
テレビを見ていたところ、日産のリコールに関するニュースが流れていました。
日産、「ノート」「ノート オーラ」「エクストレイル」計60万595台をリコール
リチウムイオンバッテリーコントローラーのプログラム不適切により、走行不能に至るおそれ
リコールの内容は、リチウムイオンバッテリーコントローラーの制御プログラムが不適切なため、不要な異常判定を行うことがあるというものです。
その結果、コンビネーションメーターにEVシステム警告メッセージが表示されるとともに、駆動モーターの出力が制限され、最悪の場合、走行中に駆動用モーターへの出力が停止し、走行不能に至るおそれがあるとのこと。
改善措置として、全車両のリチウムイオンバッテリコントローラの制御プログラムを対策プログラムに書き換える対策を行う
対象車種は、以下の3車種です。
エクストレイル
ノート
ノート オーラ
……あれ?
リーフは大丈夫?
と思ったので、今回記事にしてみました。
日産 リーフ (ZAA-ZE1) は今回のリコールの対象外です。
ちなみにZE2は製造販売開始直後、
バッテリー製造不良の件でリコールがありましたが、
そこはノーコメントで…
過去の投稿でも紹介した国土交通省の不具合報告では、
CSVデータを出力できるようになっていたため、
データを取り出してチャッピーに不具合内容をまとめてもらいました。
国土交通省の不具合報告はこちら。
⇨ https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/opn.html
◯リーフ全体の不具合報告件数
国土交通省の不具合報告データを確認したところ、リーフ全体での不具合報告件数は以下のとおりでした。
リーフ全体 | 320件
ZAA-ZE1 | 133件
ZAA-ZE2 | 1件
ZAA-ZE0 | 109件
そのうち、日産 リーフ (ZAA-ZE1) のバッテリー不良に該当するものは 39件 でした。
・バッテリー不良件数の内訳
駆動用バッテリー故障・絶縁不良・漏電 | 28件
充電不能 / 急速充電異常 | 6件
バッテリー残量表示異常・急激な容量低下 | 3件
補機バッテリー(12V)上がり | 4件
バッテリー熱劣化・温度異常 | 4件
※複数の症状にまたがる事例があったため、内訳の合計とバッテリー不良件数は一致しません。
・集計基準
以下の内容を「バッテリー不良」としてカウントしました。
* 駆動用リチウムイオンバッテリーの故障
* 絶縁不良
* 漏電
* セル異常
* バッテリーパック交換
* 急速充電不能のうち、原因がバッテリー側と判断できるもの
* バッテリー残量表示の異常
* バッテリー劣化
* 補機バッテリー(12V)上がり
一方で、以下のものはバッテリー不良から除外しました。
* ブレーキ故障
* 急加速
* ロアアーム破損
* ナビ不具合
* カメラ / プロパイロット不具合
* 充電口フタ不良などの機械的不具合
ZAA-ZE1は133件中39件、つまり約30%がバッテリーまたは電気系統に関係する不具合でした。
昔から「日産は電装系が弱い」なんて話を聞いたことがありますが、日産が製造するEVの主力車種であるリーフにおいて、
メインバッテリーや電装系の不具合が多いというのは、
如何なものかと思います。
日産には、
日常的に使用するユーザーの事を想い、
メインバッテリー交換(バッテリーパック交換)や
充電制御(バッテリーコントローラー)故障に関する
対策を本気で考えてほしいところです。
エンジン車とは違いある日突然壊れるので...
修理代が高くてもう乗れない...
故障や廃車が多すぎる...
などなど
信用にも関わってきますからね!
