
今日の午後、国道を流していると、前方から白黒ツートンのNEW Zが近づいてきた。陽の角度のせいなのか、ボンネットの白とルーフの黒が薄い境界線を引きながら、ゆっくりこちらへと滑ってくる。ほんの一瞬だけ、その姿が道路の上に鮮明なコマのように焼きついた。
そのすぐあと、五十メートルほど遅れて、新型プレリュードが姿を見せた。白いボディにリアウイングを立て、まっすぐこちらへ向かってくる。けれど、どういうわけか、
私の心の中に強く残ったのはZのほうだった。
理由は単純だと思う。
プレリュードのフロントから、街中で見慣れてしまった“プリウスのハンマーヘッド”がふと重なってしまったからだ。デザインというものは、見慣れた瞬間に新しさの輪郭が少しずつ薄れていく。人間の目は、驚くほど早く日常に馴染んでしまう。
その点、Zは見慣れない角度を保っていた。少し古くて、少し新しくて、その曖昧なバランスをまとったまま、静かにすれ違っていった。その一瞬、道路の空気がわずかに変わったような気がした。
結局のところ、何が“かっこいい”かなんて説明しようとした途端に曖昧になる。
それでも今日だけは、Zのほうが圧倒的に魅力的だった。
ただそれだけの、短いけれど確かな出来事だった。
Posted at 2025/11/14 13:46:46 | |
トラックバック(0) | 日記