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よっしーたけぞーのブログ一覧

2026年10月16日 イイね!

快速エクスプレス

センターロッキングを始め、電装系のトラブルが多い。
3リッターの48Vのトラブルに戦々恐々としている。
Posted at 2026/10/16 20:48:18 | コメント(0) | クルマレビュー
2026年10月03日 イイね!

第四弾! 多分最終。これをクワトロと名乗ってよいの?

【第1章:ウルトラクワトロって何?】

クワトロといえば、ハルデックスを除いてセンターにトルセンデフを奢った常時四駆のドストライクな駆動方式だったけど、ついにウルトラクワトロになってしまった。基本はFFと分かっていたけど、静粛性を優先して購入したが、やはり、センタートルセンデフ採用のB8と印象が違う。そこで、自分なりに、「ウルトラクワトロ(ultra テクノロジー搭載クワトロ)」について深掘りしてみたけど、結論は「燃費性能と引き換えに、直進安定性や初期の過渡特性に対し、明確にネガティブな影響がある」と思ったので備忘録というか、個人的な独り言を述べたく思います。

ご存じのようにA6に関してはC8から採用されたウルトラクワトロは従来の機械式センターデフを用いた常時全輪駆動(フルタイム4WD)とは異なり、巡航時はリヤへの駆動を完全に切り離す「ほぼ100:0のフロント駆動(FF)」として走る4WDです。
これが、なぜ高速道路での横風や直進スタビリティの悪化を招くのか、駆動トルクとシャシー剛性の過渡特性から3つのポイントに整理しました。
 
1. 駆動トルクによる「リヤタイヤのセルフアライニングトルク」の消失
従来のフルタイムクワトロ(40:60などの後輪寄り配分)は、直進巡航時であっても常にリヤタイヤに駆動トルク(後ろから押し出す力)が掛かっていました。
タイヤは駆動トルクが掛かっているとき、トレッドが縦方向に引っ張られることで、「直進方向へ戻ろうとする自励作用(セルフアライニングトルク)」が働きます。
しかし、ウルトラクワトロでは、リヤはただ転がっているだけの「従輪(完全なFF状態)」です。すなわち、リヤタイヤ自体の「真っ直ぐ進もうとする力」がフルタイム時代より根本的に弱くなっているため、高速道路走行時、横風のような外乱がヒットした際、リヤが簡単に左右に揺らされやすくなってしまいます。
 
2. 「引きずり抵抗(フリクション)」のカットによるリヤの落ち着きのなさ
ウルトラクワトロのマジックは、燃費を稼ぐために「トランスミッション直後のクラッチ」と「リヤデフ直前のクラッチ」の2箇所を切り離し、プロペラシャフトの回転すら完全に止めてしまう点にあるそうです。
 
◆従来のフルタイム: プロペラシャフトやデフの回転フリクション(適度な重さ・引きずり抵抗)が、高速巡航時に一種の「天然のステアリングダンパー(慣性ダンパー)」として機能し、リヤの突発的な挙動をドッシリと落ち着かせていました。
◆ウルトラクワトロ: このフリクションが完全にゼロになるため、リヤセクションが物理的に「軽々しく転がる」ようになります。これが、段差を越えた後の足の動きの軽快さ(自然に動く感じ)にはプラスに働きますが、横風に対してはリヤのドッシリ感が薄れ、フラつきやすくなる原因になります。
 
3. 「リヤ突っぱねジオメトリ」と「フロント駆動」の相乗効果
別ブログで述べたように「アウディはリヤの縮み減衰を突っぱねるドアンダー仕様」というシャシーの歪み。
◆フルタイム時代は、リヤに駆動が掛かっていたため、サスが多少突っぱねていても、駆動トルクがリヤタイヤを路面に押し付け、力技でトラクションとスタビリティを確保していました。
◆ウルトラクワトロ(FF状態)では、リヤサスが突っぱねている上に駆動の押し付け力もないため、横風が吹いてリヤに横Gが掛かった瞬間、ケース剛性や、横方向の剛性が弱い(緩い)タイヤだと、リヤが路面を噛み切れずに「ヒョコッ」と一瞬スリップアングル(ヨレ)を発生させてしまうようです。これはすでにADVANdBで体験済み。
 
 
結論:だからこそ「タイヤの横剛性(骨格)」で補正するしかない

アウディのウルトラクワトロの黄金比は、燃費と環境性能のために「高速巡航時はFFにする」という選択をしました。メーカーが本気で作ったシステムですが、高速域の「直進の座りの強さ」という点においては、昔の機械式フルタイムクワトロに一歩譲るのが物理的な事実です。
 
つまり、私が体験したC8のA6は、「ほぼFF駆動によるリヤの座りの緩さ」+「リヤサスの突っぱり」+「ADVAN dBのサイドのヨレ」という3重苦が高速道路走行時に横風がヒットする瞬間に一気にビンゴしてしまい、過渡特性の破綻(ふらつき)を起こしていたと推測しています。

駆動方式(ウルトラクワトロ)もサスペンションも弄れない(触りたくない)以上、この「駆動が抜けてフリーになっているリヤタイヤ」そのものの骨格を、高剛性のUHPで固めてあげるしかありません。タイヤ単体の横バネレートを極限まで高めておけば、100:0のFF巡航でリヤがどれだけフリーになっていようとも、横風に対してタイヤ自体の剛性でビシッと直進を維持できるようになります。
ウルトラクワトロという最新メカニズムの裏に隠された「フリクションカットによるリヤの緩さ」が出てくるのかと感じました。
 
 
【第2章:ウルトラクワトロのトルク配分について】
 
ふと、疑問思ったので、わかる範囲で調べてみました。ウルトラクワトロが後輪へトルクを配分するタイミングは、一言で言えば「タイヤが滑ってから(リアクティブ)」ではなく、「滑る500ミリ秒(0.5秒)前に予測して(プロアクティブ)」クラッチを締結するそうです。制御ユニットは10ミリ秒(1/100秒)単位で車両の全センサーデータを演算、そして「このままのGとアクセル開度なら、0.5秒後にフロントのグリップ限界(摩擦円)を超える」と予測した瞬間に、わずか250ミリ秒(0.25秒)で4WD化を完了させるそう。では、具体的に、どのような状況で後輪へトルクが配分されるのか、「予測制御」と「突発制御」に分けて深堀りします。
 
