2012年09月20日
ここの製品のネーミングはユニークだ。
スプリングは「がったんばりばりぴったんこ」、タワーバーは「ふんばりくん」。
フロントパイプは「ぬけるくん」、触媒アダプターは「つつぬけくん」、マフラーは「爆音くん」だとか、「しずかちゃん」だとか・・・・。
リミッターカットは「限界くん」だとか、ブレーキパッドは「とまるくん」、そしてショックカバーには「こんちゃん」
もぅいったい何なんだ?
クルマのパーツって、どうしても英語じゃないですか。
英語の方がカッコイイ(と思う)。
そやのに、この会社、ひらがな表記が多かった。
しかも、このネーミング、なんだょ~!?
絶対付けたくない!って思ってた。
マフラーもエアロも大人気で、街中でもよく見かけたものだ。
装着したクルマが街中を走り回り、普通に走っても目立つのだが、これまたどうよ?というようなドライビング。乗ってる人たちをみたら、これまた正にドンぴしゃな、クルマと見事にマッチした人たちだった(笑)
しかし、神戸のパームスと、パスタスポーツのエアロが大ブレイクしていた頃から軽自動車はそこそこ知ってはいたがあまりにも動力性能が低い印象しかなかった。L70Vのターボに、軽自動車もしっかりとした造りと、十分以上の走りもしだしたことは知ってはいたが、やはり普通車までのエントリーカーとしての存在でしかないのかな?アフターパーツメーカーも、適当に造って適当な値段で売り出しているのだな、と勝手に思っていた。
テイクオフの広告が、カラーで6ページも続き、「テイクオフ本」とも言われたK-CAR SPECIAL誌(立風書房時代)を毎月見ながら、製造後10年以上が経つ車のエアロパーツも、ラインナップから落とさず売り続けていることに気づく。
毎月毎月変わり映えのしない広告が続く。しかし、2,3ヶ月ごとに出る新製品が広告に組み込まれ、同じように見えてちゃんとラインナップに加わる。さらに、年明けには必ず広告が新しくなり、カラーの分厚いカタログが雑誌に付く。
ここの商品は、古いクルマでもドレスアップすることができた。パーツもカタログ落ちしなかった。
広告を出し続けることの意味は、おわかりだろう。
広告をしなくなるとどう思われるか。
推してしるべしである。
商品のネーミングが、何それ?って思ってはいたが、どんどん知ることにより、その印象はがらりと変わった。
自分としてはネーミングがイマイチと思っていたが、製品はいい加減なものではない。
軽自動車は、エントリーカーでもある。
だから極力パーツは安く提供したい。
しかし、安全性は十分に配慮している。
ちょっと小さいからと言って、製造コストや手間は普通車の部品と変わらない。
何より、乗って楽しい、そして乗っている人が危険になる商品は一切出したくはない。
小さいクルマで大きなクルマを抜けたら、おもしろいやろ。
このようなことを社長さんより直に聞き、また聞くまでの自分なりのユーザーから聞いたことや、メカさんから聞いたことなどもいろいろ考えても、本当に考えて造っているのがよくわかるし、作り続けることが大事、ということもよく伝わった。
今でこそ、ラインナップから外れたものもあるが、同業他社の栄枯盛衰や、売り切り商品、見た目がカッコイイだけの部品や機能が多そうで実はあんまり使えないパーツに比べれば、実は地味だが有用な部品が多いことに気づかされた。
社長さんは、セントラルサーキットで開かれる年2回の春秋のレースには必ず来ており、ご自身で走っていた頃もあった。バカッ速のネイキッドや、最近ではエッセをドライブしていたことで知っている人も多いだろう。空いた時間には、各ピットを回り、車作りを見たり、参加している人に声を掛けたりして話しかけられた人もいるだろう。自分もよく知らない頃は、あ、あの人、また見に来てるなぁ、とか思っていた。次の走行時間まで時間がある時は、軽自動車のおもしろさやレースの楽しさなどを、うまく相手から引き出す。自分が社長さんにレースの楽しさなどを話しながら、「このイベントって参加することに意義があるんで毎回出させてもらってますよ」などと言うことで、自分自身のスタンスを再確認もできたものだ。自分が忙しい時はちょっと2,3の会話して、スッと隣のクルマに行きじゃまにならないようにという配慮も欠かさなかった。
