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2013年02月18日

トランスミッションのユルい理解② ドグミッション操作のポイント

ドグミッションの愛護的操作の一見解。


①シフトチェンジの過程
 シフトチェンジはメカニカルにはギアを抜く→ギアを入れるの2ステップからなる。
 これはIパターン、Hパターン、シンクロ付きを問わずで、特にIパターンはリバースと1速の間にニュートラルがあって1速から上は連続しているイメージだが実際はHパターン同様に各ギアの間でニュートラルを経る。

 これら2ステップにおける操作上のルールは
 ①ギアを抜く…ドグクラッチドリブンギア間のトルクをゼロにしてやる
 ②ギアを入れる…ドグクラッチドリブンギアの回転数を合わせてやる
の2つが重要で、加速状態・減速状態でこれらをどのように実現するかを以下で検討する。


②シフトアップ 1stテップ…ギアを抜く
 1速で加速中に2速へシフトアップするシチュエーションでアクセルオンの状態から。まず1速ドリブンギアから1速ドグクラッチを抜く。

 加速中、1速ドリブンギアと1速ドグクラッチとはあるトルクで押す・押されるの関係にある。このギア間のトルクの大小は伝達される元のエンジンが発生するトルクの大小に準じ、大トルクで加速中ほど大きくなり、小トルクになるにつれ小さくなっていく。そしてこのギア間のトルクがゼロになった瞬間が最も容易にギアが抜けるタイミングとなる。
 アクセルワークから見るとワイドオープンからパーシャルにするにつれてギア間のトルクは減少し、オフにするとトルクは逆方向に転じる。ということはパーシャルとアクセルオフの間にギア間のトルクがゼロになる瞬間があり、それをギアを抜くべきタイミングとみなせる。
 実際の操作は、シフトレバーを2速方向へ軽く力をかけておき、アクセルをオンからオフにするのみ。ゼロトルクになった瞬間にギアが容易に抜ける。クラッチ操作は不要。


③シフトアップ 2ndステップ…ギアを入れる
 続いて2速ドリブンギア2速ドグクラッチを入れる。

 ドグクラッチを入れるには両者の回転数を合わせる必要がある。ドグクラッチの回転数は車速に規定されており、ドリブンギアの回転数をドグクラッチの回転数に合わせる。
 加速中なら2速ドリブンギアの回転数>2速ドグクラッチの回転数なのでドリブンギアの回転数がドグクラッチの回転数まで下がるのを待つ。1stステップでギアを抜くのにアクセルオフにしており、そのまま待つことになる。

 実際の操作は、ギア鳴りを起こさない程度にシフトレバーを2速方向へ力をかけておけば回転数が合った瞬間にギアが容易に入る。クラッチ操作は不要という意見が多い。


④シフトアップ操作のまとめ
 あらかじめシフトレバーにギアを入れたい方向に軽く力をかけておくと、アクセルをオフにした瞬間に元のドリブンギアから抜け、ごくわずかな時間経過の後に次のドリブンギアに入る。

 この一連の操作に伴いクラッチ操作を必ずしも必要としないが、個人的には次のギアに入る時のショックは許容範囲を超えているので軽くクラッチを切ってショックを緩衝するようにしている。







⑤シフトダウン 1stステップ…ギアを抜く
 2速で減速中に1速へシフトダウンするシチュエーションでアクセルオフの状態から。まず2速ドリブンギアから2速ドグクラッチを抜く。

 減速中、2速ドリブンギアと2速ドグクラッチは加速中とは逆方向の押す・押されるの関係にある。シフトアップ時と同様にこれをゼロトルクにしてやれば抜けやすい状態となる。
 実際の操作は、シフトレバーを1速方向へ軽く力をかけておき、アクセルオフからオンにするのみ。ゼロトルクになった瞬間にギアが容易に抜ける。クラッチ操作は不要。


⑥シフトダウン 2ndステップ…ギアを入れる
 続いて1速ドリブンギア1速ドグクラッチを入れる。

 減速中は1速ドリブンギアの回転数<1速ドグクラッチの回転数なので、1速ドリブンギアの回転数を上げてやる必要がある。
 回転数を上げる方法はクラッチをつないだ状態でアクセルオンにすること。クラッチをつないだ状態でなければアクセルオンにしてもエンジン〜フライホイールまでしか回転数は上昇せず、ドリブンギアの回転数は上昇しない点に留意。
 シフトダウンの1stステップはクラッチをつないだ状態でアクセルオンで、2ndステップもクラッチをつないだ状態でアクセルオン…すなわちシフトダウン時の2ndステップも「そのまま待つ」である(実際は瞬間的なものだが)。

 実際の操作は、ギア鳴りを起こさない程度にシフトレバーを1速方向へ力をかけておけば回転数が合った瞬間にギアが容易に入る。クラッチ操作は不要。


⑦シフトダウン操作のまとめ
 あらかじめシフトレバーにギアを入れたい方向に軽く力をかけておくと、アクセルをオンにした瞬間に元のドリブンギアから抜け、ごくわずかな時間経過の後に次のドリブンギアに入る。

 この際必ずしもクラッチ操作を必要とせず、シフトアップ時よりもギアが入る時のショックは少ないため個人的にはクラッチ操作はしない。クラッチ操作を行わなければ左足ブレーキが使えるので、安定したブレーキングとシフトダウンを同時に行えるメリットが期待できる。


⑧ドグミッションにおけるシフト操作のまとめ

以上から実操作のポイントをまとめると、
 ①原則クラッチ操作は不要
 ②シフトチェンジに先立ち入れたい方向へシフトレバーに軽く力をかけておく
 ③シフトアップならアクセルオフ、ダウンならオンでギアを抜く〜入れるまで一気に行う


実際の走行シーンです。
シフトアップはクラッチ併用、シフトダウンはクラッチレスです。




【参考動画】
◯シフトアップ・ダウンともクラッチ併用
 「F1 - Foot Camera With Ukyo Katayama - 1993 Japanese GP
◯シフトアップ・ダウンともクラッチレス
 「Colin McRae Pedal Cam
HKSの開発者による解説
同解説者による運転

【画像出典】※改編の上引用
◯'how stuff works
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2015/03/04 20:07:16

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この記事へのコメント

2015年3月4日 21:17
文章を読むと、なんて気難しいミッションなんだろう~!とビックリです^^;
同じT/Mでもシーケンシャル方式の方が優しいのかな。。。

一度だけトラストの6速積んだFCに乗った事ありましたけど、操作は素早くね!とアドバイスされましたっけ。
妙にスコンと入るシフトとギア鳴り音しか記憶にねっす^^;
コメントへの返答
2015年3月4日 23:34
とどのつまりは最後の①〜③に尽きるのでシンプルなハズですが、ウダウダ書きすぎてわかりにくいですね(・・;)

シーケンはバレルカムで縦の動きを横方向にも変換しているためか、Hパターンより思い切った操作が必要な気がします。

バイクで誰もがあれこれ考えずに乗れるのは素早く、相対的に大きな力で操作しているから何でしょうね。やっぱりシャープな操作は重要だと思います。

プロフィール

「パーツインプレッション「Work Bell RAPFIX II」
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https://minkara.carview.co.jp/userid/359074/car/262856/12584352/parts.aspx
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1993年からゆるりとFCに乗り続けてます。 メカの知識も運転技術もゆとり系です。 instagram: https://www.instagram....
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