
まず驚いたのは凄く明るくなった事でした。今まで暗いと言うか黄色っぽく見えていたんだなって再確認できました。
サングラスかけるとトンネルに入った瞬間から情報量が極端に減るから嫌いだったのですが、白内障の影響も大きかったのでしょう。
医療の世界では万人にあてはまるように最悪を想定して説明している場合があり、事前に徐々に見えるようになると聞いてはいましたが、私はカメラのレンズ交換みたいなもので、レンズを入れ替えるだけなので、すぐにバキバキに見えるようになると思っていたのですが全然違いました。
術後24時間では裸眼視力0.1で全てボヤけています。
術後48時間で0.7、72時間で1.0、96時間で1.2と徐々に見えるようになってきます。
これは中枢適応と言う脳の機能を利用している為だそうです。
それは、遠くと近くの両方に同時にピントが合っているという、これまでに無い経験を脳がしています。
それでは困ってしまうので、脳は集中してない方の映像は無視するように自動的に機能するようになります。
ちょうど、野球観戦の時にネット越しに野球をみているのと同じで、本当はネットも見えているのですが、野球選手のプレーに集中していれば、ネットが気にならないのと同じ仕組みです。
そのメカニズムは解明されていませんが、そう考えられています。
個人差はあるでしょうが、1週間おきに左右を手術しますので最短10日は運転できないと思った方が良いです。
さらにトーリック(乱視)レンズは正確に垂直軸を合わせなければならないのでズレやすく、術後1時間は頭を動かさないようにベッドに寝たきりになります(トイレも禁止)
入院なら気にならないでしょうが、私は日帰りだったので予定が狂いました。でもズレたら再手術です。
先進医療特約も私が加入している生命保険には規約で年齢条件がありました。60歳未満100%給付、60歳以上65歳未満50%給付、65歳以上30%給付。ご自身の生命保険規約をしっかりと確認する事をお勧めします。入ってると思ってたら使う時に100%出ないこともあり得ます。
それと手術日の1週間前に全額支払うよう言われました。
証明診断書は手術が終わってからしか書いてもらえないので、請求にタイムラグがあり、実際に給付されるまでは立て替える必要があります。私の病院はカードも使えず現金一括でした(振込も不可)
結果、ほぼ満足のいく見え方になりました。やって良かったと思います。
スマホをいじる時や書類の細かい数字を読む時(コントラストの低下で特に薄い文字が見にくい)は老眼鏡を使った方が楽ですが、その他は運転も含めメガネなしで生活できます。
スマホはモノビジョン法で見えるはずなのですが、左右で差を感じず見にくいです。
なぜかどちらも遠方視力は1.2が出てます。
医師に相談したら「もう慣れるしかないよ!」と塩対応でした(笑)
角膜から眼底までの距離を正確に計測しなければならないのですが、白内障の人は眼底までレーザーが届かないことが珍しくなく、超音波検査で測定しますので誤差があるのも仕方ない事かもしれません。
スマホをボールド表示にすると、コンテンツによっては、なんとかメガネなしで読めます。
でも試行錯誤してたらピントが合ってないと言うよりは、コントラストが低くて文字が滲んで見にくいってことに気づきました。ハズキルーペの1.6倍を使うとバリバリに見えます。拡大されるのもあるのでしょうが、以前は乱視でボヤけたまま拡大されるので、役立たずだったハズキルーペが、この為に存在していたんだと再発見できました。
今まで相当情報が欠落していたようで、運転もリラックスして出来るようになり、疲れにくくなりました。
試しに片目を閉じて運転してみるとわかります。情報が突然半分になると恐怖心さえ覚えますよね。
実際には急に半分にはならず、徐々に減っていきますのであまり自覚はありません。
それでもなんとなく走れてしまうのが逆に恐いところです。
もう少し早くやっとけば1台廃車にしなくても済み、社会に迷惑をかけずに済んだかと思うと、遅過ぎた感も否めません。
現在のテクノロジーの結晶のようなレンズですが、万能ではありません。比較できないのでわかりませんが、見え方自体の品質は単焦点レンズの方が優れてると言われてますし、高額だから良いか?とも言えません。細かいことは、まっ、いっかと、受け入れられる人や、質が低下してもなるべくメガネをかけないで過ごしたいと思ってる人には良いかと思います。
人は求めるものが人それぞれですから、最終的には医師とよく話した上でご自身で選択するしかありません。
実際に多焦点レンズの見え方が我慢できずに、単焦点レンズに再手術で入れ換える人も1.2%いらっしゃるみたいです。
現在の眼内レンズはシリコンやアクリルなど、柔軟性のある素材でできていて、折りたたんで入れると中で展開するようになっています。
ですからわずか2〜3mm切るだけでで済みますが、取り出すとなると大きく切り開かなければ無理で、大手術になりますし、感染症のリスクも高くなります。
それを承知の上でなので、余程合わないんでしょう。
だから保険適応外の先進医療扱いなんでしょうね。
車でもそうですが、機械が診察や手術をするわけではないので、やっぱり人選びが1番重要です。
単焦点レンズでもトーリック矯正レンズがあるのですが、レンズ代が高く保険点数は同じ為に損になるので、まったく説明しない医師もいるそうです。
優れた医師でも合う合わないはありますし、もし多焦点眼内レンズを先進医療特約でしようと思ったら、厚労省が認定している先進医療認定医院じゃないと受けられません。
詳しくは厚労省のHPに掲載されてますが、地方では比較的人口の多い市に1箇所ぐらいしかなく、あまり選択の余地がありません。
それと、やっぱり母親からいただいた水晶体にはかないません。
生体のオートフォーカス機能は素晴らしいですね。
レンズの厚みを変えて自由自在にピントを合わせるなんて凄いです。
人工物が生体を超えるようになる事は、永遠に来ないと思います。
可能性としてはISP細胞再生技術を利用した、水晶体移植が現実的でしょうか。
普通に運転するだけなら現状では満足のいく結果ですが、サーキットなどのお遊びは、何があるか分からず諦めざるを得ません。
もちろんレンズが癒着して、目と一体化されるまでの9ヶ月間は論外ですが、それでもこれからのライフスタイルを見直さざる得ません。
これはスポーツドライビング全般に言える事ですが、予測運転をする上で、無意識のうちに沢山の情報を得て判断しています。カーブミラーの角度、草木の生え方、壁面のコケの状況、路面の汚れ具合など様々な情報から、今までの経験を元にカーブの曲率を割り出してブラインドですら予測しています。
情報が少なくなると、その予測にどうしても誤差が出るようになります。
リカバリーできるぐらいに速度を落とせば問題ありませんが、不可能な状況なら自粛するべきです。
もう5年ぐらい視力に不安があったのでご無沙汰ですが、今回の手術で踏ん切りがつきました。
って事でサーキットライセンスとJAFライセンスは返納しました(笑)
これからは余生として、車趣味と新しい楽しみ方で向き合いたいと思います。
ご一緒していただける皆さん、今後ともよろしくお願いします。
それから手術ですが、点眼麻酔なので痛みは全くありません。
時間も通常のレンズで10分ほど、トーリック(乱視)レンズで15分ほどで終わります。
もし白内障で見にくくなっても手術への恐怖心は必要ありません。
私は術後10日間の洗髪洗顔禁止の方が辛かったです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。