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eka(えか)のブログ一覧

2026年08月30日 イイね!

寄り道の先に、白いGRがいる

寄り道の先に、白いGRがいる今朝の日経新聞朝刊から。

関西大学学長・高橋智幸氏の言葉が、妙に残った。(ほぼ同年代)

「思いがけぬ出会いが人生を豊かにする」

そして、
「『寄り道』の価値、若者に」の記事。

今日、僕は岐阜から東京へ帰る。

恵那山を越え、中央道を東へ走る。
ナビは最短距離と到着時刻を教えてくれる。

機械はいつも正しい。

でも人生では、正しい道ばかりが記憶に残るわけではない。

9月2日、白いAQUA GR SPORTがやってくる。

今のZに大きな不満があるわけではない。
同じアクアから、同じアクアへ。

合理的に考えれば、乗り換える必要などない。

だから、これは「寄り道」なのだ。

大学でも学生は、「これは何の役に立つのですか」と尋ねる。

その問いは正しい。

けれど何十年か生きていると、役に立たないと思っていた本や、遠回りや、偶然の出会いのほうが、あとになって自分を作っていたことに気づく。

人生には、そういう妙な仕組みがある。

今日、僕はアクアZでのんびりと東京へ帰る。

そして二日後、また少し道を外れる。

その寄り道の入口には、
白いGR SPORTが待っている。
その後10日には、不敵にも992カレラの試乗という最大級の「寄り道」も付けた(笑)。

目的地へ早く着くことと、
いい旅をすることは、同じではない。

たぶん人生には、ときどき、

ナビが選ばなかった道を走る時間が必要なのだ。
Posted at 2026/08/30 08:00:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2026年08月29日 イイね!

名古屋まで、Zとの最後のツーリング

名古屋まで、Zとの最後のツーリング○ 学会へは、クルマで行く

名古屋大学へ行ってきました。

電車を使えば早いのは分かっています。それでもクルマを選んだのは、9月2日にGRスポーツが納車されるからです。このアクアZで用を足すのは、これが最後になる。

そう思うと、多少時間がかかっても構わないという気持ちになりました。学会そのものより、その口実で走れることのほうが少し楽しみだった、と書くと怒られるでしょうか。

○ 窓の外に、夏の終わりがあった

会場に着いて、ふと窓の外を見たら、これがなかなかの景色でした。

大きなガラス面いっぱいに、青い空と入道雲。手前には芝生の広場と、木の質感を生かした庇が伸びている。低層のキャンパスなので視界が抜けて、遠くの街並みまで一息に見渡せます。

夏の終わりの空でした。入道雲はまだ元気なのに、色がもう秋のほうへ半歩寄っている。あの微妙な段階です。

学会の合間にこういう景色を眺める時間があるのは、悪くありません。というより、遠くまで来た甲斐があったと思える瞬間は、案外こういうところにあるのだと思います。

○ 帰り道

帰りの一般道で、あらためてこの足の素性を確かめながら走りました。

先日の恵那山の下りでも感心したのですが、このアクアZの足は本当によくできています。ロールを無理に抑え込まず、出るべきところで出して、そこから先を粘らせる。長距離を走ると、その懐の深さがじわじわ効いてきます。

疲れないのです。これは数字に出ない美点だと思います。

9月2日にGRスポーツが来たら、剛性が上がり、EPSの制御が変わり、応答が速くなるはずです。それは楽しみなのですが、この「疲れない」という感触が残るのかどうかは、正直まだ分かりません。

長い距離を走って、それでも降りたときに肩が凝っていない。そういうクルマだったということは、忘れないでおこうと思います。

○ 最後の一本

学会の往復という、まったく色気のない用件が、結果的にZとの最後のツーリングになりました。明日は東京に帰ります。

もっと気の利いた行き先を選べばよかったのかもしれません。海沿いを走るとか、峠を越えるとか。でも実際のところ、クルマとの時間というのは、そういう特別な一日よりも、こういう何でもない移動の積み重ねでできているのだと思います。

名古屋までの往復。窓の外の入道雲。満席の会場。そして帰りの一般道。
悪くない一日でした。
Posted at 2026/08/29 20:07:56 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2026年08月27日 イイね!

