
さて、モンツァラリーショウにを観てきたわけですが、つれづれなるままに感想を書いてみようと思います。
といってもどこから書こうか迷ってしまうぐらい盛り沢山だったのですが…
まずは、MotoGPチャンピオン、バレンティーノ・ロッシ評から。
いやー、とてつもない才能を持った選手ですわ。
金曜日の午前中の練習ではいまいち攻めきれてない印象もあったのですが、本番となればそれはもう。
ラリードライバーのお株を奪うようなドライビングを見せてくれました。
特に、マシンコントロールの上手さは飛びぬけてすごかったですねえ。
多少のムラはありましたが、スライドしてるマシンを狙ったラインにきちっと乗せていくセンスには脱帽です。
ナイトステージのヘアピンコーナーなんて、テールを滑らせながらフロントバンパーと壁との隙間10cmぐらいで回ってくんですからね。
やはり二輪に乗っている人は路面の感覚をつかむのが上手いのかな、と思わせてくれました。
でも、同じMotoGPライダーのホルヘ・ロレンソなどはイマイチだったので、やはりそれはロッシの才能のなせる業でしょうねえ。
とにかく、シビれまくりました。
そして、そのロッシの上を行ったのが耐久選手権などでも活躍しているリナルド・カペッロ!
いいお歳のオジサマなのですが、そつなく走ってタイムが速い。
それも地味なグリップ走行でなく、かなりマシンを振り回しているのですが、破綻しないんですねえ。
一発の速さはロッシに譲っていましたが、コンスタントに早いタイムをマークして総合優勝を飾ってみせました。
正直、スタートするまでは「耐久レーサーなんてたいしたことないだろ」と思っていましたが、猛反省です。
ロッシとカペッロのマシンはフォーカスWRCだったのですが、BETAカラーのマシンは相当クールでカッコよかったです。
ワークスのWRカーの払い下げ(ひょっとしたら08スペックの最新型かも?)だと思うのですが、国内選手権にもWRカーが出てこられるような環境はうらやましいですね。
そのほかにも307や206など一世代前のWRカーがお化粧直ししてバリバリに走ってるのを観られたのには感激しました。
基本的にモータースポーツの人気が出るか出ないのきっかけは、出場マシンのカッコよさに尽きると思っているのですが、まー、どのマシンも本当にカッコ良いこと。
イタリア人のセンスっていうのもあるのでしょうが、「見られて恥ずかしいマシンで走れるか!」って、気合も入ってるんでしょうねえ。
服や靴にこだわるイタリア人らしい一面でした。
でも、そうやってバリバリにかっこつけたマシンがパドックで並んでいるのを見ると、理屈抜きでワクワクするんですよね。
一見さんに「あ、特別な空間にいるんだな!」って思ってもらえることが、モータースポーツの魅力の基本だと思うのです。
中身の濃さとか本質的な面白さはそれから知ってもらえればいい。
パッと観に来てくれた人が、また来よう、って思ってくれるかどうかって、とても重要ですよね。
D1だって、競技の中身はたいしたことないのに結構人気があるじゃないですか。
それはやっぱり見た目を頑張ってるからだと思うんですよね。
モータースポーツは見た目じゃないっていうのもよく分かるのですが、見た目で観に来る人がいるっていうのを否定してしまうのもオカシイと思うのです。
外見も中身もちゃんとやってこそ一流だと思うのですよね。
あとは、主催者の見せ方が相当上手い。
モンツァラリーショウはサーキットを使ったラリーイベントなのですが、これってラリー初心者の人にとってはすごく良いことなのだと思いました。
すこし詳しくいうと、モンツァサーキットをコンクリートウォールやタイヤバリアで仕切って3種類のコースが作れるようにレイアウトされているのです。
で、その3種類のレイアウトを使い分けて3日間で計8SSが設けられていました。
つまり、観客の人は観客席から移動することなくこのイベントを楽しめるというわけです。
