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2026年11月02日 イイね!

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第3回】燃費と総合評価

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第3回】燃費と総合評価
第1回、第2回を踏まえ、シリーズ最終回は燃費の整理と総合判定をまとめる。

【シリーズ案内(全3回)】
第3回:燃費と総合判定(サイズを超えた「Cセグ級」か?)←この記事
 
【要点】
・燃費は年間17.6km/L(NissanConnect実測)高速主体の日は20〜22km/L
・Bセグのネガ(出だしが遅い/走りが安定しない/疲れる)は、ほぼ解消している
・Cセグ級の定義=Bセグのネガが無く、所有したゴルフ7と走りの項目で同等以上
・レンタカーで乗ったBセグ3台と比べても、出だしと安定感はオーラSSが上
 
【目次】
1.燃費まとめ(市街地・高速・ゴルフとの比較)
2.総合判定:サイズを超えた「Cセグ級」か?
 
1.燃費まとめ(市街地・高速・ゴルフとの比較)
燃費の話が市街地と高速に分かれるため整理をしておく。
 
1-1 オーラSS燃費一覧
■ チョイ乗り(最低記録):6.8km/L
・走行距離 4.1km、走行時間 22分
始動時のSoCと空調に大きく依存

■ 連続1時間以上の場合(空調使用):15〜20km/L台
・市街地(20-30km前後の走行)
空調(エアコンやヒーター)を使っていても許容範囲に収束

■ 高速主体の1日:20〜22km/L
・走行距離の内80%以上が高速走行(渋滞あり)
1日高速主体で100km以上走行した場合のデータ

■ 年間総合:17.6km/L
いずれもNissanConnectアプリ実測値
 
最低燃費は極端な例。始動時のSoCにも大きく依存し、当たり前だが走行時間のうち発電用エンジンの稼働割合が高いほど悪化する。特にエアコンやヒーターを多用する季節(コールドスタート時)は顕著だが1時間以上連続して運転すれば許容範囲(10キロ台後半)に収束する。極端なチョイ乗りを繰り返さない限り、あまり気にする必要はないと思われる。
 
1-2 ゴルフとの比較(高速走行時中心)
■ ゴルフ4 ワゴン:約15km/L
・燃料:ハイオク
当時の車載メーター平均燃費の記憶

■ ゴルフ7 HB:18ー20km/L前後(条件が良ければ20km/Lを超える)
・燃料:ハイオク
80〜100km/hの定速巡航時のメーター表示の記憶
渋滞を含む1日トータルでは約15km/L程度まで落ちた感覚

■ オーラSS:20〜22km/L
・燃料:レギュラー
1日高速主体で100km以上走行時のNissanConnectアプリ実測
 
ゴルフの時代はスマホアプリ連携などもなく、記憶頼みの比較でフェアではない。ただ、ゴルフ7は高速のみを渋滞無しで80〜100km/hできれいに流せば20km/Lを超える数字(メーター表示)をたたき出すなど、ダウンサイジングターボの威力を発揮した。しかし連休の外出などでひとたび渋滞に遭うと、1日を通した燃費は15km/L前後まで落ち込む感覚だった。
その点、オーラSSは高速主体の1日であれば、渋滞が混ざっても20km/Lを超える燃費を記録してくれる。しかも何より「レギュラーガソリン仕様」である。
 
1-3 「e-POWERは高速が弱点」をどう読むか?
一般にe-POWERは高速巡航が弱点と言われる。内燃機関+多段ギアを持つクルマは高速に乗ると燃費が伸びるが、e-POWERの場合はモーターを高回転で回し続けるため、それを補う電力を発電するためエンジン稼働が増え、高速では燃費の伸びが小さい(落ちる)とされる。新型キックスやエルグランドに搭載される第3世代e-POWERでは、高速燃費が15%向上するとのことだから羨ましい限りだ。
 
ただし、見方は比較軸で変わってくる。
・他社のハイブリッドと比べると高速の燃費は悪い(一般論)
・私の使い方では高速主体の日の燃費が最良(実測値)
・渋滞混じり高速燃費が15km/Lだったゴルフ7と比べると、渋滞ありでも20km/L以上を記録(記憶との比較)
 
また、強制的にエンジンを回して発電する「チャージモード」の活用法も燃費の面で興味深い。一見燃費が悪化しそうな機能だが、私がよく参考にさせていただいているYouTubeチャンネル「SUTTOGO FILM」様の検証動画”☆日産オーラ☆ チャージモード活用で楽しい走り! 3分25秒の充電で14km走れるのか? その理由を実走行で検証!”を拝見する限り次のようなサイクルが成り立ち、結果としてクルマ任せよりトータルの燃費効率が良くなるケースがあるとのことだ。
 
高SoC状態を維持 → 通常走行時のエンジン稼働(重負荷発電)が抑制される 
結果、軽い充電で済み燃費が良くなる
 
e-POWERの制御の奥深さを知るうえで、非常に参考になる知見である。
 
1-4 燃費の結論
ゴルフとの燃料単価(ハイオクvsレギュラー)の差も考えれば、
 「私としては十分に燃費の良いクルマ」
 という結論だ。
 
2.総合判定:サイズを超えた「Cセグ級」か?
第1回の最後に問いかけた「サイズはBセグのオーラSSが、走りで勝負できているのか?」に対し、ここで答えを出したい。
 
2-1 本シリーズでいう「Cセグ級」の定義
本シリーズで「Cセグ級」というのは、次の2つを満たすという個人的な定義である。

・Bセグにありがちなネガ(出だしが遅い/走りが安定しない/疲れる)の解消
・私が12年乗ったゴルフ7(Cセグの代表)と比べて、走りの項目で同等以上

車両のサイズや内装・装備差などは評価に含めない。
また、Bセグのネガはあくまで一般的又は私個人の勝手な印象であり、すべてのBセグに当てはまるわけではないが、比較の意味で私がレンタカーなどで過去乗ったことのあるBセグカーのインプレッションを次項で軽く紹介する。
 
2-2 他のBセグカーとの比較(レンタカー体験)
過去レンタカーで乗ったBセグカー3台とオーラSS/ゴルフを比べてみる。いずれも数日借用した時の印象で、記憶ベースであることをお断りしておく。
 
■ マツダ Mazda2(1.5Lガソリン、SKYACTIV)
出だし:
トルク不足で、加速が全く足りない。踏み込まないと前に進まず、エンジンも五月蠅い
取り回し:
Bセグならではの良さを感じる(オーラSSとは同等)
安定感:
ボディの剛性感が弱く、クルマに守られている感じを受けない
典型的なBセグカーの足回り
高速は走っていないがオーラSSやゴルフより明らかに劣る印象

