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soundproの愛車 [ポルシェ ケイマン]

整備手帳

作業日:2022年8月20日

ケイマンGTSをBLAMの3wayスピーカーでサウンドアップ♪

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

中級

作業時間 12時間以内
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ポルシェ・ケイマンGTSの事例紹介です。

兄弟車的に認知されるボクスターは、水平対向6気筒エンジンをミッドシップに積むロードスターモデルとして1996年にデビューしており、そこから約10年後の2005年にケイマンが発売されています。

ボディサイズ、水平対向6気筒のエンジン型式、ミッドシップレイアウトは同じですが、ボクスターは幌屋根が開閉するコンバーチブルであるのにたいして、ケイマンは開閉しないクローズドボディである点で差別化されています。

ケイマンの初期型(987型)は2012年まで生産され、次いで2代目となる981型は2016年まで生産されました。
その後となる982型が現行モデルになるわけですが、このタイミングで水平対向6気筒の自然吸気から、水平対向4気筒のターボエンジンに変更され、名前もケイマン→718ケイマンと改名されています。


今回ご登場いただくのは、2代目にあたる981型です。

他の多くのエントリでもご説明しておりますように、ポルシェの2016-17年までの純正ナビは、クラリオン製の2DINタイプのOEM製品で、その後はPCM(ポルシェコミュニケーション・マネジメント)システムの一部として組み込まることとなり、手軽に交換はできなくなりました。

ケイマン/ボクスターに関して言えば、前述の718へのモデルチェンジのタイミングでPCMに切り替わりましたので、2代目の981型がOEMナビ搭載の最終型ということになります。(911・パナメーラ・カイエン・マカンがPCMに切り替わったのは2017年からです)

ポルシェのOEMナビの歴史は、996型の911からになりますので、ざっと25年も前に始まっています。
ナビといえば、地図データの版の点でも、動作速度の点でも生鮮品のような側面がありますので、購入から10年も経てば、新型ナビ、あるいはスマホアプリで道案内してくれるディスプレイオーディオへの入れ替えを検討される方がほとんどで、当店でも多くのご用命を頂戴しています。

しかしながら、今回の第2世代ケイマンの場合、古くて10年、若いと6年というところで、なんとか我慢できる?範囲に収まっていますので、とりあえずこのままでもいいかー。と判断される方も一定数いらっしゃいます。

今回のオーナー様もそういったお考えの方で、ナビは現状のままで、スピーカー交換によって音質改善を図りたいとご相談いただきました。


オーナー様によっては、DSPアンプを入れてソースマネジメントを行ったり、スピーカーに加えてスピーカーケーブルも交換したり、ツイーターを露出させて取り付けたりと、ガッツリと手をいれるパターンもありますが、当然ながら、純正の外観キープを大前提とされる方も多くいらっしゃいます。
その中でも、今回はスピーカー入れ替えのみでまとめた、総額25万円ほどのライトなプランです。

施工の様子をどうぞご覧になってください♪
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近年のポルシェ車は、フロント3way+センタースピーカー+リヤスピーカーが基本線となっており、OEMナビ車の場合、ナビからの4ch出力を外部アンプに入力して、帯域分割を施して出力し、9つのスピーカーをマルチ駆動する形式を取っています。

スピーカー交換に際して、外部アンプをキャンセルし、ナビに内蔵されているアンプを使おうという場合は、容易にフルレンジステレオ信号が取り出せますので、3way or 2wayスピーカーセットをパッシブで鳴らすことができますが、純正の外部アンプも引き続き使いたい場合は、少し事情が異なってきます。

外部アンプの出力段階であらかじめ帯域分割されているため、低域のウーファー、並びに中域のスコーカーについては、ユニット径とインピーダンスが同等であれば、そのまま入れ替えて問題ありませんが、スコーカーとケーブルを共用しているツイーターに関しては、ハイパスフィルタ等で低域信号をカットしてやる必要があります。
今回は外部アンプまで含めて純正の状態を維持し、スピーカーのみ交換したいということですので、ご意向に基づいて、市販スピーカーを組み合わせることにしました。

◯スピーカー
フレンチブランドのBLAMの音色がお好みのようでしたが、ずばり3wayキットというのはないので、現状のラインアップの中から組み合わせてみました。
ウーファーはWS 6.80(税込60,500円)、ツイーターとスコーカーの2wayは、S100N24(税込82,500円)としました。

