祝日明けの世間の空気は一般的に重い。
そんな火曜日はバイオリズムもなんだか低迷気味。
何かやることなすこと手に付かなくて、車のことを考えはじめて、そういやクルマの話や日記を書くけどやっぱり足りないんじゃないかと思って本棚を覗く。
ネコパブリッシング社のワールドカーガイドDXシリーズが3冊。
フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ。
あるのに全然読んでいないし頭に入っていない。
20社以上のメーカーが出ているこの本はクルマメーカーの歴史から2000年代初頭の車種までが大体網羅された知識本のバイブル。
俺はもっとほしいなと思って売っているかも分からない本を探しにブックオフに行く為、寒空の下インテグラのキーを回しエンジンに火を入れた・・・。
埼玉県のこの辺りのブックオフだといい本はヤフオク用に買いあさられていて、その上値段も高い。
愛媛県ののブックオフなんて松山市以外のところはおもしろい本が100円でゴロゴロ転がってたのにちょっと残念。
モータースポーツの本のコーナーで気になる1冊を手に取る。
今まではちょっと自伝が多くてあんまり好きじゃなかった徳大寺有恒氏の1992年初版の『ああ、人生 グランドツーリング』という本を開いた。
ぺらぺらと捲ると、気になっているフェラーリモンディアルTカブリオレのことを徳大寺先生が書いている。
「フェラーリのカローラ、非常にのりやすいのである。NSXよりもはるかに使いやすい」
「私はこのモンディアルこそ最後にともにするクルマじゃないかと思った」
なんだかこの記述にとっても惹かれて800円もする中古本を買ってしまった。
帰ってくるとひたすら読んだ、6時間、読みふけって全部読んだ。
すごい、とっても俺なんかからしたら雲の上の人の知識と経験。
おもしろいことがたくさん書いてあったし、なんといっても俺が考えているクルマの楽しさがそこにはちゃんと経験と知識から裏付けされて、アドバイスされていた。
ここ1年グランツーリスモ5を使っていつも数人とネット上で好きな車で走りながらボイスチャットで話すことが多くなって、さらにココ最近は車の話をたくさんする。
この間なんて「理想のクルマ社会は?」とかマジになって20代後半のやつらが話す。
みんなそれぞれ好きなクルマも違うしチューニング方法も違うし、考え方も価値観も違うのでおもしろい。
1~2時間なんてあっという間に過ぎる。
俺も持ちえた知識を総動員してとにかく話す。
否定も推定も気が知れてるからいろいろ交えて話せる。
それが楽しいのがクルマ談義ってやつ。
現在の車のジャーナリストで一番の重鎮はもちろん今日買った本を書いた徳大寺有恒先生だ。
戦前~現在まで見てきているお方。
一方、私の心の師と言わせていただくスーパーカー超王様こと山崎元裕さんも、フェラーリ大乗教教祖でジャーナリストのMJブロンディこと清水草一先生もそれ相応のスーパーカー世代からクルマを見てきている。
俺達20代のやつらはそこからみると明らかにクルマに疎い気がする。
徳大寺先生の本を読んでわかったのだが、知らないクルマの名前がたくさん出てくるし、カーライフに対する考え方も全然違う。
今の俺達日本人の20代にはカー・ライフと言う言葉を実行している人間なんてほんとに少ないんだなと実感した。
これからはマズイ時代になるなというのも感じた。
というもの、やはり徳大寺先生くらいなお年になると別だが、超王様も清水草一先生もクルマも好きだが乗り物も好きなのだ。
ジャーナリストだからじゃなく世代的に飛行機も鉄道もお詳しい。
俺らの世代で鉄道や飛行機もあわせて好きな人がどれほどいるだろうか。
さらにクルマに関してもスポーツカーならスポーツカー、ミニバンならミニバン、最悪自分の乗ってる車だけなど、特化したクルマのことを話せる人間は多いが一貫していろんなジャンルやましてや車業界の歴史なんてものに詳しい人間なんてほんとに少ないと思う。
俺もほとんど見たことが無い。
ジャーナリストも俺らの20代の世代でおもしろいのが出てきたのをまだ見たことが無い。
この徳大寺先生の本の帯には、
「自動車の話をしている時が一番幸福な時間です。」
そう書いてある。
各地でたくさんオフ会が開かれる昨今、参加してこう思える人がどれだけいるだろうか?
確かに同一車種で情報交換をするのは楽しいし、いつもの同じ仲間とあって世間話も楽しい。
だけど、熱いクルマ談義できてる?って聞かれると全然できて無いと思う。
田中むねよしさんの書いてる漫画『BOLTS AND NUTS!』ではむねよし先生自身の地元の仲間と佐賀でよくクルマ談義している風景が描かれている。
熱く、あれがいいよな!とかこれもいいよ!とか。
そういう話ができるってのはたくさん本を読んだりクルマに乗ったり、ほんとにクルマが好きで情報をたくさん好んで仕入れるからだと思う。
そこまで情熱もったクルマバカが昨今いるかな?
そりゃセルシオとかやっすいクラウンとかワゴンRとか日本風に改造して金つぎこむクルマバカはたくさんいるだろうけど、エンスーなクルマをカーライフ込みで好きで世界のいい自動車を語れる俺らの世代っていないよなって、この本読んで本当に羨ましくも自分の無い知識をしみじみと感じてしまった。
徳大寺先生は日本のクルマにそういうエンスー的感情やカーライフ(服装や生き方)が見えてこない背景には日本のクルマが欧米の影響を受けてできたからだと書いている。
確かにアメリカ車だと豪快に乗って映画のような場面が浮かんだり、イタリア車だってなんだか服装も分かる気がするし、イギリス車やフランス車だって絵が浮かびそうだけど、日本の旧車であってもなんだかレストアライフくらいしか浮かびそうにない。
ロータスエランにグラサンしてしゃれた帽子かぶって峠道駆け抜けていく姿みたときにはえらくかっこいいと思ったしね。
S800やヨタハチでもそういうらしさはあるけど、やっぱりどこかそのスタイルは外国に原型があるようにみえてしまうもの。
そりゃそれでかっこいいけど。
日本は日本だから仕方ないのかもしれないけど、だったらやっぱそれなりに日本らしいカーライフが送れるクルマ作ってほしいよね、温泉に行ったり山道行っても似合う日本の風景なクルマ。
話はそれたけれど、この本は1992年初出なのでそれから20年あまり・・・。
現代ではハイブリッドが主流になりつつ、日本のクルマは肥大化してきて他車種になった。
俺たちの世代のクルマ話もハイブリッド無しでは語れなくなる。
それに欧州や欧米に続いて今度はパクリまくりを行ってた韓国だって結構デザインが洗練されて日本に並んできている。
もっとクルマの熱い話ができない時代に入ってきちゃうのだろう。
ここらへんでさ、一度クルマの勉強しなおして俺達はもっと楽しいカーライフを送るべきだと思う。
生きてる年もまだ若いのはあるけど熱く楽しいクルマ談義したいじゃない!
やっぱ徳大寺先生のおっしゃる、
「自動車の話をしている時が一番幸福な時間です。」
ってのはクルマバカにはその通りなんだしさ、たくさん話そうじゃない☆
俺もそういう人たちが集まるように多目的にスポーツカー・オープンカー・スーパーカーの集まる自分主催のオフ会「埼玉発!車オフ会 車のエデン」を楽しく盛り上げていくこうと思ってるのでよろしくです♪
ん?落ちはオフ会の宣伝じゃないよw