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今更ながらに、去年は良く走ったなぁ、と。片道1,000キロを越える田舎への帰省手段として、何度酷使しただろうか。そう言えば、今考えても本当に恐ろしい経験だった。

7月下旬、義父の訃報に、会社を早退し愛息チョビ君と直ちに帰省した日のこと。因みに、家内と娘は先に帰郷しており、残された2名が恐怖体験した。
身の周りの荷物を纏め、汚れたままのB10をガレージから出し、近くのセルフスタンドへ。「直ぐ済むから、大人しく待ってろよ」と声を掛け、給油口を開けた。急ぐ思いとは裏腹に、どんどん飲み込まれていくハイオクタン価ガソリン。
えっ、ウインカーレンズがフラッシュしたように見えた。テールランプを覗き込むと、やはりハザード点灯。満タン確認後、即運転席へ戻り試みるも開かない。ドアロック状態で、キーポジションにあるアルピナホルダーの揺れるシーンが虚しく感じられた。
一瞬、何が起きたか分からなかったが、助手席と運転席を行き来するチョビ君が原因であることは、容易に理解できた。財布一つを除き、キーは勿論、自宅の鍵、携帯電話など、全て車内に閉じこんでしまっている。
ご存知の方も多いと思うが、E39型BMWは、センターコンソール部のATレバー下に、ハザードスイッチと並びドアロックボタンが配されている。車内に残されたチョビ君が、ウロウロするうちにコンソール部のボタンを踏んづけてしまった、というのが真相。
ＧＳで電話をお借りし、ニコルへ助けを求めるも、エマージェンシーの到着まで2時間以上と言う。この日も焼けるように暑い日で、地面の照り返しもあり体感的には40℃近い。車内はもっと暑い筈。そうこうするうちに、既に１時間近くが経過し、チョビ君も流石にヘタリこんでしまっている。焦る。
ニコルからの助言は、ガラスを割る外手立て無し、というもの。田舎までの移動を考えると、流石にキツイが、愛息の命と引き換えにガラスを割る外ない、と決心。・・・したつもりも、行動出来ず（涙）。一縷の望みを抱き、窓ガラスをコンコン。チョビ君に外からコンタクトしてみた。息づかいも荒く、舌を出したままで、いよいよマズイと思った瞬間、彼は立ち上がり際に、コンソール部に前足を掛け、ポチッ、カシャ。普段当たり前のように聞く、擦れ音と共に、ロック解除。
90分にも及ぶ攻防は、何事も無かったように終焉。チョビ君も無事で、B10も損傷無し。
普段利用し易いと思っていた操作環境も、その扱いに十分な注意が必要と自覚した。
こんな経験、皆さんありませんか？

ないですよね（大汗）