ラリーの特徴は、様々なステージを使って競技をするというところだと思いますが、一方でこれは追いかけるのが大変というネガも生んでいるわけです。
一日に目の前を一台が一回(もしくは二回)しか走らないっていうのは、ラリー初心者にとっては結構な敷居の高さになっていると思うのですね。
でも、サーキットでやってしまえば、普通のレースと同じ感覚で観れるというわけで、これはかなりウレシイわけです。
加えて、このレイアウトがまたかなり巧みで、サーキットで見ていてもレースっぽさを全然感じさせないようになっているのです。
また、行ってはじめて知ったのですが、モンツァにはオーバルがあるのですね。
そのオーバルコースも使ってかなり面白い(=一部結構ムチャクチャな)見せ方が考えられていました。
あれなら初心者から通まで、飽きることなく楽しめるなあと、これまた感心してしまいました。
日本でこれをやろうとすると、ツインリンクもてぎとかが適当なのでしょうかねぇ。
オーバルもロードコースもあるし、ちょっと外れればダートトラックもジムカーナ場もあるし。
うーん、結構面白そうですねえ。
あと、サーキットでやるメリットがもう一つ。
基本的にはフラットでターマック(当たり前か)なので、ラリー車以外も走れるのです。
今回もWRカーから、S2000、S1600、Gr.NからFIA GT、フェラーリチャレンジ、ケイマンカップまで、ありとあらゆるクラスのマシンが出場してくれていました。
これも、観ている人を飽きさせない工夫ですよね。
ライトポッドつきのF430なんて、観るチャンスないですからね!
ざっと並べるだけで、フォードフォーカス/マスタング、プジョー306/207/206、シトロエンC4/C2/クサラ、ルノークリオ、フィアットグランデプント、三菱ランサー、スバルインプレッサ、フェラーリF430、ポルシェケイマン/997、ロータスエクシージ、アストンマーチンヴァンテージV8、と、まあこれだけ見たら何のイベントか分からないような豪華絢爛さです。
そんな車たちがサイドターンしたりジャンプしたりするんですから、これで興奮しないはずがないですよね!
ラリーサルデーニャやサンレモを抱えるイタリアという国で、一方ではこういうショウも本気でやってしまう。
それがイタリアのラリーの奥の深さだと思いました。
一方で、ラリーをやっている人たちも、常に何か新しいものを提供していかないとお客さんは離れていってしまう、というのを強く自覚しているのだとも思いました。
いい加減で適当に見えるイタリア人も、結構真剣なんだなあ、と思います。
真剣に企画して、思いっきり楽しむ!
これってすごくいいことですよね。
でも、イタリア人にできて日本人にできないわけがない!
最近では国内選手権もイベントプロモーションにかなり力を入れてきているようなので、いい感じです!
とにかく、楽しいのが一番ですものね!
あ、でも、「こりゃーかなわないなぁ」というのが一つだけ。
それはお年寄りの多さです。
コースマーシャルも結構おじいさんがやっていたりしますし、観客席にも「孫を連れたおじいちゃん」みたいな人が結構いて、おまけに孫そっちのけで観てたりします。
これだけは一朝一夕にどうなるものでもないですよね。
だから消音装置なし、みたいな車が公道走ってても許されるんだろうなあ。
それだけは、本当に羨ましかったです。
でも、こういう文化も一歩一歩、ですよね。
新城に宿も予約しました!
新城ラリー、楽しみですねー。
初国内ラリー観戦です!
観にいかれる方、現地でお会いしましょう!
そして、皆で盛り上げましょう!!
あ、そういえば宿の予約をした時におばあちゃんが出たんですけど、「ラリーの方ですかぁ?」って訊かれました!!
新城、ヒジョーにいい感じッス!!
ちなみに、写真はパドックで発見したグリフォーネ(嗚呼!)のジレラ製移動用原チャリです。
カッチョイイ♪
写真も整理してフォトギャラリーにアップします!