 
1. 予測制御_滑る前に先回りして4WDにするタイミング
 
ウルトラクワトロが最も賢く後輪へトルクを回すのは、この「先読み」の領域か。以下の3つの瞬間に、フロントが1ミリもスリップしていなくても後輪に駆動が入るそう。
 
1) 加速時(発進・中間加速)
アクセルをグッと踏み込んだ瞬間、車重1,900kg超えの55TFSIはリヤへ荷重移動。フロントの接地荷重が減るため、システムは「フロントが滑る」と先読みし、アクセル開度に応じて瞬時にリヤへ最大50%(理論上の多板クラッチロック状態。動的荷重移動を加味すると路面伝達比でそれ以上)のトルクを配分します。
 
2)コーナリング(旋回)の立ち上がり
ステアリングの舵角(キングピンの切れ角)と車速から「旋回G」を計算。コーナリング中にアクセルを踏むと、フロント内輪の荷重が抜けてトラクションが抜けるため、クリッピングポイントの手前から先回りで多板クラッチを締め始め、リヤの蹴り出しを立ち上げ。
 
3)「ドライブセレクト」でダイミックモードを選んだとき
セッティングの前提として、モードを「ダイナミック」にしている間は、ウルトラクワトロは極力FFに戻さず、常時4WD状態(後輪へ常にトルクを張った状態)を維持します。直進の芯を出したい時は、このモード選択自体が物理的なスイッチになります。 って事はインディビデュアルモードにしたら、積極的にプロペラシャフトを回すそうで、実際に試してみると、あら不思議。高速道路のレーンチェンジで「あら?」リヤの安定感が増して、修正舵が少なくなったんじゃ?という経験があったので、興味のある方はお試しあれ。
 

 
2. 突発制御_予測を超えて、実際に滑った瞬間のタイミング
 
センサーの予測を超えた突発的な路面変化に対しては、「滑った瞬間の判定」で超高速作動。
 
1)外乱によるフロントの一瞬のスリップ(ハイドロプレーニングや低μ路)
高速道路で水たまりに乗った、あるいはマンホールや凍結路にフロントが乗って「前後輪の回転差」を検知した瞬間、コンマ数秒で後輪へ駆動を繋ぐ。
 
2)激しい横風による「ESC(横滑り防止装置)」との連動。高速道路などで横風を受け、車体がヨー方向に流されそうになった際、車載のヨーレートセンサーやGセンサーが危険を感知すると、ウルトラクワトロは姿勢を制御するために即座にリヤのクラッチを緊結し、駆動トルクをリヤに配分して直進性を復元しようとするそう。
 

 
【第3章:どんな時にリヤにトルク配分するの?】
 
では実際にプロペラシャフトはいつ回る?
 
実例①:緩やかな発進時の挙動
1) 信号待ち(静止状態): プロペラシャフトは結合状態(4WD)で待機。
2)ブレーキを離す(擬似クリープ): 4WDのまま、4輪にじわっとトルクが伝わり、無音でスッと動き出す。
3) アクセルを緩やかに踏む: 4WDを維持したまま、時速10〜20km/hあたりまで加速。
4)定常走行(巡航)へ移行: 加速Gが完全に落ち着き、直進状態であるとセンサーが判断した瞬間、フロントの多板クラッチとリヤのドッグクラッチが解放。プロペラシャフトが「ピタッ」と停止し、極上の静粛性を伴うFF巡航へ切り替わる。
 
『結論』
どれだけ緩やかに発進しても、「動き出しの最初の数メートル」は必ずプロペラシャフトが回るそう。「1ミリもプロペラシャフトを回さずに走る」のは、速度が完全に乗って、アクセル開度も一定になった巡航状態のときだけらしいです。

「じわっと動くときですら、裏では先回りでシャフトを回して4輪で地面を掴んでいる」というアウディの過保護なまでの安全思想なんですが、果たしてこれをクワトロと呼称してよいのか疑念を感じずにはいられません。
 
 
実例②:交差点での制御はどう?
 
場面として、ステアリングの切角の深い左折は、ウルトラクワトロの制御マップの中「最も4WD(プロペラシャフトを回す)への依存度が高い」そうです。
 
1)進入フェーズ:減速しながらステアリングを切り込む
• プロペラシャフトの動き: 結合(回る)
• トルク配分: フロント 100:リヤ 0(ただしペラシャフトは同調回転中)
• 裏での制御:直進巡航からブレーキを踏み、ステアリングを左へ深く切り込んでいくこの瞬間、アクセルはOFFなのでリヤへの駆動トルク(押し出す力)は「0」です。
しかし、システムは「車速の低下」「ブレーキ圧」「深い舵角」を検知した瞬間、「この後、交差点内で再加速が来る」と100%先読み(プロアクティブ)し、フロントの湿式多板クラッチを即座に締結し、あらかじめプロペラシャフトを路面速度と同調させて「いつでもリヤに駆動を伝えられる状態(4WD)」で旋回へと進入。
2)クリップフェーズ:アペックス(頂点)を通過し、アクセルをじわっと踏み始める
• プロペラシャフトの動き: 結合(激しく回る)
• トルク配分: フロント 60〜50:リヤ 40〜50(状況に応じて変動)
• 裏での制御:ステアリングが最も深く切られた状態で、アクセルを「じわっ」と踏み始めたこの瞬間、ウルトラクワトロはリヤへのトルク配分を最大級に高める。すでに進入で回してあったプロペラシャフトを介して、リヤタイヤへ一気に大トルクを分配し、「後ろから押し出す力」を立ち上げることで、フロントの摩擦円の負担を劇的に減らし、もっさり感を消してイン側へグイグイとノーズを向けさせます。
3)立ち上がりフェーズ:ステアリングを戻しながら加速を強める
• プロペラシャフトの動き: 結合(回る) → 離脱(停止)
• トルク配分: フロント 70 ~100:リヤ 30 ~ 0。
• 裏での制御:交差点を抜け、ステアリングをセンターへと戻していくにつれ、横Gが減少していきます。システムはフロントタイヤの摩擦円に余裕が戻ってきたことを確認しながら、リヤへのトルク配分を「30%…20%…10%」と、ドライバーに一切気づかれない滑らかさで減らしていくのだとか。ステアリングが完全に真っ直ぐに戻り、加速Gが一定の定常クルーズ(例:時速40〜50km/h)に入ったと判断された瞬間、リヤのドッグクラッチとフロントの多板クラッチが完全に解放され、プロペラシャフトは回転をピタッと停止。再び「無音FF巡航」へと戻る。
 
