
うちの子のMTミッションは2023年7月に、いつものT自動車さんにて純正新品に交換してもらいました。それ以降現時点までの走行距離は約6,000kmですが、内部金属粉等除去の観点も踏まえ、早めにギアオイルを交換してもらう事にしました、が、なごみどはギアオイルの専門知識がありませんので、T自動車さんチーフメカに相談してみました。
□チーフメカの見解は?
現状のうちの子のギアオイルは「80W-90」との事。但し当時はメーカー推奨の「75W-80」が手に入りづらい状況であった事と、初回のフラッシング的な意味合いも含め、安価な点も踏まえて一時的に対応したが、今回交換するのであればメーカー指定の「75W-80」を強くおススメする。
選択のポイントとしては、ギアオイルはエンジンオイルとは規格そのものが異なり、1段階粘度値が違うと相当程度、粘度が異なる。
上記の観点から
推奨はメーカー指定一択であり、固くてもダメ、やわらかくてもダメ。特に固いオイルはシンクロにじわじわとダメージが掛かるので、継続使用はお勧めしない(但し、デフが入っている場合はその限りでは無い)。
□エンジンオイルとギアオイルの規格差は?(インターネッツで調べてみた①)
1:同じSAE規格でも違う?
・ギアオイルは「J306」規格評価
・エンジンオイルは「J300」規格評価
潤滑油の粘度は、表記される数字が大きくなればなるほど高くなるが、エンジンオイルとギアオイルの場合は、仮に同じ粘度表記であっても、実際の粘度は大きく異なる点に留意する事。
2:エンジンオイルに置き換えるとすると?
参考までに「75W-80」指定の車に「75W-90」のギアオイルを使用した場合の差を、エンジンオイル(相当)に置き換えてみると?
・「75W-80」のギアオイルはエンジンオイルでいうところの「0W-20から5W-30」の範囲に含まれる。
・「75W-90」のギアオイルは「5W-40から10W-50」あたりの範囲に含まれる。という事で「75W-80」指定の車に「75W-90」のギアオイルを使用するということは、エンジンオイルでいうところの
「0W-20」指定の車に「10W-50」を使用しているのと同じぐらいの粘度差があるということ。
3:定量的な数値差は?
以下の表は数値と粘度の差を表現しています。
※Unilopal LUBRIFIANTS(ユニルオパール)さんブログよりお借りました。
これを比率差で表現してみると?
Q:「75W-80」を基準値とした場合、それぞれの比率差は?
A:
・75W-80 → 1.0(3.8) : 1.0(8.5~11.0)
・75W-90 → 1.0(3.8) :
1.6~2.2(13.5~24.0)
・80W-90 →
2.2(8.5) :
1.6~2.2(13.5~24.0)
これらの事から大きな定量差がある事が分かりました。チーフメカはこれに加えて
①.日常的に様々なオイルを実際に扱っている事で分かる実物の差と、
②.お客さんからの意見の両面をしっかり認識している事から、
それらご経験を踏まえて、なごみどにアドバイスしてくれたのですね。
でもね、肝心の75W-80レンジのギアオイルって少ないんですよ。何故かな?
□75W-80レンジのギアオイルが少ない理由は?
(インターネッツで調べてみた② & 個人的考察含む)
・ギアオイルの粘度を下げるには添加物が必要であり、その分の工程と費用が必要になる事。
・乗用車におけるMTミッション車比率に比例し、そもそも低粘度のギアオイルの需要も同じく減っている事(作っても売れない)。
※参考までに、80W-90レンジのオイルはトラックにも使用できるレベルとの事。
トラック等の輸送車需要はまだまだ見込まれるので、メーカーとしても扱いやすいですよね。一人で納得した、なごみどおじさんでした。
なごみどは20歳で初めて買った中古のトラッドサニー君から今まで、全てMT車を乗り継いでおり、その過程で(やむを得ず(苦笑))身に着けた、ダブルクラッチやブリッピングが(呼吸をするレベルで)染みついている昭和中期生まれおじさんですが、それはそれとして、先ずは適切なオイル管理があってこそですよね。
(本当は一生に一度で良いから、オートブリッピングのMT車を運転してみたい。。。 って事はヒール・トゥも不要って事?そりゃ速いわ~~)
余談はさておき、チーフメカアドバイス等を踏まえて、今回選択したのは?
↓↓↓
2025年10月10日(金)に交換予約を入れました。
交換後の変化等については、別途レビューさせて頂きます。
-- >> おまけ <<-- ( ^^ //
□そもそも動粘度が高いとは?(AI君に聞いてみた)
動粘度が高いとは、その液体が重力によって流れる際の抵抗が大きい、つまり「ねばり気が強い」状態を指します。
動粘度は「粘度を密度で割った値」で、外部から力を加えずに流体が自然に流れる速さを表します。水と蜂蜜を比べると、蜂蜜の方が動粘度が高いため、ゆっくりと流れます。動粘度が高い液体の主な特徴は以下の通りです。
メリット
・耐摩耗性・密閉性の向上
→ エンジンオイルなどの潤滑油の場合、動粘度が高いと部品間の油膜が厚く、強くなるため、摩耗を防ぎ密閉性を高めます。高速走行や高負荷がかかる状況でエンジンを保護するのに有効です。
・耐熱性の高さ
→ 高温下でも油膜が切れにくいため「熱だれ」に強く、安定した潤滑性能を維持できます。
デメリット
・始動性の悪化
→ 特に低温環境下では、動粘度の高い液体は流動性が低くなるため、エンジン始動時の抵抗が大きくなります。
・燃費の悪化
→ 抵抗が大きいことで、機械を動かす際に余計なエネルギーが必要となり、燃費が悪化する可能性があります。
・流動性の低下
→ 配管やシステム内の抵抗(圧力損失)が大きくなり、スムーズな流れが妨げられることがあります。
主な用途
動粘度が高い液体は、そのメリットを活かして、過酷な条件下での潤滑や保護が求められる用途で使われます。
・レーシングカーのエンジンオイル
→ 高負荷・高温に耐えるため、動粘度の高いオイルが使われることがあります。
・工業用ギアオイル
→ 歯車にかかる大きな負荷を受け止めるため、粘性の高いオイルが適しています。
このように、動粘度が高いことは、一概に良い・悪いと判断できるものではなく、用途や使用環境に応じて適切な性質を選ぶことが重要です。
以上、ご参考になれば幸いです。