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川端由美のブログ一覧

2010年02月26日 イイね!

トヨタ公聴会その2

カワバタの意見に対して、賛成も反対も歓迎します。この手の話題については、どんなことを書いても、強烈な批判も受けるだろうと予想していましたので。もちろん、賛成してくれる人がいるのは心強いです。

コメントにも書いたのですが、今回のトヨタの件は、実はひとつの話題に見えて2つの側面があると思います。ひとつは、トヨタのクルマが本当に危険なのか。私自身、フェールセーフなどの存在を考えると、現行販売されている車両の中ではトヨタのクルマは一般的に十分に安全性を考えて設計されていると思います。もちろん、自動車は走れば事故を起こす可能性があるものですから、絶対的に安全だと言いきれるはずはないですが、それを言い出したら他の会社のクルマも同じです。

もうひとつ、「トヨタ問題」なのか、「トヨタ・バッシング」なのか、という視点です。政治的な背景や経済状況を総合的に考えると、バッシングの可能性もないとはいえません。また、アメリカ各誌の報道とカナダなどの第三国での報道を見比べても、アメリカ国内の論調が加熱気味なのは理解できます。

日本では、クルマそのものの危険性といったディテールに焦点をあてがちですが、国際世論はそうではないところにあったりしますよね。ファイアストンのときには部品に焦点があたりましたが、今回、電子スロットルそのものに焦点はあたっていません。固着については早期にリコールが行なわれていましたから、アメリカ側はそこに怒っているわけではないように感じます。

日本は「NOと言えない国」と言われて久しいですが、実YESという断言もできない。日本国内のコミュニティや文化的な分野では、それは美徳であったり、日本固有の文化を構築した基礎精神だったりすると思うのです。ただし、国際社会での政治的な動きに対しては、どうしても欧米のルールの中でYES/NOとはっきりした意見を求められます。昨日の会見を見ても、その点をハッキリする追求が多かったと感じた人も多いはずです。私自身、仕事で海外の方と関わる中で、ハッキリした意見を求められることが多いと感じています。

世界のトヨタともなれば、なおさら。

さらにアメリカ社会では、トップのリーダーシップが重視されます。最近のアメリカの若者は協調性が高まっているという統計もありますが、政治や経済を牛耳ってるのはまだまだ団塊の世代あたりですから、この厳しい状況においてトップがいかに舵取りするかで世論を味方にできる場合もあります。

今回の件は、きれいごとではなく、アウェイで戦って勝つ!くらいの気持ちがないとトヨタ側の言い分が「正しいかどうか」ではなく、言い分が「通らない」可能性がある、と思うのです。

そしてここからは、トヨタ問題ではなく、私の立場について。

コメントに日本人としてトヨタを応援すべき、というものがありましたが、私はジャーナリストとして記事を書く以上は、極力中立の立場で取材をすべきだと思っています。感情論で日本の基幹産業である自動車産業を無条件に支持したり、アメリカの旗を燃やしてアメ車のスクラップの上で破壊活動をするなんてことも可能だと思いますが、それは個人的にすればいいことです。実際、個人的にはアメリカが京都議定書を批准していなかった時期、個人の生活からできる限り米国製品を排除していました。餃子問題やミルク問題のときに中国製品を排除するのは容易ではありませんでしたが、、、

もちろん、公のメディアの場で理論を展開するにあたって、自分の意見を持つことも重要です。ただし、それは個人的な感情に基づくものではなく、少なくてもいくつかの事実の裏づけられたニュートラルな視点にたった上での判断でなくてはならない、と思っています。その上で、非買運動などのキャンペーンが発生すれば、筆の力ということになるわけですから。

理論的に考えても、「絶対に安全な自動車」なんてありえません。インドの格安車でも、最新のドイツ車でも、トヨタ車でも、走れば事故を起こす可能性はあります。だからこそ、技術者は安全性を向上するために血道をあげて研究開発をしているのです。

例え、個人的に工学部時代の友人の多くが従事している自動車産業、日本の基幹産業である自動車産業を応援していようが、私の立場で公のメディアで「トヨタ車は絶対に安全だ」と書くべきではないと思います。取材に基づいた記事を書く、それが私の仕事です。
Posted at 2010/02/26 08:12:07 | コメント(18) | トラックバック(0) | ∵クルマ∵ | クルマ
2010年02月25日 イイね!

