2012年03月12日
なんとなくターボの話。
なんとなくターボについて解説。
間違ってらごめんなさい。
超基本的なところの説明はざっくりはしょって。
ブースト圧0=大気圧=NAと同じ状態。
1k(10kpa)は大気圧+1k。で、大気圧っていうのが実際は約1k。よって絶対圧で言うと約2k。
つまりエンジンには2倍の圧力で空気をぶち込んでいて、エンジン内が2kになれたと仮定すると、NAの排気量で換算すると2倍、つまり4Lエンジン相当の空気を吸い込めるのだ。
OK?
2Lターボエンジンで、1kブースト、それで300馬力ぐらいだったりするとしたら、4LのNAエンジンで300馬力だと言われても「そんなもんか~」って話になるよね?
75馬力/Lにエンジン、ありがちな排気量に換算すると、1.5L112.5馬力エンジン。ありそうなエンジンだ。
というわけで、ターボの人はブーストを上げたがるのである。
0.5kを0.8kにまでブーストアップしたとすると、単純に計算すると2割アップなのだ。
75馬力/Lだと仮定すれば、00.5kで64馬力のエンジンなら0.8kで77馬力ぐらいになるし、250馬力ぐらいのエンジンなら300馬力になる。
素晴らしい。
まぁ計算方法はともかく、ブースト上げるとパワー上がるのはみんな知ってるよね。
次、ブーストのタレについて。
エンジンって、回転数を上げれば当然時間当たりに吸う空気の量増えるよね。
自転車のタイヤの空気入れをがんばって速く動かすとたくさん空気が入るのと一緒で、がんばって速く動かすと空気をたくさん吸うのだ。
一方で、タービンの能力の限界っていうのもある。
タービンがたくさん空気を送る能力をもって居なかったら、たくさん吸おうとするエンジンについていけなくなるのだ。
イメージで言うと、給食の牛乳を思い浮かべて。細いストロー1本で牛乳飲んでるうちは飲める量が少ないし頑張って吸っても飲めない。逆に言うと吸う力を維持しながら牛乳を吸える。
このストローを2本にすると、一気に倍ぐらいの量の牛乳を飲めるようになる。けど、吸うのがきつくなってくる。
このストローを3本、4本、5本と増やすと、今度は吸う力が追いつかないので3倍、4倍、5倍の量の牛乳を飲めるわけではなくなる。吸う能力の方が追いつかなくなるのだ。
この状態の反対がタービン(厳密にはコンプレッサーだが)とエンジンで起きるのだ。
エンジンが高回転になり空気をよこせと要求するが、タービンがそこまでたくさん空気を送る事が出来ないので、代わりに圧力が下がっていくのだ。(ストロー束ねて飲み物吸った時の感覚わかるよね?)
(もっともっと突き詰めるとタービンが吸気抵抗になる。普通はあり得ないけど)
この状態がブーストが垂れた状態。
送り込める空気量が限界になっている=燃やせる燃料の量が限界=パワーの限界、となりブーストが垂れた回転数以上は回してもパワーは出ていないのだ(理論的にはね)
というわけで、ブーストが垂れないようにタービンを変更したり、エアクリ変えたりして吸気の改善を行うわけだ。
ちなみにコンプレッサーからエアクリまでの部分に抵抗があるとコンプレッサーが空気を吸えないので、エンジンに空気を送れなくなる。これはほんとにストローの例そのまま。ストローを太くしてタービン(コンプレッサー)が空気を吸いやすくするのがエアクリとか吸気系の改善。
さて、ブーストがタレ無くなった。
これでパワーが出せる。
とりあえずエンジンは壊れないとして、パワーを上げるためにブーストをバンバン上げて行けばOKだ!
1kブーストの2Lエンジンに1.5kをかけてパワーアップだ!
300馬力のエンジンが375馬力(75馬力/Lだとすると2kで5L相当のエンジンになるから75*5=375)だ!