『結論』
街中の交差点左折は、「進入から立ち上がりの一歩手前まで、プロペラシャフトは常に回りっぱなし」だとか。「曲がる」という過渡期においては、アウディは絶対にFFのままサボらないそうで、やはりハルデックスで知見を得ていたのでしょうか。あの時代から培ってきた先読みアルゴリズムによって、フロントが悲鳴をあげる前にリヤを完璧に仕事に巻き込んでいます。
 

『まとめ』
いかがだったでしょうか?
ウルトラクワトロ。
私は、8VのS3でハルデックスカップリングを体験してきました。明確に違いがわかるのは雪道の登りと下りくらいでした。モータースポーツ時代はエンジン横置きのハイパワー四駆でしたので、S3ではどのような挙動を示すのか興味津々でしたが、街中ではボルボで言われていた第一世代のアクセルオンオフでのギクシャク感はありませんでした。もし、S3で違和感を感じたら、ハルデックスアップデートパーツをインストールするつもりでしたが、二年を待たず、なぜか売却していました。その後、メルセデスAMGの魔力にハマって、少し冷静になって、ラグジュアリーカーで今に至ります。エクステリアデザインはC7がこ好みですが、インフォテイメントを考慮するとC8という感じです。まさかタイヤ選択から駆動方式、トルク配分まで考える事になるとは露にも思いませんでしたが、やはり、工業製品としての車は面白い。ただ、電子デバイスではどうしても違和感は拭えない、やはり、センターデフは低速域重視ならビスカス。高速域重視ならトルセン。これで決まりかと再認識した次第です。

もう、車いじりは疲れたのです。
だから、ラインオフ状態で何もいじる必要のない車、且つ全輪駆動を取捨選択していくと、ここに行き着いたわけですが、やはり、メルセデスはすごかったが、Eだと200の四駆は加速で辛いし、53ほどはいらない。では、400はエクステリアデザインで家族に嫌がられた。本当は540ツーリングが本命だったが、玉数なしで断念。で、クワトロと言いつつ、ほぼFFのA6。期待せずに試乗したのに、3者で一番静かで、且つ、コイルバネの電製なしのダンパーでこの動き。一発で落ちました。まあ、一長一短あるもんで、ステーションワゴンのオーナーズカーでこれ以上何を望むのか。分不相応な気もするが、何より長距離移動で疲れにくい。ほんとはセンターにトルセンデフだったらもっと疲れないのだろうけど。

私が現役の頃に体感したのは、モータージャーナリストの記事は鵜呑みにしてはいけない事。まあ、限界域まで扱える人間が何人いるか?
まあ、水野さんと清水さんくらいじゃないかな。元トヨタの方はbmwやスバルさんに車作ってもらってるんだよね。

私のこれまでの体験と知見をここに記してみたが、クワトロや足回りに悩んでいる人の足しになれば、これ幸いでございます。
Posted at 2026/10/03 15:46:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月30日 イイね!

第三弾!! 同じA6でもこれだけ足が違うのね




A6サスペンション比較

45と55のフロントサスペンションの写真を参照ください。
まずはブレーキディスクの径とキャリパーの違いに驚きました。
調べると、55は6ポッドらしいです。どうりで、よく停まるわけです。
以下本文です。

AIってすごいです。ショックアブソーバーの寸法とスプリングバネレートを教えて。と聞くと、スラスラ〜と返答があるんです。ただ、純正の数値はわからないとのことで、ザックスなどのOEMメーカーから推定値を導き出したようです。またまた、私の超個人的思考でサスペンションについて、備忘録として掲載したく思います。オタク話なので、ドン引きされたら申し訳ないです。

1. フロントショック寸法
* 標準ダイナミックサスペンション
* 最大長(伸びきり): 522 mm
* 最小長(縮みきり): 359 mm
* 有効ストローク量: 163 mm
* S lineスポーツサスペンション
* 最大長(伸びきり): 502 mm (標準比 -20mm)
* 最小長(縮みきり): 359 mm (標準比 ±0mm)
* 有効ストローク量: 143 mm (標準比 -20mm)

2. リヤショック寸法
* 標準ダイナミックサスペンション
* 最大長(伸びきり): 657 mm
* 最小長(縮みきり): 450 mm
* 有効ストローク量: 207 mm
* S lineスポーツサスペンション
* 最大長(伸びきり): 637 mm (標準比 -20mm)
* 最小長(縮みきり): 450 mm (標準比 ±0mm)
* 有効ストローク量: 187 mm (標準比 -20mm)



◯2cm低い「S lineスポーツサス」のマジック

両車を乗った立場からすると、この数値だけで、自分が感じた印象を裏付ける結果となりました。アウディがS lineのスポーツサスペンションのセッティングの意図を想定したく思います。

マジック①:縮み側のストローク(最小長)を1mmも犠牲にしていない
一般の社外ローダウンスプリング(H&Rやアイバッハなど)を標準ショックに組むと、車高が下がった分だけ「縮み側のストローク」が物理的に減り、段差で簡単にバンプタッチ(底突き)して「ズシン!」と不快な衝撃が出ます。それだけではなく、フルブレーキ時、ショックのストロークで人間がロッタタイミングをコントロールするのですが、サスペンションストロークが短いと、ブレーキは即ロック。クローズドコースのバックストレートから白煙あげてのフラットスポットを作るのは恐怖以外の何物でもありませんでした。やはり、スプリングには最低限の自由長は必要と実感した出来事でした。とはいえ、今はABSがある。が、私は今でもロックするか、しないかギリギリは大概コントロールできる。かも。

