
本日の日本経済新聞に「70歳定年 日本は耐えられるか」という記事が載っていた。
数字を静かに突きつけてくるグラフを眺めながら、
これは“誰かの問題”ではなく、私たち自身のハンドル操作の話なのだと感じた。
世界の先進国はすでに、67歳以上を定年・年金支給の基準にしている。
日本も例外ではなく、2024年に生まれた子どもたちは、ほぼ70歳まで働く時代に生きることになる。
出生率の急落は日本だけではなく世界的な現象であり、
「長く生きること」と「働き続けること」を社会全体で前提にせざるを得ない。
■ 70歳まで働く社会に必要な“再設計”
記事では、次の二つが特に重要だと示唆されていた。
● 健康寿命の延伸
70歳まで働くなら、心身の“整備”は今以上に欠かせない。
言うなれば、エンジンオイルとタイヤの寿命をしっかり管理するように、
人間のメンテナンスも社会インフラとして仕組み化すべきだという話だ。
● 学び直しの必修化
これからは「定年」ではなく「再スタート」が前提となる。
仕事も学びも“マルチレーンの高速道路”のように、
途中でゆるやかにレーンチェンジできる社会が求められている。
■ クルマの世界はどう変わるのか
みんカラ的に外せないのはここだ。
● 1)収入の継続 → 車選びのパターンが変わる
70歳まで現役だと、
60歳で一気にコンパクトカーへ…という従来の流れは変わり、
長く働くからこそ“もう一度、本当に乗りたい車”を選ぶという現象が起きる。
● 2)EV・HVの主戦場はむしろシニアへ
電動化は若者より、
時間的余裕と購買力を持つ高齢層の方から進む可能性が高い。
AQUAのようなコンパクトHVは、
「都市 × 高齢 × 実用」という強いニーズにフィットし、
N-ONEのような軽快さは、むしろ第二の青春車になる。
● 3)運転支援は“贅沢品”から“強制装備”へ
70歳定年を現実にするなら、
レベル2〜3の運転支援はもはや社会のライフラインだ。
安全に職場へ、家へ、そして趣味のドライブへ。
そのすべてを支える技術が、これから急速に標準化されていく。
■ 最後に――長いワインディングロードを走るということ
記事を読みながら、ふとこんなイメージが浮かんだ。
70歳のカーブは、人生の後半で現れる少し長めのコーナーのようだ。
霧が出ることも、グリップが薄くなる瞬間もある。
それでもアクセルの加減を知り、
ハンドルの重さを受け止められるなら、
人は案外、思っている以上に走り続けられる。
クルマも人生も、
大切なのはスピードより、どれだけ心地よく走れるかなのかもしれない。
Posted at 2025/12/08 12:52:44 | |
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