
第1回、第2回を踏まえ、シリーズ最終回は燃費の整理と総合判定をまとめる。
【シリーズ案内(全3回)】
第3回:燃費と総合判定(サイズを超えた「Cセグ級」か?)←この記事
【要点】
・燃費は年間17.6km/L(NissanConnect実測)高速主体の日は20〜22km/L
・Bセグのネガ(出だしが遅い/走りが安定しない/疲れる)は、ほぼ解消している
・Cセグ級の定義=Bセグのネガが無く、所有したゴルフ7と走りの項目で同等以上
・レンタカーで乗ったBセグ3台と比べても、出だしと安定感はオーラSSが上
【目次】
1.燃費まとめ(市街地・高速・ゴルフとの比較)
2.総合判定:サイズを超えた「Cセグ級」か?
1.燃費まとめ(市街地・高速・ゴルフとの比較)
燃費の話が市街地と高速に分かれるため整理をしておく。
1-1 オーラSS燃費一覧
■ チョイ乗り(最低記録):6.8km/L
・走行距離 4.1km、走行時間 22分
始動時のSoCと空調に大きく依存
■ 連続1時間以上の場合(空調使用):15〜20km/L台
・市街地(20-30km前後の走行)
空調(エアコンやヒーター)を使っていても許容範囲に収束
■ 高速主体の1日:20〜22km/L
・走行距離の内80%以上が高速走行(渋滞あり)
1日高速主体で100km以上走行した場合のデータ
■ 年間総合:17.6km/L
いずれもNissanConnectアプリ実測値
最低燃費は極端な例。始動時のSoCにも大きく依存し、当たり前だが走行時間のうち発電用エンジンの稼働割合が高いほど悪化する。特にエアコンやヒーターを多用する季節(コールドスタート時)は顕著だが1時間以上連続して運転すれば許容範囲(10キロ台後半)に収束する。極端なチョイ乗りを繰り返さない限り、あまり気にする必要はないと思われる。
1-2 ゴルフとの比較(高速走行時中心)
■ ゴルフ4 ワゴン:約15km/L
・燃料:ハイオク
当時の車載メーター平均燃費の記憶
■ ゴルフ7 HB:18ー20km/L前後(条件が良ければ20km/Lを超える)
・燃料:ハイオク
80〜100km/hの定速巡航時のメーター表示の記憶
渋滞を含む1日トータルでは約15km/L程度まで落ちた感覚
■ オーラSS:20〜22km/L
・燃料:レギュラー
1日高速主体で100km以上走行時のNissanConnectアプリ実測
ゴルフの時代はスマホアプリ連携などもなく、記憶頼みの比較でフェアではない。ただ、ゴルフ7は高速のみを渋滞無しで80〜100km/hできれいに流せば20km/Lを超える数字(メーター表示)をたたき出すなど、ダウンサイジングターボの威力を発揮した。しかし連休の外出などでひとたび渋滞に遭うと、1日を通した燃費は15km/L前後まで落ち込む感覚だった。
その点、オーラSSは高速主体の1日であれば、渋滞が混ざっても20km/Lを超える燃費を記録してくれる。しかも何より「レギュラーガソリン仕様」である。
1-3 「e-POWERは高速が弱点」をどう読むか?
一般にe-POWERは高速巡航が弱点と言われる。内燃機関+多段ギアを持つクルマは高速に乗ると燃費が伸びるが、e-POWERの場合はモーターを高回転で回し続けるため、それを補う電力を発電するためエンジン稼働が増え、高速では燃費の伸びが小さい(落ちる)とされる。新型キックスやエルグランドに搭載される第3世代e-POWERでは、高速燃費が15%向上するとのことだから羨ましい限りだ。
ただし、見方は比較軸で変わってくる。
・他社のハイブリッドと比べると高速の燃費は悪い(一般論)
・私の使い方では高速主体の日の燃費が最良(実測値)
・渋滞混じり高速燃費が15km/Lだったゴルフ7と比べると、渋滞ありでも20km/L以上を記録(記憶との比較)
高SoC状態を維持 → 通常走行時のエンジン稼働(重負荷発電)が抑制される
結果、軽い充電で済み燃費が良くなる
e-POWERの制御の奥深さを知るうえで、非常に参考になる知見である。
1-4 燃費の結論
ゴルフとの燃料単価(ハイオクvsレギュラー)の差も考えれば、
「私としては十分に燃費の良いクルマ」
という結論だ。
2.総合判定:サイズを超えた「Cセグ級」か?
