ジェンソン・バトンの走りを初めて生で見たのは、初めてF1を現地観戦した2005年の鈴鹿、雨のスプーンカーブでした。

ラッキーストライク B・A・R ホンダ / BAR007
B・A・Rは前年までスバルWRCと同じプロドライブが関係していたので少し興味を持っていたチームでしたし、注目していたチームメイトよりも速くて、何よりもそのとてもスムースなコーナリング技術に驚いたことを覚えています。
翌年は雨のハンガリーGPで初優勝!

ホンダレーシングF1チーム / RA106
この頃のクルマって今見ると短くって可愛らしいですよね(笑)。
この頃から「雨のバトン」っていうのが定着してきましたね。
でもこれって先日のブラジルGPを見ても分かると思いますが、間違いですよね…。
ジェンソンの素晴らしいところは完全なウェットではなくて、乾き始めた路面をドライで走ったりする、変化する路面での適応力だと思います。
2007・2008年は行ってないので省略…(笑)。
そしてドリームイヤー!

ブラウンGP / BGP001
ホンダが急に撤退してシートがなくなってしまっていたところを、ロス・ブラウンがうまく立て直してくれて、開幕戦から優勝し、ついにはワールドチャンピオンまで!
大幅なレギュレーション変更にうまく対応できたのは素晴らしいです。

シンプルながら奇抜なカラーリングも美しいデザインでした。
自分的に1番好きはF1カーはMP4-20ですが、2番目はこのクルマですね。
ノーズが太いから…ではありませんけど(笑)。

今使っているカーナンバー22もこの年のものですし、今週末被っている特別ヘルメットもこのカラーリングをイメージしたものなので、ジェンソン的にも一番思い入れのあるクルマなんでしょうね。
そしてこのチームの2年目はどうなるの?って思っていたらメルセデスが買収して、ジェンソンはマクラーレンへ…

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス / MP4-25
カーナンバー1! そしてfダクト!(笑)。
ノーズのvodafoneのfのところから空気を取り入れ、リアウイングの裏側から出してドラッグを低減するという、見た目はアレですが画期的なシステムでした(笑)。
あと排気をディフューザーに吹き付けるエキゾーストブローイングも付いてますね。
そして2011年…

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス / MP4-26
今までに見たことないL型のサイドポッドが特徴的なクルマでした。
fダクトは禁止になり、同じような効果でオーバーテイク増加を狙ったDRSが登場。
この年の鈴鹿はドライでもフリー走行からとても速くて、ポールポジションはセバスチャンに奪われたものの、レースでは見事な勝利でした!
そして2011年といえばカナダGPですね。
チームメイトとの接触などもありほぼ2周遅れの状況から、変化する路面にうまく対応して優勝したのは凄すぎました!
翌年はエキゾーストパイプの出口を低く配置するのが禁止に…

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス / MP4-27
もう排気ブローイングは使えないかなと思ったら、ザウバーがコアンダ効果をうまく利用し、ボディーカウルの空気の流れに排気を沿わせてディフューザーへ導くことに成功!
このクルマもタイプは違いますが同じような効果が出る形状になっています。
この年は高くなりすぎたノーズ先端が規制され、ノーズ形状がブサイクなクルマが多かったのですが、マクラーレンは美しかったですね(笑)。
この年でルイスはメルセデスへ移籍。
ジェンソンが移籍してきたときマクラーレンはチーム・ルイスの状態でしたが、いつの間にかチーム・ジェンソンに(笑)。
3年間で獲得したポイントもルイスが657に対し、ジェンソンは672と上回りました!
ブラウンのときはクルマが速かっただけじゃないの?とか、マクラーレン移籍はルイスにこてんぱんにやられるだけだとか言う人もいましたが、結果的にマクラーレンに移籍したことがジェンソンの評価を上げることになりましたね。
そしてV8最終年…

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス / MP4-28
正常進化版ですが、この頃からマクラーレンは速いクルマを作れなくなってきましたね…。
そして現行のパワーユニットがデビュー。

マクラーレン・メルセデス / MP4-29
#PinkforPapa の鮮やかなピンクのヘルメット!
この年から安全上の理由でもっとノーズ先端を下げないといけなくなりました。
序盤戦はもっと美しい形状だったんですが、途中からこんな形に(笑)。
最強のメルセデスPUを搭載していましたが、やはりシャシーが…。
でも鈴鹿では表彰台に届きそうな見事な走りをジェンソンが魅せてくれました!
翌年はホンダPUへスイッチ。

マクラーレン・ホンダ / MP4-30
1年遅れで登場した新型パワーユニットはやはりトラブルの多いデビューとなりました…。
この年も序盤戦はもっと美しいノーズで、カラーリングもカッコよかったのですが…(笑)。
1年後…

マクラーレン・ホンダ / MP4-31
デプロイメントが大きく改善され、ようやく競争力のあるパワーユニットになりました。
何戦か入賞できましたし、2位を走っていたときもありましたね!(笑)。
今ではルノーと同等の性能になったといわれているので、やはりシャシーが足を引っ張っています…。

来年のシートは若手のストフェル・バンドーンが獲得し、ジェンソンは3番目のドライバーへ…。
2018年への含みも持たせていましたが、乗れない可能性もあるのでこのアブダビGPでとりあえずの引退発表となったようです。
F1ってすぐルールが変わって面白くないっていう人もいますが、ジェンソンはこれだけ長い間走ることができたことについて、F1がいつも変化するスポーツだからだと話していました。
レギュレーションだけでなく、クルマの変化やライバルとの力関係の変化もあり、毎年ワクワクすることができたそうで、新しいことを学ぶことが重要とのことです。
日常生活でも変化を嫌ったりいつまでも古いものを追っかけているより、新しいものについて勉強し対応していくほうが気持ちを若く保てる気がしますよね(笑)。
さて最終戦の予選はQ2敗退で12番グリッドとなりましたが、これならソフトタイヤでスタートすることもできるので、戦略の面でなかなか有利に働くかもしれません!
素晴らしい締めくくりになることを願ってます!
そしてこちらも…

アクシデントやトラブルなく純粋なバトルで決まってほしいですね!
レッドブルとフェラーリがそのバトルに入ってくることにも期待!(笑)。