今年(2024年)6月に北海道一周ドライブを敢行しました。
少し長くなるので、こちらみんカラでは第1日目/第2日目の(
その1 出発編)だけを掲載させていただき、続編は個人のブログへのリンクを記載させていただきました。
【全体走行ルート】※詳細ルートは
個人ブログにGoogleマップで掲載してます
今後北海道一周ドライブを予定されている方など、疑問や質問があればお気軽にお尋ねください。経験した範囲でお答えします。
文末に旅行記は「その2」から「その7」まで、また、観光場所や走行ルート、費用など、参考にしていただけるよう「まとめ」として1~5のリンクを記載しています。
北海道一周ドライブ2024 その1(出発編)
6月に長年の夢だった「マイカーで北海道一周ドライブ」が実現でき、数回に分けてその模様をレポートします。
北海道は仕事の関係で、20年ほど前ですが札幌へ何度か行く機会があり、市内の主立った観光地は仕事の合間にサクッと見て回っていて、また小樽やキロロ、ニセコ、支笏湖へは仕事が終わったあとにレンタカーを借りて走ったことがあります。
しかしそれ以外の地域はまったく知らず、以前からまとまった休みがとれたら行きたいと思っていましたが、仕事をしているとさすがに2週間ほどのまとまった休みはとれず、今回リタイアしてからの実現となりました。
リタイアして年金生活者ですので、年齢相応の環境は維持しつつ、贅沢は極力抑えた旅行となります。
北海道は関東平野の5倍以上、九州の2倍以上の面積があり、海岸沿いを一周する総距離は約3,000kmあります。しかもそのほとんどが一般道です。あらためて地図上でルートを検討していると、北海道の広さを実感しました。
ちなみに日本最北端の宗谷岬から九州最南端の佐多岬までの最短距離が約2,800kmですので、沖縄を除く日本列島縦断より北海道一周のほうが距離があります。
わかりやすく本州の上に北海道を重ね合わせた図です。東西の端は神戸と千葉間に相当し、南北は能登半島の先端と静岡市間よりも距離があります。

(画像出典:
北海道ファンマガジン)
北海道の外周を一周するため一般道を平均速度50km/hで毎日6時間、1日300kmを走ったとしても10日間がかかる計算で、途中で観光や食事、買い物、休憩などを考慮し、ひとりで運転するのに無理のない計画を作ればおよそ2週間が必要です。さらに外周だけでなく道央の旭川や富良野などの観光地に寄るならもっとかかりそうです。
今回は外周一周を走ることをメインの目的として、その周辺の観光地に寄り、休息日もとりながら走れるように2週間の計画を立てました。往復フェリーで2泊と北海道内で11泊の計13泊14日の長期旅行となり、海外旅行を含めこれほどの長い旅行(仕事で3ヶ月間海外に滞在したことはありますが)は生まれて初めてです。
まず北海道へマイカーで上陸するには、フェリーに乗らなければならず、その北海道へ接続しているフェリー乗り場は、東日本からは茨城県の大洗、新潟、仙台、秋田、青森(青森、大間、八戸)の7カ所から、西日本からは名古屋、福井県の敦賀、京都府の舞鶴があります。
川崎市在住なので、今回は関東から行く場合に便利な大洗から苫小牧へ向かう
商船三井のさんふらわあフェリーに乗ることにしました。
関東から青森まで高速を走り、近距離のフェリーに乗る方が大幅に安くなるのなら片道はそうしようと思って調べましたが、ETCの深夜割引を使わない場合は、高速代とガソリン代の高騰もあり、大洗までフェリー(個室利用)を使う場合と費用に差がないことがわかりました。
さらにフェリーの部屋のグレードを落とせば高速道路経由より安くなります。したがって今回は移動の疲れも考慮し往復とも同じ1昼夜(18~19時間)かかる長距離フェリーを使うことにしました。
大洗と苫小牧を結ぶさんふらわあフェリーは、週に6日、夕方便と深夜便があり、深夜便は深夜に走ることが多い長距離トラックに合わせたスケジュール(深夜1時45分に出港し、翌日の夜19時45分に到着)で運行され、そうした業務用車両とプロドライバーの利用が多く、一般旅客やマイカードライバーは19時45分に大洗を出港し、苫小牧へ翌日の午後1時半に到着(所要時間17時間45分)する夕方便に乗ることが多いようです。
さらにこの時期は、同フェリーでは「満喫ひとり船旅 シングルキャンペーン」と「インターネット予約限定 さんふらわあWEB初夏割」という二つの割引キャンペーンが実施されていて、個室利用費用が安くなることから贅沢にもシングル個室部屋(スーペリアシングル)を利用することにしました。費用は片道43,130円(クルマ、1名乗船費用、個室利用合計)です(同時期の同プラン通常料金は54,130円)。
フェリーの予約は乗船日の2ヶ月前からweb上でできますが、往復を予約するにはそれぞれの2ヶ月前の当日から開始されるので、もし予約開始直後に申し込みする場合は往復の別々の日にそれぞれの予約をすることになります。
