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イラストレーター　山崎　秀昭氏
the rocket gold star

車と云う物を所有していると、必ず訪れるものが”車検”と言う”大イベント”です。
車にもよりますが、10万円以上のお金が吹っ飛んで行きます。
20万円払って後2年乗るか、ココで数百万円をブチ込んで新車に替えるか・・・
結構悩んだりします、特に自分の車がモデルチェンジしていたりしたら・・・

中には”車検受け前にサヨウナラ～！”なんて方もおられると思いますが、一応新車でも車検はあります。
もっとも、一番最初は新車購入時の車検ですので、工場出荷から一定期間が過ぎていなければ”書類審査でパス”となります。

その場合でも、例えば全長や全幅の変わるパーツをオプションとして付ける等をした場合は、陸運局に持ち込まれての適合検査となります。
ディーラーヤードで長期間眠っていたような車体は、いくら新車でも完成検査証の有効期限が切れていますので、持ち込み検査となります。


よく”車検制度なんてものは、車業界とお役人の談合だ、必要無い！”なんて言われている方々も居ますが、本当に必要ないのでしょうか？
確かに、そういった部分も否定はしません。
でもこの制度により、最低限の保険加入や税金の徴収、最近では放置車両へのペナルティーも行われている事は確かです。

実際、例えば新車登録から3年経った初回車検時（普通車などです）は、特に過走行でもない限り、特段何の部品交換も無く至ってそのまま通ってしまうのが実情です。
2回目、3回目と回数が増えるにつれてそれなりの走行距離になってきますし、いくら丁寧に乗っていてもそれなりにあちらこちらにガタが来ます。
ま、向こう2年間乗れるようにリフレッシュの意味も含めて、各種消耗パーツ類を交換して検査受けすると思います。

別に検査自体が”向こう二年間保証します”といった類ではないので誤解されないようにしてください。
”車検”そのものは、あくまで”検査時に保安基準に適合しているか否かの検査”ですので、例えばいくらラインに入る直前までブレーキランプが点灯していたとしても、ラインに入って検査官がブレーキランプの目視検査をした瞬間に切れれば”NG”となり、そのままでは新しい車検証は貰えません。
速攻で交換して、再度その部分だけ検査・・・といった流れです。

最近は”エセ整備工場”からやってきている”エセ業者”が多数見かけられる関係上、しっかりと事前に整備もしないで持ち込んで何度でも通るまでラインに並ぶようで、コレにムカついた自動車検査独立行政法人サンが、一日に受ける事の出来る再検査の回数を制限しました。
そりゃ、検査ラインを”テスター屋さん代わり”に使われたら、他の人はたまったもんじゃないですからね。
書類の書き方を教わっている”エセ業者”には、ちょっとﾜﾛﾀ・・・

ま、こういったことはともかくとして、やたらと車検前になると”車検対応仕様に戻す”や”純正戻し”といった類のブログや整備手帳を見かけます。
実際問題、コレで本当にいいのか？

”車検制度は無駄で無意味だ”という論者の多くは、この作業がやりたくないヤカラです。
自分が邪魔くさい事をやりたくないから、制度そのものを否定する・・・如何なものか？

良いのか悪いのかは別にして、普段から適合しない仕様で乗っているのなら、車検時くらい元に戻す手間くらい惜しむなよな。
適合しない仕様にするには、やたらとお金と手間をかけるんでしょ？
戻すのが邪魔臭いのなら、最初から変更しなければいいのです。


で、車検制度が無くなれば、一体何が起こるのか・・・
ちょっと大げさですけど、今現状の”250ccビッグスクーター”の状態になります。
幅も長さも完全に元サイズより大きなパーツを装着して、絶対保安基準に適合していない状態の車体が、街中を肩で風を切って走り回る・・・

現状のビッグスクーターの状態がどうなっていて、それが世間一般人からどのように思われているなんて事は、乗っている本人は当然ですし、それを売ったショップやそのパーツを作っているメーカーはな～んとも思っていないんでしょうね。

この状態が車の世界まで波及してきたときには・・・世も末です。
車検のある車は、一応”車検という防波堤”でコレを阻止していますが、この制度がなくなれば何でもアリになります。


いくら改造していても、2年に一度はそれなりの仕様にしなければならない・・・
良いのか悪いのかはココでは書きませんけど、コレだけでも非常に有意義な制度だと思いますよ。
”昔のワル”と今の”悪いヤツ”とは違うんですよね。
今の”悪いヤツ”は、やっている事が”悪い”って事がわからないんですよね。
どちらかといえば、もっともっと厳しくするべきだと思いますよ。
悪い事を認識しないでやっている事が一番危ないんですよね。


ま、国土交通省も今のビッグスクーターの実情を見て見ぬふりをしているわけではありません。
なにやら、この手の業界にとって”不穏な動き”が水面下でゴソゴソ動いています。

乗っている方々やショップ、メーカーの人たちは、そろそろ首を洗って待っていたほうがいいと思いますよ。