プジョー408をフロント2wayスピーカー交換でサウンドアップ
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
ショップ作業 |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
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プジョー408の事例紹介です。
408は2010年に発売され、現行車として販売を続けている車です。ワンランクコンパクトの308をベースとする上級ミディアムセダンとして開発されました。
ちなみに、現行(2024年10月)時点でのプジョーのラインアップは以下のようになっており、ボディサイズは200系から500系のレンジに渡っており、そのほかにミニバンも1車種出しています。
5ドアハッチ 208、e-208、308
ファストバックセダン 408
ステーションワゴン 308SW
SUV 2008、e-2008、3008、5008
5ドアミニバン RIFTER
408に戻りますが、ハッチバックがメインの208、308と違って、こちらは一貫してセダンで通しています。
セダンといっても、ボンネット+キャビン+トランクと、ほんとに三つの直方体をくっつけたクラシックなスタイルではなく、2010年の発売当初から、トランクリッドが短めのファストバック気味でスタートしており、2014年のモデルチェンジではその傾向を強め、2022年発売の現行車では、ルーフエンドからテールエンドまで直線でナナメに切り下がる正真正銘のファストバック、かつ、フロアも上がり気味で、クロスオーバーSUV寄りの軽やかなスタイリングに仕上がっています。
今回お迎えするのは、新型の408です。
上述のとおり、408の本国での発売開始は2022年の11月ですが、日本国内では2023年の7月発売ですので、やっと1年たったとところですね。すこしメタリックを効かせたオブセッション・ブルーがすてきな一台です♪
オーナー様はスピーカー交換を検討されており、ネット検索されていたのですが、発売から日が浅いということもあり、408の実例を見つけることができなかったため、308の事例をアップしていた当店にご連絡いただいたという次第です。
308と408では車格がワンランク異なりますが、ドアパネル・ドアトリムは同じパーツを共用しているようですし、オーディオシステムも同様に共通ですので、308の写真をもとに説明させていただきました。
プラン内容としては、フロント2wayのスピーカー交換です。
ウーファー/ツイーターともに純正の位置で交換を行い、スピーカーケーブルは純正を流用。ドア防振は以後の課題として見合わせとしました。
308と同様に、純正スピーカーのバッフル部分の背が高く、ひっくり返した植木鉢の底にスピーカーがついているような恰好をしており、よどみなくキレイに音を出すにはバッフル内面の加工に工夫がいるので、バッフル制作は見た目よりテクが必要です。
スピーカーはBLUE MOON AUDIOのSX165(税込48,400円)を使ってコスパ良くまとめ、総予算90,750円(税込)であがりました。
それでは施工の様子をご覧ください♪
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接続図です。
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フロントドアの外観です。
上述の通り、308と同じデザインのトリムです。
グレードによって上部にはめ込んであるファブリックの素材や、ステッチ色のアレンジはあるでしょうけども、金型は同じだと思います。
スピーカーレイアウトは、フロントが2way+リヤスピーカーの6スピーカーです。
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ドアトリムを外したところです。
大きなバッフルを備えた純正スピーカーが目につきます。(後のカットで詳述いたします)
サービスホールは欧州車以外には見られないスポンジシートでふさいであります。
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純正スピーカーのアップです。
純正スピーカーは、植木鉢orお鍋をひっくり返したような、7センチ近い高さのあるバッフルと一体成型されており、アミアミのグリル部分のみ取り外せるようになっています。
細かな仕様としては、スピーカーが少し上向きにセットされています。これは音響面でメリットのある設計です。
スピーカー交換するには、少なくとも、ネットがあるあたりにスピーカーのフランジ面が来るように、バッフルを設計しなければなりませんので、それなりの難易度はあります。
仮に低くてもスピーカーはつきますが、ドアトリム内に逃げて共鳴する音がいたずらに増えますので、コモリ感がでてよろしくありません。
