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THUNDER Racingのブログ一覧

2012年09月18日 イイね!

GTウィングの検証 その3

3.取り付け方法について

 ウィングは両端付近がよく風が当たる。
 正確に言うと、翼端板付近に多く風が当たるため、翼端板付近に無駄なものは付かない方がいい。

 車体からウィングを持ち上げるステーが、どこにあればいいのか、と言うと車両中央部にある方がよりダウンフォースを発生させる。多くのウィング装着車両のステーが中央部にあるのはそのためである。 機能を優先する場合、ステーはウィングの中央部にあるのが望ましい。

 1本の箸の真ん中を持ち、左右に振ってみよう。 するとぷるぷるするはずだ。
これと同じ事がGTウィングにも生じる。

 つまり取り付け部が車体にしっかり付かないと、ウィング両端部ではぷるぷる振れることになり、せっかく整流しようとした空気を乱してしまう。
 こうなると、ダウンフォース量も変化してしまう。 取り付け部の振幅により、ダウンフォース量が変化すれば、わずかな違いかもしれないがコーナーリングやブレーキング時にも少し影響するだろう。

 また装着位置は、できるだけ車両後端部に設置し、オーバーハング部より車両を抑えることで効果をより発揮する。
 しかし、ナンバー付きの場合は明らかによろしくないので、多くの車両は車両寸法内に収めている。ナンバー無しの車両においては、そういう制限もないため、バンパーやトランク後端部からステーを出すような大胆な取り付け方法もあるが、自分は当時、奇抜な造形にはならないよう、普通に(?)車両寸法内に設置した。
 取り付けはボディに強固に締結し、ステーを持って揺すると車両が揺れるくらいがちょうどいい。(ウィングを持って振らないのは、取り付けネジ部がバカになるのを避けるため)

 ステーは、前側と後ろ側で応力の方向が違ってくる。 前側のステーはトランク部から外へ向かって引っ張られる形に応力がかかる。 逆に、後ろ側のステーは、ウィングで風を受け、トランク部に向かって下向きの力がかかる。

 いったいどれくらいの力がかかるのか?これは計算式でもあろうが、180km/h超の世界で50kg/cm2程度はかかると思う。
 何度も何度も走行し、その影響はトランクとGTウィングの取り付け部に現れた。
前側ステーの取り付け部(トランク)に亀裂が入り、後ろ側ステーは走行風により応力がかかってトランク部がへこんだ。
 
※ 取り付け位置を変更したためわかりにくいが、亀裂が入っているところより下側が、最初の「前側ステー」の取り付け位置。

 もちろん、取り付けに当たっては説明書通り、そしてGTウィング付属の当て板もトランク裏側に付けていた。しかし、その当て板ごと、トランクに亀裂が入るわけだから、相当な応力がかかっていることは想像できる。
 装着後、数回の走行でトランク部の状態はややへこみ、走行中のGTウィング両端部の振れは目に見えてあり、トランク部に載せて当て板をしただけでは足りないということが容易に想像できる。アルミのアングル材や鉄製のステーで補強するなどをする必要があった。
 
※ ボコボコですね。穴がすごいことになっていますでしょ?

トランク部中央は当然骨格が足りず、しっかりとダウンフォースを発生させてもトランク部がへこんでいるのではあまり意味がない。
 
※ 骨は入っていても、上部からの応力ではなく、後部からの衝突時のためのものであるため、いとも簡単にへこんでしまう。この対策は、トランク裏側で実施するしかない。これでも当て板は工夫してみたんだけどね・・・・

だから近年の市販GTウィングのステーは、トランク部中央ではなく、トランク両端部にあるのではないかと思う。

翼端板付近にステーを置かず、しっかり風を当てて性能を出す、
ことと
翼端板付近にステーを置いて乱流があるも、しっかりと支えることでウィングをブレさせずに性能を出す、
のは似て非なるようで、目的は同じであると考えられる。

 今回13年目の取り付けリニューアルでは、中央部のステー位置からややトランク部よりに変更する。
 また、取り付け部はトランクの厚みだけでは、多大な風の応力を受け止めきれないと考え、「点」で支えるのをできるだけ「面」で支えるように変更する。
 位置的には、屋根より高く上げることが最大の効果を発揮するが、発揮しすぎのような気がするので、高さは以前より数cm上がる程度である。 この数cm上げるのが難題で、テイクオフ&Rメカニカルはアルミ製の、KIDS-Rは木製の下駄をはかせていた。 この後端部を上げるのは当然横方向から見て、水平にし押しつける力を増大させることが目的である。
 しかし、自分はトランクに直で付け、10数年間走ってきた。いろいろな走行条件と共に、エンジンパワーも次第に増し、80ps→110ps→150psと上昇してきたわけだが、GTウィングの操作角度はさして変わっていない。逆に速度域が上がることで角度は付けなくなった。これは走行風が加速度的に増大するため、ノーマルタービン時よりも抵抗は少なめにした方がストレートでは抵抗にならず、またブレーキング時の安定度は意外と変化が少ないので、やや寝かせた状態(つまり抵抗が少ない状態)が一番いいという結論に至っていたからであった。

