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soundproの愛車 [ミニ MINI Crossover]

整備手帳

作業日:2020年10月4日

メーカーオプションをアフターで取り付け!無事3way化したクロスオーバー♪

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

中級

作業時間 12時間以上
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ミニ・クロスオーバーの事例紹介です。

皆さんおなじみのMINIの派生モデルですね。
BMW版の新生ミニの誕生が2001年。初代は3ドアハッチバック(R50)とコンバーチブル(R52)の2種類でスタートしました。

2007年からの2世代でクラブマン(R55)、ハッチバック(R56)、コンバーチブル(R57)、クーペ(R58)、ロードスター(R59)、カントリーマン(クロスオーバー)(R60)、ペースマン(R61)の7種類に増え、、
2013年からは、3ドア(F56)、5ドア(F55)、クラブマン(F54)、カブリオ(日本名コンバーチブル)(F57)、カントリーマン(クロスオーバー)(F60)の5車種に集約されて現在に至ります。

クラブマンのように旧mini時代のレガシースタイルを踏襲しながらも、カントリーマン・ペースマンとのように、時々のマーケとニーズに合わせてフットワーク良く投入して、似てるっぽいけどよく見ると違うボディ形状があり、内装のバリエーションもこれまた多彩なので、よほどのファンでないと全容を把握するのは難しそうですね。

今回ご来店いただいたのは、現行モデルのクロスオーバー(F60)です。
正確には、クロスオーバーの中のクーパーSD・ALL4です。スポーツモデルのクーパー「S」で、かつ、2リッターのターボディーゼルエンジンを積んだ「D」で、4駆なのでALL4ということですね。

施工の様子をどうぞ御覧ください♪
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今回のご用向きは、プレミアムオーディオオプションの「ハーマンカードン」用スピーカーを取り付けてほしいというご依頼です。

もともと標準オーディオでご購入になったのですが、ちょっと物足りなかったのか、ハーマンカードン用のスピーカー(フロント2way+センター)をディーラーでご購入になり、DIYで取り付けてみようとお思いなったようです。

しかしながら、ハーマンの場合はセパレート型のアンプが必要な点や、センタースピーカーへの配線が繋がっていない点が盲点でギブアップ。ご相談いただくに至りました。
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●お持ち込みいただいたパーツは以下です。
○フロント2wayスピーカー:
ドアスピーカーと、カプラ接続されたツイーターがぶらんと繋がった製品です。

ハーマンカードン仕様の車の場合、ドア内のハーネスから出ているカプラを、このドアスピーカーに差し込むと、ハーマン用セパレートアンプの7系統の出力(①センター②フロント×2③リヤ×2④サブウーファー×2)のうち、②のフロント出力を受け取れるようになります。
その他のフロント側ユニットしては、シート下サブウーファーは④から、センタースピーカーは①から、それぞれ出力を受け取り、全5系統・7スピーカーが鳴ることになります。

対して現状の標準オーディオ仕様の場合、デッキからの出力は4系統(フロント×2/リヤ×2)にとどまりますす。
この場合のフロント側の回路は、フロント出力がまずシート下のサブウーファーに入り、そこから分岐した配線がドアスピーカーに入力されて、2系統・4スピーカーが鳴ることになります。

○センタースピーカー:
最近のBMW車で採用され始めてきた2wayセパレート式のセンタースピーカー用のユニットです。
10センチのスピーカーとツイーターがバラになっており、ダッシュボード中央のグリル内に作り付けられているバッフルにそれぞれネジで止めるようになっています。

ただし、前述の如く、セパレートアンプがないとセンター用の信号が取得できないため、ポン付けで鳴らすことはできません。

●そして、標準オーディオ車を前提としてこのユニット達をどう鳴らすか?これが課題です。

基本的な考え方としては、、
①デッキのフロント出力を小型アンプに入力して、ステレオ信号を左右の各ユニットに分けてゆく。
②モノラル信号となるセンタースピーカー用の信号は、フロント出力から分岐して確保する。
という考え方です。

方法としては、①を実現するために、フロント出力をハイローコンバーター(AT-HLC150のほう)でローレベル信号に落とし、分岐コードで2つのアンプに入れて、(お持ち込みの)フロント2wayスピーカーと、シート下のサブウーファーを鳴らします。
なお、信号の帯域を分けるために、フロント側のアンプ(図の上段)の出力はハイパスフィルタ、下段のアンプはローパスフィルタを設定します。
あと、AT-HLC150には信号入力を感知してリモート電源をONさせる機能があるので、これによってアンプ2個を起動させています。

次に②の実現のために、フロント出力から分岐させた信号をハイローコンバータ(AT-HLC230の方)に入れ、出力される信号をRCA分岐コードでまとめてモノラル化し、上段のアンプの1chだけを使って、(お持ち込みの)センタースピーカーに出力します。
このchの出力は当然、ハイパスフィルタを設定します。
なお、このセンター用のハイローコンバーターをHLC150じゃなくてHLC230にしたのは、こちらにはゲイン調整機能がついているからです。これによって、センタースピーカーのボリュームを単独で調整することが可能になります。

