
ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms、1833年5月7日 - 1897年4月3日)は、19世紀ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者である。J.S.バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共に、ドイツ音楽における「三大B」とも称される。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没する。作風はおおむねロマン派音楽の範疇に属するが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強い。
※以上、Wikipediaから引用
タイトルは漫画「のだめカンタービレ」コミックス4巻から、ミルヒーことフランツ・フォン・シュトレーゼマンのセリフです。

「のだめ」たいへんよくできた作品です。
このシーンもちゃんとブラームス交響曲第1番のどの部分で、どう難しいのか
説明してくれている人がいます。
「ブラームスなめてんじゃないですよ」
大指揮者シュトレーゼマンが言うこのセリフ、なかなか含蓄があります。
ブラームスはアマチュアオーケストラでも良く取り上げられる作曲家です。
比較的演奏が難しくない上に、演奏効果が高く、特殊楽器が少なくて費用が掛からない(アマチュアにとってココ重要)からです。
私も大学オケにいたころ交響曲第1番をやりました。指揮はなんと山本直純さん。「オーケストラがやってきた」のヒゲのおじさんです。お忙しかった直純さんの代わりに練習に来てくれたのが、当時お弟子さんだった大野和士さん(だったはずです)。大野さんもまだ大学生だったので、友達のような感じで楽しい練習だった記憶があります。
話が逸れました。
ブラームスはアマチュアにも良く取り上げられ、日本ではとても人気のある作曲家です。
プロの演奏家ならば、それこそ何十回も飽きるほど演奏したことがあるでしょう。
であればこそのセリフ「ブラームスなめてんじゃないですよ」なのです。
カーオーディオでもブラームスは、なめちゃいけない存在です。
私がBEWITHのスピーカーを降ろすきっかけになったのもブラームスでした。
ドイツレクイエム(マリス・ヤンソンス指揮/ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団他)

このCDは優秀な録音で、分厚い合唱やパイプオルガンの超低音など、オーディオ的には聞きどころがありますが、ヤンソンスの音楽作りも録音も少々癖があります。ヤンソンスという指揮者は、どうも派手な演出が好きなようで、特にこの「ドイツレクイエム」という曲のイメージである、キリスト教ルター派的なストイックな精神性とは、ちょっと相性が悪かったようで、なんとなく居心地の悪いCDです。
ドイツレクイエム(ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団他)

ヤンソンスが気に入らなかったので、世評の高いアーノンクール/ウィーンフィルのCDを買いました。
ジャケット写真が良いです。
「かーめーはーめーはー」(笑)
演奏者では「他」で済ましちゃいましたが、アルノルト・シェーンベルク合唱団が素晴らしいです。
冒頭の「Selig sind, die da Leid tragen,」(幸いなるかな、悲しみを抱くものは、)からやられます。
恩人シューマンと実母を失った作曲者の悲しみ云々・・・とクラシックの批評欄には良く書かれてますが、そんな具体的な小さくまとまった悲しみじゃなく、もっと純粋な普遍的な「何か」を感じさせてくれる曲であり演奏でありコーラスです。
ヤンソンス盤の録音も優秀でしたが、アーノンクール盤も優秀録音です。ヤンソンス盤はFレンジDレンジとも広くいかにもハイファイ・派手な録音です。アーノンクール盤は合唱を中心に、人の声の美しい響きを大事にした録音です。いい装置で繰り返し聴いていると、じわじわと良さが分かると思います。
ちょっと古い録音ですが、ロリン・マゼール/クリーブランド管弦楽団の交響曲。

1970年代アナログ録音です。あまり評価されていない演奏ですが、私は意外に良い演奏だと思います。クリーブランド管弦楽団のアンサンブルが見事です。オケでは短い音をピシッと合わせるのはとても難しいんですが、この演奏では気持ち悪いぐらいピシッとスタッカートが揃っています。マゼールの指揮もそのあたりを強調して、短く歯切れの良い音を多用しています。
古い録音ですが、アナログオーディオの最盛期、英デッカらしい鮮明な録音です。古い録音だと思ってなめてると強烈なバスドラムの低音が響いたり、鮮やかな高音でトライアングルが鳴ったりします。高低に強調感があり、悪く言えば高級ドンシャリなんですが、上手に処理されていて不自然さは感じません。古き良き時代の好録音です。
室内楽では最近入手した、カプソン兄弟他の弦楽六重奏曲第1番&第2番。

2016年3月のライブ録音です。演奏者は常設のユニットではなく、音楽祭のライブのために集まったソロ奏者達のセッションのようなもので、一期一会の緊張感や即興性がこの演奏の美点です。
録音はライブ感のある生々しい録音です。冒頭、「コーッ」という空手の息吹のような深いブレスでびっくりします。マイクが近いようで、ブレスや左手のタッチの音などの演奏雑音がかなり入ってます。まるで自分が奏者として参加しているように聞こえる録音です。
オーディオチェックに私がよく利用するのがピアノ協奏曲です。
冒頭が第一関門。ティンパニのフォルティッシモのロールからオーケストラが入ってくる部分。ティンパニの一打一打がちゃんと粒立っていて、オーケストラが歪んで団子にならず、クリアに聞こえるかどうか、聞いてすぐ分かりやすいので再生装置のチェックに適しています。
3種類のCDを持っているので、それぞれの演奏と録音の特徴をどう再生するかもチェックできます。
エマニュエル・アックス(ピアノ)/ベルナルド・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

2010年のライブ録音。2017年発売。期待して聴いたが、録音もオーケストラの演奏もちょっと荒っぽい感じがする。ただしその分、オーディオチェックポイントの冒頭は派手で分かりやすい。SACDのハイレゾ盤。
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)/ミハエル・ギーレン指揮バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団

交響曲4曲と協奏曲3曲、その他ブラームスの主要な管弦楽作品のセット。1991年のライブ録音。低音がしっかり分厚く、重心の低い録音。演奏も重厚感があり渋い。冒頭のオーディオチェックポイントのティンパニは、バカバカバカーと派手に鳴らず、ドロドロドロドロと重く響く。
クラシックでオーディオというと、R.シュトラウス「ツァラトストラは~」とかマーラーとか、いかにも派手な曲が好まれますが、ブラームスでオーディオチェックするのも渋くていいんじゃないかと思います。