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2013年10月26日

親しみのフロンテ

親しみのフロンテ もう数か月前になるけど、「360cc軽自動車のすべて」を本屋で見つけて手に入れました。
この手の懐古趣味的雑誌はたまに見かけますが、大抵当時のカタログ写真の抜粋に、以前どこかで読んだことのあるような内容の記事だったりして新鮮味に欠けるのですが、この本は、40~50年前の当時のモーターファン誌に掲載されていた新車時の取材写真が多く使われておりとても貴重です。




だがしかし、タイトルに360cc軽自動車のすべてと謳っておきながら、フロンテLC20が載ってないではないか。 単純に掲載忘れ? それとも割愛された?

割と有名なフロンテLC10(コークボトル)やフロンテLC10Ⅱ(スティングレイ)の陰に隠れているLC20を取り上げてみよう。




フロンテの4代目モデルとなるLC20型は、昭和48年7月5日にデビューしています。 車両の基本レイアウトやエンジンは基本的に先代のLC10Ⅱを踏襲していますが、ボディデザインは楕円をモチーフにした丸みを帯びたスタイルとなり、またバンパーを独立させずにボディ一体としたことが特徴です。


先代のLC10Ⅱ型よりも室内長を30mm拡大し、スズキ軽乗用車として初となる4ドアをラインナップして従来よりも4人乗車を容易にしたのと、さらに使い勝手を向上させるためリヤウィンドウをオープンバックと呼ぶ開閉式にしています。


 

エンジンはLC10型2ストローク3気筒エンジンの37馬力仕様と34馬力仕様の2種類。
旧モデルの廉価仕様に設定されていた空冷エンジンは、LC20には設定されず、全て水冷式エンジンとなりました。
グレード構成は4ドア5種類、2ドア6種類の計11グレード。
2ドアのみ先代のスティングレイ同様にディスクブレーキ装備のGT Type2が設定されています。
因みに、4ドアには2ドアのGTに相当するFTグレードがありますが、ディスクブレーキの設定は無し。



;翌昭和49年には最初のマイナーチェンジにて、こげ茶のメタリック塗装だった前後バンパーとリヤクオーターパネルのエンジンルーバーをボディ同色に変更。



凝ったプレス形状と塗り分けのせいで、どちらかと言うと鈍重な感じだったリヤ周りがバンパーがボディ同色となり少しすっきりしました。またこれは時代の流れなのか、このころからタイヤのホワイトリボンがなくなっています。

















同年7月、今度はリヤバンパー形状が、左右分割だったものから横一直線に変更されます。 さらになんとセールスポイントの一つだったはずのオープンバックウィンドウを廃止しています。










よく見ると、エンブレムが通常のプラスチックにメッキしたものからステッカーに変更されています。
よっぽど原価低減をして利益を上げる必要があったんでしょう。
それもそのはず。スズキ車の販売台数は、昭和45年の27万5千台のピークから昭和48年は22万2千台、49年には18万2千台まで減少しています。

軽自動車はこの辺からなんだか雲行きが怪しくなってきます。
というのも、それまで車検制度のなかった軽自動車にも48年10月から2年ごとの車検が義務付けられ、気軽に乗れた軽自動車は、維持するのがだんだん小型車と大差なくなっていきます。
現代から見れば、それでも燃費の良い軽自動車は小型車よりも維持費が安くメリットがあると考えますが、当時は、維持方法やかかる費用が小型車と変わらなくなってきた軽自動車は魅力が薄れていたのかもしれません。

カタログの構成も、通常、最初の頁は車体の外観写真を載せるものですが、この時代になるといかに軽自動車が経済的で安全かを強調するため、見開きページから小型車との維持費の比較や台あたりの事故件数比較を載せており、なんとかして販売台数を伸ばそうとするメーカーの必死さが伝わってきます。

昭和50年4月、ナンバープレートがそれまで白色の小さい形状だったものが今日の黄色い大型化されたものに変更されたことに伴い、リヤナンバー灯の形状が変更されます。 



また、リヤバンパー形状は複雑なプレス形状がなくなり平面にスリットが開けられたものに変更され、さらにすっきりした印象となりましたが同時に個性もなくなりました。

49年に廃止したガラスハッチは、さすがに販売店や新規ユーザーから不評だったのか、この年に復活しています。
さらに、公害対策や燃費向上策のため、エンジン出力が32馬力と35馬力となり、2馬力ダウンしています。 また、グレード体系が見直され、11種類から6種類に縮小されています。

昭和51年4月30日、50年排ガス適合車を発売しますが、6月には新規格車であるフロンテ7-sが443ccエンジンを搭載して発売され、ここでLC20型は販売が終了します。

昭和50年頃、浜松の町中を走っているフロンテLC20をたくさん見かけました。 スズキ車と縁の深かった僕には、そのモデルごとに当時の懐かしい記憶がよみがえってきます。

ブログ一覧 | 雑記 | 日記
Posted at 2013/10/26 22:30:47

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この記事へのコメント

2013年10月26日 23:18
こんばんは。

あ、その雑誌は私もゲットしましが、フロンテの掲載漏れは気が付きませんでした(汗)。
とは言うものの、仰る通り内容は充実しており、資料としては使えるかも。
コメントへの返答
2013年10月27日 22:29
コメントありがとうございます。

僕は立ち読みして、そのまま買っちゃいました。
LC20は残っている台数も少なそうですし、載ってなくてもほとんどの人が気が付かないかもしれませんね。 
2013年10月29日 18:49
こんばんは。

さすがフロンテに造詣の深いてつXさんらしい詳細なブログで興味深く拝見させていただきました!
それにしても昭和49年のマイナーチェンジでのガラスハッチの廃止は不可解でしたよね?
あっさり翌年復活してますからこの時期にLC20買ったお客さんは余程悔しかったと思います。
LC20ってあまり変化ないような気がしてましたが、バンパーの色や形状、ナンバーの規格変更に伴う変更など細かく変更されていたんですね。

大変勉強になりました!
コメントへの返答
2013年10月30日 21:16
こんばんは。
コメントありがとうございます。 誰も取り上げる方がいないので、ちょっと取り上げてみました。
LC20は全然変わってないようで3年間で実はガラスハッチを廃止してたりすぐ復活したり、なんだか迷走してますね。 なんで廃止したのか謎です。 
LC20はもう何年も現車を見てませんので現存数はだいぶ少なってると思います。
2017年7月13日 22:10
再度コメント、失礼いたします。

4代目LC20型フロンテ。変更面ですが、

自ら手にしているCG別冊「日本車検索大図鑑」によると

1975年型 一部変更でガラスハッチ廃止他 
1976年型 一部変更でガラスハッチ復活・車種編成縮小
1976年月 一部変更 安全対策
1976年5月 50年排ガス暫定規制適合 4ドアカスタム 61万円

とありました。

このブログ記事でのみ、取り上げていた最初のマイナーチェンジ機種は手にしている本誌には載っていませんでした。

その他の変更面が知りたかったです。







コメントへの返答
2017年7月22日 14:36
最初のマイナーチェンジは塗装色のみなので日本車検索大図鑑には載っていません。
その他の変更点は資料がないため不明です。

プロフィール

「@しげぼうず さん、60歳待たずしてどこか旅行に行きたい気分です」
何シテル?   08/17 09:46
スズキ自動車のお膝元で生まれ育ち、依頼ずっとスズキファン一筋です。 気軽に立ち寄っていってください。
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