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山爺@Around60のブログ一覧

2017年12月08日 イイね!

Roll Over Beethoven

Roll Over Beethovenチャック・ベリーでもビートルズでもありません。
またまたクラオタ薀蓄です。スミマセン
しかも、自己最長の長文になってしまいました。
興味のない方は……最後までお付き合いください(笑)

9月に買ったショルティ/シカゴ交響楽団の全集を聴いています。
以前、この全集にはベートーヴェンの交響曲が全9曲、新旧2度録音が入っていると書きましたところ、みん友さんから「ベートーヴェンの交響曲全集が欲しいがお勧めはあるか?」とリクエストをいただきました。

ベートーヴェンの交響曲って、いったいどれぐらいCDが出てるのか分からないぐらいあります。
しかも、私自身ベートーヴェンの交響曲はあんまり得意じゃなくて、最近は中期~後期の弦楽四重奏を時々聴くぐらいでした。
クラシック音楽を聴きはじめたころはベートーヴェンもけっこう聴いていましたが、正直、飽きたというか「今さら」という感じで、遠ざかっていたのです。
何はともあれ、おかげで久しぶりにベートーヴェンの交響曲をじっくり聞くことができました。
あらためて聴いてみると「ベートーヴェンの交響曲って本当に隙が無いなぁ」という感想です。
クラシック音楽、特に交響曲は長い曲が多いんですが、ともすれば「ココいらないんじゃないか?」と思うような部分もあります。
しかし、ベートーヴェンの交響曲を聴いていると、どの部分もそこにそうあるべき必然性を感じます。
学生オケで3番「英雄」・5番「運命」・6番「田園」とたぶん7番も弾いたことがあると思います(記憶があいまい)。
自分が弾いたときも「不必要な音が全然ないなぁ」と同じようなことを感じました。
ここで私が言う「不必要な音」というのは、他の楽器に紛れてしまってあまり聞こえない音符の事です。
演奏者にとって「サボりどころがない」のがベートーヴェンの交響曲なのです。

ベートーヴェンの音楽の特徴として一般に、完成度が高い、構築性、堅固な構成、などが挙げられます。
そのことは別の面で考えると「解釈の入り込む余地が少ない」という事にもなります。
つまり、よほど極端なテンポ設定をしたり、表情付けをしない限り、どう演奏しても大差が無いということになってしまいます。
「全集」を出しているような大指揮者と一流オーケストラの演奏であれば、どのCDを買ってもそうそう大外れは無いという事です。
よって「お勧めは特に無し、これが良さそうだなと自分が思った全集を買えば大丈夫!」

では、あまりにも無責任ですね(^_^;)
せっかくリクエストをいただいたので、少々荷が重いんですが、私なりにいくつかお勧めを選んでみました。

先ずは手持ちのCDとレコードをひと通りリストアップしました。

交響曲 第1番 ハ長調 作品21
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
交響曲 第2番 ニ長調 作品36
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 《英雄》
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・フルトヴェングラー/ベルリンフィル(1952)(LP)
交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・カラヤン/ベルリンフィル(ラストコンサート1988)
・アーノンクール/ウィーンコンツェントゥス・ムジクス(2015)
交響曲 第5番 ハ短調 作品67 《運命》
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・コリン・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
・アーノンクール/ウィーンコンツェントゥス・ムジクス(2015)
・カルロス・クライバー/ウィーンフィル(LP)
交響曲 第6番 へ長調 作品68 《田園》
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ(LP)
交響曲 第7番 イ長調 作品92
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・カラヤン/ベルリンフィル(ラストコンサート1988)
交響曲 第8番 へ長調 作品93
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
交響曲 第9番 ニ短調 作品125 《合唱》
・ショルティ/シカゴ交響楽団(新・旧)
・フルトヴェングラー/バイロイト祝祭歌劇場管弦楽団(1951)(LP)
・フルトヴェングラー/ベルリンフィル(1942)(LP)