■ アクア(マイナーチェンジ前のレンタカー&試乗車)
出だし:
レンタカーでは走り出しのレスポンスの良さを感じられなかった
試乗車(バイポーラバッテリー)はモーターアシストも強く、通常走行での
ストレスはほぼ感じらなかった
取り回し:
Bセグならではの良さを感じる(オーラSSとは同等)
安定感:
好き嫌いの範疇だと思うが、足回りが柔らかすぎて安定しているとは思えなかった
乗り心地の観点では、試乗中リアシートに乗ったかみさんからは好印象だった
Mazda2ほどで悪い印象はない

■ ノート4WD(直近の北海道旅行で借用)
出だし:
オーラSSと遜色無し。
フロントモーターはオーラより弱いが、リアモーターがあるため同等レベル
安定感:
オーラSSのほうが明らかに上(トレッド幅やタイヤが影響と考察)
ステアリングのキレ:
オーラSSの方が好ましい(EPSのアシスト特性の違いと考察)
乗り心地:
ノート4WDの方がコンフォート
楽しさ:
2WDと4WDの違いもあるが、オーラSSのほうが圧倒的に楽しく気持ちいい
(あくまでフィーリング)
 
この3台の体験からは、次の2点が言える。
・出だしの遅さや、安定感の不足は、Bセグカーの典型(Mazda2、アクア)
・同じノート系のノート4WDと比べても、安定感とステアリングはオーラSSが好印象
 
後者について、差の理由は専用チューニングやトレッド幅、タイヤにあるのではないかと私は考えている。つまりは「Bセグでも走りがよい」のではなく、「このオーラSSの仕立て(仕様)があるが故に走りがよい」ということになる。
 
2-3 観点別の評価(ゴルフ7との比較、私の体感ベース) 
【走りの基本性能】
■ ゼロ発進・加速:オーラが上
 →「出だしが遅い」は解消
■ 高速巡航の静粛性:オーラが上
 →「疲れる」はほぼ解消(体感)
■ 運転支援(LKAの警告音・ハンドル保持判定):オーラが上
 →「疲れる」はほぼ解消(体感)
■ 直進安定性・ハンドリング:同等
 →「走りが安定しない」はほぼ解消
■ 乗り心地:ゴルフ7のほうがコンフォート
 → タイヤ変更で変わる可能性あり
■ ブレーキ・制動:同等
 → リアドラムでも「回生ブレーキ」の制動が効果的で問題なし
■ 燃費・燃料:オーラが上
 → 実燃費データ+レギュラー仕様
 
【クセ・弱点】
■ BSIの介入のクセ:個々人の感覚に依存。ゴルフ7は非装備(時代の問題)
■ エンジン稼働時の音:ゴルフ7より静かだが、存在は判る
■ 前方近接の警告:ゴルフ7より鳴るケースが多い(感度の問題?)
 
2-4 総合判定
Bセグカーのネガの「出だしが遅い」「走りが安定しない」「疲れる」は、ほぼ解消されている。レンタカーで乗ったBセグ3台(Mazda2、アクア、ノート4WD)と比べても、出だしと安定感はオーラSSが圧倒。そのうえで、私が12年乗ったゴルフ7と比べても、乗り心地の快適さを除く走りの項目では、同等かそれ以上である。
つまり、サイズを超越して走りのレベルがCセグ級というのが私の評価だ。
キャッチーな言葉を使えば「Cセグキラー」と呼びたいところだが、現行Cセグとの比較出来ている訳ではないのでそこまでの言及は控えることにする。

最後にみんカラクルマレビューの基準に従い再レビューする。
おすすめ度: 5 ★★★★★(初期レビューと変わらず)
デザイン:4 ★★★★(初期レビューと変わらず)
走行性能:5 ★★★★★(初期レビューと変わらず)
乗り心地:5 ★★★★★(初期レビューでは4、+1)
積載性:3 ★★★(初期レビューと変わらず)
燃費:4.5 ★★★★★ (初期レビューでは4、+0.5)
価格:5 ★★★★★ (初期レビューでは4、+1)
「乗り心地」と「燃費」「価格」の評価をプラスした(マイナス評価無し)

【再評価のポイント】
乗り心地
ダウンサイズしたにも関わらず、ゴルフと同等レベルの乗り味を実現出来ている点を再評価し加点した。
燃費
燃費は良いに越したことは無いのでもうひと踏ん張り頑張って貰いたいが、今回ブログを書くに当り振り返ってみると、渋滞混じりの高速道路走行であってもコンスタントに20km/L以上を達成しており、私の感覚的には上々だ。絶対評価(トヨタTHS-II又はホンダeHEVとの比較)ではなく、あくまで私自身の相対評価として加点をした。(+0.5という評価はないケド)
価格
「Bセグ」の中では高価格の部類だが、「Cセグ」クラスの走行性能を維持出来ている事を再評価。「サイズ」だけ見て「Bセグ」と思えば高いと感じる人が多いのかもしれないが、「走りの質感」を見て「Cセグ」だと思えば安く感じられると考えている。
オプション込みで定価レベルは400万円を優に超えたが、ノーマル(又はSSではないAUTECH)と比べ内装や外装のカスタム、足回りやVCM、EPS等にも手が加えられクルマトータルとしての完成度が高まっており、むしろお安いのではなかろうか?
勿論価格は安いに越したことはないが、昨今の物価上昇・機能の高度化でクルマの価格に関する尺度(感覚)も変えざるを得ない状況になってきている様に思える。

以上で納車後1年の再レビューを終了させていただく。
これまでのオプションやパーツ単位の評価から一歩踏み込み、「クルマ自体の素の走り」に重きを置いて綴ってみたつもりだ。ただ、私のこれまでの経験値のみというある意味「偏った評価」であるのも事実である。感じ方は人それぞれなので、気になる方はぜひお近くの日産ディーラーにて試乗し、その目で見て確かめていただきたい。
 
Cセグメントからのダウンサイジングや、輸入車からの乗り換えを検討されている、どなたかの参考になれば幸いだ。
Posted at 2026/11/02 17:10:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2026年11月01日 イイね!

