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2014年04月20日 イイね!

幻のスーパーカー「童夢 零」

幻のスーパーカー「童夢 零」先日光岡オロチの生産終了についての記事を書きながらふと思い出したのが、スーパーカーブーム末期に突然現れた童夢・零

当時は少年雑誌でも多く取り上げられ、プラモ化されたこともあり私と同世代の人には懐かしいこのクルマ、当時小学生だった私も「日本にもスーパーカーが誕生するんだ」夢を膨らませていたものですが、ブームの終焉と時を同じくしてその存在も謎のまま表舞台から姿を消してしまったこの幻のスーパーカーについてもう一度調べてみました。

1960年代に京都府でレーシングカー・コンストラクター「マクランサ」を営んでいた林みのるがスポーツカー製造計画を立ち上げ、1975年に林の自宅で開発プロジェクトがスタート。
当時のレース界は海外製マシンに押され国産コンストラクターの多くが挫折し始めていた時期だったため、日本のレース界を代表するメンバーが参加、当時の日本のレースレーシングエンジニア達の意地とロマン結晶ともいえる存在がこの童夢だったのかもしれません。



製作開始から1年3ヶ月ほどをかけ、1978年初頭に試作車(プロトタイプ)童夢ー零が完成し、林みのるが代表を務める童夢が設立、1978年3月、第48回ジュネーブショーで零はデビューします。ミドに搭載されるエンジンは日産L型の2800ccでスーパーカーというよりはロータス・エスプリのようなミドルクラスのスポーツカーという成り立ちでしたが遠く日本からやってきた無名のメーカーが産み出した処女作は注目を集め、市販価格も発表していない段階で、ブルネイ王室やクルマ好きで有名なジャッキー・チェンなどから20件近い予約オーダーが寄せられたそうです。



ショーでの公表を追い風に童夢は零の市販を目指し国内の型式認定を取得するためにさまざまなテスト走行を開始。しかし、国内での型式認定取得を前提に法規に合わせて製作されていたにもかかわらず当時の運輸省(現国土交通省)は許可どころか、申請さえ受け付けてくれず、仕方なく、アメリカの法規に準じた仕様の追加試作車童夢P-2を開発アメリカで認定を取得を目指すことになります

そうやって日本の官僚の前例主義による市販化への高い壁に悪戦苦闘している間に童夢に思わぬ話がやってきます。
スーパーカーブームの最中に現れた和製スーパーカーは当時の少年たちの注目を集め、それに目を付けた玩具メーカーなどからラジコンやプラモデルそしてスーパーカー消しゴムに至るまで商品化のためのライセンス契約の申し出が殺到、それらのロイヤリティーは童夢に同時の価格で10億を超えるロイヤリティー収入をもたらすこととなり、その資本で童夢はルマン参戦を表明、本来彼らが目指していたレースの世界に舵を切ることとなりスポーツカー製造計画は立ち消えとなってしまいました。




後のバブル期に童夢はワコールやスバルと共同でジオット・キャピスタを開発しますが、バブルの崩壊とともにこちらも開発は頓挫、童夢による和製スーパーカーの市販はまともや幻と消えました。

こうして振り返ってもやはりスポーツカーって時代に翻弄される面が大きいんですね。
エンジニアが好きなことやって、巨額の金でそれを購入する特権階級が存在するヨーロッパにスーパーカーメーカーが多いのに納得できる気がします。
そんな階級が存在しない日本でスポーツカーを作ろうとした童夢・零はまさしくその名の通り児童に夢を与えるクルマだったと思います。
Posted at 2014/04/20 16:03:11 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ

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