帰りの乗船日の2ヶ月前に合わせて行きの分も同時に予約すれば1回で済みますが、観光シーズンだと行きの予約が2週間前に開始されていて希望する部屋が取れなかったり満員でキャンセル待ちになってしまうことがあるので注意が必要です。
あと、北海道での宿泊ですが、安くあげるには民宿や相部屋のような簡易宿泊所、ベッドになるクルマでの車中泊も考えられますが、少しの物音でもすぐ目が覚めてしまう老体で、さらにシートがフラットにはならず狭く足を伸ばせない小さなポロGTIではそういうのは無理です。
そこで、2ヶ月前ほどから走るルートと、宿泊場所を計画し、あらかじめ安いホテルの予約をしておきました。最近はインバウンド需要もあり、各地のホテルの宿泊料金が急騰していますが、どうにか1泊6~7千円代のシングル素泊まりの予約ができました。それでも11泊なので8万円近くかかります。
さて、ここからは旅の内容です。
***【1日目】***
金曜日午後に川崎の自宅を出発し、首都高~常磐道~北関東自動車道を走り、水戸大洗ICで降り、大洗フェリーターミナルに着く前にコンビニへ寄ります。フェリーの中で食べる夕食の弁当と翌日の朝食用のサンドイッチ、飲み物などを買い込みました。夏場の食中毒が怖い時期なので、あらかじめ保冷バッグと中に凍らせた保冷剤を用意しておきました。
フェリーの中のレストランは当然割高(夕食バイキング2,300円、朝食バイキング1,400円)で、食べるものにはこだわりがないのでフェリーの中では節約に努めます。
フェリーターミナルに16時頃に到着し、自動チェックイン機で手続きを済ませたあと乗船車両待機スペースへクルマを移動、しばらく待機した後、指示があればクルマで乗船します。
近距離フェリーでは、チェックイン→待機→乗船→出港まではごく短時間ですが、こうした長距離フェリーは積み込む量(台数)が多いためか時間がかかり、ターミナルビルでチェックインしてから出港するまで3時間半もかかります。この時間のつぶし方も考えておく方が良さそうです。なお、今回乗船する「さんふらわあ ふらの」の最大積載は大型トラック154台、乗用車146台、旅客定員は590名です。
クルマを誘導員に従い指定位置に駐車して客室へ上がったあと(正確には出航後)はクルマの中に忘れ物があっても取りに戻れませんので、あらかじめ船内に持ち込むものをまとめて準備しておかないと慌てることになります。
フェリー船内ではネットにつながるWi-Fiはなく、出港して沖合へ出ると携帯電話もほとんどつながりません。今時、電車や、航空機内でもWi-Fiがつながるサービスがあるのに、国内長距離フェリーの中がネットにつながらないとは意外です。スマホ依存症の人にはツラいでしょうけど、個人的にはこうしたのんびりした時間も悪くありません。
私は、ノートPCに、あらかじめ映画を数本ダウンロードしておいたのと、文庫本を数冊持ち込みました。ただ窓のない狭い個室にこもっていると疲れるので、時々展望室などに出て身体を動かしていました。
部屋は最大3ベッドが使えるようになっていますが今回はシングルで利用です。窓もなく天井も低くて圧迫感がありますが、ひとりでの利用なのでその点は気楽です。
お風呂は、部屋に狭いシャワーブースが付いていますが、船内には手足を伸ばせる大浴場があり、乗船後はいつでも使えるので、そちらを使いました。
個室は割高ですけど、専用で使える冷蔵庫や電気ケトルが部屋にあるので、お弁当だけでなく、カップ麺やレトルト食品を持ち込めば、梅雨時でも食中毒を気にしないで夕食、夜食、朝食、昼食をレストランを利用しなくてすみます。
この日の夕食はコンビニで買った炭火焼き牛カルビ弁当を船内にある電子レンジで温め、コールスローサラダとお湯を沸かしてインスタントカップの豚汁を作りました。
しかしこの18時間(チェックインから21時間)は思っている以上に長いです。
***【2日目】***
2日目のスタートです。朝は早くに目が覚めて、誰もまだいない船内をブラブラしていました。部屋で昨日買っておいた朝食を食べた後は船内探検と称して船内をくまなく歩き回ります。つまり健康のためのウォーキングです。
そう言えば、もう36年も前になりますが、1988年当時に勤務していた会社で、東京・晴海埠頭に停泊したさんふらわあを2日間借り切って、1日目は船上イベントとパーティ、2日目は東京湾クルーズを楽しんだことがあります。歩き回ってそれを思い出しました。いやはやバブリーな時代でした。
約18時間の長い航海で、地上波やネットはつながりませんが、個室でテレビのBS放送(MLB中継が綺麗に見られた)で時間をつぶせます。
13時半に苫小牧港に接岸し、いよいよ北海道に上陸です。大洗から苫小牧へは17時間45分で着きますが、逆の苫小牧から大洗へは19時間15分と1時間半長くかかります。これは海流(黒潮)の影響なのでしょう。
フェリーから下船の順番は、コンテナトラック、二輪、四輪の順番で、結局下船ができたのは14時頃でした。
苫小牧に上陸した後は、時計回りに北海道の海沿いを一周します。なぜ時計回り?