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第2回】vs VWゴルフ

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第2回】vs  VWゴルフ前回からの続き。第1回で述べた通り、サイズではオーラSSはBセグメントである。今回は、その走りのレベルをCセグメントの世界的ベンチマークである「VWゴルフ」と比べて検証する。私は四半世紀(ゴルフ4ワゴンに13年、ゴルフ7に12年)にわたってゴルフに乗り続けた。そのゴルフと比べたら、走りの質感はどう評価できるのだろうか?
ここでも、「10年以上前、ゴルフ4に至っては約30年前の設計のクルマと比べるのか…」というご意見もあると思う。ただ、自分が実際に所有して身体に染み付いた基準と比べてどうだったのか?という視点にこだわりたい。クルマの所有満足度は、スペック表の絶対値ではなく「以前所有していたモノとの比較」で決まる部分が大きい、と私は考えている。

今回の乗り換えで、サイズ的には「Cセグ」→「Bセグ」にダウンサイズした。カテゴリ(車格)が変わる事で、掛けるコストなども大きく変わり制限事項が増えてくる。それに伴いBセグメントには、一般的に次のようなネガティブなイメージがある。

・小さい
・出だしが遅い
・走りが安定しない
・疲れる

あくまで一般的なイメージで、すべてのBセグに当てはまるわけではない。サイズが小さいことは前提条件としても、残りの3つ(出だし・安定・疲れ)はオーラSSにも当てはまるのか。ゴルフと比べながら、確かめていく。

【シリーズ案内(全3回)】
第1回:カローラセレスとの比較(30年の進化)
第2回:VWゴルフとの比較(走り編) ←この記事
第3回:燃費と総合判定(サイズを超えた「Cセグ級」か)

【要点】
・サイズはBセグだが走りの基本性能と静粛性では、ゴルフ7と同等かそれ以上
・Bセグにありがちな「出だしが遅い」「走りが安定しない」「疲れる」は、ほぼ解消している
・特にゼロ発進のレスポンス、高速巡航時の静粛性、運転支援の洗練度が良い
・乗り心地は堅めでゴルフ7のほうがコンフォート。ただし長距離でも疲れず、同乗者(かみさん・娘)からも不満が出ていない
・ワインディングは経験が限られるが、専用EPSの反応は好印象
・弱点は「リアドアの造り」「BSIの介入のクセ」「エンジン稼働時の音」
・燃費と、「サイズを超えたCセグ級」という総合判定は、第3回にて
*走行4,000km未満、1年間の使用条件での印象です。比較の実体験は、私が所有したゴルフ7が中心です

【目次】
1.ドアの開閉音と静粛性
2.パワートレイン比較
3-1 市街地走行
3-2 高速道路
3-3 ワインディング走行
3-4 乗り心地
3-5 気になる点:エンジン稼働時の音

1.ドアの開閉音と静粛性:「Cセグの絶対王者」と「Bセグの制約」
50年以上続くCセグメントのベンチマークVWゴルフ。真に「名車」と呼ぶにふさわしいクルマだ。

初めてゴルフ(ゴルフ4)に乗り込んだときの衝撃は今でも忘れられない。以前の思い出ブログにも書いたが、国道沿いの喧騒の中に展示してあった試乗車に乗り込み、ドアを閉めた途端に外の騒音がフッと消えたのだ。当時検討していたボルボ850/V70よりも価格がかなり安かったにもかかわらず、ドアを閉めるときの「バスン!」という重厚な音とともに現れる静かな室内は強烈な印象を残し、「ゴルフは割高」という先入観を一掃してくれた。

では、オーラSSはどうか。
・フロントドアの開閉音は、ゴルフほど重厚ではないものの、比較的良い音がする
・フロントドアは遮音ガラス(合わせガラス)と吸音材の効果もあり、室内の静粛性はかなり高い
・一方でリアドアは通常の強化ガラス(一枚ガラス)で、ドア自体もかなり軽い造りのため、閉めたときの音や感触はいささか心許ない

ゴルフはリアドアもフロント同様に重厚な造り込みがなされている。このあたりはノートをベースとしている影響か「あぁ、ここはBセグだな!」と思わざるを得ない部分だ。同じBセグメントでも、私がディーラーで見たVWポロはリアまでしっかりした造りだったので、日産には今後ぜひ頑張っていただきたいポイントである。

2.パワートレイン比較:内燃機関+変速機の宿命を超えた「第2世代e-POWER」
肝心の走行性能については、純内燃機関のゴルフ4/ゴルフ7と、100%モーター駆動のオーラSSとでは、決定的な違いがある。

【VW ゴルフ4 ワゴン】
・パワートレイン:2.0L SOHC 自然吸気(4AT)
・最高出力:116ps
・最大トルク:172Nm
・特徴:実用域は十分だが、エンジン音に官能性はなく、出だしは穏やか

【VW ゴルフ7 HB コンフォートライン】
・パワートレイン:1.2L DOHC ターボ(乾式7速DSG)
・最高出力:105ps
・最大トルク:175Nm
・特徴:巡航時は快適。乾式DSGのクラッチ保護制御と1,400rpm未満の過給ラグが原因ではないかと推察しているが、発進直後にわずかな「もっさり感」がある

【日産 オーラSS】
・パワートレイン:第2世代e-POWER(EM47モーター)
・最高出力:136ps
・最大トルク:300Nm
・特徴:0rpmから最大トルクを発生。ECOモードでもストレスのないレスポンス

クルマ好きは本来、エンジン音とともにドライビングプレジャーを感じるところだろう。しかし、実用エンジンである2.0L SOHCのゴルフ4や、1.2Lダウンサイジングターボのゴルフ7では「官能的なエンジン音」を感じることはできない。もちろん日常使いで不足を感じることはないのだが、スピードに乗るまでの「走り出し(ゼロ発進)」では、とりわけゴルフ7の乾式DSGと小排気量ターボの組み合わせに、少々「もっさり」と感じる瞬間があった。上位グレードのGTIやR仕様に、ちょっとだけ憧れていたのも事実だ。

それに対し、オーラSSはモーター駆動ならではの出だしから最大トルク300Nmを瞬時に叩き出す。まさに別次元だ。ゴルフで少々不満のあったゼロ発進も、完全にストレスフリー。しかもドライブモードが「ECO」でも、である。「出だしが遅い」というBセグのイメージは、オーラSSには当てはまらない。

さらにオーラSSは、ノーマルのオーラよりアクセル開度に対するレスポンスを強化する専用VCM(Vehicle Control Module)チューニングが施されている。もちろん実際にシグナルグランプリをするわけではないがその加速には余裕があり、このレスポンスを一度経験してしまうと内燃機関には戻りにくくなってしまう。