アウディ純正S lineは、最小長(縮み限界きり450mm/359mm)を標準車高と「全く同じ」にしています。これは、ショックアブソーバー内部のピストンロッド長(またはケース内寸)をショート化し、「伸び側のストローク(リバウンド)だけを20mm短縮して車高を下げている」いわゆる、ショートストロークショックアブソーバーです。スプリングで車高を落とす時の常套手段です。これにより、2cm低い車高でありながら、段差に乗った際の縮みきりまでのマージン(バンプトラベル)は標準車高とほぼ同等にキープされています。これが「低くても底突きしない」純正のマジックです。

マジック②:伸び側を規制(リバウンドストロークのカット)したことによる「低速アンダーの解消」

標準のダイナミックサスペンションはリヤに207mmもの膨大なストロークがあります。そのため、悩みの始まりであった120km/hで横風外乱が入った際、イン側のリヤサスが「ビヨーン」と大きく伸びようとします。アウディはこれを嫌い、イン側が伸びて姿勢が崩れるのを防ぐために、あえてアウト側の縮み減衰を突っぱねてロールを抑える(結果としてドアンダーになる)という力技のセッティングをしています。
対してS lineは、リヤの伸び側を20mm最初から規制(187mmへ短縮)しています。
イン側が必要以上に伸びないため、アウト側の縮み減衰をそこまでガチガチに突っぱねる必要がなくなり、サスペンションの左右の連携(過渡特性)がスムーズになります。もちろん、スタビライザーの影響はないとの仮定です。確かに前車S lineのときの方が、素直に曲がると感じたのですが、この伸び側カットによる恩恵と思われます。


1. ローダウンは車体上部のロールは逆に増えるんですよね
ショックアブソーバーのケース長(筒)を変えずにロッドを20mm短くしてローダウンすると、車両正面から見たロワアームはバンザイ、逆ヤジロベエとなり、(車体側が下がり、ハブ側が上がる)平行を通り越してバンザイ側へ深く入ります。
これにより、ロールセンターが変わるのです。
1. ロールセンターが「車高の下がり幅(20mm)以上」に、地面の下へと急降下する。
2. 重心とロールセンターの距離(ロールモーメントのレバー比)が物理的に長く(遠く)なる。
3. つまり、コーナリング時に「車体をロールさせようとする力(ひねり)自体は増える」。

これは、ローダウンをして、ロワアームの角度が変わるとロールセンターが下がりルーフなど、車体上部のロール量が増え、不安定を助長することにつながります。対策としては、車高調や、筒のみを短くしたダンパーでロワアームの角度をダイナミックサスペンションと同じ角度を維持するしか方法はありません。

では、ローダウンで増えたロールはどうやって抑えているのか?
車体上部のロールが増えるはずなのに、S lineがシャキッと走る理由は「バネレート」と「減衰力」強化です。S lineの設計において、スプリングのバネレートをダイナミックサス比で約10〜15%アップし、ショックアブソーバーの縮み側の低速減衰力を高めています。ジオメトリの悪化(ロールモーメントの増加)を、「バネとダンパーの硬さ」で物理的に突っ張らせて、ロールスピードを力技で抑え込んでいるのがS lineの正体です。

2. 45 S lineと55 ダイナミックの「体感の差」の正体

◯私が感じた45 S lineで「車体の方が下にある感覚」

45S line試乗の時点ですぐに感じたのが、段差を越える際、足が車体より上にあるというか、車体が下へ引っ張られる感覚を覚えました。55のダイナミックサスペンションの比較できたからこそわかる、「伸び側ストローク(リバウンド)の不足」と「高すぎるバネレート」が原因かと。
S lineは前述の通り、伸び側ストロークを20mmカットしています。段差の凹みにタイヤが落ちる際、サスがしなやかに伸びて路面を追従する余裕が足りず、すぐにショックが伸びきり「突っ張った足が、車体を下にガツンと引きずり下ろす」動きをします。だからこそ、サスの下に車体があるような、余裕のない感覚になります。


◯55 ダイナミックサスペンションで感じた「車体の下で足が自然に動く感じ」

やはり、標準車高のジオメトリ(下反角)が機能している証拠と思いました。
標準車高ではロワアームに理想的な「下反角」もしくは限りなく水平な角度がついており、ロールセンターが重心に近いため、無駄なロールモーメントが発生しないと確信できました。バネや減衰力を必要以上にガチガチに硬くしなくても、ジオメトリの妙で自然にロールが抑えられます。
さらに、フロント163mm / リヤ207mmという膨大なストロークが1Gの上下にたっぷり確保されているため、段差を越える際も車体(マス)はフラットを保ったまま、文字通り「車体の下で、足(アームとダンパー)だけが独立して綺麗に上下にストロークしている」状態が作れます。セッティング屋が理想とする「フラットライド」の動きです。

「ダイナミックサスペンション」 vs 「S lineスポーツ)」

特性項目 標準ダイナミックサスペンション S lineスポーツサスペンション 変化の割合と設計意図
フロントバネレート 約 8.5 kg/mm 約 9.6 kg/mm 約 12〜15% アップ
V6エンジンの荷重によるバンザイを抑える
リヤバネレート 約 7.8 kg/mm 約 8.8 kg/mm 約 10〜12% アップ
アバントの積載時の沈み込みを抑制
ショック減衰力(縮み) 低速:しなやか
高速:強め(突っぱね) 低速:20%強化
高速:標準と同等 低速域(ロール初期)の減衰を強化
アームが動く初期の粘りを持たせる
ショック減衰力(伸び) 全域:標準(戻りは速い) 全域:25〜30%大幅強化 リバウンド(伸び)を強烈に引き戻す
ショートストローク化の底付きを防止