第1回の最後に問いかけた「サイズはBセグのオーラSSが、走りで勝負できているのか?」に対し、ここで答えを出したい。
2-1 本シリーズでいう「Cセグ級」の定義
本シリーズで「Cセグ級」というのは、次の2つを満たすという個人的な定義である。
・Bセグにありがちなネガ(出だしが遅い/走りが安定しない/疲れる)の解消
・私が12年乗ったゴルフ7(Cセグの代表)と比べて、走りの項目で同等以上
車両のサイズや内装・装備差などは評価に含めない。
また、Bセグのネガはあくまで一般的又は私個人の勝手な印象であり、すべてのBセグに当てはまるわけではないが、比較の意味で私がレンタカーなどで過去乗ったことのあるBセグカーのインプレッションを次項で軽く紹介する。
2-2 他のBセグカーとの比較(レンタカー体験)
過去レンタカーで乗ったBセグカー3台とオーラSS/ゴルフを比べてみる。いずれも数日借用した時の印象で、記憶ベースであることをお断りしておく。
■ マツダ Mazda2(1.5Lガソリン、SKYACTIV)
出だし:
トルク不足で、加速が全く足りない。踏み込まないと前に進まず、エンジンも五月蠅い
取り回し:
Bセグならではの良さを感じる(オーラSSとは同等)
安定感:
ボディの剛性感が弱く、クルマに守られている感じを受けない
典型的なBセグカーの足回り
高速は走っていないがオーラSSやゴルフより明らかに劣る印象
■ アクア(マイナーチェンジ前のレンタカー&試乗車)
出だし:
レンタカーでは走り出しのレスポンスの良さを感じられなかった
試乗車(バイポーラバッテリー)はモーターアシストも強く、通常走行での
ストレスはほぼ感じらなかった
取り回し:
Bセグならではの良さを感じる(オーラSSとは同等)
安定感:
好き嫌いの範疇だと思うが、足回りが柔らかすぎて安定しているとは思えなかった
乗り心地の観点では、試乗中リアシートに乗ったかみさんからは好印象だった
Mazda2ほどで悪い印象はない
■ ノート4WD(直近の北海道旅行で借用)
出だし:
オーラSSと遜色無し。
フロントモーターはオーラより弱いが、リアモーターがあるため同等レベル
安定感:
オーラSSのほうが明らかに上(トレッド幅やタイヤが影響と考察)
ステアリングのキレ:
オーラSSの方が好ましい(EPSのアシスト特性の違いと考察)
乗り心地:
ノート4WDの方がコンフォート
楽しさ:
2WDと4WDの違いもあるが、オーラSSのほうが圧倒的に楽しく気持ちいい
(あくまでフィーリング)
この3台の体験からは、次の2点が言える。
・出だしの遅さや、安定感の不足は、Bセグカーの典型(Mazda2、アクア)
・同じノート系のノート4WDと比べても、安定感とステアリングはオーラSSが好印象
後者について、差の理由は専用チューニングやトレッド幅、タイヤにあるのではないかと私は考えている。つまりは「Bセグでも走りがよい」のではなく、「このオーラSSの仕立て(仕様)があるが故に走りがよい」ということになる。
2-3 観点別の評価(ゴルフ7との比較、私の体感ベース)
【走りの基本性能】
■ ゼロ発進・加速:オーラが上
→「出だしが遅い」は解消
■ 高速巡航の静粛性:オーラが上
→「疲れる」はほぼ解消(体感)
■ 運転支援(LKAの警告音・ハンドル保持判定):オーラが上
→「疲れる」はほぼ解消(体感)
■ 直進安定性・ハンドリング:同等
→「走りが安定しない」はほぼ解消
■ 乗り心地:ゴルフ7のほうがコンフォート
→ タイヤ変更で変わる可能性あり
■ ブレーキ・制動:同等
→ リアドラムでも「回生ブレーキ」の制動が効果的で問題なし
■ 燃費・燃料:オーラが上
→ 実燃費データ+レギュラー仕様
【クセ・弱点】
■ BSIの介入のクセ:個々人の感覚に依存。ゴルフ7は非装備(時代の問題)
■ エンジン稼働時の音:ゴルフ7より静かだが、存在は判る
■ 前方近接の警告:ゴルフ7より鳴るケースが多い(感度の問題?)