購入検討時、e-POWERを「出来損ないのハイブリッド」と揶揄するネット上の書き込みが目立っていた時期だった。そのため「ゴルフから乗り換えて不満が出ないか?」と少々心配もしていた。ただ実際に乗ってみた私の使用環境(走行距離はまだ4,000km未満と少なめ)では、市街地と高速でゴルフと同等かそれ以上の満足度を得ている。ワインディングは経験が限られるため後述する。

3-1 シチュエーション別レビュー 市街地走行:ワンペダルと回生制御の妙

ストップ&ゴーを繰り返す市街地は、e-POWERがもっとも得意とするステージだ。
ゴルフ7もオートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ(EPB)を備えていたため、乗り換えにあたって「メモリー機能付きEPB」は必須条件だった。これに日産の「e-Pedal(ワンペダルドライブ)」が組み合わさると、利便性は劇的に跳ね上がる。慣れれば慣れるほど、アクセルワークだけで加減速をコントロールできる快感を実感するのである。

急制動が必要でない限り、私がブレーキペダルを踏むのは完全停止の直前(5km/hくらいまで落ちたとき)に「チョン」と踏む程度だけで済んでしまっている。よくネット上で「オーラ(およびノート)は後輪ブレーキがドラム式だからダメじゃん!」というネガティブな意見を見かける。しかし、日常の減速エネルギーの大半をフロントモーターの回生ブレーキで処理出来てしまうため、実用上リアにディスクブレーキの放熱性や制動力が必要になる場面にはまず出くわさないだろうと私は推測している。ディスクブレーキは前輪のみだが、ブレーキの制動やフィーリングに関して必要十分な機能を有していると感じている。回生減速中のブレーキランプ点灯タイミングさえ感覚として把握できれば、後続車にも違和感を与えることもないはずだ。

ブレーキ関連で、もう2点ある。
1点目は、前方近接の警告だ。ゴルフ7の時と比べて、オーラSSのほうが警告が鳴るケースが多い。その場合も自分でブレーキ制動を行うのだが、当然しっかり止まる。ブレーキの制動そのものに不満はない。
2点目は、EPBのオートホールドだ。ゴルフ7は、ブレーキペダルを強く踏み込むとアイドリングストップが作動してしまうため(私はアイドリングストップが嫌いなので)強く踏み込めず、ブレーキで車両を止めてからホールドに入るには「ほんの少し」踏み込めば良かった。オーラSSはアイドリングストップが無いので強く踏み込んでも良いのだが、まだゴルフのクセが抜け切れておらず、「たまに」EPBが掛かっておらずドキッとする場面がある。これは私の慣れの問題である。

また、乗っていて気づくのが「SoC(State of Charge:駆動用バッテリー残量)が高いほどモーターのツキ(レスポンス)が良くなる」という点だ(あくまで私の体感)。通常走行時SoCが75%を超えることはあまりなく、メーター目測上おおむね20%〜60%を行き来している。これは、回生エネルギーを取りこぼさないためのバッテリー空き容量の確保と、リチウムイオンバッテリーの劣化防止を目的とした制御だと推察している。

なお、市街地は得意なステージだが、短距離・短時間(チョイ乗り)では燃費が大きく下がる。この点は、第3回の燃費まとめで整理する。

3-2 シチュエーション別レビュー 高速道路:ゴルフ7を凌駕する「巡航時の静粛性・LKAの洗練度」

高速域での直進安定性は、Cセグメントのゴルフと比べて遜色ない。「走りが安定しない」というBセグのイメージも、少なくとも高速では感じない。
私はゴルフ7の時代から高速走行時には運転支援システムをほぼ常用しているのだが、ゴルフ7のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)+レーンキープアシスト(Lane Assist)と比べて、オーラSSのプロパイロットのほうが優れていると感じる点が2つある。

良い点1: 巡航時の静粛性と疲労軽減
高速走行時はどちらもハンドルに手を添えているだけなのだが、オーラSSで走行している時の方が同じ距離を走った場合でも疲れないのである。それは何故なのだろうか?と考えてみた。

オーラSSの場合、市街地に比べればエンジンの稼働率は高まるのだが、遮音性が高いためかエンジン稼働時の音(3-5で後述)を除けば、高速巡航時のゴルフより室内がかなり静かに感じる(あくまで体感で、騒音計での測定は行っていない)。ロードノイズや風切り音は当然入ってくる。ただ、絶対的なノイズレベルが低く感じられるため、長距離走行時の疲労感が明確に減ったように感じられるのだ。ロングツーリングを頻繁にするわけではないが、

運転していて疲れない = 良いクルマ

の図式は間違いなく成り立っている。「疲れる」というBセグのイメージも、私の体感では当てはまらない(足まわりについては3-4で触れる)。

良い点2:LKA(車線維持支援)の警告音
地味なポイントだが、ゴルフ7に比べて格段に進化を感じるのが、ハンドル保持判定と警告音だ。
私のゴルフ7にもACCとLane Assistが付いていたが、ステアリングに軽く手を添えているだけではトルク感応式のため手放しと誤判定されけたたましい警告音が鳴り響いた。眠気覚ましには好都合だったものの、寝ている同乗者には大迷惑の大音量で、しばらく大丈夫であっても鳴り始めると連続して鳴るものだからかなりのストレスだった。オーラSSの警告音は音色・音量ともにジェントルで、運転していて気持ちがいい。

番外編: インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)のクセと制御のカラクリ
ついでに話しておくと、ゴルフ7には装備されていなかった「インテリジェントBSI」には少々クセがある。

【機能の概要】
・高速(約60km/h以上)で走行中、隣接レーンの後側方にクルマを認識すると車両を元のレーンに戻して衝突を防いでくれる安全機能
・機能としては頼もしい

【困った症状】
・追い越し完了後のレーンチェンジで、システムが「車間が近すぎる」と判断するとウインカーを点滅させていても元のレーンに強制的に戻す動作をする
・私は当初、プロパイロットと同様に「電動パワステによる操舵介入」で戻されているとばかり思っていた

【調べて分かった正体】
・その正体は、VDC(横滑り防止装置)を使った「4輪独立ブレーキ制御」
・例えば追い越しが完了し左へ車線変更しようとした場合、右前輪・右後輪のブレーキを微細につまむことで、車体を右(元の車線)へ引き戻す回転力(ヨーモーメント)を発生させている
・前輪の片側に制動力がかかるためステアリングにも反力が伝わり、ハンドルを切られたと勘違いしたのだと推察(この反力の説明は私の推測)
・単なる操舵アシストではなく「片側ブレーキで車体の向きをグイッと変える」からこそ、介入された瞬間に独特の違和感、いわゆる「ドキッ」とする感覚があったのだと思われる。

