでしょうかこの車。

上の三菱の紹介だとEV走行、ハイブリッド走行(シリーズ、パラレル)の3種類が紹介されています。
しかし実際は完全エンジン走行モードがあります、前輪だけエンジン走行しモーターは一切休止します、高速道路の上り下りが無い平地部で一定走行すると長い時間完全エンジン走行で走ってることがよくあります。
まあパラレルモードに完全エンジン走行が内包されていると言えばそうですが、相変わらずユーザーに不親切な紹介です。
本当は4つの走行モードで最後の欄にエンジン走行、エンジンのみで走行と付け加えるべきでしょう。

(完全エンジン走行だとこうなります)
PHEVだ、EVらしい走りだと宣伝している三菱としてはただの純エンジン走行は表に出したくないのでしょう。
何にせよ日産がe-powerにエンジン直結機能を付けないのはコスト以外の理由で電気自動車らしい走りが出来なくなるからで、もし先代ノートe-powerにパラレル機能が付いていたら発進時にどれほどモーター走行をしても中速以降はエンジン車然とした走りになり燃費はトヨタのHVに劣る出来の悪いHV車という感じになり今のように売れなかったでしょう。
そしてそれがひと踏み惚れが起きなかった初代アウトランダーPHEVだったのだろうと思います。
日産は高速燃費の向上として動力ユニットの小型軽量化やエンジンの熱効率上昇で対応し第三世代e-powerにも当然エンジン直結などはないとの事です、VCターボは継承されず違う新型エンジンを搭載するらしいようで次期エクストレイルには期待していますがそれまで会社本体は持ちこたえられるか心配です。
〇もしe-powerにエンジン直結モードを付けたら?
高速燃費はいくらか向上するが全体燃費はトヨタ式ハイブリッド車に劣る中途半端な車が出来上がりEVらしい走りを失いe-powerのブランド価値を喪失。
と言った事が予想されあまりやる意味がないでしょう、e-powerとは別枠で出せば良いかもですが既にホンダのEHEVがあるしね。

(第三世代e-powerは熱効率50%目指すとの事)
さてさて新型エンジンも開発できず古いエンジンに安直な直結パラレル機能を持ったアウトランダーはどれだけ大きなバッテリーを積もうと直ぐに尽きてエンジン車らしい走りをするHV車です、純エンジン車と同様な走行をしてしまう車が「EVらしい走り」など夢のまた夢。