🔳55TFSIにおける2つのサスの「味付け」の決定的な違い

① バネレート:なぜ15%近くも上げているのか?
ショックアブソーバーのケース長を変えずにロッドを20mm短くするとロワアームがバンザイ、逆ヤジロベエになるため、旋回時に車体を転がそうとするロールモーメント(レバー比)が物理的に大きくなります。
55TFSIはV6の重い心臓を積んでいるため、標準のバネのまま車高を下げると、コーナリング中にフロント外輪がソッコーでストローク限界を迎えてしまいます。アウディはこれを防ぐために、バネレートを15%近く高める(約1.0kg/mm強のアップ)ことで、バンザイによるロール量の増加を相殺しています。

② 減衰力:伸び側「30%アップ」がもたらすマジック
あなたが感じ取った「S lineの伸び側が穏やか(もっさり)だった」というインプレッションの裏付けがこれです。
アウディはS lineのショックの「縮み側」の減衰は初期(低速域)を20%ほど締めるに留めていますが、「伸び側」の減衰力は30%近くまで大幅に引き上げていますこの、初期の減衰がもっとも大切です。通常のコーナーでは初期の減衰に依存しており、初期の立ち上がりに優れたダンパーであれば、鋭い動きを実現できます。

そして、バネが15%硬くなっているため、段差を越えた後はバネの反発力で「パツン!」と勢いよく足が伸びようとします。それをこの30%強化された伸び側減衰が「グググッ」と強烈に抑え込むため、ピストン速度が上がらず、結果として「もっさり、穏やか」という上質な一体感に化けるわけです。


◯45 S lineのスポーツサスペンションと、55 ダイナミックサスペンションの「動きの謎」を考える。
* 55ダイナミック(現車)は、バネをあえて「遊ばせる(自然に動かす)」
バネレートを抑え、伸び側の減衰もニュートラルに抜いているため、段差に対して「車体の下で足が自然に動く」という100点満点のストロークをします。しかし、バネがしなやかなぶん、超高速域での姿勢を安定させるために、アウディはリヤのショックの縮み(高速域)を突っぱねるという歪んだ減衰特性を与えざるを得なかった。
* 45 S line(前車)は、バネと伸び減衰で「車体を強固にホールドする」
アームがバンザイしていても、硬いバネと、それを強烈に引き戻す伸び減衰のせいで、足が勝手に動く余地(遊び)がありません。常に車体と足が一体化して「もっさり」と動くため、段差では「足より車体の方が下あるような違和感」が出ます。
つまり、S lineはジオメトリの不利(バンザイ)を、「バネと伸び側減衰力のツインコンポ」で完全にロックアップしてごまかすマジックを使っていました。ラグジュアリーカーとしてクレームが出ないギリギリの線で、もっさりと動かして硬さを隠しているのではないかと想定しました。

現車の55ダイナミックサスペンションは、バネ(約8.5k)もダンパーもジオメトリ(下反角)も最高に素直です。ただ一つ、アウディが超高速巡航のために仕込んだ「リヤサスの突っぱり」という悪癖のせいで、サイドの緩いADVAN dBを履いたときにだけ、高速道路の横風で過渡特性が破綻してお釣りをもらう。そこで、もう一つ。大切なギミックが隠れていました。

その答えは高速道路の一定速度でプロペラシャフトを停め、完全FFの動きになる「ウルトラクワトロ」です。もし、トルセンデフのように常時4輪にトルクがかかっていれば、ここまでリヤの圧側(縮み側)の減衰を高くしなくても良かったのではないかと感じます。とはいえ、フロントヘビーという物理的制約がある以上、ある程度圧側の減衰を上げざるを得ないはずです。


『運転していて頭が揺すられるのはスポーツサスペンション』

ローセンターが低いほど、頭を揺さぶられる感覚になるんです。というより、本当にゆさぶられています。もう、おわかりかと思いますが、slineのほうが頭を揺すられます。しかし、なぜ車高の低いS lineの方が、コーナーで「頭が揺れる感覚(上半身が揺さぶられる感覚)」が大きくなってしまうのか。そのメカニズムを掘り下げたく思います。

1. ロールセンター降下による「ロールモーメント(ひねる力)」の増加

S lineでアームがバンザイしてロールセンターが地面の下へ落ちると、重心(車体の上家)を横に倒そうとする「レバー比」が長くなります。これにより、ハンドルを切った瞬間に車体をロールさせようとするエネルギー(ロールモーメント)自体は、標準の55 ダイナミックサスよりも物理的に大きくなっています。


2. 「バネの突っぱり」と「伸び側減衰」のケンカ

アウディはこの増えたロールを抑えるために、バネを15%固め、伸び側の減衰を30%近く強めました。コーナリング中、イン側の足が伸びようとするのを強力な伸び側減衰力で「グググッ」と抑え込み、アウト側の足は硬いバネで突っ張らせます。
一見、これでロールが止まってフラットに曲がれそうに見えますが、ここに落とし穴があります。外から見れば車体は傾いていない(ロール角は小さい)ように見えますが、車体の内部(乗員)にかかる「横Gの伝わり方」が、ジオメトリが綺麗なダイナミックサスとは根本的に変わってしまうのです。

3. 「頭が揺れる感覚」の正体
* 55 ダイナミックサス(現車):自然なロール
ジオメトリが綺麗(下反角がある)なため、ロールセンターが重心に近く、車体は「乗員の腰のあたり」を中心に綺麗に、自然にロールします。そのため、車体は傾いても頭の位置はブレにくく、視線が安定します。
* 45 S line(前車):支点が低いロール + 逃げのない突っぱり
ロールセンターが地面の下(低い位置)にあるため、車体は「足元のずっと下」を支点にして、扇形のように大きく振られる動き(振り子運動)の成分が強くなります。
しかも、バネと伸び側減衰でロールを力技で止めているため、路面の微細なうねりや横Gの立ち上がりが、サスペンションでいなされずにダイレクトに車体上部(キャビン)へと突き抜けます。
結果として、コーナー中に「車体自体はあまり傾いていないのに、乗員の頭は左右にカクカクと大きく揺さぶられる(もっさり動くのに頭の座りが悪い)」という不自然な挙動が完成します。


『今回のまとめ』

自動車メーカーが本気で作り込んできた黄金比には敵わない。億単位の開発費と何万キロものテスト走行から導き出されたメーカー純正のバランスには、必ず「その数値にせざるを得なかった黄金比」が存在するはず。ちなみにC43のショックアブソーバーは筒自体も短くして、理想な足でした。しかも、筒を短くした分、ダンパーのガス容量不足を危惧したのでしょうか?
なんと、ショックアブソーバーに、別タンクがついていた事や、頑強そうなナックルアームなど、最初みたとき「ほえーっ」と感嘆の声が出ました。残念ながら、アウディA6ではそこまでコストはかけていないようですが、ソフトな乗り心地を求めるとA6に落ち着くわけでした。

後日、ウルトラクワトロについても触れたいと思います。
Posted at 2026/09/30 22:03:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月25日 イイね!

