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2015年09月06日

スズライトを知っていますか

スズキ歴史館が出来て早6年、そこでスズライトの実車を見た方(僕もその一人)も多くおられると思いますが、スズキ初の軽乗用車スズライト以降、昭和42年にリヤエンジンのフロンテLC10が発表されるまでの間にTL他いくつかモデルが存在します。
そのTLから後に誕生したフロンテTLA、さらにFE、FEAと続くスズライトは、自動車の黎明期に沿ってめまぐるしくモデルチェンジを繰り返しますが、それらがどんなモデルだったのか紹介していきます。

昭和34年7月(1959)
昭和30年にスズキ初の乗用車、また日本発の量産FF車として登場したスズライトは、デザインを一新してスズライトTLへフルモデルチェンジします。
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スズライトTL
全長2990mm 全幅1295mm 全高1550mm
エンジンは先代を踏襲したT型2ストローク空冷2気筒
ボアxストローク59mmx66mm、21PS/5500rpm、3.2kgm/3700rpm
フロントエンジン、フロントドライブ

そのスタイルや駆動レイアウトはイシゴニス氏設計のBMCミニによく似ていますが、ミニの影響を受けたり模倣したわけではなく、これはスズキオリジナルデザインです。
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ミニが発売されたのはスズライトTLが発表された1ヵ月後の昭和34年8月です。 
スズライトはミニに対して全長が61mm短いものの、ホイールベースはスズライトの方が14mm長く、車幅こそ大きく異なれどそのフロントビューやサイドビューはミニと同等の格好をしており、偶然とはいえ同時期にこれら2台がデビューしたのは非常に興味深いですね。


昭和35年10月(1960)
マイナーチェンジ実施。(’61年型)
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フロントグリルのデザインを、メッキを加飾したものに変更。 シングルワイパーを2ブレード化。 
リヤサイドウインドウを2分割化し後部にベンチレーター追加。
ただ、これはコストがかかるためかすぐに廃止されたようです。alt

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昭和36年11月(1961)
マイナーチェンジ実施。(’62年型)
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それまで左右のBピラーに1個づつ設けられていたウィンカーランプを前後4灯式に変更。 
それにともない、フロントグリルはウィンカー一体としたデザインに再度変更しています。
また、フロントウィンドウを曲面ガラスに変更し、バックドアは横開きから上下開きに変更。
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発売当初月産200台だった生産台数は、この頃には月産1000台程度に増えています。

昭和37年3月(1962)
スズライトフロンテTLA新発売。
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スズキ初の軽乗用車スズライトSFが昭和32年に生産中止されてから5年ぶりの乗用車復活です。
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外観形状は、スズライトTLとほぼ同等ながら後部に短いノッチを付けて独立したトランクが設けられています。 さらにフロントはダイカスト製クロームメッキ仕上げによるフロンテ専用デザインのグリルを配置してTLとは差別化を図っています。
また、2ドアセダンとしてはめずらしく、リヤサイドウィンドウにもレギュレターハンドルによる昇降式を採用し、後席乗員の快適性を向上させています。

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これ以降、スズライトバン、スズライトフロンテ2種類のラインナップが展開されていきます。


昭和37年10月(1962)
スズライトバンTL
最後のマイナーチェンジ実施。 (’63年型)
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フロントグリルデザインを格子状に変更、フロントのウィンカーランプをグリルから独立させ、補助灯兼用に変更。 ホイールキャップのデザインを変更し、大型化しています。
この時点で月産1500台に到達。

スズライトフロンテTLA
マイナーチェンジ実施。 (’63年型)
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ホイールキャップをTL同様に大型化。 バンパーにプレスのリブを追加。
リヤトランクリッドのヒンジ位置を上方から下方に変更にし、荷物収納時の利便性を改善しています。
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昭和38年4月(1963)
スズライトバンTL最終型からわずか半年後、FE型へモデルチェンジします。 
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フロントの意匠はそのままに、ボディ後端の形状を角型に変更して荷物室の容積を増やしています。 これでバンらしい姿になりました。
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また、エンジンが改良され、セルミックスと呼ばれる分離潤滑方式を採用します。

空冷2ストローク2気筒 22馬力 最高速度は初期モデルと変わらず85km/h。
ボアxストロークは61mmx61.5mm。
従来はガソリンとオイルとの混合給油であったため、ガソリンでオイルが薄められてしまい、粘度が低下して高回転時の潤滑性が劣りましたが、インレット注油の分離給油方式を採用したことで油滴のままエンジン摺動部にオイルが供給されるため潤滑性能が向上し、またオイルの消費量も半減しました。


昭和38年5月(1963)
スズライトフロンテFEA型へモデルチェンジ。
内外装の変更はありませんが、FE同様にエンジンはセルミックスを採用。
また、FE、FEAともミッションが4段変速に変更されています。

このFEAでは、5月3日に鈴鹿サーキットで開催された第1回日本グランプリで400cc以下のC-Ⅰクラスにて、大方の予想を覆しスバル360やキャロルを抑えてみごと優勝してます。
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尚、スズキ歴史館展示のゼッケン9番のグランプリ優勝車レプリカは、ベースがTLAを用いているので正確には実車と異なります。
富士重にしてみれば航空技術を応用し自信作且つ当時のベストセラーであったスバル360が、バン派生のスズライトフロンテごときに1、2位を独占されたことが相当応えたのか、翌年の第2回グランプリでは逆転優勝しています。

後編へ続く。

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Posted at 2015/09/06 13:59:55

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この記事へのコメント

2015年9月6日 15:12
初代スズライトは方向指示器が手旗信号式(電気式じゃない)でしたよね。しかもモノコックじゃなくて、ジムニーみたいにフレーム式で重たかったけど、そこはバイクで実績のあるスズキのパワフル(当時としては)なエンジンでカバーした。

スズキを語れる仲間が増えて嬉しいです。
コメントへの返答
2015年9月7日 21:45
こんばんは。
そういえば初代スズライトは、Bピラーではなくてフロントとリヤにウインカーが装備されてました。
TLでは一旦そうした装備を見直して簡素化したんですかね。

プロフィール

「知らないおじさんばっかの飲み会やだ。自己紹介とかしぬ。」
何シテル?   05/24 00:47
スズキ自動車のお膝元で生まれ育ち、依頼ずっとスズキファン一筋です。 気軽に立ち寄っていってください。
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