できるだけギャップを減らすのと、スポンジなどで周りにカベを立てるなどの対策によって緩和したいところです。
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純正スピーカーの裏側も撮影してみました。
耐入力25Wの4Ωで、ハンガリー製みたいです。
周囲にOリングをセットして囲ってあるので、ドアのインナーパネルとの気密性が保たれる効果が期待できそうです。
純正スピーカーでこういうところに気を遣ってあるのは、なかなかないと思います。
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スピーカー交換が終わったところです。
純正スピーカーに近い高さのバッフルを製作し、BLUE MOON AUDIOのSX165のウーファーを取り付けました。
このスピーカーには、1ch入力をツイーターとウーファーに分岐させるパッシブネットワークがついているんですが、今回はスピーカーケーブル周りは手を付けないので、ネットワークをツイーター用とウーファー用とに分離して、それぞれのユニット近くに仕込みました。
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バッフル周りのアップです。
バッフルの高さはざっと50ミリといったところです。
リング状にカットした15ミリの硬質MDFを3枚重ねて、5ミリ厚のフランジ板に乗せて作ってあります。
筒の内側は、奥に行くほど直径が大きくなる「テーパー状」に広げてあります。幅でいうと、この50ミリの距離で12ミリほど広がっています。この加工によって、スピーカーの振動板が前後に動作する際に、筒の中の空気の移動で生じる抵抗が少なくなるので、音ヌケがよくなります。
今回はインナーパネルのスピーカーホールを広げない前提で設計しましたので、こんなもんですが、もしカットしてひろげてよければ、もっと角度を付けられることになります。
あと、音質に寄与する要素としてバッフルの厚みについても触れておきます。
純正のバッフルは2ミリ強の厚みの樹脂でできていたものが、MDFだと厚み2.5センチほどの筒に変わり、重さも増します。
これによって細かなビビり・共振は抑制されるようになります。特に相殺されて消えていた、主に低周波の振動がよみがえりますので、低音域の伸びは格段に良くなります。それにつれて、中高域のメリハリもついてきますので、トータルの聞こえ方は随分変わります。
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Aピラーのカバーを外して裏から見てるところです。
ピラーカバーであるグレーの樹脂パーツに、穴の開いた黒いベースパーツが溶着され、穴にツイーターユニットを差し込んで固定する構造になっています。
純正ツイーターは、グレーの樹脂パーツに黒いベースが溶着されています。
黒いベースは、ツイーターを固定する爪とピラーを固定するためのクリップがあります。
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ツイーター交換後の様子です。
純正ツイーターユニットを外して、干渉する爪を切り落として直径を合わせ、エポキシ接着剤で固定しました。
このあたりは日射で温度が上がりますので、用途に合った接着剤を選ばないといけませんね。
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今回は2023年発売の新型プジョー408のスピーカー交換事例をご覧いただきました。
当コーナーでご紹介する事例の主流は、スピーカー交換とドア防振、スピーカーケーブル交換で音の出口を整えて、DSPを加えて音作りをすると言ったプランが主流ですが、今回は純粋にスピーカー交換「のみ」実施した事例でした。
当店は、割り当てていただく予算の範囲内で、できる限り歪みのないよい音を出せるようにと言う考えから、音の出口となるスピーカーがきちんと稼働するための条件作りであるドア防振(デッドニング)の施工を優先してお勧めしておりますが、あくまでも、スピーカー交換を含む一定程度の予算枠をお示しいただいた場合の「優先順位の話」ですので、防振ナシじゃダメですよーなどどと申し上げるつもりはございません。
やりたいのはやまやまだが、近い将来手放す予定が決まっているとか、ドア内の状況まで含めて、ストイックに純正状態を保ちたいとか、ひとまずスピーカーだけリフレッシュできれば良いとか、お考えは様々だと思いますので、お客様が下したご決定が最良案だという考えでおります。
常にお客様のご意向を尊重し、ご事情に合わせて最良のご提案と妥当な値段を提示できるよう努めております。
どうぞお気軽にお声かけください。
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