第二弾 車は右足とリヤで曲げる。A6、C43、そしてエボの現場に見る四駆思想のリアル

実は私、かつてモータースポーツの現場で足回りのセッティングをガチでやっていた経験があります。時代はランエボI〜IVの全盛期。まだ電子制御が今ほど万能ではないアナログな時代にフロント・センター・リヤの「3つのLSD」そしてサスペンションセッティングの難しさに七転八倒していた人間でして、思うところを残しておきたくブログに記しますが、長文かつ、オタク話な点、ご容赦ください。

前回の「A6の横風対策タイヤ方程式」の記事が予想以上にロジカルな話になってしまったので、今回は少し毛色を変えて、私の「完全なる独り言(ディープなシャシーオタク話)」を書いてみたいと思います。

当時は現場にショックアブソーバーメーカーに来てもらい、スプリングとダンパーを現地で取っ替え引っ替えしながら過渡特性を追い込んでいました。そんな、データブックには載っていない「リアルな泥臭い経験値」を私の視点から、ジャーナリストのお決まりの提灯記事を一蹴、アウディ、メルセデス、BMWの四駆・足回り思想のリアルを思うがまま書き込みます。



【哲学】車はリヤで曲がり、右足で曲げる

まず、セッティングの基本として「車は右足で曲げるもの」です。なんのこっちゃ。ですよね?うんちくで紐解きます。

まず、コーナー進入時に、ブレーキを何パーセント残してステアを切り始めるか。この右足のさじ加減ひとつでフロントへの荷重移動(スプリングの自由長の分でタイヤをフルロックさせない時間を作れる。ダンパーでロールスピードを制御)をミリ単位でコントロールし、進入時の頭の向きをオーバー気味にするか、弱アンダーに落ち着かせるかを自由自在に演出します。正確にはリヤの流れ出し速度を決めるのがショックアブソーバーのロール速度です。

そして、フロントはステア操作でいくらでも誤魔化せますが、車が本当に1本の美しい旋回軌跡に乗るかは「リヤサスがロールを始めて踏ん張った瞬間」にかかっています。基本はバネレートで動きが決まりますが、ロールスピードを支配するのはショックアブソーバーの減衰力。このリヤのダンパー減衰(特に縮み側)をどうセッティングするかで、クルマのキャラクターはアンダーにもオーバーにも180度変わります。これらを踏まえて、各車の「足回り」を雪山で振り回すと、メーカーの「設計思想」が見えてきます。

① アウディA6(C8 55 TFSI)は「意地でも滑らせないドアンダーマシン」
ハッキリ言って、雪道でA6を振り回そうとしても全く面白くありません。退屈です。リヤが微動だにしないからです。アウディの縦置きクワトロの構造上、重いV6エンジンはフロントアクスル(前輪車軸)よりさらに前にせり出してマウントされています。物理幾何学の法則の通りであれば、本来はリヤが振り子のようにすっ飛んでいく「テールハッピー」になるべきパッケージです。

それをアウディのエンジニアは、リヤダンパーの「縮み側」の減衰を強烈に突っぱねるセッティングにすることで、意地でもリヤを滑らせない仕様にしていると看破しています。

本来ならしなやかに追従させるために「縮みは低く、伸びは高く」すべきところを、おそらく縮みと伸びの減衰差がほとんどないレベルで固めています。実はこれ、昔私が足回りセッティングで同じことをやって失敗した挙動と全く同じなんです(笑)。B8型のA4クワトロもしばらく乗っていましたが、この「絶対にリヤは出さない」というアウディのドアンダー思想は1ミリも変わっていません。というより、そうしないと、ラフなアクセル操作でオーバーステアを誘発するからです。ちなみに、以前乗っていた横置きハルデックスの「8V S3」は楽しかったですが、雪山では登りは四駆、下りはただの前輪駆動(FF)になっていました。


② メルセデスAMG C43(S205)の「自由自在と電光石火の牙」
前々車だったAMG C43 ステーションワゴン(S205)は、打って変わってめちゃくちゃトリッキーで、最高に楽しい車でした。

右足のブレーキとアクセルひとつで、挙動をオーバーにできたからです。ただし、限界を超えた瞬間の挙動変化が凄まじく激しい。ひとたびリヤのグリップが剥がれたら、電光石火のハイスピードステア操作で「フンッ!」と声が出てしまうほどの超速カウンターを当てないと、一瞬でスピンモードに入る危うさを持っていました。

これには2つの技術的理由があります。
ひとつは、C43の4MATICが「前後31:69」という強烈なFR(後輪駆動)寄りのジオメトリであること。メルセデスは普段「老若男女誰が乗っても安全なド安定」を作るようですが、グリップの限界を超えた瞬間に、ベースであるFRの「スピンモードへの立ち上がりの早さ」が一気に顔を出します。

もうひとつは、セダンではなく「ステーションワゴン」だったこと。ワゴン特有の荷室荷重に耐えるため、リヤのロール剛性(スタビやバネレート)が最初からかなり高く引き上げられていたため、限界までは粘るが、滑り出した瞬間にグリップが「スパッ!」と唐屈に抜けるピーキーさがありました。