こう言う記事を書きながらもなんですが、
EV毛嫌いの人が増え、乗る人がますます減ってしまうのではないかと感じます。
EV補助金(税金)が支給された車ですから、製造責任の面でもひとつひとつの問題に真剣に向き合ってほしいです。
さらっと書くつもりが長くなってしまったので、
チャッピーがまとめてくれたバッテリー交換の見積もりまとめと
リーフ (ZAA-ZE1) の不具合報告のまとめを紹介します。
☆私の故障内容と見積書まとめ☆
私のリーフで発生した故障内容と、実際の見積書についてまとめてくれました。
◯バッテリーモジュール交換の見積
日産リーフ(ZAA-ZE1)の駆動用リチウムイオンバッテリーモジュール交換の見積です。
故障内容
メーターにシステムエラーが表示され、診断の結果、
「バッテリーモジュール No.MD7 不良」
と判断。
バッテリーパック全体ではなく、4列目の特定モジュール、MD7に異常セルまたはモジュール劣化が発生している状態。
作業内容
* リチウムイオンバッテリーパック モジュール(4列目)交換
* 部品番号:295B95SF9D
交換時には、再使用不可部品や消耗品として、以下の部品も交換されています。
部品 | 金額
バッテリーモジュール | 456,000円
バッテリーボルト | 1,820円
ドレンワッシャー | 170円
シール・パッキン | 880円
ダムラバー | 2,640円
セグメントガイド ×2 | 12,540円
プライマー | 6,200円
部品小計は 480,250円 です。
工賃
作業 | 金額
モジュール交換工賃 | 92,620円
ショートパーツ | 5,000円
技術料小計は 97,620円 です。
総額
項目 | 金額
税抜合計 | 577,870円
消費税(10%) | 57,787円
支払総額 | 635,657円
この見積は、バッテリーモジュール交換です。
バッテリー故障時の分解写真を確認したところ、他のモジュールもバッテリー膨張
が確認されていましたので、当時は✕2~3での交換or全交換(ASSY交換)が望ましい結果でした。
◯つづいて バッテリーパック本体まるごとの交換(ASSY交換)の見積
日産リーフ(ZAA-ZE1)の駆動用リチウムイオンバッテリーをまるごと交換するの見積です。
作業内容
* リチウムイオンバッテリーパックASSY交換
* 部品番号:295B05SF6B
* 作業区分:交換
ASSY交換とは、セルやモジュール単位ではなく、高電圧バッテリーパック全体を交換する作業です。
費用内訳
項目 | 金額
技術料(交換工賃) |44,000円
バッテリーパック部品代 | 3,830,000円
税抜合計 | 3,874,000円
消費税(10%) | 387,400円
支払総額 | 4,261,400円
この見積(ASSY交換)では、総額426万1,400円のうち、バッテリーパック部品代だけで383万円です。
つまり、費用のほとんどがバッテリー本体代です。
一方で、工賃は44,000円となっています。
工賃に関しては、車体をリフトアップし、バッテリーパックを脱着し、初期化や診断を行う作業が中心のため、工賃そのものは極端に高額ではありません。
ただし、部品代が非常に高いため、最終的な支払総額はかなり大きくなります。
日本国内の純正新品価格、保証外での自費修理、部品供給条件などが影響している可能性があります。
バッテリー修理が60万円、パック丸ごと交換で400万円超えとなると、保証外のユーザーにとっては現実的な負担とは言いにくい金額です。
海外ではZE1の40kWhバッテリーパック交換が、6,500〜8,500ドル程度、日本円でおよそ100万〜130万円+工賃程度という例もあります。
なお、この海外相場との比較については、62kWh仕様ではないため、参考にしないでください。
モジュール単位での交換とバッテリーパックまるごと交換 (ASSY交換) の比較
修理内容 | 総額
モジュール交換 | 約63.6万円
パックASSY交換 | 約426.1万円
駆動用バッテリー関連の修理でも、
モジュール単位で済む場合と、パックASSY交換になる場合では、
費用に大きな差があります。
☆国土交通省の不具合報告(ZAA-ZE1)まとめ☆
ZAA-ZE1の不具合項目別集計
国土交通省の不具合報告データから、ZAA-ZE1の不具合内容を項目別に分類すると、以下のようになりました。
不具合項目 | 件数 | 主な症状
駆動用バッテリー不良(セル異常・漏電・絶縁不良) | 32件 | EVシステム故障、再始動不可、走行不能
ブレーキ系不具合 | 21件 | ブレーキが効かない、ペダル抜け、ABS異常
急加速 / 意図しない発進 | 10件 | 駐車時急発進、e-Pedal中の暴走
充電不良(普通 / 急速充電不可) | 19件 | 充電停止、急速充電エラー
バッテリー性能劣化・残量表示異常 | 11件 | SOC急変、航続距離低下
足回り(ロアアーム・ドライブシャフト) | 12件 | 異音、破断、走行不能
プロパイロット / ADAS不具合 | 8件 | 前車認識しない、誤作動
カメラ / センサー異常 | 7件 | フロントカメラ異常、センサー未検知
ナビ・ディスプレイ不具合 | 9件 | ルート異常、位置ずれ、フリーズ
充電口・ポート機構不良 | 4件 | 給電口が開く、ポート溶損
補機バッテリー(12V)上がり | 4件 | 突然起動不能
冷却 / 空調系 | 3件 | ヒートポンプ異音、冷房停止
サスペンション腐食・劣化 | 3件 | アッパーマウント腐食
ガラス・内装品質 | 4件 | 歪み、隙間風、塗装不良
その他電装・制御ソフト | 8件 | ECUフリーズ、チェックランプ |
大分類で見ると
大分類 | 件数
電池・充電関連 | 62件
制動・安全制御関連 | 36件
機械部品関連 | 15件
UI / 快適装備関連 | 16件
ZAA-ZE1で最も多いのは、駆動用リチウムイオンバッテリー起因の不具合です。
特に、
漏電 → EVシステム故障 → 次回始動不可
というパターンが目立ちます。
不具合報告を見る限り、ZE1でも駆動用バッテリーや充電制御、電気系統に関する不具合が一定数発生しています。