安全を捨てて安定へ

真夜中の子供達よ！
汝らはこの時間に何を思う？

我輩は、人身事故で止まった電車の中、なすべき事も無く漫然と過ぎて行く時間を憂い、我が足を痛めつけているブーツを痛めつけるべく、駅近くのバラエティショップで一番コンパクトなカミソリを買い、駅のホームで、電車の中で、事故現場近くの駅のホームまでを費やし、エンジニアブーツの内装を切り裂きまくり、鉄板を剥き出しにし、事故現場近くの駅で、電車が走り出すまでの間、ホームの金属板（黄色い線の所に有る突起）にブーツの先端をしこたま打ち付けまくり、スチールがズレ出すと、後は周りの群集どもの視線を集めながらも、渾身の力を込めて、鉄板を引き剥がしに掛かるのよ！
そうして、得られた我が足は安楽を得るに至り、迷える群集どもは、事故の影響で疲弊しきった最中に、キチガイのブーツカスタムを目の当たりにしたのだ！

ブーツは元々、靴屋でラフにしまわれていたせいで傷だらけだったが、今回の鉄板スカチューンに伴い、より傷だらけとなった！
彼は安全靴からただの革長靴に成り下がった。
しかし、安定して履けるブーツになったのだ。
爪先に鉄が有るが為に安全ではあれど、履いてやれない靴に如何程の価値があろうか。
履いてやってこそのブーツであろう。
爪先が鉄板に食い込んで、激しい痛みに負け、今日も靴棚でエンジニアブーツを眠らせている物どもよ。
今こそ立ち上がるのだ！
カミソリと駅のホーム。もとい、ゴムハンマーが有れば、鉄板は簡単に剥がせる！
しかもダメージ加工までできるなんて、なんて素敵な出来事よ！
真新しいツルツルのエンジニアになんの価値が有る！
ボロボロのズタズタになってこそのエンジニアであろう！
靴棚で眠らせておくのがそいつの幸せか？
否！ 履いてこその靴なのだ！
目覚めよ！ 同志よ！

※注意点
??全ての作業は、自己責任において行って下さい。
??内張に切れ目を入れる時に革まで裂いてしまいそうな方は、ショップに相談して、プロにお願いしましょう。
??傷を作りたくない方はショップに相談して、プロにお願いしましょう。
??内装に切れ目を入れて、鉄板を剥き出しにしたバリは後から綺麗にしましょう。
なお、綺麗にするとは足が当たる部分全ての内装を履いでしまう事を指します。それが嫌な方はショップに相談して、プロにお願いしましょう。
??鉄板が抜ける事によって、トゥがふにゃふにゃになります。凄まじい器用さでそこに厚紙などを貼れる方以外はふにゃふにゃトゥになります。それが嫌な方はショップに相談して、プロにお願いしましょう。
??鉄板を抜く事で酷く軽量化ができると考えている方には向きません。鉄板は確かにそれなりの重量が有りますが、ダブルヒールのラバーに比べたら、気にならない位です。重量を減らしたいなら、シングルヒールにするなどの対策をショップに相談して、プロにお願いしましょう。
??私以外の、鉄板を抜きたい方は、とりあえずショップに相談して、プロにお願いしましょう。