「メルセデスは退屈」なんてのたまう自動車ジャーナリストがいたら、「電子制御の安全圏でしか転がしていない、限界域のAMGの牙の鋭さを知らない提灯記事書きだ」と断言しておきます。


③ BMWへのリスペクトと、私が「四駆信者」になった理由
ここまで書くと「じゃあBMWはどうなんだ」と言われそうですね。
かつて私はE46型の330iに乗っていましたが、あのシルキーシックスのエンジン音を吸気側である助手席で聞きたいと願いつつも、ハンドリングとFRのコントロール性は本当に「最高」のひと言でした。本当は現行のM340iツーリングを欲しかったのですが、タイミングが合わず断念したという経緯もあります。ただ、FRはリアルに雪道に弱い。これは雪山に走りに行く人間としては致命的です。かつてE46時代にxDrive(4WD)を検討したこともありましたが、当時は左ハンドルしか設定がなく断念。かつてアナログエボでLSDをバキバキ言わせながら0.1秒に凌ぎを削っていた身としては、雪道での絶対的な安心感とモータースポーツでのゼロカウンターで立ち上がる姿勢や雪山での走破性を天秤にかけたとき、やはりBMWのXdriveに行き着く。私は完全なる「四駆(クワトロ)信者」ですね。


【結び】
今回の車選びはラグジュアリーを求めてA6 アバント55 TFSIななりました。Eや5も試乗しましたが、A6がもっとも「静か」だったのです。しかし、雪道で振り回す楽しさは皆無のラグジュアリーな「ドアンダーマシン」です。ただ、そのメーカー独自の設計思想(絶対にリヤを滑らせずに安全に2トンの巨体を走らせる)を知り尽くした上で乗るアウディは、それはそれで街乗りの極上の快適性を含めて十二分な性能です。もちろん、アラを探せばちょいちょいありますが、私のようなサラリーマンには贅沢な移動手段です。その移動手段もバランスを崩せば、悩みの種が産まれる。不思議なものです。タイヤ前軸より前に重心のあるエンジンを乗せて、本来であればテールハッピーな挙動になるのをアウディのエンジニアが緻密なセッティングで、防いでいるわけです。今はウルトラクワトロで、通常はほとんど前輪で駆動するようになりました。ハルデクックスで知見を得たのでしょうか?これで、さらにリヤは軽くなるわけです。トルセンでリヤ寄りに駆動していたのはいざいずこ。基本、FFな最近のアウディですが「トルセンデフ時代の矢のように直進する最高のグランドツアラー」にはなりませんが、100%機能するよう素地を活かせればと思います。

クルマって、構造をロジカルに紐解けば紐解くほど、本当に面白いですね。オタクの独り言に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。後日、ウルトラクワトロについても触れられたらと思います。なぜなら、ジャーナリストの記事では、「クワトロだから、矢のように直進する」を散見しますが、これは車をわかってない証拠です。ウルトラクワトロ採用の車は高速道路など、アクセル一定の直進時はただのFFです。なぜなら、「プロペラシャフトは回っていない」からです。

【ハッシュタグ】
#アウディ #Audi #A6アバント #C8 #55TFSI #S3 #クワトロ
Posted at 2026/09/25 17:25:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2026年09月22日 イイね!

【C8 A6アバント】120km/hの横風フラつきをサスを弄らずに直す方程式(C43〜45Sline〜55ダイナミックサスの軌跡)

【C8 A6アバント】120km/hの横風フラつきをサスを弄らずに直す方程式(C43〜45Sline〜55ダイナミックサスの軌跡)みなさんこんにちは。

C8型A6アバント(55 TFSIダイナミックサスペンション)の「高速域での横風フラつき」と「タイヤ・ホイール選びの深い沼」について、自分なりのロジカルな結論が出たので、備忘録を兼ねて記載します。

実は私、かつてモータースポーツの現場で足回りのセッティングをガチでやっていた経験がありまして、クルマの挙動やジオメトリの変化にはこだわりのある人間です。「新東名120km/h区間で車が横風に煽られて、ステアの微修正で疲れる…」といる悩みからめでたく解放されたので共有させてください。


【第1章】これまでの足回り遍歴と「締結剛性」の記憶

① 前々車:メルセデスAMG C43(S205)
・フロント225/40R19、リヤ255/35R19(スタッガード仕様)
・タイヤ:ヨコハマ BluEarth-GT AE51
・乗り味:足はガチガチでしたが高速での安心感は絶大。横風の影響は皆無。後から知ったのですが、AE51はエコの皮を被った「超高剛性タイヤ」で、AMGの強靭なシャシーとネガティブキャンバー、精度高く組まれた40/35偏平がシンクロし、物理的な「ヨレ」が一切ありませんでした。
・ボルトの記憶:スタッドレス用の社外ホイールでヨレを感じた際、ホイールボルトを硬い高張力ボルトに変えただけで一発で解消した経験があります。ハブ面の「微小な滑り・ズレ」を抑える締結剛性の重要性をこの時痛感しました。

② 前車:A6アバント 45 TFSI S line
・2cm低いS lineスポーツサス、19インチ(コンチ・PremiumContact)
・乗り味:足が上下する際、ストロークはたっぷりあるものの、懐深く奥でググッ   と粘り込んで沈み込む感覚。正直違和感はあった。フロントが2.0Lで軽いこともあり、横風問題は一切なし。

③ 現車:A6アバント 55 TFSI デビューパッケージ
・3.0L V6クワトロ、標準車高(ダイナミックサスペンション)
・乗り味:納車時は5年落ちカチカチのP-ZERO(AOマーク)。強烈なワンダリング(轍取られ)に嫌気がさし、ラグジュアリー化を狙って19インチ化へ舵を切る。


【第2章】大失敗

社外レプリカホイール「A1196(8.5J×19 +35)」にコンフォートタイヤ(グッドイヤーe-Grip)を組んで大失敗。装着直後から「接地感が皆無でステアがダルく、ホイール自体がよれている感覚」に襲われ、さらに標準車高(ダイナミックサス)特有のキャンバー角の起きにより、フロントがフェンダーから完全にはみ出して即売却しました。