【私の運用】
BSI(介入機能)オフ、BSW(警報)オン
安全な車間を保っていればレーンチェンジ自体は問題なくできるが、この唐突なヨーの変化は心臓に良くない。後続車からも「急にフラついて何してんねん!」と思われるのでは??と気になってしまう。慣れるまでの辛抱かとも思ったが、「下手くそ運転」と思われるのも癪なので、現在はBSI(介入機能)のみOFFで運用している。BSW(後側方車両検知警報)はONのままなので、後側方にクルマがいればドアミラーのインジケーターと警告音でしっかり教えてくれる。煽られ気味で車線変更を余儀なくされる場面や緊急回避など、予期せぬ場面でブレーキ介入されないほうが私の感覚には合っている。

なお、これはメーカーの推奨設定ではなく、あくまで私個人の判断である。感じ方は人それぞれなので、気になる方は取扱説明書を確認のうえ、ご自身で判断していただきたい。

3-3 シチュエーション別レビュー ワインディング走行:ジャンクションで「ビタッ」と決まる専用EPSの妙味

純粋なワインディングについては、まだクルマに慣れていない納車2週間後に筑波山を走ったきりなので断定的なことは書くことが出来ない。ただ、AUTECH SPORTS SPEC専用のチューニングが施された電動パワーステアリング(EPS)のアシスト特性が、とても気持ちが良いという印象は強く残っている。
この操舵フィールはゴルフ7と大きな違和感がなく、舵角に対して切った分だけリニアにノーズが反応してくれる味付けで実に気持ちいい。筑波山のような峠道でなくとも、その恩恵を日常的に感じられるのが「高速道路のジャンクション」である。

川崎浮島JCTや、首都高中央環状線(C2)の大橋JCTのような、少しバンクがついたコーナー(もちろん法定速度内で)では、ハンドル操作と車体のロール姿勢が「ビタッ!」と決まり、実に気持ちよく走り抜けられる。おそらく「オーラNISMO」なら、よりスパルタンで鋭いコーナリングを見せるのだろう。ただ、還暦を過ぎたおぢさん(+助手席のかみさんリミッター付き)には、しなやかさとリニアリティを両立したこのオーラSSのハンドリングのほうが、間違いなく合っていると勝手に思い込んでいる。

3-4 乗り心地:堅めの足まわりとハンドリング
まず、基準となるゴルフの乗り心地から。
・ゴルフ4ワゴン:
ドイツ車(ゴルフ)らしい堅めの乗り味。直進安定性が高く、段差を越えるときのフワフワ感は皆無。セレスからの乗り換えだったため、走行の重量感とハンドルのしっかり感もあわせて、まさに「安定」の一言だった
・ゴルフ7:
走りの印象はゴルフ4と同じ。ワゴンからHBになり軽量化されたものの、ボディ形状の優位さから剛性感は増した印象で「乗り心地」という観点でも向上した(3世代を経ているので当然ともいえる)

ゴルフも堅めの乗り味だったので、「堅い」こと自体は私にとってネガではない。そのうえで、オーラSSの乗り心地に関する私の評価をまとめておく。

・足まわりは他の方の印象通り堅め
・「ガチガチ」ではなく、「しなやか」または「コシがある」という印象
・ロードインフォメーションも確実に伝わり、操舵感覚も俊敏で心地いい
・試乗したオーラNISMOより柔らかく、段差もNISMOのようにダイレクトには伝わらない

ゴルフ7との比較では、ゴルフのほうが明らかにコンフォートである。タイヤのエアボリュームの違いが影響していると私は考えているが、ネット上で言われるほどオーラSSの乗り心地が悪いとは感じない。タイトな乗り味が好きな人なら、むしろ好ましく感じるのではないかと思う。

オーラNISMOの試乗時に「乗り心地が悪い」と云っていたかみさんも、オーラSSに1年間同乗していて乗り心地に関して文句を云ったことはない。リアシートに乗る娘からも、同様である。

NISMOとの差は、タイヤ(オーラSS: e-PRIMACY/NISMO: Pilot Sports4)とオーラSS専用のヤマハ製パフォーマンスダンパーの成果ではないか?と私は推察している。

オーラSSの乗り心地で、不快に感じることは実はあまりないのである。

3-5 気になる点:エンジン稼働時の音
静粛性は高く評価しているが弱点もある。モーター走行中の室内が静かすぎるため、発電のためにエンジンがかかるとその音が「相対的」に目立ってしまうのだ。
ゴルフ7に比べれば総じて静かだと思うし、他のオーナーレビューにも「エンジンが掛かっているのか分からない」という声もある。しかし、私の感覚ではそこまで消えているとは感じられない。静かな室内との対比で、エンジン音の存在ははっきり分かる。

今回はここまで。次回最終回は、燃費の整理と総合判定をまとめる。
(第3回へ続く)
Posted at 2026/11/01 14:40:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2026年10月31日 イイね!

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第1回】vs カローラセレス

日産オーラ納車1年後の再レビュー:過去に乗ってきたクルマとの比較【第1回】vs カローラセレス登録日は10月中旬なのだが、実際の納車日は10月末(本日)であり、この度、納車後ちょうど1年が経過した。その記念というわけではないが、1年間乗ってみて見えてきたことを「再レビュー」としてまとめたい。全3回シリーズ。

【対象車両】
日産 ノート オーラ AUTECH SPORTS SPEC(2025年式 / FE13)
主要OP:プロパイロット、NissanConnectナビ、BOSEパーソナルプラスサウンドシステム、寒冷地仕様(以降、オーラSSと表記)
納車後1年/走行距離は4,000km未満とみんカラユーザの中では少なめ

【レビューの前提】
車歴:

直近まで12年乗ったVW ゴルフ7 コンフォートラインからの乗り換え。その前もゴルフ4ワゴンに13年乗っており、欧州車特有の「カチッと感」に慣れ親しんでいる。
ドライビングスタイル:
プロフィールにも書いているが、子供の頃にスーパーカーブームを経験している世代のため、クルマ好き&運転も大好き。とはいうものの、助手席には「かみさんリミッター」が標準装備されているため、基本は安全運転。峠を攻めたりスピード狂でもない。
視点のクセ:
デジタルガジェット好きにありがちな「妙なところへのコダワリ」があるせいか、他人からはどうでもいいと感じる細部が気になったりする。共感いただける方には「それな!」と思っていただけるはずだが、傍から見るとちょっと面倒くさい(痛い)ヤツと思われるかもしれない…(笑)。

【シリーズ案内(全3回)】
第1回:カローラセレスとの比較(30年の進化)←この記事
第2回:VWゴルフとの比較(走り編)
第3回:燃費と総合判定(サイズを超えた「Cセグ級」か?)

