
日産のS13シルビアは車体剛性が低いというのは良く聞きますし、私もスカイラインなんかと乗り比べてそう感じます。私はシルビアはS13以外は乗ったことがないので知りませんが、モデルチェンジごとに改良されているのでS13に比較すればS14はましだしS15はだいぶんまともになってきたとは聞きます。英語版ウィキペディアによると、S14は前のモデルに比べてねじりで50%、曲げで100%剛性が高くなっているそうです(The chassis was changed slightly to increase stiffness (Nissan claimed 50% torsional, 100% bending rigidity increase) 出典:http://en.wikipedia.org/wiki/Nissan_240SX)。それでも特別に車体剛性が優れているという話も聞きません。昔からシルビアの基本となるシャーシ(プラットフォーム)はどういう系統なんだろうと思って調べたことがあるのですが、結局よくわかりませんでした。どうもS13からS15まで基本的に同じシャーシであり、改良して剛性を上げているのだという噂話は聞いていました。
さて最近、インターネットを検索していて、シルビアのシャシーについてかなり衝撃的なことを発見してしまいました。シルビアの系統は北米や欧州でも販売されていたことがあり、映画「ワイルド・スピード」にも登場するなど一部で人気があります。そのためシルビア系についての部品や情報も現地ではある程度蓄積があるようです。たまたま英語版のウィキペディアをみていたのですが、これによるとシルビアはやはりS13からS15まで全てS-Platformという基本シャシーを使っていたということです。
しかし驚くべきことは、このS-PlatformはS13のずっと前、1976年のS10型シルビアの時代から2002年のS15まで使われ続けていたのだそうです。S10,S11,S12,S13,S14,S15と六世代ずっと27年間も同じシャシーを使っていたとは、いくらなんでも日産は車体の開発をさぼりすぎではないでしょうか。そんな旧態依然の基本車体を使っていればS13の車体剛性は高くならないよなと納得しましたが、正直これは残念です。むしろ知らなきゃよかったかも。
日産は80年代に「901運動」という、1990年に世界一のハンドリングの車を作るという計画を持って車のハンドリングの良さを目指したことがあります。実際、その当時に作られたR32スカイラインやP10プリメーラは素晴らしい出来でした。しかしS13シルビアに初めて乗った時にはその車体とハンドリングの緩さにがっかりしたものです。その大きな理由がここにあるようです。
それにしても日本語ではいくら調べてもシルビアの基本シャシーの情報は出てこなかったのに、英語版ではこんなにあっさりと書かれているなんて、一体外国人はどこから調べたんだろうというのにもびっくり( ̄。 ̄;)。シルビア系の海外での人気に感謝するとともに、日本ではなんでこのような情報がわからないのか不思議でした。
写真はS10型のシルビア これがS15と基本的に同じシャシーとは。
下記のウィキペディアに行けば、S-プラットフォームを使って作られたS10からS15までモデルごとの詳細な表が見られます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Nissan_S_platform
Nissan S platform
From Wikipedia, the free encyclopedia
The Nissan S-platform was Nissan's rear wheel drive sport compact automobile platform, produced from model year 1976 to 2002. It was sold in every major market where Nissan cars were available. It was usually equipped with an inline four-cylinder engine, and had four seats in a "two-plus-two" configuration.
日産のS-platformは日産の後輪駆動の小型スポーツカー用のプラットフォームであり、1976年から2002年まで生産された。日産の車が販売されている全ての主要な市場で販売されていた。それは通常は四気筒直列エンジンを搭載した、2+2の定員4人の構造であった。(著者訳)
ブログ一覧 | クルマ
Posted at
2014/04/09 02:27:19