
物体の衝突を扱うとき、運動ベクトルや力積、
運動慣性、エネルギー保存則、力の作用、反作用や
破壊弾性、衝撃の分散吸収、角運動等、いろいろと
ややこしい話が出てくると思いますが
白バイ衝突時バスが全く微動だにしなかった場合と
奥に数十センチ動いた場合とでは、その衝撃による
両車の破壊吸収が違ってくることは想像できます。
この図中の『運動エネルギー保存則』の絵は、私が説明するまでもない
物理であることは、小中学生レベルでも理解できると思います。
そして、いつものように幼稚な思考実験ですが(図参照)
たとえば、割れやすいタマゴを壁に投げぶつけたとき
①図中の硬い壁:全く微動だにしない硬い壁にぶつかった場合
②図中の壁B:タマゴの衝突で凹む緩衝材にぶつかった場合
③図中の壁A:タマゴの衝突で凹みながら奥に動く緩衝材にぶつかった場合
①は例外なく割れてしまうでしょう。
②の
タマゴBは、割れないにしても、ヒビが入るかもしれません。
③の
タマゴAは全く割れないかもしれません。
また、同じ運動量を持った物体であっても
点衝突の場合と、
面衝突の場合でも、破壊部位の様相は違ってきます。
・実験的に前輪を動かないように固定したバイクを
バス側面に真っ直ぐ直角にぶつけた場合(衝突断面積は狭い)
・通常どおり前輪を固定せず
バイクを真横にしたままバス側面にぶつけた場合(衝突断面積は広い)
この場合、同じ相対速度での側面衝突であっても
バス側の破壊範囲や凹み具合、白バイ側の破損部位や破壊の程度は違ってくるはずです。
勿論、バスが微動だにしない場合と、奥に動いた場合とでも
当然ながら、はるかに前者のほうが両車とも酷い破壊状況になるはずです。
大変不謹慎な言い方になりますが、事故を起こした白バイは高速衝突をしながらも
・バスのバンパーや外板パネルが緩衝材としての役割を果たし
・うまい具合に前輪付近を軸にして横回転し、面衝突に近い状態を作り出し
・瞬間的なバスの荷重抜けタイミングにあわせて白バイ本体の重心部分が潜り込み
・バス内部構造体を奥に動かし横ズレを起こさせたため
衝突速度の割には酷い破壊を免れた
という見方ができるのではないか?と考えています。
白バイの衝突速度を推定する場合
バスを奥に動かしたか否かが重要な要素です。
衝撃緩和に関する参考資料:(驚異の衝撃緩衝新素材「アルファゲル」)
(株)ジェルテック 商品「アルファゲル」
この素材は『18メートルの高さから卵を落としても卵が割れない驚異の衝撃吸収素材。』
と説明されています。(高い場所からタマゴを落としても割れない動画も見れます)
アルファゲルで衝撃を吸収(個人サイト)
(タマゴを落としても割れない実験動画が見れます。)
Posted at 2008/02/17 21:09:41 |
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