そりゃー常に道路の海側の眺めが良い側を走れるからです。それ以外に理由はありません。
その前にまだちゃんとしたランチを食べてないので、お腹がペコペコです。苫小牧フェリーターミナルから10分ほどクルマで走ったところにある苫小牧発祥の「
味の大王 総本店」へ行って名物の元祖カレーラーメン(1,050円)を食べます。
このカレーラーメンはスープに深いコクがありとっても美味しかったです。寒い北海道で人気が出るはずです。
私は食い道楽ではないので、今回の北海道ツアーでは、できるだけ食事は節約します。宿泊するところも比較的安いホテルやペンション(ほとんど素泊まり)にしています。
北海道に来たらウニやイクラ、カニ、マグロなど高級で新鮮な海鮮を食べなきゃ!という人が多いですが、私はそこにあまり魅力を感じない(食べないわけではない)ので、今回のようにひとり旅だとそうした他人の希望や嗜好に配慮をしなくても良いのが気楽です。
この2日目は、当初は苫小牧から函館まで一気に250kmを走ることも考えましたが、途中の洞爺湖やアイヌ関連施設にも寄りたかったので、途中の室蘭で一泊することにしました。
当初行く予定だった「ウポポイ国立アイヌ民族博物館」は、いろいろ調べると、どうも専門家を含めて評判があまり良くありません。アイヌの歴史や文化を知るには、苫小牧の近くにある「二風谷アイヌ文化博物館」のほうが良いという書き込みもありました。
それに「ウポポイ国立アイヌ民族博物館」は入館料が1,200円、駐車場代が500円の計1,700円が必要なのに対し、「二風谷アイヌ文化博物館」は入館料の400円だけで駐車場は無料です。
「ウポポイ」は博物館やステージなどはじめ様々な施設があり、半日以上をかけてゆっくり見学するのなら良さそうですが、今回のように急ぎ旅で短時間の見学には向きません。そこで当初の計画から変更して遠回りになりますが、「二風谷アイヌ文化博物館」へ向かうことにしました。
「
二風谷アイヌ文化博物館」へは苫小牧から無料区間の日高自動車道を使い50分ほどで到着です。
この二風谷近辺の住人は先住民のアイヌの人たちの比率が高く、その風習など暮らしにもその名残があちこちにあり、実写映画版「
ゴールデンカムイ」の中でアイヌのコタン(集落)の撮影で使われたそうで出演者達のサインも飾られていました。映画も見ましたが、白組の迫力ある特殊撮影などが駆使され面白かったです。
時々無知で傲慢な政治家が「日本はアメリカのような多民族国家ではなく単一民族で・・・」というアホなことを言いますが、日本はアイヌ民族や琉球民族を併合、同化し、さらには戦前に多数の労働者を朝鮮半島やアジア各地から呼び寄せ、戦後も日本にそのまま帰化しているという歴史があります。北海道に行くからにはせめてアイヌの歴史や上辺だけでもアイヌの文化などに触れておきたいものです。
次に「二風谷アイヌ文化博物館」の近くに「
義經神社」というのがあり、その名称にビビッと引かれ、道中の安全を祈願しました。
これはもちろん、源義経が奥州平泉から逃げ延びて北海道(当時は蝦夷地)へやってきたという義経伝説からきています。ここをはじめ、北海道には「義経山」や「義経岩」「弁慶岬」など、義経や弁慶の名が付いた場所がいくつもあり、ただの伝説とは言い難いロマンがあります。
この後は、130km先の室蘭のビジネスホテルに泊まります。夕食はホテルの近所にある定食屋さんで食べる予定でしたが、到着が遅くなり目星をつけていた近所の定食屋さんは閉店(18時閉店)していたので、ホテルの近所にあるイオンでお弁当とサラダを買って食べました。
北海道で暮らす人の「50km先の隣町へ用事があって往復100km走るのはごく日常的」という話を聞いたことがありますが、いきなり上陸初日に130km先の隣の隣町(苫小牧から室蘭)へちょっとのドライブの洗礼です。
室蘭と言えば工場夜景で有名ですが、私の地元川崎市も工場夜景では負けてないので、市内の見学は端折って夜は出歩かず、翌日以降にそなえて早めに就寝しました。
1日目の走行距離 145km(自宅からフェリー乗り場まで)
2日目の走行距離 201km(累計346km)
【3日目~14日目まではこちら】
北海道一周ドライブ2024 その2(函館編)
北海道一周ドライブ2024 その3(松前・積丹・小樽編)
北海道一周ドライブ2024 その4(三毛別、宗谷岬、稚内編)
北海道一周ドライブ2024 その5(網走、根室、知床編)
北海道一周ドライブ2024 その6(釧路、富良野、帯広編)
北海道一周ドライブ2024 その7(襟裳岬、日高、帰着編)
【北海道一周ドライブのアドバイスなど】
◇
特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ1(観光先/費用編)
◇
特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ2(食事編)
◇
特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ3(給油/フェリー編)
◇
特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ4(走行ルート編)
◇
特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ5(お土産編)