困りました(>_<)・・・・
思ったよりずっと少ないです。
演奏したことがある何曲かは、もっといろいろ聴いていたはずです。
一番よく聴いたはずのセルは全曲LPで持っていたはずですが、どこを探しても見つかりませんでした。
学生時代、お互いに貸し借りして聴いていたので、誰かに貸してそのままになってしまったんだと思います。
FM放送を録音したカセットを擦り切れるぐらい聞いた、ベームやカラヤンの演奏も記憶に残っています。
バーンスタインやケンペやワルターとかも持ってたと思うんだけど、かなり曖昧です。
誰かから借りて、カセットテープにダビングして聴いていたのかもしれません。

手持ちLPではカルロス・クライバー/ウィーンフィルの第5は70~80年代の決定盤と言われていました。
同じクライバーの7番も持っていたと思いましたが見つかりませんでした。
スイトナーも好きな指揮者で、この6番はレコードアカデミー賞を受賞した当時の名盤です。
フルトヴェングラー/バイロイトの第九は言うまでもない歴史的名演です。
同じフルベンの第3とベルリンフィルとの第九は買った記憶が無いのに持っていました。
たぶん誰かから借りて返し忘れたんだと思います(^_^;)

私のスタンダードはジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団。
当時、一番信頼していた評論家の吉田秀和氏が絶賛していたので、影響されたのもありますが。。。。
セル/クリーブランドのキッチリした硬質な演奏にくらべると、ベームはもったりしていて、カラヤンは華美な気がしました。

LPを聴くのはいろいろひっぱり出してきて繋ぎなおさないといけないので、CDだけはひと通り聴いてみました。
「ショルティいいなぁ…」
ほとんどショルティしか聴いてないんですけど(笑)
ショルティを聴いていて、セルの演奏を思い出しました。
セルとショルティ、どちらもハンガリー出身。クリーブランドとシカゴ、同じアメリカのオーケストラ。
血は争えないのか、似た傾向になるのでしょうか。

ショルティ盤は新旧とも、一般には名盤・決定盤とは評価されていません。ガサツだとか乱暴だとかいう人もいます。
しかし、セル盤が手元に無くなってしまった私にとって、新しいスタンダードになりました。
旧録音は70年代アナログ時代の代表的なハイファイ録音。録音エンジニアは、もちろん神様ケネス・ウィルキンソンです。
新録音はデジタルですが、初期のデジタルにありがちなギスギスした固さは無く、響きや潤いや広がりを感じさせる好録音です。
刺激が欲しい時は旧録音、ゆったり聞きたいときは新録音です。

スタンダードはあっさり決まりました(笑)でも、あくまで私自身のスタンダードです。
他人に勧めるなら、こっちの方がいいんじゃないかという盤をいろいろ調べてみました。
私が次に買うならこの中からどれかにしようという盤でもあります。

先ずは古くから名盤と言われるスタンダード。

ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団合唱団
アデーレ・アディソン(ソプラノ)
ジェーン・ホブソン(メッゾ・ソプラノ)
リチャード・ルイス(テノール)
ドナルド・ベル(バリトン)
1957~1961年、クリーヴランド、セヴェランス・ホール

私のかつてのスタンダード盤。吉田秀和氏絶賛。
ソニーミュージック(タワーレコード)からSACDリマスターが復刻されました。
しかし、いかんせん原版が古すぎます。SACDは聴いていませんが、あまり音質を期待してはいけないでしょう。
私自身はもう一回聴き直してみたい盤です。でも、高いんです(^_^;)

レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ギネス・ジョーンズ(Sop)
ハンナ・スワルツ(Mez)
ルネ・コロ(Ten)
クルト・モル(Bs)
1977~1979年、ウィーン、ウィーン楽友協会(ライヴ)

クールなジョージ・セルとは対極の熱演。
スタンダードと言うのはちょっと違うかもしれないけど、忘れがたい演奏。
これも今年リマスターSACDが出ました。もともとの録音が良いので音質面も期待できます。

ちょっと風味の違うものも聴き比べたくなります。
オリジナル楽器を使用したり、古楽演奏の知見を取り入れた演奏です。

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク、モンテヴェルディ合唱団
リューバ・オルゴナソヴァ(ソプラノ)
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
アンソニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
ジル・カシュマイユ(バス)