【要点】
・サイズでは、オーラSSは明らかにBセグメント
・それでも走りの基本性能は、私の感覚ではCセグ級&欧州車の域
 → サイズを超えたところに価値があると考えている
・高速域の安定性・接地感の向上はプラットフォームによる進化が大きい
* 納車後1年、走行は4,000km未満という条件での感想です

【目次】
1.30年前の「高速域のフワフワ感」と「接地感の希薄さ」
2.「止まる」の原体験
3.「カタマリ感」と「ガッシリ感」の差を生む、現代のプラットフォーム設計
4.サイズはBセグ、走りはCセグ級という違和感?

いきなり総評となるが、オーラSSのクルマとしての基本性能は、私の感覚では、欧州車の域に達していると感じている。
一般に、買い物をする場合検討時点の期待値が先行するためか、買ってからガッカリするケースも少なくない。しかしこのクルマは、基本性能である「走る・曲がる・止まる」について、走行距離こそ少ないものの、1年経った今でも文句がない。
もちろん移動中の快適性を考えれば、「室内の広さ」や「各種機能の性能・使い勝手」も重要だ。ただし、そこは用途や予算に応じて「どこまで許容できるか」という尺度が人それぞれ違う部分であり、万人の要求を100%満たすクルマはおそらく存在しない。
しかし、私のように1台のクルマを長く所有する人間にとっては、目先のギミック(本当は大好物w)よりも、この「基本性能」こそが一番重要な尺度になる。

「走る・曲がる・止まる」

これらも評価の尺度が人によって異なるのは事実だし、今どきのクルマで基本性能が「ダメダメ」というクルマはまず無いと思う。それでも私がなぜここまでオーラSSの基本性能を高く評価するのか。クルマを常用するようになってから約30年の間に乗ってきた「過去3台のクルマ」と順番に比較して再レビューをしていきたい。

トヨタ カローラセレス(E100系/AE100)との比較

1.30年前の「高速域のフワフワ感」と「接地感の希薄さ」
結婚当初、かみさんが所有していたクルマが「カローラセレス」。後期型の1.5Lハイメカツインカム・4AT「Fタイプ(エクストラパッケージ)」だったと思う。かれこれ30年前の記憶であり、私自身がペーパードライバーを脱した直後で、クルマの善し悪しよりも自分の運転の危うさのほうが気になっていた時期だ。当時の未熟な運転技量というバイアスは割り引く必要があるが、それでも強く記憶に残っているのが、90年代の国産ファミリーカー特有の「高速域におけるフワフワ感」と「接地感の希薄さ」だ。

カローラセレスは、1985年に販売開始されたカリーナEDが火付け役になったと思われる4ドアハードトップブームの流れで、1992年に登場した7代目・E100系カローラの派生モデルである。バブル期に開発され「史上最も贅沢にコストがかけられた」とも云われるシリーズだ。
基本性能や信頼性に不満はなく、義父が車両関係の仕事をしていたこともあり、帰省のたびに適切なメンテナンス(ちゃんとした下抜きのオイル交換など)をしてもらい機関系のトラブルは皆無だった。釘踏みによるパンクや、チャイルドシートに座っていた娘の手が後席のルームランプスイッチにあたってしまいバッテリーを上げJAFを呼んだといったヒューマンエラー以外、まさに「壊れないトヨタ」を体現していた。

では、あのフワフワ感はどこから来たのか。ここからは素人の推察だが、原因の一つはブームの流れで生まれた「4ドアピラードハードトップ」というボディ形状にあったのではないかと思う。Bピラーはあるものの、サッシュレスドアで全高を1,315mmまで切り詰めたデザインでは、ルーフサイドレールやドア開口部の断面(閉断面)を十分に確保しにくくボディ剛性の面で不利になりやすい。低重心というメリットはあったが、当時のボディ剛性と細身の13インチタイヤ(175/70R13)では、サスペンションからの入力をボディ側で受け止めきれず、それが高速走行時のフワフワ感につながっていたのでは、と今なら思う(あくまで私見である)。

もう一つの「接地感の希薄さ」については、ボディだけでなくタイヤと足まわりの影響も大きかったのではないかと思う。175/70R13という細身で高扁平のタイヤは、接地面積が小さくサイドウォールもたわみやすい。当時の国産ファミリーカーは、乗り心地を重視した柔らかい足まわりが主流だったという印象も重なって、路面の情報がハンドルに伝わりにくく、「地面を掴んでいる」という実感に乏しかったのだと思う(これも素人の推察である)。

2.「止まる」の原体験
そのセレスで、基本性能の大切さを身をもって知った出来事がある。
会社の合宿で同僚2名を乗せ、長野方面へ高速道路を走行していたときのこと。前方の第1レーンを走っていたクルマが居眠りでもしていたのか、追い越しをかけようとした私の目の前へウインカーも出さず突然「ふら〜ッ…」と蛇行してきたのだ。生まれて初めてのパニックブレーキを踏む羽目になったが、ABSが功を奏して3名乗車でも姿勢を乱すことなく見事に制動・回避することができた。直後はブレーキを踏んだ足の震えが止まらず、しばらくアクセルをまともに踏めなかったのを鮮明に覚えている。
当時、このクラスではまだ珍しかったと思われるABSが装備されていたおかげで命拾いをした。高速域ではフワフワして不安だったクルマが、いざというときの制動では安定していた。「止まる」という基本性能の重要性を体験できた出来事である。

3.「カタマリ感」と「ガッシリ感」の差を生む、現代のプラットフォーム設計
それから30年が経ち、いま乗っているオーラSSのステアリングを握ると、シャーシ構造の進化をまざまざと感じる。
オーラSSの乗車感覚を表現するとき、長年乗ってきたゴルフのような欧州車的で重厚な「カタマリ感」というより、骨格に芯が通った「ガッシリ感」という言葉がしっくりくる。ゴルフとは若干方向性は違うが、基本性能の水準は同等というのが私の実感である。

