2009年07月09日
先日、某有料放送局のニュースの中で”ダブルワーク”について特集されていました。
この不景気の時代、収入減や諸般の事情により本業だけでは喰って行けないのかもしれません。
そうなってくると、当然誰しも思い浮かぶのが”アルバイト”です。
露骨に働きに出なくても自宅のPCを利用しての副業や、最近では”FX取引”なる方法で実際の所どちらが本業なのかわからなくなっている方も居られるようです。
ま、人それぞれのライフスタイルがありますので、別にどうでもいいのですけど。
さてさて、このダブルワークなる方法で副業を持ったとき・・・
怪我をしたとき、誰が・何処が補償してくれるのでしょうか。
国民皆保険制度の国ですので、国保なり健保なり厚生会なりの保険証を基本的に全員お持ちだと思います。
”健康保険証”ですので、一般的な考え方としては”休日遊んでいて怪我をした”とか”不摂生が原因で病気に掛かった”とかといったときに使用すると思います。
当然交通事故の時も使用できますが、国保なり健保組合に”第三者行為による傷病届”なるしかるべき手続きを行わなければ認められません。
つまり、あくまで”日常生活における個人的な傷病”の場合に使えると考えていいかと思います。
ダブルワークをやっていて仮に副業の方で怪我をしたとしましょう。
仕事に起因する怪我や病気は通勤時災害も含めて”労災保険適用”が大前提です。
つまり、健康保険証は使えません。
真っ当な会社や組織では、アルバイトだろうが何だろうが当然”労災保険”に加入させます。
事業規模や業種によって利率は異なりますが、雇用する側と雇用された側とでそれぞれ保険料を負担します。
アルバイトの場合はアルバイト料から天引きされます。
すべての組織がそうならいいのですが、多くの場合が副業者やアルバイトに対して労災保険に加入していないのが実情だと思います。
そうなれば、怪我をした方としては本業の仕事で入っている”健康保険証”を使って受診したくなると思います。
こんな健康保険証の使い方は、何処の健康保険組合も認めていません。
ただでさえ高齢化社会で、健康保険組合はどこも”火の車”ですので。
よその所で仕事していて怪我したんやから、うちの健保は関係ないよん・・・なんて云うでしょうね。
第三者行為による傷病届けを使っても、診療費は結局副業をしていた会社に請求するのだから、労災保険料も払えない会社での怪我なんて絶対認めないでしょうね、お金回収できないやん。
まぁ、軽い怪我ならいいとは思いますが(よくありませんけど)、たとえば過労で倒れて死亡した場合は何処が補償してくれるのでしょうか?
ダブルワークをしている人は、休みの日や本業終了後に自分の時間を削って仕事をしていると思います。
自分の時間だから何をしても勝手なのですが、倒れて死亡したときはモメるでしょうね。
当然本業の労災保険は適用されませんし、副業の会社も”知らんがな・・・”で終わるでしょうね。
本業の会社は当然の如く”アルバイトをしているなんて知らなかった、倒れて死亡した原因はアルバイトだ、会社からは定時に帰宅しているし、決められた休日も与えている”といいますし、副業の会社は”本業でどれくらい仕事をしていたのかなんて当方にはまったく関係ないし関与しません、本業の方で働き過ぎていたのと違いますか?”というでしょう
。
でも、人間は一人なんです、二人の人間が働いているのではないのです。
家族にしてみれば絶対納得いかないでしょうけど、どうしようもないのです。
以前オイラの会社でも、副業中(ドカチン)に骨折をして、会社の年休と会社の健康保険を使って治療していたアホがいました。
当時オイラの仕事の師匠でもあった方から、”会社からの圧力がすごい、どうしたらエエんやろ・・・”なんて相談を受けたことがあります。
その方は当時はオイラの部署から離れて他の部署にいたのですが、ものすごく悩んでいました。
生活も大事ですが、何かあった時のリスクを考えると、簡単に”副業”などに手を出すものではありません。
”ダブルワーク”なんて横文字で表現するとかっこよく見えるのかもしれませんが、過労で倒れて死亡した時や、災害に巻き込まれて後遺症が残って本業の仕事が出来なくなったリスクを考えたことがありますか?
何の補償もないのが現実ですよ。
健康保険証は使えない、労災保険にも入っていない・・・
自腹ですか?
自腹で医者に掛かったとき、どれだけ費用が掛かるか知っていますか?
健保組合にどんな治療をしたかの報告をしなくていいので、医者の方もやりたい放題・・・
生命保険を使いますか?ここもかなりモメるでしょうね、仕事に起因することですから。
Posted at 2009/07/09 21:30:51 |
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ウダウダ | 日記