1991~1993年、1番と3番は公開録音、5番はバルセロナでライヴ
このCDは持っていませんし、聴いていません。
同じ演奏者のフォーレのレクイエムを愛聴しています。
オリジナル楽器を使っていますが、癖のない演奏で聴きやすいのが、この団体の特徴です。
私が次に買うとしたら、一番手はこの盤です。

ニコラウス・アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
シャルロッテ・マルギオノ(Sop)
ビルギット・レマール(Mez)
ロベルト・ホル(Bs)
1990~1991年、グラーツ、シュテファニエンザールでのライヴ

アーノンクールは4番5番をコンツェントス・ムジクスで持っています。
コンツェントス・ムジクスはオリジナル楽器ですが、こちらのヨーロッパ室内管弦楽団はモダン楽器です。
オリジナル楽器の演奏よりもこちらの方が聴きやすいと思います。

21世紀に入ってからの録音も聴いてみたいです。
最新録音でこれからのスタンダードと呼ばれそうな演奏です。

ベルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、MDR放送合唱団、ゲヴァントハウス合唱団、ゲヴァントハウス児童合唱団
シモナ・シャトゥロヴァー(ソプラノ)
藤村実穂子(アルト)
クリスチャン・エルスナー(テノール)
クリスチャン・ゲルハーヘル(バリトン)
2014~2017年、ゲヴァントハウス・コンサートホール(ライヴ)

90歳を超えて現役、長老ブロムシュテットと世界最古のオーケストラ・ゲヴァントハウスによる最新録音です。
これも是非聞いてみたい盤です。

ミヒャエル・ギーレン指揮バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団、ベルリン放送合唱団
レナーテ・べーレ(S)
イヴォンヌ・ナエフ(A)
グレン・ウィンスレイド(T)
ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Bs)
1997~2000年、フライブルク・コンツェルトハウス(ライヴ・デジタル)

ギーレンのCDはブラームスのセットを持っています。
ブロムシュテットがどっしりした正統派のドイツ的演奏なら、ギーレンは現代ドイツの先進的近代的な演奏でしょうか。
なかなか興味深い盤です。

サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、バーミンガム市交響楽団合唱団
バーバラ・ボニー(S)
ブリギット・レンメルト(C)
クルト・ストレイト(T)
トーマス・ハンプソン(Br)
2002年、Groser Musikvereinssaa, Vienna(ライヴ)

バーンスタイン盤を熱い演奏のオールドスタンダードに挙げました。
ラトル盤はそれを現代に受け継ぐ演奏になるのかもしれません。
これはEMIの輸入盤なら廉価セットです。ベルリンフィルとも録音していますので予算が合えばそちらも。

そして、これから出るであろう未来の録音も一つだけ。

テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ
未定2030年頃?

今注目の指揮者、鬼才クルレンツィス。
2017年のレコードアカデミー賞大賞と銀賞を同時受賞したことを先日のブログに書きました。
次はベートーヴェンとマーラーに取り組むとアナウンスされています。
いったいどんなベートーヴェンになるのか、今まで聴いたことが無いベートーヴェンになる事は間違いないでしょう。
往年のクレンペラーを思わせる巨大なスケールと驚愕に満ちた演奏を期待します。

以上、聴いていないCDも含めて、好きな指揮者だからとか類推や想像でお勧めを書きました。
違っていることも多々あるかと思いますので、あんまりあてにしないでください(^_^;)

みなさんのお勧めもぜひ教えてください。よろしくお願いします。
Posted at 2017/12/08 18:14:21 | コメント(4) | トラックバック(0) | クラシック音楽 | 音楽/映画/テレビ

プロフィール

「@グランツ@兵庫 さん、そのまんまのyoutubeあります。https://youtu.be/-fFOWwWTkDA
何シテル?   06/01 14:32
2代のプリウスを13年間約40万km乗り継いで、このたびアテンザ乗りになりました。 今度の車も大事にしてなが~く乗り続けたいなぁ
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