シボレー・カマロ試乗

こんなクルマに試乗しちゃいました。今年、数年ぶりに復活したシボレー・カマロです。残念ながらトランスフォームしないほうのです（え）

■日本導入は大変！

写真はショールームにおいてあった、6.2ℓV8を搭載する「SS RS」というモデル。ネットで写真を見たときはあまり大きそうな印象はなかったが、実際は横幅1,915mmもあって、でもってこの縦のボリューム。相当でかいっす。エンジンルームには巨大なはずの6.2ℓV8が「ちょこんと」フロントミッドに鎮座していて、9.3ℓV12が入りそうだ（笑）

日本の法規はクルマの鋭利な部品にうるさいようで、有名なところではジャガーの豹がかっ飛んでるボンネットオーナメントが日本の保安基準に抵触し、平たい丸いエンブレムに変更されている。実はカマロも。ライトとグリルを囲む縁取りの上辺がなんと「鋭利」なためNG！ 保安基準に適合させるために、角を丸くするプレートを貼り付けてあるわけで（赤い矢印）、これを付ければ通るらしいが、この差が何を生むのか正直疑問だ。これ以外にも日本の法規に適合するために小変更がいくつも。あげく型式認定をしている時間がないので「型式不明車」として輸入されるという。びっくりしたが、輸入車ではよくあることらしいですよ。

■殺人的な視界の悪さ（笑）

試乗させてもらったのは3.6ℓV6を搭載する「LT RS」。

座ってみて印象的だったのはなかなかいい感じの内装。もう「アメ車だから」と我慢を強いるような感じはなくなったかな。ドアには青いイルミネーションがあったり、シフトレバーの奥にある４連メーターがイケてるんだけど、めちゃめちゃ下にあるので運転中に見たら事故ります（笑）

にしても前も後ろも右も左も、ホント見ないのす。窓に映る景色はCGによる合成みたいで距離感ゼロ！　さらに慣れない左ハンドルで、そりゃ３００円いっぱいいっぱいになりますよ！

■3.6は役者不足？

運転した感は、ワルそうな外観とは裏腹に優しい感じだった。乗り心地もいいし、静かだし、ハンドリングも多分いい感じ。ＡＴのマニュアルモードにはブリッピング機能もあるのでシフトダウンも楽しい。この大きさにさえ慣れてしまえば結構イージードライブってやつなんじゃないの？

で、ちらっとドアミラーを見ると、このマッチョなリヤフェンダーがバーンと映るんですよ。正直、見とれます（笑）見とれちゃって危ない（笑）

問題はエンジンも優しいってことかな。リヤにはなんと275/40R20なんて馬鹿でかいタイヤを履いているからなのか、パワー不足とまでは言わないけど、3.6っていう排気量から期待する加速は得られない。これじゃあアウディのちっちゃいハッチバックにぶっちぎられちゃうよ。こんなに威張ってこのスピードじゃちょっと格好悪い気がする。とか言っちゃっていいのか？

■両極端なエンジン

本国も日本も、まず発売されたのは3.6ℓV6と6.2ℓV8の２種類のみ。Ｖ６はパワーが…、Ｖ８は維持費が…、ていうジレンマに陥る人が多発するんじゃないかと思う。やっぱり4.5ℓV8くらいがこのクルマのちょうどいいところなんじゃないかなと思います。

逆に、Ｖ６が４３０万円なのに対してＶ８は５３０万円。維持費さえ考えなければＶ８はかなりお買い得かもしれない。アメ車は黙ってＶ８ＯＨＶ！　維持費さえ考えなければ…、維持費…。

という尻窄まりなレポートでした。