 しかし、なぜリニューアルするのか?と言うと、
  ○ 取り付け部は写真にあるように割れ、サーキットピットで急遽穴を開け、ウィングの取り付け位置を変更したのがそのままになっていること。
  ○ ウィング取り付けのネジ穴がバカになりかけており、別の取り付け位置で装着する必要があった
  ○ 何より暫定的な取り付けを恒久的にしっかり取り付ける必要があった
ためである。

 ※ 先日、SB日本一決定戦初代チャンプのれぽくんが、タイラップで留めたGTウィングを揺すってニヤニヤしていた顔を見て、直す重い腰を上げたのが本当のところだが・・・・。

 しっかり取り付けるついでに、そのまま前と同じ位置には装着しない。
前側ステーの位置は若干の上昇と共に、後ろ側ステーの位置は7cm程度の上昇とする。 リヤスポイラーも同時に装着し、これからはしばらくの間、「整流」をテーマにする。
(そろそろ形にする必要がある。でないと、製作して形にする前に補修となり、やる気が失せていくからね♪)

 取り付けステー後部に「下駄」をはかせることで、やや上向きに付いていたGTウィングであるが、若干上向きより水平に近くなり、ダウンフォース量は大幅に多くなるであろう。 自分としては過度なダウンフォース量となり、結果として影響がでてくる部分があるが、それは別の場所でセッティングを行うとして、ベターからベストへ近づく道を探る中で、考えた結果である。
 もちろん、吉と出るかもしれないし、凶と出るかもしれない。あるいはなんにも変化がないかもしれない。しかしシチュエーションによっては、今までよりももっとよくなるかもしれない。それは、この先いろいろな場所で、いろいろなシチュエーションで走ってわかることで、トライであり、チャレンジだとも言える。
 たかがGTウィングの装着し直しで、大幅に何かが変わるわけはないけれど、何かをきっちり詰め、そしてそこから見えてくる新たなウィ-クポイントや改善点を見いだし、またそれに向き合うことでさらに向上させることができれば、と思う。

4.効果について

 自分が思うに、GTウィングはやや上向きにセッティングするのが望ましいと考えている。 それは、ストレートでは多大な空気抵抗となり、ダウンフォースは走行抵抗になると考えるからである。

 何も考えずに、高速道路を走ると、100km/h程でもはっきりと抵抗になっているのが感じられることであろう。 ボディに対してオーバーパワーなら、ウィングはしっかり立てて抑えつける必要があるが、ストレートでのGTウィングは抵抗でしかない。ストリートベースの車両では、ストレートの加速時にはGTウィングはまったく意味がない、と思う。 タイヤがグリップしないからGTウィングを付ける、という人がいたら、それは空力云々というより他に原因があるだろう。 自分は、コーナーリング時にテールスライドしないように、と思って装着したGTウィングであったが、実際に装着して驚いたのはブレーキングが安定する、ということだった。 このことについて記載する雑誌の記事も、webでも本当に無かった。(前述)

 アンダーパワーの車で勝負するには、ブレーキング!と思ってできるだけ奥まで突っ込み、前輪に荷重が移り後輪にかかる荷重は減少傾向にあった。リヤがぷるぷると小刻みに左右に振れ、そのフレとコーナーリングが噛み合って走行することに楽しさすら覚えていたが、相当歯を食いしばってトライしていたことも事実だ。
それがGTウィングを付けただけで、ブレーキング時のリヤは安定し、4輪でブレーキをしている感覚と、クリップ手前で早目にアクセルを開けていけるようになり、装着したことの恩恵を感じるようになった。
80km/h程度でも効果は確実にわかるので、ブレーキング時の姿勢変化やアクセルの開け方に躊躇したりしているような車両には装着することで改善されることが多いと思われる。(FRの場合)

 ただ闇雲にGTウィングを付けることはおすすめしない。(前述)
しかし、サーキットやハイスピードジムカーナでは装着することで、何らかの影響は表れる。ブレーキングが安定する、と書いたが、じゃ、どんなクルマでもそうか、と言うとそれは保証しない。同じカプチーノだから、同じだろう、と思うのもどうかと思う。
あいつにわかるんだから、俺もわかるはずだ、と思うのは勝手だが、付けたところで、絶大な効果があるのかどうかはわからない。付けている人は既にそれなりに工夫しているし、付けていない人は必要としていないから付けていないのであろう。

付けたいけど迷っているなら、「さっさと付けろ!」とアドバイスする。
気に入らなかったら、外せばいい。
カッコだけで付けたいなら、(どうぞご自由に)と思う。


PCでのTOP画像は2002年の5月に行われた間瀬でのスプリントレース&100分×2ヒートの耐久レースでのシーンである。

この時はオープンにして走っていた。
クローズドにしていないので、空力云々が言える立場ではない、でしょう?(笑)

Fスポイラーの下は、アンダーカバーがありましたが、2年後、この間瀬で砕け散ることになる(笑)
私が空力のこと云々を考えなくなったのは、そう、2004年以降からかもしれない。



なんのこっちゃ、なんだかくそまじめすぎてつまらん!?
たぶん、ここまでまじめに読む人は、そういないと思われる。
お疲れサンダーでごじゃる。

タブン、Nakajiサンモアクドーニもコノヘンマデハゼッタイヨンデナイトオモワレル(ワラ)

Posted at 2012/09/18 21:06:10 | コメント(1) | トラックバック(1) | カプチーノ | 日記
2012年09月18日 イイね!

