
昨日アップしたはずのブログがアップされておらず、びっくりしました。
眠すぎて操作ミスしたのでしょうかねえ??
ま、気を取り直して「八千穂レイク走行会」のレポートをさせていただきます。
(でも、またしてもかなり長くなってしまう予感が…)
今回は
K’s Factoryさんの主催だったのですが午後までコンディションよく走れて満足でした!
気温がかなり高かったので11時ぐらいからはスパイク禁止になってしまったため、氷が磨かれ始めると私のようなカッチカチのスタッドレス車は、かなりグリップが低下して苦しむ羽目になりましたが、でも、とても良い勉強になりました!
なにしろ今回は “マッドドッグ”三好さんがいらっしゃいましたので、お昼休みにご無理を言って、私のS2000を運転していただくことができたのです。
そして、中と外からよく観察した結果、あらためて一つのことに思い至りました。
それは「すべてが理論的に正解」ということでした。
【右コーナーの場合】
三好さん
進入ではゆっくり丁寧にブレーキ
→ 丁寧にフロントに荷重をかけたまま左にゆっくり若干フェイントモーション
→ ハンドルを右に切りテールが左に流れ出すのを待つ
→ そのままパーシャルで車速が落ち後輪がグリップを取り戻すのを待つ
→ 後輪が完全にグリップを取り戻す直前から微妙にアクセルオン
→ そのままステアはあくまでも順ステアをキープしつつコーナー出口へ
→ コーナー出口が見えてきたらアクセルを徐々に開けていく
私①
進入でやたらと大きいフェイントモーション(右→左→右とか!)
→ ドカンとケツが出るので一気にほぼフルカウンター状態へ
→ テールの流れるスピードが速すぎて、まったくアクセルはオンできず
→ テールの流れが収まってきた頃にはほとんど車速がゼロに
→ フロント加重が抜けたフロントはアクセルオンでもインに入らず
→ どアンダーのままアクセルも踏めずコーナー出口へ…
私②
進入でやたらと大きいフェイントモーション(右→左→右とか!)
→ ドカンとケツが出るので一気にほぼフルカウンター状態へ
→ テールの流れるスピードが速すぎて、まったくアクセルはオンできず
→ 車速が落ちてきてアクセルをオンにしても前輪の速度も遅くフロントが外へ逃げない
→ 極低速ながらやたらと前輪のカウンターの角度が大きくなる
→ そのままの角度でコーナー出口に向かうが後輪に横G残りすぎ
→ コーナー出口でもアクセル開けられずグダグダに…
つまり、わたしのヘボい理由は2点。
①進入で向きを横に向けすぎる。
②気ばかり焦ってアクセルを早めに開けすぎる。
です。
とくに、コーナー出口では順ステアの三好さんの場合、後輪の駆動力は常に車を前に進めようと働いているわけで、立ち上がりでステアリングを中立に持っていくだけで、駆動力はスムーズに路面に伝わっていくわけです。
逆ステアの私の場合は、コーナー出口でも後輪に横方向の慣性がかかっているため、アクセルを踏めないままグリップが回復するのを待たなければならないのです。
結局、至極当然に脱出速度が全然違うということに…
あらためて、ドライビングが面白いと思いました!
