水温上昇を駆逐せよ!②ラジエター交換編
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
今回は水温上昇の原因を探る事を目的としたラジエター交換です。
八幡ヤード街を離れ我が家のガレージでゲットしたラジエターをパジェロミニ(ボロ)に移植する工程に移ります。
個人的見解ですが今回のトラブルを結構…いゃ…かなり楽しんでますねん(笑)
弄りも修理も楽しくなけ電気ネタばかりチマチマやってるとたまには汗ダラダラ流しながら手を汚しての作業も愉しい!
今回は豪快に行くぜいッ!
まず…前回の整備手帳でお馴染みになりましたビジュアルが超~汚いラジエター外部を洗浄しまーす。
このラジエターにへばりついてるのは牧草みたいな植物と何か解らぬ獣の毛?あとはデカい蛾と頭部が吹っ飛んだスズメバチの死骸etc.…
代わってエアクリーナーボックスにはプレーナー(電気カンナ)から出たと思われる大量の木屑が詰まってました。
???
これらの付着物からこちらが勝手に推測するとあのXRの元オーナーさんは酪農家兼大工さんと推測されます(笑)
これらを使い古しの歯ブラシでチマチマと取り除くと…
(豪快改めいきなりチマチマやってる…)
ほ~ら、キレイになりましたがな~。
注・パジェロミニのラジエターは下段に進むにつれアルミフィンの密度が高くなるので比例してこのチマチマ度が上がります(〒_〒)
2
次の工程はラジエター内部コアの洗浄です。
外部なんぞジオングの足と同じで《飾り》です。(ホンマか?)
んで、素人のやれる事はこれ位しかないのですが…ズバリ!
人力でチマチマ洗浄すべし!
アッパー側からホースをぶち込み流水洗浄!
お次はBAプレリュードから続く我が家の流の儀式で水を半分入れてアッパー&ロア側を手で塞ぎおもいっきりにシェイク!
ゼェゼェ息切らしながら排出される水の汚れを確認するが…めちゃ綺麗でした…。
排出される水を確認しながらこの工程を何回か繰り返します。
かなりゼェゼェで原始的な手法ですが…効果が懐疑的な《ラジエター洗浄液》等を使うより確実だと思います。
中古ラジエター故に履歴が不明…故に前オーナーがホルツのラドウェルド等の漏れ止め剤を投入されてる可能性があるので念入りに洗浄しないとね~。
ラドウェルドは怪しげなケミカルとは違いテキメンに効く漏れ止め剤ですが…
副作用としてコア内部に汚れが貯まりやすくなる&ウォーターポンプに(少し)負荷をかけるので緊急時以外は入れない方が宜しいかと…それにウォーターポンプの寿命での漏れには全く効果ありません。(知ってる人には分かると思うんですけどポンプのピン穴からの漏れには全く効果ナシ)
ただ、ラドウェルドの即効性と効果は素晴らしいので出先での緊急用にはオススメですよ。
あっ、解体屋でラジエターと一緒にシュラウドも頂きました。
画像のようにシュラウド下部は分割出来るようになっています。
3
今度はボロのラジエターを外しにかかりまーす。
リザーブを外しクーラントをラジエターコックから排出してアッパー&ロアホースも分離。
勿論、シュラウドも外します。
大まかな工程は前回と同じなので細かいのは割愛します。
さて、少し難儀するのがウチのボロはAT車なのでAT用ラジエター故のATクーラーのゴム配管の取り外し。
冷えてる状態ではATオイルはあまり回ってきてないので配管外した程度ではドビュッと溢れ出す事はありませんが…XRとはATクーラーの有無の違いがあるのでVRはラジエターを外したらATオイルがどれ位漏れるか未知数でした…。
その為にXRの時と同じくアンダーガード用のボルトをすぐに栓が出来るように予め構えておき素早く抜き&栓をします。
素早く作業してもATオイルで少し手を汚しました。
個人的にATオイルは手に付着するとかなりニュルニュルするので触れるのあまり好きちゃうねーん。
4
画像のペットボトルに入った液体はボロのラジエター内ATクーラーに残ってたATオイルです。
残留量はこの程度でした。
BA5プレリュードのラジエター交換時の経験もフィードバックさせてのお話ですが基本的に不足した分のATオイルの注ぎ足しはしません。
個々の考え方で異論はあろうかとは思いますが…個人的にはこの程度の損失なら余裕で許容範囲内だと思います。
(注・当然ATのゲージで量は確認してます)
ATは壊すと高い代償になりますし自分は責任も負えませんから気になる人はガンガンチェックしてミリ単位で注ぎ足して下さいな。
あくまで我が家の教育方針?としてこの程度減った位でATミッションが壊れるようなヤワな車ならどうぞお好きに壊れておくんなまし~。
数時間後…このまま放置してたATオイルはペットボトルのポリカを浸食し外部に滲み出す結果に…(-.-;)
ATオイル最後のあがきじゃ…
5
今度はXRのラジエターをボロに移植します。
接続の際のゴム配管は経路が違う為に我が家のボロのVR用を再使用します。
さて、取付が終わればクーラントを投入しエア抜きの工程に入ります。
ここで注意したいのが冷却水のエア抜きも大切ですが…それと同時に本来の目的である《水温上昇》の原因も探らなければなりません。
ここで調べたいのはオーバーヒートの原因にもなるウォーターポンプのインペラー欠けとヘッドガスケット抜けです。
どちらもエンジン本体に仕込まれてるので容易く確認or修理は出来ませんよね…。
ここから先はたまキチ流のやり方なので参考にはならないかもです。
パジェロミニのエンジンにはエア抜きニップルが見当たらないのでラジエターからエア抜きします。
まず…空のペットボトルをカッターで半分にぶった切ります。
切ったボトルの注ぎ口を逆さまにしてラジエターに装着~。
次にエンジンをかけます。
ラジエターを注視しエアが咬まないように水面が下がれば水を補水しま~す。
このまましばし待つ。
だんだんエンジンが暖まってサーモスタットが開いてくるとキャップ内のクーラントが流れ始めます。
この際、クーラントが流れる流量をガン見する!
