2025年05月12日
「1+1=2」は定義。証明なんてできない。
1+1=2をペアノの公理から証明したというアホがいるが、証明ではなくx+y:x,y∈Nには定義がある。
数学者の中では、当たり前のこと過ぎて1+1=2というのは定義だと、どの本にも書いてない。
昔、初等数学論を整理してノートにしたものがあったからそれを参考に加法を定義していく。
正の整数とその演算 ペアノの公理に出てくるのは数とよばれる定義なしの元の集合 N および数の間の定義なしの2項関係 s とである:x s y は“x は y の後継者である“と読む。公理は次のとおりである:
(1) N は 1 s x が N のどの x に対しても成りたたないような数 1 を含んでいる。
(2) x∈N ならば y s x であるような N の元 y が1個あって、ただ1個に限る。y は x の後継者とよばれる。
(3) y s x, y' s x' で、y と y' が同じ数ならば、x と x' は同じ数である。
(4) (数学的帰納法原理)G が N の部分集合で、(i) 1∈G、(ii) x∈G、y s x なら y∈G、であるときは、G=N である。
どの数の後継者も一意にきまるのだから、x の後継者を表わすのに S(x) という記号を定めてもさしつかえない。S(x) は N で定義され、その値が N のなかにある1価関数である。換言すれば、前述の意味での N から N の中への[公理(1)により N の上へのではない]写像である。
加法の定義 加法を定義するために、まず、どの x に対しても x+1 は S(x) だと定義する:
(a) x+1=S(x), x∈N
次に、y が何であっても
(b) x+S(y)=S(x+y)
と定義する。定義(a)と(b)とは、数学的帰納法原理により、x, y∈N なるすべてのx, y に対して x+y の定義をもたらすわけである。
x+1 は S(x) である。1+1 は 1 の後継者と定義される。一方、 1 の後継者を 2 とおく。すなわち、「1+1 は 1 の後継者 2 である」、と定義される。換言すれば「1+1=2」である。なお、「=」は同値記号または等号と呼び、日本では「イコール」とよぶ。また、「+」は正符号と呼び、日本では「プラス」とよぶ。
これだけ定義すれば、自然数の加法については、不合理なく計算できる。
Posted at 2025/05/12 02:41:59 | |
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