
この写真では、すでに路面痕跡(タイヤ痕
擦過痕など)の多くが写り込んでいますが
白バイとバスを撤去する前に、路面痕跡の
すべてを捏造することが可能なのかどうかは
立場により意見が大きく分かれるところです。
今まで検証してきた「横滑り説」(衝突前のバスは右斜め状態だったことを前提)では
擦過痕との位置関係も含めて検証すると衝突地点はバスの右前輪後半あたりになり
その位置までバスフロント右角を戻さなければなりません。
バスが全く微動だにせず、白バイが直角にぶつかり左右への回転転倒もなく搭乗者も
白バイも“ 前のめり ”になって激しい破壊があったとしたら、多くの飛散部品は
衝突地点周辺の左右に散らばるはずですが、この事故形態では状況が違うようです。
●白バイ周辺の破片飛散具合が不自然(バス前面に飛散)との指摘があります。
白バイの衝突角度、時計回りの回転転倒、引きずり移動などが起きた場合には
部品飛散具合が、この写真のようになることは起こりえるものと考えています。
●また、白バイの右ボックスの内容物の飛散具合が不自然との指摘があります。
衝突の衝撃でフタが開き引きずられたとしたら、衝突近辺にあるはずであり
ボックス近くに内容物があるのは『バスが微動だにしていない証拠ではないか』
という考え方だと思います。
フタが開いたのがいつだったのかを特定できないので断定はできませんが
仮に衝突瞬間の衝撃で開いたとしても相当な減速Gと回転転倒による遠心力等が
あったことを考慮すると、内容物がボックス裏側に張り付いたあと、白バイの
右回転右転倒、引きずり後のG収束後に、こぼれ落ちたとの見方も可能であり
一概に不自然とは言い切れないものと考えます。
●さらに『事故直後の左タイヤ痕が写っている写真を見たことがない』という指摘が
あり、物証捏造、写真捏造という疑念の一つになっているようです。また、提出された
物証としての全写真のネガ開示がなされないかぎりは、証拠としては信用できないと
いう意見があり、
私も同様の投稿(状況見極めの見識不足だったかもしれませんが)
をしたことがあります。
『事故直後の左タイヤ痕が写っている写真を見たことがない』に関しても同感でしたが
現場の斜光条件と「横滑り説」による湾曲位置関係から考えると、左前輪のタイヤ痕は
バス左側が完全に影に入っていること、そして「タイヤ痕の途切れ箇所」などは車体下
に隠れている部分が多いことなどを考慮すると、実際に撮影されていたとしても印画紙
にハッキリと識別できるほどのコントラストが果たして得られていたものかどうか?
その場合、証拠写真としての価値があるのかどうか?ということも併せて考える必要は
ありそうです。
写真も捏造するとしたら、沢山あるそれぞれの写真ごとに路面痕跡の位置、角度、形状
等をすべて整合させなければならないはずです。(勿論、報道映像、報道写真もそれら
に整合させて捏造する必要が生じます)
現場に写しだされた路面痕跡を注意深く見てゆくと、その曲線具合、途切れ具合、
長さや角度や幅などの非対称具合は、まるで『横滑り仮説』を主張しているかの
ようですが、公判において検察側の主張には『横滑り仮説』とは相容れない全く
違う主張内容(速度60km/hの白バイとの出会い頭衝突とバスの急ブレーキ)しかも
バスの横ズレが考慮されていないのが不思議にさえ感じるところです。捏造してまで
あのように途切れ曲がった不可解なタイヤ痕を描く目的が理解できないのです。
半捏造(タイヤ軌跡の強調細工)、つまり直線的なバスの急ブレーキに見せかけたが
薄く途切れた前半部分を含めたタイヤ痕全体を検証してみると、バスの横ズレ事実が
明らかになってしまっている、というのが真相ではないかとさえ思えるのです。
いずれにしても、撮影されたネガをすべて開示すれば、このような疑念はスッキリする
はずですが『ネガは見当たらない』ので開示できないというのでは不信感が募るだけで
市民感情から言っても到底納得いくものでないことは当然の意見かもしれません。
(ネガの無い?
ポラロイド写真というものを使っているのだとしたら話は違ってきますが
そのようなカメラ情報は警察関係者しか知りえないでしょうから不明な点ではあります)