また、90年代と現代においてはプラットフォームの「共用のしかた」が違うことが影響していると思う。

昔のクルマは車種専用設計で贅沢だったと思われがちだが、セレスの時代もプラットフォームはカローラセダンやレビン/トレノと共用である。一方、オーラのプラットフォーム「CMF-B」も、ルノー・ルーテシア、日産ノートなどと共用している。決定的に違うのは、エンジンルームやコックピット、前後アンダーボディを「モジュール(機能単位)」として定義している点だ。これによりプラットフォーム自体の高い剛性を確保したまま、ホイールベース、トレッド、サスペンションジオメトリ、さらにはオーラSS専用のヤマハ製パフォーマンスダンパー、専用のスプリングやショックアブソーバー、EPSなど車種ごとに緻密な最適化ができる。
ルノー・ルーテシア、日産ノート、3ナンバー化されたオーラ、オーラNISMO、オーラSSと、兄弟車でありながらそれぞれまったく異なる走りの味付けが破綻なく成立している。これはモジュール化と鋼板技術の進化のおかげだろう(これは私の推察である)。

4.サイズはBセグ、走りはCセグ級という違和感?
まず「セグメント」とは何か。A・B・C…という区分には公式な定義はなく、全長などのボディサイズを中心とした欧州由来の慣習的な区分だと理解している。一般にBセグメントは全長約3.8〜4.2m、Cセグメントは約4.2〜4.5mとされる。オーラSSはこの目安ではBセグメントに入る(全長は4,085mm)。
またこの区分は固定ではない。たとえばゴルフは、1991年発売のゴルフ3が全幅約1.7m以内だったのに対し、ゴルフ7では1.8mに達しており、世代を重ねて大型化してきた。

4-1 セレスとの比較(30年の進化の例)
カテゴリで言えばカローラ系のセレスは「Cセグメント」、ノート系のオーラは「Bセグメント」に分類される。昔のCセグが今のBセグのサイズ感になったとも言えるが、実際に並べてみる。

■ ホイールベース
・カローラセレス:2,465mm
・日産 オーラ:2,580mm
 差:オーラが115mm長い
■ 全幅
・カローラセレス:1,695mm
・日産 オーラ:1,735mm
 差:オーラが40mm広い
■ 前トレッド
・カローラセレス:1,470mm
・日産 オーラ:1,510mm
 差:オーラが40mm広い
■ 最大トルク
・カローラセレス:137Nm(1.5Lエンジン)
・日産 オーラ:300Nm(e-POWERのモーター)
 差:約2.2倍
*エンジンとモーターのトルクを単純に並べた参考値。モーターは0rpmから最大トルクを出せるので、体感差はこれ以上になる。

全長こそノッチバックのセレスのほうが長いが、走りの安定性を左右するホイールベースやトレッドは現代のBセグであるオーラが上回る。タイヤも205/50R17(ミシュラン e‐PRIMACY)の幅広・扁平タイヤを装着している。

ただし、これは30年前のクルマとの比較であり、現代のCセグメントと比べた話ではない。クルマは世代ごとに大型化・高性能化するため、昔のCセグを今のBセグが上回るのはある意味当然ともいえる。あくまで「30年の進化」を実感した例として受け取ってほしい。

4-2 現在のCセグメントとの諸元比較
では、現在のCセグメントと並べるとどうか。公式資料などで確認できた範囲で並べてみる。

■ 日産 オーラ(私のオーラSS)
・全長:4,085mm/ホイールベース:2,580mm/全幅:1,735mm
・最大トルク:300Nm(モーター)
■ VW ゴルフ7 1.2 TSI コンフォートライン
・全長:4,265mm/ホイールベース:2,635mm/全幅:1,800mm
・最大トルク:約175Nm(1.2Lターボ)
■ VW ゴルフ8(2021年発売時)
・全長:4,295mm/ホイールベース:2,620mm/全幅:1,790mm
・最大トルク:200Nm(1.0Lターボ)/250Nm(1.5Lターボ)
■ トヨタ カローラ スポーツ(ハイブリッド)
・全長:4,375mm/ホイールベース:2,640mm/全幅:1,790mm
・最大トルク:185Nm(モーター)
■ ホンダ シビック e:HEV(EX)
・全長:4,560mm/ホイールベース:2,735mm/全幅:1,800mm
・最大トルク:315Nm(モーター)
* 最大トルクは、エンジン・モーターで性質が異なる参考値。

数字のとおりサイズでは、オーラSSは現在のCセグメントに及ばない。全長はいずれも180mm以上、ホイールベースは40〜155mm短く、全幅も55〜65mm狭い。サイズはあくまでBセグメントである。ここは素直に認めよう。

ただし、私が云いたいのはサイズの話ではない。サイズを超越して走りのレベルがCセグ級に達しているということだ。セグメントの区分は「サイズ」の目安であって、「走りの質」の目安ではない。この2つは別物というのが私の考えである。

4-3 価格の評価について
一方でオーナーとして勿体なさを感じるのが、価格に対する世間の評価である。
オーラはベース車のノートと同じ「Bセグメントのコンパクトカー」というカテゴリに強制収容されているように見える(販売台数を合算するためか、というのは私の推測)。その結果、オプションなどを追加したら300万円を超える価格帯に対して「Bセグにしては割高だ」という表層的な評価になってしまいがちだと思う。

ただ、2021年に販売開始された当時のゴルフ8は292万〜378万円と価格帯はオーラSSと重なる(販売時期は重なっていないが…)。価格がCセグメントと同じ水準なら、走りの評価も同じサイズの区分ではなくCセグメントと比べる目線があっていいという見方もできる。「Bセグで小さな高級車路線」で行くのか、それとも「コスパの良い実質Cセグ路線」で行くのか。メーカーの打ち出し方のメリハリが微妙で何とも勿体ない。

セレスとの比較では、30年の進化をはっきり実感した。では、サイズはBセグのオーラSSが、現代のCセグを代表するゴルフと比べても走りで勝負できているのか?第2回で走りにフォーカスし、第3回で燃費と総合判定を述べていきたいと思う。
(第2回へ続く)
Posted at 2026/10/31 09:44:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2026年10月18日 イイね!