ウーファーの方は、BLAMのハイエンドグレードであるsignatureシリーズに属するユニットで、セット商品ではなく単体で販売されている製品です。

対してツイーター+スコーカーの2wayの方は、BMW向けのトレードイン用として企画されているハイエンドユニットです。
BMWのドアスピーカーは10センチ口径なので、ポルシェのスコーカーとして使うにはちょうどよく、今回のセレクションにピタリとハマりました。また、ハイエンド志向の製品らしく、付属しているネットワークがツイーター用とスコーカー用とで別々になっており、チャンネルセパレーションに配慮した設計になっているのも評価ポイントです。

取り付けに際しては、ウーファー、ならびにスコーカーの性能を十分に発揮できるように、バッフル制作して取り付けて、ドア防振もしっかり行いました。
ツイーターについても、標準の位置で差し替えを行いました。


以上を持って、オーナー様のご希望である、純正の外観に変更を及ぼさない音質改善を実現しました。
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今回用意した商品の全容です。

右端の大きいの2つがBLAM WS 6.80で、それ以外がS100N24です。

BLAM S100N24は、BLAMのフラッグシップの「シグネチャー」シリーズの10cm2wayセパレートスピーカーです。
ご覧のようにネットワークのハコが4つあり、ツイーター用とスコーカー用に分かれています。上段がツイーター用で -12dB/oct のハイパスフィルター、下段がスコーカー用で、-6dB/oct のローパスフィルターです。

冒頭では、このキットをBMW用とご説明していますが、メルセデス用も兼ねており、両車のスピーカー取付部の条件に合わせて、ネジ穴は3つ設けてあります。
グレー枠で囲んであるのは、BMWの純正スピーカー線のカプラと接続するためのハーネスです。当然ながら今回は使用しません。

右側のWS 6.80は、ウーファーユニットのみのコンポーネント製品です。
こちらもシグネチャーシリーズに属するハイエンドモデルで、ウーファーとしてはもっともポピュラーな165mm径のフルレンジスピーカーです。

フロントスピーカーには、センタースピーカーも含まれるのですが、該当サイズの小さいスピーカーが無いので、純正のままとします。
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ドアトリムを外したところです。

ドアのインナーパネルは大きな樹脂パネルが取り付けられていて、そのパネル上に様々なパーツが組み付けられています。
パネル上のウーファー用スピーカーホールは、標準オーディオとBOSEシステムとで同サイズですが、今回はBOSEなので直径20センチのユニットがついており、標準だと一回り小さなものがつきます。

左側にあるスコーカーは、樹脂パネル上に設けられた足場の上に固定されており、ユニットの表側がドアトリムの裏面に密着する構造になっています。
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インナーパネル側の作業が終わったところです。

写真の撮影を忘れてしまったのですがm(_ _)m、この前段階で、アウターパネル側の防振を終えています。スピーカーケーブルを交換する場合は、アウターパネルへの施工のタイミングで引き込み作業を行いますが、今回は純正ケーブルのままでいきますので、作業は行っていません。

このクルマの樹脂パネルはご覧のように、ドアのほとんどを占めるくらい大きく、スピーカーもパネル上についていますので、スピーカー取り付けと防振作業は、パネルをおろした状態で行います。

作業の終わったパネルを戻して、サイドエアバッグのインフレーターを取り付けたら、ドアは完了です。
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新旧スコーカーを並べて撮ってみました。

左側が交換予定のBLAMで、右側が純正オプションのBOSEスコーカーです。
BLAMのスピーカーの方がスッキリしていますが、BOSEのフェライト磁石に対して、磁力が強い分、小さくて済むネオジム磁石を採用しているためです。

磁力の点だけで比べると、ネオジムの圧勝のように見えますが、コーンの素材、バスケットの造りなどスピーカーの特性を形成する要素は他にもあり、また、フェライトの重さがバスケットを安定させ、コーンのストロークの直進性に寄与し、フィデリティを向上させるという因果もあったりしますので、ユニットの優劣はスペックだけでは判断できない。というのが実情です。
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表側も一応、撮ってみました。

BOSEの方はペーパーコーンで、BLAMはカーボンファイバーで出来ています。

前述のとおり、このBLAMスピーカーはBMW/メルセデス用の製品ですが、ネジ穴の位置は同じなので、今回のポルシェにも使えます。
ただし、ネジ穴の径が小さいので少し拡大する必要はあります。
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スコーカー用のネットワークの設置状況です。
ウーファーの上の部分に余裕がありましたので、ここに配置しました。

