
レース中継では大分ご迷惑をお掛けしました~!
ちょっと、普通のブログに復帰します。
今週末は待ちに待った「トライアル世界選手権inもてぎ」です!!
うはー、去年のもてぎから一年間、長かったなあ…
土日ともフル観戦なので、思う存分世界のトップライダーの美技に酔いしれてきます!
さて、このトライアルという競技、トップライダーの国籍が面白いことになっています。
1 トニー・ボウ スペイン MONTESA 298cc
2 アダム・ラガ スペイン GAS GAS 300cc
3 藤波貴久 日本 MONTESA 298cc
4 ジェロニ・ファハルド スペイン BETA 290cc
5 アルベルト・カベスタニー スペイン SHERCO 320cc
6 ドギー・ランプキン イギリス BETA 290cc
7 マーク・フレイシャ スペイン GAS GAS 300cc
8 ジェームス・ダビル イギリス GAS GAS 300cc
9 マイケル・ブラウン イギリス SHERCO 290cc
10 ダニエル・オリベラス スペイン GAS GAS 300cc
この10人が去年のランキングトップ10なのですが、日本人=1人、スペイン人=6人、イギリス人=3人と圧倒的にスペイン人が強いのです。
更にトップ5をみると、なんと藤波意外は全員スペイン人!
こんな競技は闘牛かトライアルかって感じですよ!!
で、ものすごく意外だったわけです、最初は。
あの陽気なスペイン人のイメージが、緻密さと正確さが要求されるトライアルのイメージに合わなかったんですね。
でも、実際にヨーロッパでスペイン人と一緒に仕事をする機会を得て、とても納得できました。
少なくとも私の知るスペイン人は皆、超がつくほどクソ真面目な人々だったからです。
(もちろんそうでない人もいらっしゃるでしょうが…)
イタリア人とフランス人とスペイン人、同じラテン系ですがお互いにあまり仲がよくない。
というか、相当仲が悪い。
イタリア人のフランス人はまあ分かるんですが、イタリア人とスペイン人もあまり仲良くないんです。
なんでかってえと、それは国民性がまったく違うからだと思います。
よく例え(あくまで例えです!)るのが、仕事でミスをしたときのこと。
イタリア人 → ミスしたことを笑って忘れて解決した気になる。
フランス人 → ミスなどなかったかのように振舞う。
スペイン人 → ミスしたことでとにかく自分を責め続ける。
なんか、私にとってはこんなイメージなのです。
そうすると、イタリア人とスペイン人が仲が悪いのも納得できるような気がしませんか?
確かに、スペイン人に「真面目≒暗い」というイメージはあまりそぐいませんよね。
でも、よく観察してみるとヒッジョーに暗い!!!
(この「暗い」というのは、ネガティブな意味だけではないのです~。)
例えばピカソ。
派手な色使いと大胆な構成で明るい絵を描く印象がありますが、そもそもキュービズム自体がかなりエキセントリックな表現方法だと思いますし、晩年の「泣く女」「磔刑」、そして「ゲルニカ」など、時代背景はあるものの、「抑圧を開放するために絵を描く」というのが、ピカソのエネルギーの原点であるような気がします。
「美しいから描く」というのとはちょっと違う強烈なエネルギー、というか。
ま、私には理解は出来ないのですが、感覚として…
はたまたガウディ。
「サグラダファミリア」や「カサ・ミラ」、「グエル公園」など、狂気すら感じさせるその建築物は、やはり何がしかの抑圧されたエネルギーの開放と思えてしまうのです。
実際に「サグラダファミリア」とかを訪れると、理屈じゃないエネルギーというか、平たく言うと「ガウディの狂気」を肌で感じます。
凡人<秀才<天才<-------------------------------------<ガウディ、みたいな。
それが良いのか悪いのかは別として、ですが。
建築で言えば、逆に、イタリアには「キレた」建物はほとんど見られないのです。
あんなにハチャメチャそうなイタリア人が、家を建てるときに一番気にするのは「周りとの調和」だというのですから、なんだか面白いですね~。
そして、フラメンコ。
情熱のリズムとか、熱狂的な愛の表現、とかいわれますが、もともとはイベリア半島に住んでいたイスラム教徒が、数々の迫害から逃れながらその文化の伝承として歌い踊り継いできたのが「フラメンコ」の原型といわれます。
「ゼロ(漫画♪)」を呼んだ記憶では、エジプトのジプシー(ロマ族)がそのルーツとか…
メロディも良く聴くと決して明るいトーンではないですし、エネルギッシュな悲壮感といった趣ではないでしょうか?
そういった、迫害や抑圧の歴史の積み重ねの果てのエネルギーの解放として爆発した文化が、スペインの文化のかなりの部分を占めていると思いますし、また、そういった文化の中で育ってきたスペイン国民そのものが、そういう価値観に親しんでいることも想像に難くありません。
日本人の「ワビ・サビ」の文化にもやや似たものがあるのかもしれませんね~。
ということで、何を申し上げたいかというと、この「自己抑圧的自虐的」な国民気質が、スペイン人のトライアルでの好成績に繋がっている要因ではないかと思った次第をご説明したかったのであります。
セクションの前に入念に下見をして、自分の通るラインを集中して思い描いて、セクションに実際にチャレンジするときは溜めた集中力を一気に爆発させてクリアしていく、その一連の競技こそが、まさにスペイン人大興奮!という感じなのかな、と。
イギリス人も、結構チマチマしたところがありますし、日本人だって精密作業は大得意。
だから、スペイン・イギリス・日本なのかな~、と。
そういわれてみれば、WRCのカルロス・サインツ、MotoGPのダニ・ペドロサ、セテ・ジベルナウと、なんだか才能+悲運というセットが似合うドライバー・ライダーが多い気がします。
F1のアロンソはなぜか能天気なイメージがあるんですがね~。
ともあれ、「トライアル」、イタリア人にはお気に召しますまい。
彼らがいかにバイクレースを愛しているかというお話は、また機会がありましたら。
とにかく、そんな特異なモータースポーツであるトライアル、日本人の好みにもマッチしていると思います。
お時間があれば是非もてぎにもお越しくださいませ~。
きっとハマりますよ!!
ちなみに、トライアルは世界でも(多分)唯一の排気量規定も馬力制限もないモータースポーツだと思います。
レギュレーションでは50ccでも1000ccでも良いんですよね~。
でも、マシンの重量と扱いやすさのサチった結果として、250~300cc程度に収まっているらしいです。
そんなのも面白くないですか??
あれ、そうでもないです??
…では!