●接続が複雑で、機器点数が少なくないように感じられるかも知れませんが・・・

・お客様支給のスピーカーをご期待通りに鳴らすこと。
・フロント2way×2、センター×1、サブウーファー×2の計5ch分の出力(アンプ)を確保すること。
・できれば「サブウーファー×2」の出力は相対的に大きくすること。
・ACC連動でリモート電源が確保できること。
・センタースピーカーの調整が単独でできること。
これらの命題をできる限り安いコストで実現したのが今回のシステムということになります。

全く同じリクエストをいただく機会はあまり無さそうですが、限られた予算の中でも変態的に最適解をひねり出すスタディとして、ご覧いただけたらと幸いです。
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フロントドアの外観です。

5ドアなので前後の長さはそこそこのはずですが、SUVモデルで他より背が高いクロスオーバーだけあって高さがあり、ドアは結構大きいです。
オーナーの皆さん全員、オースティンminiのイメージを抱いてこの車を愛していらっしゃいますが、冷静になってみると、サイズ的には全然ミニじゃなくなってきてますねぇ。

さて、スピーカーレイアウトの確認ですが、ドアには2つです。
オープナーの前方のメッシュグリルのところにドアスピーカー、ミラー裏の三角カバーのところにツイーターです。
ただし、写真は標準オーディオ車の施工前ですので、ツイーターは付いておらず、ツイーター用のメッシュグリルはついていません。

低音域のサブウーファーはシートの下のフロアに埋め込まれています。写真は割愛いたします。
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ドアトリムを外したところです。

インナーパネルのサービスホールは、欧州車定番のスポンジシートで塞がれていますね。
写真のスピーカーは標準オーディオ用の純正スピーカーです。ブルーのカプラが脇から挿さり、フルレンジ信号が入力されるようになっています。

ハーマンカードン用のスピーカーはセンターキャップの色が異なります。次を御覧ください。。
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アウターパネルへの手入れが終わったところです。

スピーカーはハーマンカードン用に差し替わっています。
樹脂製のスピーカーバスケットは共通部品のようです。標準用と同じ位置にカプラが設けてあり、フロント出力を受け取れるようになっています。

ご覧のように、お隣にもう一つカプラがついていますね。ここから出ている黄色い線がミラー裏のツイーターに繋がっています。
ご想像のとおり、ツイーター側にはさらに低域をカットするためのハイパスフィルターが組み込まれています。

冒頭のシステム図(配線図)のように、途中にハイローコンバーターやアンプをいれているので、ケーブル類もハデに引き直しているような印象を持たれたかも知れませんが、実務的には、①リア左フェンダー~シート下あたりに走っている純正ハーネスに線を割り込ませているのと、②既存の線が全く無いセンタースピーカーに向けて新規に配線しているのみで、ドア周りの配線には一切手を加えていません。

少しだけ詳述すると、①関係としては、ヘッドユニットから出力される音声は、リヤ左フェンダーにある「アクティブサウンドデザイン」と呼ばれるアンプ(後出)に入り、そこでゲーセンのようなエンジンサウンドを合成してから、シート下のサブウーファーに入り、ドアスピーカーに上がっていくという流れになっています。

今回は、このおもしろアンプに信号が入る前のところで線を切って、別途ケーブルを繋げてハイローコンバーター経由で信号を取り出しました。
アンプで増幅後の出力信号はシート下のサブウーファー界隈に向かって線を引いて繋げています。
正確には、サブウーファー出力はシート下のサブウーファーに直接入力し、ドアスピーカー分については、シート下サブウーファーのところからドアに向かって上がっていく線に割り込ませて繋げています。

②については、ご想像のとおり、標準オーディオ車だと既存のルートが無いため、ダッシュボードに向かって新規に線を引いています。

ドア防振は制振力のマイルドなドアチューニンググレードで行っています。
デッドニングだとアウターパネルは短冊状カットを等間隔に貼りますが、今回はオーディオテクニカの円形防振材AT7560Rを使います。
貼り方は中心+四方の5点+αです。
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インナーパネル側出来上がりの図です。

前述のごとくスピーカーの差し替えが終わったあと、サービスホールをオーディオテクニカのAT7550R で塞ぎます。
ドアも大きいですが、穴もそこそこ大きいので、シートを2枚とちょっと使いました。
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今回はMINIクロスオーバーの事例の1部をご覧いただきました。
次回は、ツイーターとパワーアンプと小ネタをご紹介いたします。

社外品をインストールする一般的な事例と異なり、メーカーオプションパーツをアフターで組み込むという珍しいパターンでした。

同じカタログに載ってるオプションですから、社外品組み込みに比べて、ずっとイージーなイメージを持たれる方が少なくないと思いますが、(販売店で対応できてしまうディーラーオプションでなく)工場で組み込むメーカーオプション品だけに、内部機構段階から異なっているケースがほとんどで、基本的にポン付けできません。

とは言え、受け入れていただけるご予算の範囲内で、ご期待通りに機能するようにまとめることができました。
今回の事例とまったく同様のご相談をお受けする確率は高くないと思いますが、イレギュラーなリクエストに対する解決策の事例としてご覧いただけたらと思います。



レーダー、ドラレコなど比較的軽微な取付作業から、サウンドアッププログラムによるスピーカー交換、アンプ、DSPのインストール、はたまた今回のようなプチ難題まで。ご希望とご予算に合わせて柔軟に対応させていただきます。

メールのご相談はこちらまで
https://www.soundpro.jp/contact/index.php
電話もお気軽に♪03-5913-8450です!

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