水よりクーラントの方比重が重いのだと思いますが…ある程度流れて混ざるまではクーラントの方が比較的下部に沈殿してます。
その為に水と混ざり込む瞬間がクーラントの流れ具合を把握しやすい気がします。
さて…正常な流れ具合とはどれ位の速さか?
ズバリ!
カンです(爆)
他車でラジエター交換してた経験から「これ位でしょ!」的なノリです(^o^;)
その結果、ウチのボロは《正常》でした。
お次にガスケット抜けです。
もし、ガスケットが抜けてたら冷却水を回すと水面にオイルが混じった虹色の模様が上がってきますが…ウチのはキレイじゃん!
ホッと一安心したらやっとエア抜きに集中出来ます。
水温が上がりペットボトル内の水面が上昇してきます。
ある程度水面が上昇すると冷却水の重みでペットボトルがキャップに押さえつけられるので手を離しても大丈夫。
エアが抜けると一気に水面が下がるのですかさず補水。これをエアが抜けるまで繰り返しエンジン切らずに(キャップする前にエンジン止めるとたまに吹き返すよ)キャップをして完了~!
6
これでラジエター交換は無事終わりました。
が、しかーし!
走行すると前と変わらずグングン水温計は上昇していきます…(T_T)
何故だ…
サーモ交換して
ラジエター交換して
ウォーターポンプ調べて
ガスケット抜けも調べて
それでもボロよ…まだ飼い主を裏切り続け水温上がるんかい・・・
もしや交換したラジエターが詰まってた?
いゃいゃ、詰まってるラジエターコアは今まで他車で何回か見てきてるし…それにボロのラジエターよりXRの内部コアはキレイやったのにそれはありえん!
それに新品は高いしのぉ~…
とにかくモヤモヤしたままなのは大嫌いなので勉強も兼ねてボロから外したラジエターを破壊兼検証する事に。
まず最初にアッパーコアを粉砕。
内部コアの水路は…?
う~ん…これならまだまだ大丈夫でしょう。
7
今度はロア側を破壊!
ATオイルクーラーなるブツが中でどのようになってるのか興味津々!
ほぉ~!
通常ATクーラーと呼ばれるブツはラジエター内でこのように収まってるんですね~。
ATクーラの真鍮製タンクがロア側のコア内の約8割を占拠してるやん。
実際にバラして初めて仕組みが実感できる。
これはATオイルクーラならぬ冷却水を利用したATオイル保温器ですな。
さて、パジェロミニ(ボロ)のラジエター様、長年苦労様でした。
オーバーヒートの原因は君が原因では無かったみたい&最後に酷い事をしてしまいましたが…君のおかげでAT車のラジエター構造がわかり大変勉強になりました。
バカ飼い主を許して下さい。
今まで有り難う!
8
今回の一件でラジエターの仕組みは学んでも肝心の水温上昇の件が解決できずモヤモヤした日が2日程続きました。
ガレージ内でパジェロミニ(ボロ)をアイドルさせてボ~っとしてるとみんカラのお友達さんであるdaytimeさんの整備手帳にチラっと見かけたカップリングファンの事が頭に浮かびました。
カップリングファンとはエンジンを動力源にラジエターを冷やすファンの事です。
現行H53・58パジェロミニは電動ファンなので関係ありませんが
H51.56旧パジェロミニ.57パジェロジュニアはこのカップリングファンでラジエターを冷やしてます。
もしやコイツ…?
でも…ファンが回らないならともかくエンジン始動中のファンはシュラウドの中で《見た目正常に》回ってます。
そこで何を思ったのか近くにあったビニール傘を恐る恐るカップリングファンに当ててみました。
[強烈注意・絶対に真似しないで下さい!プーリーに巻き込まれて肉塊になるか片腕吹っ飛ぶよ!]
そうすると…
カタ!カタ!カタ!カタ!カタ!カタ!カタ!カタ!カタッ!カ‥タッ‥!
あれッ?
軽く傘の先を当て込んでみただけなのに‥?
家の扇風機を傘で止めるような弱さやん?
エンジンはカップリングファンが止まっても何事も無かったようにフツーに回ってます‥。
コレって‥
見事にスリップしてる‥。
見た目は元気よくファンが回ってるように見えてるが‥
これは偽りの姿(笑)
《ただ単に惰力で回ってるだけやん!》
これで一気に解決への時計が回り始めました。
《オーバーヒートの原因は[カップリングファン]が滑ってる為》でした!
これはヤラれた‥
安全にカップリングファンがスリップしてるか否かを確認する方法があります。
エンジン停止状態で(カップリングファンは一種の熱反応クラッチなので冷えてる状態で試すのが良い)シュラウドの隙間からファンを指で軽く弾くように回してみて下さい。
この時に半回転or1回転するようなら残念ながら貴方のパジェロミニもカップリングが滑りかけてるか既に滑ってます。
指で弾いた分だけしか回らないのがほぼ正常値かな~?。
指で弾じいても堅すぎて全然回らないのは逆に固着してしまってる疑いがあるかも?
次回カップリングファン交換編につづく
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