ボニー＆クライドが眠る（？）ホテル

1967年の映画『俺たちに明日はない』を2020年に劇場で！
DVDは持っているものの上映しているなら行っちゃうよねやっぱり。

コロナ騒ぎで新作の公開を見送っているせいだとは思うけど、個人的にはリアルタイムで観られなかった昔の名作を、大スクリーンと商業用の音響設備で鑑賞できるのは大歓迎です。

で、観たついでにアメリカの旅で撮影した映画と関係ある画像を。

主人公のボニーとクライドは1934年5月23日に警官隊により一斉射撃を受けて死亡。
彼らは強盗と殺人だけじゃなく逃走用の車両も窃盗を繰り返しており、最期のときに乗っていたのが当時としては最高のパフォーマンスを誇るフォードV8でした。

合計150発を超える銃弾を受け穴だらけになったクルマは物好きな持ち主の元を転々とし、2009年からはLas Vegas近郊のPrimmというカジノを備えたホテルに展示されています。



最初に立ち寄ったのは2012年か2013年だったはず。
エントランスから右手のホールにガラスで囲まれて展示されていました。
まさか本人らも75年後にこうしたカタチで人の目に触れるとは思っていないだろうなぁ。



脇には機関銃を抱えたボニーとクライドのマネキンが。
実際のボニー（Bonnie Parker）は身長が150㎝と小柄だったそうなので、コレは映画でボニーを見事に演じた女優、Faye Dunaway（170㎝）がモデルだと推測しています。



文字どおり蜂の巣になったフォードV8。
警察から逃げ切るだけの性能を誇ったスポーツカーで、フォード社に「貴社の素晴らしいクルマのおかげで我々は仕事がしやすく感謝している」なんて手紙を送ったエピソードも。
真偽は不明だけどこうしたウィットに富んだ行動や、銀行や金持ちは襲っても庶民には手を出さない、義賊的な面のせいで一般大衆からの人気は意外に高かったそうです。




クライド（Clyde Barrow）が射殺されたとき着ていたシャツも。
車両と同じく穴だらけで写真では見えにくいけど血がこびり付いた跡も。
もっと生々しい遺体の写真も展示されており、日本との文化の違いに驚くやら戸惑うやら。


彼らが活動を始めたのは1930年ごろからといわれており、4年ほどの間に13人を殺害したうえ強盗や窃盗は数知れず、仮に逮捕されても死刑は免れなかっただろうと思います。
映画の後半でボニーが逃避行の結末を予言するような詩を書くシーンがありますが、本人たちもそう遠くないうちに悲惨な死を遂げることは分かっていたんじゃないのかな。

なので邦題『俺たちに明日はない』が非常にグッとくるワケです。
改悪しすぎとしか思えない『やりたい邦題』が多いなか、このタイトルは監督のArthur Pennも気に入っていたとのこと、ちなみに原題はシンプルに『Bonnie and Clyde』。

彼らを取り上げた映画は他にもいくつか。
さらに古い作品が多く難しいかもしれないが、チャンスがあればそっちも観てみたい！