納車1年 1年点検とDetailer探し Black Editionのオマケ付き

納車1年 1年点検とDetailer探し Black Editionのオマケ付き気がつけば10月。先月はスタンダードジャズナンバーのSeptember in the Rain. 歌謡曲スタンダード(?)太田裕美さんのSeptember Rain 9月の雨ではないが、あめアメ雨の1ヶ月だった。8月の豪雨の被害も覚めやらない内に台風25号、26号とホント雨に祟られた1月だった。我が家は幸いにも被害を受けることはなかったが、印旛沼周辺や大網白里市ほか房総半島にお住まいの方には改めてお見舞い申し上げます。

早いものでオーラ納車から1年が経過し、1年点検を受けてきた。走行距離:約3,600km、年間を通じての燃費:17.6km/L。私としては結構乗った方の部類である。1回の走行距離・時間が短い乗り方が多いので、燃費は必ずしも良いデータではないが、静音性・加速性、何よりも運転していて愉しいのだから十分満足出来ている。みんともさんの中には30km/Lをお出しになる方もいらっしゃるので、オーラ自体の燃費はそれほど悪くは無いと思われる。これから購入される方は私のデータは余り参考にしない方が良いかもしれない。

肝心の1年点検であるが、これまで2回行なった1ヶ月点検・6ヶ月点検は、新車「無料」点検であったので、日産のメンテプロパック54 Basicを利用する初めての点検である。先の6ヶ月点検時にオイル交換をしており、それから半年1,500km程度の走行後のオイル&フィルター交換+コンピューター診断。

結果は全く以て問題なし!

クルマ自体は快調そのものである。
問題は2週間前に知らない間についてしまったクルマのスジキズ。クルマに乗り込み度に目に付くものだから結構気になってしまう。今回の点検入庫時に軽めの修理が出来ないか相談をしていたのだが、ディーラー出入りの鈑金業者さんでは対応が難しいという回答だった。

実はこれよりも前に、近所の鈑金屋さんで修理見積をしていたのだが、1軒は作業環境の問題(屋内作業スペース無し)という事で対応不可。もう1軒はキズがついてしまったパネルを再塗装する必要ありという事で見積は約7.5万円掛かる事のこと。これよりも安く対応出来ればと思っていたが残念無念。
タッチアップ直後に比べだいぶ盛り上がり部分がおさまって来たので、盛り上がり部分の平滑化+鏡面化加工をしてくれそうなディテイラーさんを探す事にした。こんな余りおカネにならなそうな作業を対応してくれるか判らないのだが、

どなたか優しいディテイラーさんをご存じの方はご教示ください

点検待ちの際ディーラーの車庫にキャリアカーが入り、新しいオーラが丁度入庫される所に出くわした。よく見てみると、

Black Edition

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ではないですか!
2026年の年次変更のニュースを聞いた時には基本的にコストダウン中心の情報だったので「これぢゃない!」感が強かったのだが、追加でラインナップされたこのBlack EditionとNISMOのBlack Limitedは意外や意外!?良いと思っていた。今回期せずして実車を拝む事が出来てラッキーだったが、

何が良いって、まずお顔が良い。

ボディ同色の3本ヒゲが”Black”塗装され締まって見えるしマットブラックのリアエンブレムも良いアクセントになっている。メーカーオプション全部乗せなのでお値段が高くなってしまっているのが玉に瑕。まぁ結局つけるプロパイとナビなのだから選択肢を狭めるべきではないとはいつも思うが、このエクステリアが手に入るなら目を瞑ろう。
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リアビュー

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ブラックエンブレム

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ブラックホイール 入庫間もないので汚くてごめんなさい



赤がアイデンティティのNISMOも今回は赤を封印!それってどうなの?とも思うが、写真を見る限りBlack Limitedは落ち着いた大人のコンパクトスポーツカーの印象がより強くなった様に思う。

NISMO RS Conceptの市販化が早まるかも!?というニュースもあったりするが、オーラはいよいよモデル末期?エルグランドやキックスの受注も好調らしいし、オーラも最後っ屁で沢山売れるといいね!!



Posted at 2026/10/18 16:42:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2026年10月03日 イイね!

マヂか!知らないうちに線キズ喰らう(怒)

マヂか!知らないうちに線キズ喰らう(怒)37日連続の長雨…久々に朝から晴れの週末!
雨ザラシでクルマも可哀想という事で洗車をすることにした。と云っても近くのスタンドの洗車機に突っ込むだけだ。

これまで何度も利用している近所の洗車機なので、サクッと洗って近所にドライブでも行こうと思い自宅を出発した。
皆さん既にお出かけをされているのか、洗車機の待ち行列はない。ガソリンも入れ、お手頃なシャンプー洗車+ていねい洗車コース。600円也。拭上げをしても30分もしないうちに綺麗になるので、最近はモッパラ洗車機のお世話になっている。

洗車が終了し、拭上げスペースにクルマを移動。クルマを降り綺麗になったクルマを見ると…

見事な線キズ発見

それも2個。テンションだだ下がりである。
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後席ドア上の線キズ

沈んだ気持ちの中拭上げもするが、あまり丁寧に拭上げようという気持ちになれなかった。

ブラシに何か付着してキズになったのであろうか?至る所にキズがあったわけではないので洗車機によるものであるかは判らなかったが、店員に念のためクレームしてみることにした。

「これ、洗車キズではないですね…」

キズが発生していたところは運転席ドアの真上(ルーフのエッジ部分)。
クルマに乗り込む時には目に付く場所なのだが、出がけや給油後に乗り込むタイミングではそんなキズなど無かった!(キッパリ)。
どう考えても洗車後に出来たキズに思えてならなかったのだが、ブラシによるキズはこういう場所には出来ないという店員さんの指摘も理解出来ない訳ではないので引き下がることにした。この後のお客さんで同じ事が起きない事を祈るばかりだ。
家に戻り、ディーラーに電話。空き時間でキズの具合を見て貰うことにした。

「う~ん。これ多分洗車機によるものぢゃ無いですね…」
「ちょっと深い感じもしますが、軽く磨いてみますね。」

とディーラー側の見解もスタンドと同じだった。
作業の結果、2コある内の後ろ側のキズはポリッシャーで磨くことで消えてくれたのだが、肝心に運転席上はダメだった。

「タッチペンで応急手当をするので様子を見て下さい。」
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という事で軽くタッチペン作業をしていただいた。結果はあまり芳しい仕上がりとは云えなかったが、

「時間が経つと多少馴染んで来ると思います・・・」

という言葉を信じる事にした。
キズを作る事無く、綺麗な状態で納車1年を迎えるところだったのだが…
目立たない場所なら余り気にならないのだろうが、運転席ドア上だと必ず目に付いてしまう。

という事で、手近な修理工場に写真を送って現在見積依頼中。

皆様からアドバイスなどいただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
Posted at 2026/10/03 17:31:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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TonoTonoです。よろしくお願いします。 サーキットの狼 スーパーカーブームの頃、小学校高学年。 車に憧れのある世代。 若い頃は都内で独り暮らし、車を...
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