が、現実はそうはならない。
例えば350馬力ぐらいになったとする。
確かに十分なパワーアップだけど、予想よりパワーが上がらない。70馬力/L程度の能力にダウンしてしまっているのだ。
ブーストは上がっているし、ブーストがタレていることもない。何故だ。
何故かと言えば、コンプレッサーはエンジンに空気を送りこんでいるけれど、エンジンがそれを全部吸いきれて無いからである。
5Lエンジン分吸え!と言われても、おなか一杯無理!となっているのだ。
そのひとつの原因が糞詰まり。
ウンコが出てないのである。
じゃなくて、排気されてないのだ。
爆発して要らなくなった排気はマフラーから全て排出したいのだが、パワーが増えると同時に排気の量も増えたが、マフラー等がそれを外に吐き出すには細すぎたのだ。
だからエンジンの内部にはいらない排気が残ったまま次の空気を吸う事になり、せっかくの高いブーストで空気を送りこんでも入りきらないのである。
さぁ、マフラー交換である。
だからターボ車の多くはマフラーを変えるとパワーアップするのだ。
副次的効果として、排気の量が増える=タービンをよくまわすことになるため、ブーストも勝手にあがっちゃったりするのである。
他にもある。
例えばカムだ。
リフトの小さいカムで小さい開き量のバルブだと吸気も排気もどうしても量が少ない。
つまりハイカムが必要なのである。
給排気のポートもその大量の空気をうまく流す工夫が必要だし、インマニやエキマニも無視できない要素だ。
つまりエンジン本体を弄る事によってブーストアップ単体やタービン交換単体とは比べ物にならないパワーアップを狙えるのだ。
つまり本来ブースト、タービン、エンジン、全てトータルでバランスをとった改造が必要なのである。
ところで、大量の空気を吸って、大量の空気を吐き出せるように給排気を太く、タービンを大きく、ハイカムをつけたとする。
しかしこれでは低速が犠牲になるのはおそらくみんなが知っているハズ。
大きなタービンを回すのには沢山の排気が必要である。
でも低回転では当然排気の量が少ないのでタービンがなかなか回らない。
タービンを高速回転させるには排気を速く流さないとだめだが、太い排気管ではゆっくり空気が動く(水道ホースを思い出してほしい。じょろじょろ~っと出てる水を、ホースをつぶすと勢いが増すよね?あの原理と同じ。太い管では同じ量流すならゆっくりになるし、細くなると勢いがよくなるのだ)
やっぱりエンジンが低回転ではタービンが回らない。
さらに、タービンがちゃんと回ってない間はただのNAエンジンである。
しかし、太い吸気管によって慣性吸気は行えない。ハイカムによって低回転時は上手に空気を吸えない。つまりNAエンジンとしても低回転で力が出ないのだ。
もうこのエンジンは低回転域での低能っぷりが遺憾なく発揮され、そしてタービンが仕事をし始めた時に一気にパワーがでる、いわゆるドッカンターボになってしまう。
そこで出てくるのがツインターボ等だ。
シーケンシャルツインターボだった場合、低回転域の排気の少ない時は小さなタービンを回し、ある程度排気が増えてきたところで大きなタービンにボタンタッチする。
パラレルツインターボの場合、小さめのタービンを二つに分けるが、イメージとしては大きなエンジン一つというより小さなエンジン二つを繋げてるような感じになる。(例えばV6ツインターボなら、3気筒のターボエンジンが二つくっついてると考えればいい。簡単には。)
シーケンシャルの方がほんとは万能選手なんだけど、制御がめんどうだったり特性が気難しくなったりするので、パラレルの方が好まれやすい。(パラレルならシングルと同じような特性になるし、変な制御も不要)
そして可変吸気や可変排気の採用や、MIVEC(似非)なんかの可変バルタイも有効だ。
だからVTECエンジンにターボなんていうのも案外相性がよかったりするのである(エンジン自体はターボ用の設計ではないから弊害もあるけど、VTEC機構自体はターボとの相性も良いハズ)
もちろん突っ込んでいくとブースト圧の制御方法だのターボラグ、圧縮比やノッキング、インジェクターetcいろいろと大変。
と、まぁ今更な簡単めな内容をターボなんぞ乗った事ない人間がつらつらと書いてみた次第。
なんとなく(笑)
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Posted at
2012/03/12 14:34:08
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