「次はほんまにこのイベント続けられるかどうかわからないんや」
と言われた時は、トップクラスのタイムと一般ユーザーの走行タイム差の大きさに、もしも何かあったらどっちがより大きな被害が出るか、と言うことを話された。
当然走り始めたクルマは装備も必要条件は満たしても、タイム差が20秒どころか30秒もある車と接触した時にロールケージや4点ベルトのあるなしで大きく変わる。みんなが楽しめるイベントでありたいが、大きな事故があれば続けていくことはできない。かといって、全てのクルマにロールケージや4点ベルト、そしてドライビングスキルを求めるのにもムリがある。
「はじめは誰でも初心者なんや。
初心者が、怖くて走りたくない、とは思ってほしくないんや。
できたら走り続けて、走ることを楽しんでもらいたいんや。」
さいわい、危惧するような死傷事故は無かった。
あるとすれば、テイクオフミラとアーバンオートRアルトの、ホームストレートでの接触だろう。しかしこれはショップデモカー同士であり、一般ユーザーが巻き込まれるようなことはなかった。
今は、年月が経ち、軽自動車の品質もずいぶん向上し、満足いく動力性能、そしてユーティリティ。アフターパーツメーカーも苦慮する時代だ。
普通車でも、走りのクルマが減り、マニュアルよりオートマが当たり前の世の中である。
走りを楽しむというより、単なる道具として快適に移動できる事が求められる。
居住空間は広く大きく、ボディは大きく重くなり、オートマで燃費と走りがいいという相反することができる時代である。
改造をすることや、速く走ることが主ではなくなった、かもしれない。
でも、そんな時代であっても、昔と同様にクルマ好き、走り好きはいて、
とことん限界まで攻めたい、とか、
あいつには負けたくない、とか
次はタイムアップするぞ、順位を上げるぞ、
次は完走したいな、
自分が走ったらどれくらいだろう?
とか、いろんな思いでサーキットに向かう。
参加者が激減した時期もあったセントラルでのK-CAR MEETING。
しかし最近は、新規格NAのレースが大きく盛り上がり、また新しいK-CARユーザーがチャレンジしたり、かつてステップアップした人たちが舞い戻ってきたり、遠くから参加するチャレンジャーもいて、K-CAR MEETINGはまた盛り上がろうとしている。
古いクルマでもラインナップし作り続けてきたTAKEOFFが、実はセントラルサーキットでのレースを盛り上げるために陰で尽力してきた事を知る人も多いだろう。
関西のレースは、「速くてナンボの勝負」。
ずいぶんと楽しませていただいた。
K-CAR MEETING。
毎回参加してきて、自分の人生に大きく影響したイベントなのです。
そして、TAKEOFFが、何度も何度もテストをくり返し製品化しているのを聞き、軽自動車への思い、製品への真摯な取り組み、アフターフォローなどを聞き、ネーミングなんてどうでもいいことで、中身が大事っていうことに気づかされる。
セントラルサーキットで、またお姿を見ることができるだろう。
パーツがついてなくったって、声をかけられたら話してみるといい。ずっとずっと軽自動車一辺倒でやってきたメーカーだ。自分の、軽自動車の思いや走り、イベントのことや、今の軽自動車の話しなど、自分なりでいいから話してみよう。
走ることだけでなく、人との出会いも楽しみな場所。
それがセントラルサーキットなのだ。
Posted at 2012/09/20 22:07:17 | |
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軽自動車 | 日記