※元セッティング屋のメカニズム解説
・鋳造レプリカの剛性不足:結果として2トン近い55 TFSIのV6フロント荷重に対し、金属密度の低い鋳造ホイールはだったのかもしれない。走行中にミクロ単位でディスク面が歪んでいたと思われる。
・ハブリングの弊害:車種専用設計ではなくハブリングで隙間を埋める構造のため、車軸との結合剛性が根本的に足りなかった。
・インセット4mm外出しの罠:純正+39から+35にしたことでスクラブ半径が狂い、ステア中心付近の座りが悪化。

ちなみに、現在使っている冬用のMAKホイール(8J×18 +30)でヨレやだだるさを一切感じないのは、阿部商会取扱いのイタリア製で、ハブリング不要の「アウディ車種専用ハブセントリック設計」だから。8Jに絞ったおかげで、インセット+30でも計算通りはみ出しは完全にゼロ。締結剛性が純正同等に高いため、トレッド拡大によるだるさも相殺されています。さすが老舗、剛性はまずまず合格点以上です。



【第3章】現在の「アウディスポーツ20インチ + 中国ADVAN dB」の沼

デビューパッケージのホイールデザインが腑に落ちないが、A1196の教訓から、某オクで「アウディスポーツ純正20インチ」をゲト、アライメントも狂っていたのが分かっていたので、ディーラーで規定値にビシッと調整。ホイール側の剛性と純正ボルトによる締結精度は完璧に復活しました。
街乗りは静かで極上のラグジュアリー(100点満点)。

……しかし、新東名の120km/h巡航で、強烈な横風フラつきが発生。ステアを常に微修正しなければならず、めちゃくちゃ疲れるハメに。(現在は空気圧2.8barまで張って、風船効果で応急処置中)

タイヤは同じくオークションで出品していた信頼の未使用「ADVAN dB」。中国専売と知りつつ(255/40R20)を購入したのが二つ目の盲点でした。調べればしらべるほど、中国市場向けプレミアムタイヤは『骨格が柔らかいから』ではなく、『プレミアムコンフォート特有のパターン剛性(細かいサイプ)の低さ』と『2.8barという高内圧セッティングによる動的バランスの崩壊』にありました。V6の重い鼻先と120km/hの横風の入力に対し、内圧を上げ縦方向へのゆとりをなくした状態で、横方向の入力があるれば、破綻に向かう。……これがフラつきの真犯人と想定しました。


【第4章】サスペンションジオメトリへの洞察

ここで「スプリングだけ変えてローダウンしようか」「KONIのダンパーに変えようか」と一瞬頭をよぎりましたが踏みとどまる。
考えてみたら、「ドイツ本国でも、このダイナミックサスペンション(標準車高)でアウトバーンを200km/hで走っているはず。ダンパーの容量不足なわけがない」と。

むしろ、ダイナミックサス(標準車高)は1G状態でロワアームが外側へ下がる「下反角(逆ハの字)」を維持しており、アームの円運動において「最もスクラブ変化が少なく、素直に上下ストロークする」領域を使っている。だからこそ「ちゃんとタイヤの上に乗って、足が綺麗に動く」という素晴らしいソリッド感がある。正直、2cm車高が低いS lineのスポーツサスより挙動は自然。これをバネだけでローダウンすると、ロールセンターが下がり、逆に重心との距離が開いて「車体を傾けようとするテコの力(ロールモーメント)」が増えて不安定になり、ダンパーの底付きにも繋がります。

かつてコンチのAOプレミアムコンタクトを履いていた時、ディーラーが空気圧をあえて規定の2.5barではなく「2.2bar」で納車してきたことがありました。自分で2.5barに上げたら、段差でポコんと「空洞共鳴音」が鳴り、なるほどアウディのディーラーは高剛性な欧州タイヤの固有振動数(音のデータ)を持ってあえて内圧を落としていたんだな、と唸った記憶があります。サスペンションと高剛性タイヤのデータを知り尽くした本国の足回りの設計は、それほどシビアとも実感しました。

つまり、サスペンションは100%悪くない。

問題は、本国基準(ガチガチのAOマーク等)に達していない「タイヤの横剛性(中国専売dB)」か?



【最終結論】特効薬は「FALKEN AZENIS FK520L」

アウディのエンジニアが計算し尽くした標準車高のストロークジオメトリを一切崩さず、120km/hの横風をねじ伏せるための唯一にして最大の特効薬はUHP。でも、MやCは驚くほどお高い。お財布の中身と相談するとFALKEN AZENIS FK520L。

みんカラの先輩が、前作「FK510」に対して「ミシュランに比べるとサイドが柔らかく高速域で少しマイルド」と評価されているレビューを読み、一瞬躊躇したのも事実です。

しかし、最新の「FK520L」を調べるとメガ進化している事を知ります。骨格に防弾チョッキ用のプレミアム素材「アラミド」を用いたハイブリッドレイヤード構造を採用し、前作の弱点だった横剛性(耐たわみ性能)が劇的に強化されているそうです。

サーキットを攻めるカミソリのような過激な応答性までは必要ありません。私が自車に求めているのは「街乗りのしなやかなラグジュアリー空間をキープしたまま、120km/hの横風によるタイヤの横ヨレだけをピンポイントでシャットアウトすること」。そう考えると、この最新のFK520Lこそがベストバランスだと確信しています。

……と言いつつ、今履いている中国アドバンdBの溝がまだしっかり残っているので、しばらくは内圧変化も計算に入れつつ、春先の寒い時期に合わせた2.8bar仕様で乗り切り、摩耗したタイミングでFK520Lへリプレイスしたら続報します。
(メーカー規定値の2.5barスタートでどう化けるか今から楽しみです)
長年考え抜いた足回りの謎とパズルが、元・足回りセッティング屋の視点からも綺麗に1本の線で繋がってスッキリしました。


長文お読みいただきありがとうございます。
続編がありましたら掲載しますね。


【ハッシュタグ】
#アウディ#C8 #55TFSI #ダイナミックサスペンション #直進安定性
Posted at 2026/09/22 20:22:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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