トヨタ公聴会

トヨタ公聴会アメリカ議会でのトヨタの公聴会、初日が終わりましたね。TMSのレンツ氏が責任の所在を日本としたことで、豊田社長による答弁への注目がますます増した形になりました。現地では数時間後の豊田社長登場を前に、かなり緊張した空気が流れているのではないでしょうか。

実は、思うところあって、この件に関しては発言を控えていました。

トヨタ問題そのものについては、リコール対象となるような重大な欠陥があったのであれば、真摯に受け止めて問題解決に向けた対策を迅速にとるべきなのは明らかです。

ただし、アメリカの新聞の論調はかなり厳しいのですが、カナダの新聞は意外なほど冷静にこの問題を捉えていました。また、アメリカでは民主党が政権を握ると、日本をたたく傾向にあるのも事実です。77年間も世界1位の自動車メーカーでありつづけたGMを抜いたトヨタは、格好の標的となる可能性が高いと心配していたのですが、やはり…といった感じです。

近年、レピュテーション・リスクといって、法律を守るだけではなく、企業の評判を保つことが重要視されつつあります。今回のトヨタのリコールの件は、違法かどうか以前に、まさにこの「企業評判」の問題ではないでしょうか。

私自身、最近、『週刊 東洋経済』にてトヨタのレピュテーション・リスクとして、岡崎市と豊田市の市境にある新しいテストコース予定地に絶滅危惧種が見つかったことで大きな波紋を起こしているというリポートを書いています。今年、名古屋で生物多様性のCOP10が開催されるのですが、地元の企業であるトヨタが絶滅危惧種が住む里山を破壊してテストコースを造成するのか、と環境団体の間で大きな話題になりつつあります。もちろん、トヨタはすでに環境イメージが高い企業であり、そうしたイメージの構築も進んだ企業だと思います。ただし、今回のテストコース造成は、法律上はなんの問題もなく、従来の考え方では過疎化の進む地域で雇用を生むばら色の計画としてもてはやされたかもしれませんが、企業評判の維持のためにはそこに絶滅危惧種がいる可能性を探る必要がある、そんな時代になりつつあるのです。

また、日本人は謝罪を美徳とするところがありますが、アメリカをはじめ、欧米の国々では謝罪をすると非があることを認めたような形になってしまう場合があります。豊田社長にとっては非常に困難な状況かもしれませんが、問題の本質を見極めて、適切な回答を行なうことで真のリーダーシップを見せて欲しいです。アメリカはしばしばトップのリーダーシップが試される社会であり、そのトップが企業全体のイメージを構築する場合も少なくないからです。

公聴会の行方、引き続き、しっかり見守ろうと思っています。
Posted at 2010/02/25 02:25:42 | コメント(14) | トラックバック(1) | ∵クルマ∵ | クルマ
2010年02月19日 イイね!

もうひとつの顔

もうひとつの顔告知してなかったような気がするんですが、実はもうひとつ、BLOGを展開しています。このBLOGの右下にジミ~にリンクは貼っておいたのですが(笑)

「カワバタユミの2010年、クルマの旅」

クルマのエコとエゴにスポットをあてて、よりパーソナリティ重視で書いている「エゴイズムとエコイズム」に対して、「カワバタユミの2010年、クルマの旅」はタイトルの通り、次世代技術や未来の自動車社会に関して、いくぶん引いた目線でリポートしています。

もちろん、たまに箸休め的なオモシロネタが入ることもあります (^^;

みんカラ読者の方の中には、こちらの存在にも気付いて両方ご覧になってくださってる方も増えてきたようですし、視点の違うBLOGを両方見ていただくと、カワバタの取材活動が多面的にわかるかもと思ったので、よかったらご覧になってくださいね。
Posted at 2010/02/19 23:09:41 | コメント(6) | トラックバック(0) | 近況報告 | 日記
2010年02月19日 イイね!

GMシボレー・ボルトに乗ってきました

GMシボレー・ボルトに乗ってきましたGMが再起をかけて世に送り出す、シボレー・ボルトに試乗してきました。デトロイトショーのプレスデーの翌日、真っ白な雪に埋もれるGMの研究所に行ってきました。

最初のコンセプトカーの発表から3年以上も、このクルマの登場を待っていた身からすれば、そりゃもう、カンドーです。

詳細は、グリーンカービューにて!
Posted at 2010/02/19 02:29:48 | コメント(8) | トラックバック(0) | ∵クルマ∵ | クルマ
2010年02月18日 イイね!

VWゴルフR、シロッコRに遭遇

VWゴルフR、シロッコRに遭遇昨日アップしたボルボC30の試乗会は、ちょっと前のことです。ちょうど今、原稿を書いていたのでアップしたしだいです。実はですね、その週は3つほど試乗会が重なっており、ちょうどジュネーブから帰国してFAXを見たら、BMW5シリーズGTとVWゴルフR/シロッコRの試乗会は締め切りが終わってしまっていたのでした。

で、ボルボC30の試乗会にだけ参加したのですが、小田原の試乗会場を出で箱根ターンパイクに向かったところ、真っ白な雪の中にフォルクスワーゲン一族を発見!でも、前日までのすごい雪で埋まっていました・・・
Posted at 2010/02/18 21:58:09 | コメント(5) | トラックバック(0) | ∵クルマ∵ | クルマ
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「また電車に乗り間違った」
何シテル?   11/30 17:20
川端由美(かわばたゆみ) 工学を修めた後、エンジニアとして就職。自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスの自動車ジャーナリストに。自動車の環境問題と新技...
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