
アル中(アルテックマニア)の方に怒られそうですが、405-8Hでアルテック・ランシングを初体験しましたのでレビューをしてみようと思います。(そもそも405-8Hなんてのはアルテックじゃないという方もいるので・・・)
さて、カーオーディオとしては邪道ですが、ホーム用フルレンジスピーカーをあれこれ付けて遊んでいます。
1月中旬、Altec Lansing 405-8Hを取り付けました。
もともと13cmスピーカーをアウターで付けていましたので、12mmの合板でリング状のサブバッフルを作り口径を調整して取り付けています。
スピーカーはサブバッフルの内側、リアマウントという方法で固定しています。アウターバッフルで問題になる、背圧や背面反射音を解決するためです。

そもそもリアマウントを思いついたのは、アルテックのフロントホーンや、昔の欧米のスピーカーからです。昔のスピーカーには、フレームが見えないリアマウントスピーカーがたくさんありました。
Altecのスピーカーを聴くのは初めてです。どんな音がするのか楽しみでした。
第一印象、、、、
音がデカい(爆)
直前に付けていたのがMarkAudio CHR70で出力音圧レベル85.1db、Altec 405-8Hは93dbですから当たり前です。びっくりしてボリュームを絞りました。

CHR70は「フルレンジャーゴールド」でしたので、
405-8Hは「爆音戦隊フルレンジャーブラック」と命名します(笑)
肝心の音質は、、、、
その前にAltec 405-8Hがどういうスピーカーなのかお勉強しましょう。
1.AltecとJBL

スピーカーの歴史を語る上でジェームス・バロー・ランシング(James Bullough Lansing)の名を挙げない訳には行きません。
JBLは1927年にランシングが創設したランシング・マニュファクチュアリング社がもとになり、戦後1946年に復活した会社です。
ランシング・マニュファクチュアリング社は1941年にアルテック社に吸収され、アルテック・ランシング社となってランシング自身は技術担当副社長になりました。
1946年ランシングが再度独立してJBL(ジェームス・B・ランシング・サウンド社)を復活させました。
どちらも天才技術者ランシングの流れをくむ会社です。ランシング自身は1949年に経営悪化に悩み自殺してしまいました。
しかし、JBLは民生用・家庭用オーディオを中心に、Altecはプロ用・PA用音響機器の方面に、それぞれの活動領域を広げて世界的な評価を得ました。
2.プロ用機器 スタジオモニターとPA(シアター)スピーカー

アルテックはプロ用機器のメーカーです。もちろん民生用にも流通していますが、多くはプロ用機器をそのまま転用したり、プロ用機器が原型にある改良品です。
プロ用機器には2つのカテゴリーがあると思います。クルマで言うならレーシングカーとトラック。スピーカーならモニタースピーカーとPAスピーカーです。
モニタースピーカーは本物の音に忠実な再生を目指して作られたスピーカーです。広い再生周波数帯域や正確な再生レベルが求められます。
PAスピーカーは目的に合った音を出すためのスピーカーです。映画館であれば館内の隅々までセリフがはっきり聞こえる事、ロックコンサート会場であれば迫力あるサウンドが求められます。
アルテックは後者すなわちPA用のプロ用機器です。微妙なニュアンスの正確な再生よりも、クリアさや迫力を出す方が得意と言えるでしょう。
3.405-8H

405-8Hの原型は1968年ごろ発売の405Aというシーリングスピーカーです。シーリングスピーカーとはホールや会議場、駅や空港などの音響設備として、天井や壁に埋め込んであるスピーカーです。
カー用どころかオーディオ用ですらないスピーカーなのです。405シリーズはアルテック社がエレクトロボイス社に買収された後も名を変えながら製造を続けられ、廉価盤タイプがエレクトロボイス205-8Aとして入手できるようです。
さて、私が入手した405-8H。口径10cmと言いますが、前のMarkAudio CHR70と比べると一回り大きい。振動板面積としては12cmクラスと同等です。
また、マグネットは20cm口径の同社スピーカーとほぼ同じ大きさのもので、振動板の直径とマグネットの直径がほぼ同じ。がっしりした金属製フレームはアルミ?鉄?
重量約1kgの非常に堅牢な作りのスピーカーです。音響設備用という用途からして、丈夫で故障しないという事は重要です。これは高音高湿度のカーオーディオというヘビーな環境で使うのに適した長所です。
また、許容入力は定格15W(連続入力)ですが、最大(ピーク入力)は120W上あり、万一の大入力でも簡単に壊れない耐久性があります。
Q値やf値などの詳細な仕様は分かりませんが、天井埋め込みなどで使用するスピーカーですから、ボックスに入れないフリーエアーでも大丈夫でしょうし、自動車ドアへの取付けにも向いていそうです。
ALTEC LANSING 405-8H 主な仕様
4インチ(10cm)フルレンジユニット
インピーダンス 8Ω
再生周波数帯域 60Hz~15kHz
出力音圧レベル 93dB(新JIS)
許容入力(連続プログラム) 15W
開口径 フロントマウント108mmφ リアマウント97mmφ
サイズ 直径135mm×奥行54mm 重量0.9kg
4.アルテックサウンド
アルテックの音の特徴はWikipediaによると「同社製品特有の明るく張りの有る音質はアルテックサウンドと称された」だそうです。
「明るく張りのある音質」とはどういう音なんだろう?
おそらく、PA用・放送機器用ということで、アナウンスやセリフが聴き取りやすくなるように、人の声の音域を中心にした音作りになっているという事でしょう。
405-8Hも高音は15khzまでしか出ませんし、周波数特性は低音域ダラ下がりのややハイ上がりになっています。
たぶんそういう特性の方が、余分な低音や高音が無いので、アナウンスやセリフがハッキリ・館内の隅々まで良く通るのでしょう。
「良く響く音」ではなく「良く通る音」がアルテックサウンドなのでしょう。
5.インプレッション
Altec Lansing 405-8Hをアテンザに取り付けて聴いた最初の印象は、冒頭のとおり「音がデカい!」でした。

音質について私がどのように感じたのか?
もう少しいろいろな曲を聴いてから、また後日のブログで説明します。