GTウィングの検証 その2

1.形状について

まず考えたのはF1などのウィング形状。
91年の鈴鹿にて、1コーナーよりホームストレートを見ていると、GTウィングの翼端板付近から整流された空気が白くなるほどに高速度域(300km/h?)で直線でも押しつけて走る必要がある(?)F1はあまりにも特殊ではないかと思った。エンジンパワー、タイヤ、重量配分、その他あまりにも違う。
F1が最高峰、ではあるが、そのF1のウィング(あるいは類似品)を付けたとして、たぶん必要なものを得られるか、というとどうも違うのではないか、と思い始めた。制限もあるだろうし。

自分の中では、ザウバーメルセデスC9やマツダの787BなどのCカーの装着位置が好きで、やはり箱車は箱車か?と。
まぁ、これもF1のウィングと同じで参考程度なんでしょうけどね。

やはりR32などが一番参考になるのか?

当時はいろいろ考えた。

他車純正流用や、純正交換品なども候補には挙がった。
スバルの二段ウィングが中古で出回り、サイズ的にも形状的にも悩ましいほどかっこよく、候補に挙がっていたが、あまりにも重かった。
重量は問わない、と思っていたが、確実にトランクがひしゃげる。
付けなくてもわかる(笑)



まぁ、結局はいろいろ考えてもものがなければ意味はないわけで、市販のものでセレクトしたわけだが・・・・。



2.可変できるもの

それは、走るシチュエーションによってダウンフォース量を変えられるからである。
角度を、ステーの角度や羽根自体で角度が付けられるといい。

ステー自体は、装着時の位置合わせ的な意味合いが強いと思われるが、走行シーンによっては取り付け角度から変えられる、という選択肢が増えるので、あった方がベター。
(カプチーノの場合、トランク部にそのまま装着すると緩やかにカーブを描いてリヤ部が落ち込んでいるため、装着時の位置合わせでしかなかった。コレを解消するには「下駄」をはかせる必要がある。この下駄については後述)

2枚羽根は、1枚羽根よりも格段に効果的と推察した。空気の層を分断するのに、1枚ものの大きなもので角度を可変させるよりも2枚の方がより可変させやすいし、細かなセッティングの幅が大きくなるからである。

しかし、ふと考えたのが、走行中に可変できればもっといいのではないかと考えた。

ふと思い出したのがトヨタ7
走行中に2分割されたウィングがコーナーによって立ったり寝たりという、あれだ。
もちろん走行しているのを見たこともなく、遠い記憶でしかなかった。翼端板もなかった。

cd値が云々された80年代。
風洞実験の結果、など昔よく聞いた気がする。

しかし、すべて直線での整流効果やダウンフォース云々である。

自分の走行シーンでは、ボディに対して風はやや斜めに当たるんじゃないか?
コーナーリング中は200km/hどころか、せいぜい140km/h前後が関の山の走行シチュエーション。
裏ストレートでの最高速は当時165km/h程度のコース。(現在は185km/h程度)

そこで考えたのは、Λ字形状。
直線より、コーナーでダウンフォースが必要なんだから・・・・。

しかし、童夢や無限ですらそういう事やってないんだから意味はない?


次に考えたのが、直線時は寝て空気抵抗を軽減し、コーナーリング時は起きてダウンフォースを発生させる。
ステー後部にダンパーを組み込み、走行速度が上がると沈み、走行速度が下がると起きあがる。
コレは効果的!(と思う)

バイクのステアリングダンパーが最適か?
走行抵抗はかなりあるのと、絶妙な沈み込みと戻り、そして何より2本いるじゃないか。
当時はナンバーが付いていたこともあり、また、できるだけ奇抜なことはやめとこうという配慮(?)もあって、大胆にはなれなかった。
レースシーンでも可変はないしね。
(レギュレーションで禁止されているのか、重量が増えるのを嫌うのか、機構的に不具合が出た場合に困るからか)
今回のリニューアルでは、ステアリングダンパーは試さない。
どのみち、凝ったギミックは必要なく、耐久力のあるもの、シンプルな機構のものでないとそれだけを考えて走っているのではないから、結局はステーは固定でおこなう。


また、悪い病気が始まった。
どこもそんなもん出してないんだから、考えても無駄。

過去のレースシーンや、こう作ったら効果的ではないのか?、などは考えないことにした。

あるものをセオリー通りに付ける。
コレが無難。
でも、自分の走る速度域や形状、取り付け角度などはちょっと考えて、工夫する。

世間では3連休だが、9月最初の休日(それも1日だけだ)に、GTウィングを外して、どうこうするだけで終わったのは情けないやら、意味が深いやら・・・・。

深~い。
いや、不快??

その3に続く・・・・(いつかはわかんにゃい~♪)
Posted at 2012/09/18 01:04:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記

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