ネットワークから伸びている配線は20cmほどの長さがあるので、延長せずに接続することができました。
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ちょ、ちょっとアップ過ぎてすいません。

ウーファーへの結線部分のアップ写真です。
右上の黒いのが、ウーファー向けの信号を供給しているケーブルの先に付いているカプラです。
そして、そのカプラに向かって左側から差し込まれているのが、スピーカーとの接続用に追加したケーブルです。

(後出のツイーターへの接続のように)純正ケーブルの途中にケーブルを割り込ませる方法をとってもよかったのですが、カプラ内の端子のサイズが、手持ちのファストン端子と同じでしたので、スピーカーケーブルの先にファストン端子をかしめて、カプラ内に差し込んで、中の端子と接触させる方法を採りました。
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ダッシュボードについているツイーターグリルを裏から見ているところです。

純正ツイーターは、金属ばねで固定されています。
バネの両端を解除することで、ユニットが外れる仕組みです。

ブルームーンオーディオのRX165/AX165のように大きなツイーターユニットだと、バネを留める付け根を削り取らないと入りませんが、一般的なサイズのユニットであれば、付け根を残した軽加工で収まるので、純正戻しも可能です。
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BLAMのツイーターに交換したあとの様子です。

ツイーターが小型なので、金属ばねとの間に隙間が出来てしまいました(汗)
ギャップを埋めるために、ステンレス製のM8ワッシャーとM6ナットを組み合わせてみました。これで十分ですね♪
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ネットワークからツイーターへの結線の様子です。

基本的には、ウーファーの結線部分でご紹介したように、純正カプラへの接続で済ませたいところでしたが、ファストン端子を突っ込めるような大きさ・形状ではなかったので、純正ケーブルの途中に割り込ませる方法を採りました。

上部から垂れてきている白/黒のが純正スピーカーケーブルで、途中に割り込ませてある透明/ピンクのが、ネットワークに向かうケーブルです。
割り込み部分をかしめているのが「スプライス」と呼ばれる帯状の端子です。

白ケーブルの途中を5ミリほど剥いて、端を剥いた透明ケーブルを重ねて、キュッとかしめるという方法です。
この後、端子同士が接触しないように、PVCテープで防護します。
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最後はツイーター用のネットワークの設置状況です。

ツイーターグリルは、エアコン吹き出し口を兼ねたパーツに包含されているので、ダッシュボードの手前側に位置しています。

そうなると、ネットワークはダッシュボードの奥に置くことになります。キックパネル下やカーペットの下など、周囲の圧迫による安定が期待できないので、パンチングカーペットで包んでおおきくして、エアコンダクトと壁の隙間に差し込みました。(真っ黒で見えにくいですが写真左奥です)
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今回はケイマンGTSの3wayスピーカー交換の事例をご覧いただきました。

サンプルはケイマンでしたが、当コーナーを御覧頂いているポルシェオーナーの方はご理解いただいているように、ポルシェのフロント3wayの仕組みは、どのクルマでも同じです。
よってツイーターの設置場所の違いはあるものの、今回の事例と同じことが出来ます。

PCM導入前のOEMナビ搭載車を(DSP導入なしで)グレードアップしようという場合、ナビを入れ替えて、ナビの内蔵4chアンプを使って2wayマルチ/パッシブ、あるいは3way準マルチ/パッシブで鳴らすのが、もっともスッキリしたパターンで、かつ、ナビ内蔵DSP機能を使った音場セッティングという付加価値もついてくるのですが、引き続き純正外部アンプを使って、装備されている全てのスピーカーを鳴らしたいという方もいらっしゃいます。

その場合は、ナビを入れ替えて、ローレベル出力を純正外部アンプに入力してやることで実現できます。
そしてさらに、スピーカー交換もしたい♪となった場合は、今回の事例と同じ作業になるわけですね。(ナビは入れ替えてませんがアンプから先の作業は同じです)

スピーカーのセレクションとしては、3wayセットとして販売されているスピーカーの他、17センチ級ウーファー+ツイーターの2wayセットに8センチ/10センチの単品スコーカーを加えるパターン、そして今回のように、10センチスコーカー+ツイーターの2wayセットに単品ウーファーを加えて揃えるパターンと、今のところこの3つのアプローチがあると思います。

DSPアンプやパワードサブウーファーといった機器を導入して、一通りガッツリやっちゃうパターンはもちろんのこと、純正システムに準じた、予算抑えめでスマートに機能改善するパターンも柔軟に対応させていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください♪
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