パワーチェックの分析と検証及び現在のキャブSET
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知らないうちに私の動画がTYGAのHPに埋め込まれていました。
販促として有用なんでしょうか?
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本題の分析です。写真は、VJ21Aとの比較です。両車両ともTYGAチャンバー・zeeltronicCDIを装着しています。
この写真を基に「3MAはチャンバー制約で不利」という通説を検証します
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■ 比較条件について
今回のダイノグラフは、RGⅤ250Γ(VJ21A) と TZR250 3MA の実測比較結果です。
Dynojet計測、CFはSAE、スムージングは5で統一されています。
いずれも実走行を前提とした仕様であり、極端なレース専用セッティングではありません。
■ ダイノグラフから読み取れる事実
● 最高出力はほぼ同等です
RGⅤ250Γ:約60.1ps(11,560rpm)
TZR250 3MA:約60.2ps(10,260rpm)
ピーク出力の数値そのものは、ほぼ同レベルであることが分かります。
● 最大トルクは3MAが明確に上回っています
RGⅤ250Γ:3.85kg-m(10,490rpm)
TZR250 3MA:4.21kg-m(10,210rpm)
約10%近いトルク差があり、しかも3MAはより低い回転数でピークを迎えています。
この点は実用域での扱いやすさに直結します。
■ 注目すべきはピーク値よりもカーブ形状です
この比較で重要なのは、単純な最高出力ではありません。
3MAは、
7,000rpm以降の立ち上がりが自然で
8,000〜10,500rpmにかけてトルクが厚いといった特徴が見られます。
一方、RGⅤ250Γは、
回転数で出力を稼ぐ特性という傾向が読み取れます。
■ 「3MAはチャンバー形状が不利」という通説について
3MAは、後方排気レイアウトのために
チャンバー取り回しの自由度が低く
理想的なチャンバー形状を作りにくい
といった理由から、不利と語られることが多いです。
しかし、このダイノ結果を見る限り、
その構造的制約が、性能面で決定的なハンデになっているとは言えません。
適切な管長、容積配分、排気タイミングとの整合が取れていれば、
3MAは十分に高い出力とトルクを両立できることが示されています。
■ エンジン設計そのものを見た場合
個人的に最も興味深い点はここです。
3MAのエンジンは、
シリンダ配置
掃排気設計
燃焼の安定性
といった基礎設計の部分で、RGⅤ250Γより優れている可能性が高いと感じます。
チャンバーの制約ばかりが注目されがちですが、エンジン本体の素性自体は決して悪くありません。
■ 結論
「3MAはチャンバー制約で不利」という単純な評価は当てはまりません
排気系を適切に設計すれば、RGⅤ250Γと同等、あるいはそれ以上の性能も十分に狙えます
トルク特性を見る限り、3MAは実走行でも扱いやすいエンジンです
再評価すべきはチャンバー形状ではなく、エンジン設計そのものだと考えます
■ まとめ
3MAは「不利なエンジン」なのではなく、
「正しく理解されていないエンジン」なのかもしれません。
構造を理解し、適切に作り込めば、
数字以上に速く、気持ち良く走るポテンシャルを持ったエンジンだと思います。
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上記は、あくまで私の実車での分析です。2stエンジンの出力特性は、チャンバーが支配的なので両車両とも装着チャンバーが異なれば、また違って見えてくるかもしれません。
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現在のキャブSET
MJ 340
JN 6ZL10-63-3
NJ Q-4
PJ 10
MAJ 50/160/175
PWJ 20
IAJS 2.5CCW
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