20kgは、どこへ消えたのか?

20kgは、どこへ消えたのか?

クルマの20kgという数字は、たぶんそれほど大きなものではない。

助手席に少し重い荷物を置けば、それくらいにはなる。
ガソリンを満タンにするかどうかでも、似たような数字は動く。

だから最初、新しいAQUA GR SPORTのフロントが、今のZより約20kg軽いと知ったときも、

「まあ、20kgだからな」

と思っていた。

けれど、今回の水野和敏さんがLEXUS IS300hとBMW 320iを乗り比べている動画を見ていて、少し考えが変わった。

大切なのは、

「20kg軽くなったことではなく、その20kgがどこから消えたのか」。

ということなのかもしれない。

---

以前、ISに試乗したことがある。

評判のいいクルマだったし、実際、悪いところはほとんど見つからなかった。

ステアリングは正確だった。
ボディもしっかりしていた。
乗り心地も悪くない。

レクサスらしく、きちんと作られていた。

それなのに、試乗を終えてクルマを降りたとき、

なぜか感動が残らなかった。

「いいクルマですね」

とは思った。

でも、

「もう一度乗りたい」

とは、あまり思わなかった。

その理由を当時の僕はうまく説明できなかった。

性能が不足しているわけではない。
速くないわけでもない。

何かが悪いのではなく、

「何かが少しだけ、こちらに届いてこなかった」。

そんな感じだった。


今回、水野さんの話を聞いていて、そのときの感覚を少し思い出した。

彼はISと320iを比較しながら、興味深い話をしている。

静止状態で見れば、どちらも前後重量配分はおおむね50:50。

数字だけなら、大きな違いはない。

ところがBMWは、エンジンという重いものをできるだけ車体中央へ寄せている。

だからステアリングを切ると、

すっ、と向きが変わる。

そして一つの動きが終わる前に、もう次の動きへ移っていける。

水野さんはそれを「切れ味」と表現していた。

一方のISには、フロント側の重量がステアリングを切ったあとにも少し残るという。

水野さんは、自転車の前カゴに荷物を載せたときの感覚にたとえていた。

なるほど、と思った。

もしかすると僕が以前ISで感じた、

あの「悪くない。でも何かが残らない」という感覚の一部は、

そこにあったのかもしれない。

もちろん、後から理屈を貼り付けているだけかもしれない。

クルマの印象なんて、天気や道や、その日の気分でも変わる。

でも説明を聞いたあとで、

昔感じた小さな違和感に名前がつくことがある。

それは少し面白い。

---

重さそのものではない。

重いものが、「どこに置かれているか」。

物理の言葉を使えば、ヨー慣性モーメントということになる。

フィギュアスケーターが腕を広げると回転が遅くなり、身体に寄せれば速く回る。

クルマにも似たところがある。

中心から遠い場所に重いものがあれば、向きを変えようとしたとき、その重さはほんの少しだけ過去に残ろうとする。

こちらはもう次へ行こうとしているのに、

「まだここにいますよ」

と、後ろから声をかけてくる。

水野さんがBMWについて言った、

「次の行動にすっと入れる」

という言葉は、たぶんその反対側にある感覚なのだと思う。

---

もちろん、AQUA ZとGR SPORTの違いを、BMWとISの話にそのまま重ねることはできない。

駆動方式も違う。

サスペンションも違う。

ボディ剛性も、タイヤも、ステアリング制御も違う。

GR SPORTの動きは、それら全部の総和として作られている。

だから9月2日に乗り換えて、

「あ、鼻先が軽い」

と感じたとしても、それを20kgだけの功績にすることはできない。

たぶんクルマというものは、そんなに単純ではない。

そして単純ではないから、面白い。

---

それでも僕は、その20kgが少し気になっている。

20kgという数字ではなく、

「前から20kgが消えた」

ということが。

以前ISに乗ったとき、僕には感動が残らなかった。

でも水野さんの説明を聞いて、何年か経ってから、その理由の一部を教えてもらったような気がした。

クルマを降りたあとに残るものは、馬力や重量配分の数字だけではない。

ステアリングを切ったあと、

クルマがどれくらい早くこちらの意思を理解してくれるのか。

あるいは、ほんの一瞬だけ遅れてついてくるのか。

そういうものなのかもしれない。

今のAQUA Zで最後に恵那山を越え、