2-4 総合判定
Bセグカーのネガの「出だしが遅い」「走りが安定しない」「疲れる」は、ほぼ解消されている。レンタカーで乗ったBセグ3台(Mazda2、アクア、ノート4WD)と比べても、出だしと安定感はオーラSSが圧倒。そのうえで、私が12年乗ったゴルフ7と比べても、乗り心地の快適さを除く走りの項目では、同等かそれ以上である。
つまり、サイズを超越して走りのレベルがCセグ級というのが私の評価だ。
キャッチーな言葉を使えば「Cセグキラー」と呼びたいところだが、現行Cセグとの比較出来ている訳ではないのでそこまでの言及は控えることにする。
最後にみんカラクルマレビューの基準に従い再レビューする。
おすすめ度: 5 ★★★★★(初期レビューと変わらず)
デザイン:4 ★★★★(初期レビューと変わらず)
走行性能:5 ★★★★★(初期レビューと変わらず)
乗り心地:5 ★★★★★(初期レビューでは4、+1)
積載性:3 ★★★(初期レビューと変わらず)
燃費:4.5 ★★★★★ (初期レビューでは4、+0.5)
価格:5 ★★★★★ (初期レビューでは4、+1)
「乗り心地」と「燃費」「価格」の評価をプラスした(マイナス評価無し)
【再評価のポイント】
乗り心地
ダウンサイズしたにも関わらず、ゴルフと同等レベルの乗り味を実現出来ている点を再評価し加点した。
燃費
燃費は良いに越したことは無いのでもうひと踏ん張り頑張って貰いたいが、今回ブログを書くに当り振り返ってみると、渋滞混じりの高速道路走行であってもコンスタントに20km/L以上を達成しており、私の感覚的には上々だ。絶対評価(トヨタTHS-II又はホンダeHEVとの比較)ではなく、あくまで私自身の相対評価として加点をした。(+0.5という評価はないケド)
価格
「Bセグ」の中では高価格の部類だが、「Cセグ」クラスの走行性能を維持出来ている事を再評価。「サイズ」だけ見て「Bセグ」と思えば高いと感じる人が多いのかもしれないが、「走りの質感」を見て「Cセグ」だと思えば安く感じられると考えている。
オプション込みで定価レベルは400万円を優に超えたが、ノーマル(又はSSではないAUTECH)と比べ内装や外装のカスタム、足回りやVCM、EPS等にも手が加えられクルマトータルとしての完成度が高まっており、むしろお安いのではなかろうか?
勿論価格は安いに越したことはないが、昨今の物価上昇・機能の高度化でクルマの価格に関する尺度(感覚)も変えざるを得ない状況になってきている様に思える。
以上で納車後1年の再レビューを終了させていただく。
これまでのオプションやパーツ単位の評価から一歩踏み込み、「クルマ自体の素の走り」に重きを置いて綴ってみたつもりだ。ただ、私のこれまでの経験値のみというある意味「偏った評価」であるのも事実である。感じ方は人それぞれなので、気になる方はぜひお近くの日産ディーラーにて試乗し、その目で見て確かめていただきたい。
Cセグメントからのダウンサイジングや、輸入車からの乗り換えを検討されている、どなたかの参考になれば幸いだ。