2008年08月29日
持ち込みトルクレンチ
会社帰りに、ちょっとヤボ用でタイヤの師匠のお店まで行っていました。
相変わらず気難しいオヤジで、解っていてもちょっと”ヒキ”ます。
基本的にあまり乗用車用のタイヤは受けないお店ですので、相も変わらずひっきりなしに仕事が終わったトラックやダンプがやってきます。
ウダウダ言っていると、面白い事を聞きました。
師匠のお店の話では無さそうですが、最近自前のトルクレンチ持参でタイヤ交換にやってくる人がいるらしいです。
どうやら、ショップの腕前や工具が気に入らないらしい。
最終締め付け確認時にその自前のトルクレンチを持ち出して”これで確認してクレ!”だってさ・・・
ハァ???
当然ショップの人たちは、”私どものトルクレンチで確認いたします”と言うのですが、全く聞く耳を持たないらしい。
どうやらショップのトルクレンチが信用できないらしい。
何処のショップもそうなのかは知りませんが、このタイヤの師匠のお店や車弄りの師匠のお店では、最低でも年に1回はメーカーもしくはメーカー指定の校正業者できちんと校正して証明書も発行してもらっています。
プロの世界では極々当たり前のことなのですが、私みたいな素人はまぁ5年に一度位でしょうか。
5年経つ前に新しい物が欲しくなって買ってしまう”物欲&脂肪の塊”ですけどね。
じゃあ持って来たトルクレンチがそんなに正確な物かと言うとそうではないらしい。
この辺りが笑えます。
ショップの人も笑っています。
タイヤ交換だけではなく作業を依頼すると当たり前のように工賃が発生します。
工賃は、その作業で発生する工数に単位時間当たりの人件費を掛け合わせて、その値に機械設備や土地建物の償却費や税金、エネルギー費、その他諸経費を合算した値段となります。
工数が発生する以上、その工数に含まれる作業を正確に終了しなければ工賃計算が出来ません。
依頼された作業を決められた工具を使用して、決められた方法で作業を正確に行う・・・これが終了して初めて工賃を頂く事ができます。
工賃を受け取る以上、ミスがあってはなりません。
ですが、人間のする作業です、多かれ少なかれミスは絶対発生します。
その場合の為に専門の保険に入っている訳ですが、正確な作業が終了していなければ出る保険も出ません。
各自拘りはあると思いますが、ショップにはショップとしての責任とプライドがあります。
仮に持ち込みトルクレンチで締め付けて走行中に事故が起こった場合でも、ショップの責任は逃れられません。
仮に自分の仕事に置き換えた場合、お客様(クライアントもしくはカスタマー)よりこのような提案があった場合、絶対受けないと思います。
こんな危ない事、リスクが大きすぎます。
どうしても自分のトルクレンチで確認したいのなら、ショップの正しい作業終了後に勝手にやればいいだけの事です。
いい加減な事をやっているショップも多いみたいですが、そういう流れの中から起こってきたことなのかな~なんて思います。
少なくとも持ち込みトルクレンチで締め付けてくれるようなショップは、ショップとして失格だと私は言い切ります。
プロとして工賃を請求する資格は全く無いと思います。
廻らないお鮨屋さんに柳刃を持ち込んで、”これで鮨ネタを引いてくれ!”なんて言ったらエラい事になりますよ、これと同じです。
自分で自分の車を自分のガレージで自分の責任において許可される範囲でゴソゴソするのは勝手ですが、ショップまで巻き込むのは如何な物かと思います。
アマチュアはアマチュアとしての、プロはプロとしての責任とプライドを持ってもらいたいものです。
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工具バンザイ! | 日記
Posted at
2008/08/29 20:33:17
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