
【第2話】最初の違和感
フランスから届いた小さな箱。
開けた瞬間、違和感が走った。
そして次の瞬間、それは確信に変わった。
「•••••こ、これは付かない。」
予感は的中した。
ADMは、左ハンドル用の左右対称物として右ハンドル用を制作したのだ。
だが、そこには根本的な誤解があった。右ハンドルでも、アクセルとブレーキは右足。
フットレストに乗せるのは、左足。
つまり問題は、左右ではない。「左足をどう支えるか」だった。
---
私 :
「いや、おかしいだろ。
右でも左でも、フットレストに乗せるのは左足でしょ。
それに、そもそもボルト穴の数からして違う。
送ってきたプロトタイプは4点留めだが、純正フットレストは2点留めだよ。」
このとき初めてLHDとRHDでは、フットレストの仕様そのものが全く異なることが分かった。
左右対称の仮説が崩れた瞬間だった。
ADM :
「最悪だな。OKわかった。設計し直す。
純正フットレストの寸法を測って送ってくれ。」
私 :
「……測る?俺が?」
---
私は、ノギスのノの字も知らない、
バリバリの文系である。
図面も読めない。
もちろんパーツ開発の経験もない。
それでも——やるしかなかった。
たった数センチ。
されど、その数センチが足りない。
その数センチを埋めるために、
左足に安住の地を与えるために、
私は測ることを決めた。
ここからが、本当の戦いの始まりだった。
(第3話へ続く)
Posted at 2026/04/04 18:06:38 | |
トラックバック(0) |
パーツ開発記録 | 日記