そして数日後にはGR SPORTのステアリングを握る。

同じAQUAだ。

見慣れた景色も、たぶんそれほど変わらない。

でも最初の交差点を曲がったとき。

あるいは少し速めに右から左へ切り返したとき。

ステアリングの向こう側で、

何かがほんの少し早く、次の動きへ移るかもしれない。

そのとき僕はきっと思い出す。

20kgが軽くなったのではない。

20kgが、そこからいなくなったのだ。
Posted at 2026/08/27 07:00:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2026年08月25日 イイね!

900万円のベンツと、330万円のAQUA

900万円のベンツと、330万円のAQUA明日の学会発表を控え、中古車サイトを眺めていたら、時間が少し歪んだ。(笑)

2022年式、走行1.5万kmのMercedes EQB 250。

AMGラインに黒革、パノラマサンルーフ。

新車なら900万円級だったクルマが、

支払総額379.8万円。

9月に来る私のAQUA GR SPORTは約330万円。

片方は新車のAQUA。
もう片方は4年という時間を走ったMercedes。

その差、わずか50万円ほど。

どちらが得なのかは、たぶん簡単には決められない。

ただ一つわかるのは、

クルマは走った距離より、時間によって遠くへ行くことがある。

900万円と330万円だった二台が、
いま、同じ場所に立っている。
Posted at 2026/08/25 20:29:37 | コメント(0) | トラックバック(0)
2026年08月23日 イイね!

「バックミラーの向こう側」Vol.10 (完)

「バックミラーの向こう側」Vol.10 (完)第十話 バックミラーの向こう側

バックミラーとは、前へ進みながら、後ろを見るための道具だ。
立ち止まって振り返るためのものではない。

走りながら、過ぎてきた道を確かめる。
鏡の中の風景は、もう手の届かない場所にある。
それでも、消えてしまったわけではない。
遠ざかりながら、いつまでも、そこに在りつづける。

彼女との四年は、僕のバックミラーの中にある。

戻ることはできない。
触れることもできない。

けれど、確かにそこにある。
夕日が沈んだあとも、空にしばらく残る明るさのように。

好きだった。
本当に、好きだった。

それは誰にも証明できない。
書類も、写真も、証人もいない。
それでも僕の中では、何よりも疑いようのない、ひとつの事実だった。

いや、証人なら、ひとりだけいる。
会ったこともない彼女を、「沈黙を急かさない人」と言い当てた人。
あの言葉を聞いた日から、バックミラーの中の景色は、僕ひとりの秘密ではなくなった。

形にはならなかった。
続きもしなかった。

けれど、続かなかったからといって、嘘だったことにはならない。
実を結ばなかった花を、咲かなかったと言う人はいない。

人生は、一本のまっすぐな道ではない。
人は交わり、離れ、それぞれの速度で、それぞれの朝へと走っていく。

同じ道を走った季節が、確かにあった。
今は、それで十分だと思える。

春の朝、出勤前に、少しだけ遠回りをすることがある。
理由はない。
ただ、走りたいだけだ。

その朝、カーラジオから偶然、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」が流れた。

曲は何も覚えていない。覚えているのは、いつも人間の方だ。
僕は音量を、ほんの少しだけ上げた。
窓を少し開けると、春の匂いが助手席に乗りこんでくる。

バックミラーには、過ぎてきた道が映っている。

誰も乗っていない助手席。
信号の向こうに広がる、薄青い空。
名前のない、ただの美しい朝。

それで十分だ。

彼女も、今日のどこかを走っているだろう。
知らない街の、知らない信号で、静かに青を待ちながら。

それぞれの春が、バックミラーの向こうで、まだ続いている。

(完)
Posted at 2026/08/23 07:48:24 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「諏訪湖PA」
何シテル?   08/30 11:36
大学の教員('ω')ノです。 車歴(すべて新車); EvoⅠ→Golf GTI→ BMW MINI Cooper→BMW(E46)330i→BMW(E92...
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