根本的に違うのは、氷上ではタイヤのグリップ力は1/100になる(←イメージ)のですが、三好さんは1/100のグリップ力だからこそ、1/100の荷重移動で車の向きを変えようとされるんですね。
私は1/100のグリップ力だから100倍のアクションで車の向きを変えようとしていた、と。
考えてみれば当たり前なのですが、それじゃ車がまとも動いてくれるわけがありませんよね。
でも、1/100の荷重移動には100倍の繊細さが必要なわけで…
あらためて恐れ入った次第です。
また、三好さんはコーナー手前で車を滑らせるのは、「向きを変える」のと「減速させる」のを同時に行うためのように感じました。
ただし、必要最小限でテールスライドを収めるようにされています。
コーナー出口ではニュートラルステア+アクセルオンが基本ですから、逆算するとあまり長くテールを振り出していると都合が悪いということだと思います。
少なくともクリッピングポイントにつく前には前輪は順ステアになっているべきなんですよね。
ということで例えば、三好さんは通常30km/hで進入するコーナーに35km/hで進入するのです。
で、この+5km/hを有効利用して向きを早めに変える減速する。
で後輪がグリップしてきたら、あとは普通のコーナーと同じように丁寧なアクセルワークで順ステアのままコーナーを脱出していくのです。
このコーナーに30km/hで進入してしまうと、コーナーの中では車速が25km/hぐらいに落ちてしまうわけです。
これじゃ5km/hもったいない。
でも40km/hで進入すると、リヤがグリップを取り戻すのに余計な時間がかかり、出口で速度を乗せることができない。
だから35km/hなわけです。
つまりすべてが「逆算の論理」なのだと。
コーナー出口からすべてを逆算して入り口まで戻ってきたときの姿勢なり速度なりを作り出すのがコーナー進入ということなのではないかと感じました。
これってよく考えたら当たり前なのかもしれないですが、その実結構難しかったりしませんか?
私もそうですが、とりあえず「エイヤ!」で進入しておいて、あとはスライドをコントロールしながら出口までに収拾つけるようにする、と。
これを「(私の)夏休みの宿題」走法と呼びます。
最初は成り行き、あとで頑張る、と。
あと、ターマックだと、コーナー出口で何とかできてしまうんですよね。
アクセル踏む時間が0.2~0.3秒だけ遅れるだけで、別に姿勢を大幅に乱すわけでもない。
でも、グラベルだと、それが1~2秒とか、露骨にタイムに表れてきたりするわけです
ましてや雪上や氷上は、それ以上ですよね。
でも、三好さんのドライビングは「最初に頑張る」のですね。
最初の1/3ぐらいで車の姿勢や速度をきっちり仕上げてしまうのです。
そうすれば、逆にコーナー中盤からは駆動輪のグリップと加速だけに集中できる、と。
これを「スパゲティーミートソース」走法と呼びます。
仕込みさえちゃんとしておけば、調理は簡単!
ミートソースを作るのなんて丸二日ぐらいかかりますが、美味しいミートソースができてしまえば、あとはパスタの塩加減と茹で加減だけ気にすればよいわけで。
こんなことって、雪上ならではの「気付き」ですよね~。
グラベルとかスノーとか、ミューが低い路面であればあるほど一つの動作に時間がかかるので、車の動きをゆっくり確かめることができます。
教えていただいているときはなおさらです~。
こういうのも低ミュー路の楽しさですよね!
あとは、車を「減速する」→「曲げる」→「加速する」の作業が単純にワンパターンに終わらないのもグラベルの面白みですよね~!
今回の三好さんもそうですが、斜めに滑らせて「減速しながら曲げる」というのはもちろん、わざとリヤを新雪に当ててテールスライドをとめたり、イン側の前輪を新雪に突っ込んでヨー慣性をつけたり。
グラベルラリーでは轍に引っ掛けて曲げるのは当たり前、道路からイン側の前輪を崖に落として引っ掛けたままコーナリングしたり、ジャンプの飛距離とその先のコーナーの角度を考えてヨー慣性をつけたままジャンプしたり、とにかく技のレパートリーが多いですよね。
ターマックだって、90年前後のコルスなどでは、1本のSSが1つの複合コーナーのように走っていきますもんね。
すべてのコーナーが次のコーナーへのフェイントになっていたり、ガチガチの足回りで路面のギャップすらコーナリングのきっかけに使いながら走っていく姿に、レースカーには感じられない凄みとオーラを感じて以来、私は、ラリーの虜です。
三好さんの走りを見ていて、そんなラリーストの静かなオーラを感じました。
三好さんの走りはそれほどまでに納得できる走り方だったのです。
次回のRFANグラベルラリー走行会も、お越しいただいた方に沢山のことを感じとっていただけるような走行会にしたいですね~。