前回の続き。
東北の研修+宮城見学の二日目。
ということで今回は松島~石巻編となります。
そう、東日本大震災で被災した海岸線をこの目で見るために用意した日です。
この日は前日までと違い、あまり浮かれた気分にはなれませんでした。
正直なところ、
「部外者が物見遊山で見に行っていい所なのだろうか」
という想い、
「この目で見ておきたい」
という想い、
「観光地であるのだから、行く事が自分なりの支援だ」
という想いが複雑に交錯していたからです。
朝もなんとなく早く目が覚めてしまい、予定よりも早く出発する事にしました。
目的地は石巻市の門脇。
まずは松島の付近を走りまわることにしました。

松島港を丘から撮影
松島は沖にある島々のおかげで津波の被害が比較的少なかった所だと聞いています。
ココから見る限りではそんなに被害が出た様相は無く、たくさんの船が停泊していました。

松島の火力発電所
少しでも電力を得るためなのでしょう。
太陽光パネルがたくさん設置されていました。
その向こうにはたくさんの島々を見る事ができます。

テトラポッドの制作風景
このような型を使って作られているんですね。
敷地には完成したテトラポッドがたくさん並んでいました。
今後の津波対策に使われるのでしょう。

松島港のそばの風景
港の方までやってきました。
遠くから見たのでは見えなかった津波の爪痕が徐々に現れてきました。
道路もあちらこちらで封鎖・迂回して、改修作業をしているようでした。

同じく松島港のそばの風景
地震なのか津波なのか?
未だ改修していない建物も数多くみられました。

マリンゲートの傍の風景
営業中とは書いてありますが、奥に見える仮設での営業のようです。
本館は修理中なんでしょうか?

途中で見かけた建物
地震の影響なのでしょうか、地面が波打って階段が浮いています。
ガラスがあったと思われる所は気の板が貼ってありました。

少し進んで浜田駅
「停車?」
ここで聞かれても車掌さんは困っちゃうでしょうね。
もう駅に着いてしまう所でしょうから。

JRが運行しているバス
松島あたりではまだ、鉄道が復旧していない所が数か所あると聞いています。
その代わりとしてのバスのようです。
ニュースで聞いたことはあったのですが、見る事ができるとは思いませんでした。
しばらくこのバスの後ろを見ながら走ると、いよいよ石巻に入りました。
いったん石巻街道を離れて石巻港に向かいます。

広場(公園でしょうか?)の復旧工事の様子
石巻港付近に入ると、松島付近とは様相が一変しました。
道路は波打ち、建物が一気に無くなります。
あちこちで復旧工事の看板が目に飛び込んできました。

住宅地と思われる地域
海岸が近くなってきたところで住宅がちらほら見える地域に来ました。
でも様相がおかしい。
よく見てみると今ある家は一階が壊れたまま手つかずの状態のようです。

石巻の海岸線付近の様子
向こうに見えるのは水産加工工場か倉庫でしょうか?
やはり津波の被害があるようでまだボロボロでした。

幼稚園か保育園と思われる建物
通っているときに見つけた建物。
幼稚園か保育園だとおもいます。
今は使われていないようですが、大きな布に
「ありがとう」
の文字。
きっと全国の方の支援に対するお礼なんだと思います。
ここの方だって、これを書くのも大変だったハズです。
東北の方々のやさしさを感じました。

石巻港のすぐそばの風景
このすぐ後ろが石巻港です。
住宅はかろうじて残っていますが、やはり1階は壊れたままです。
立地条件や電柱、歩道の切り欠きをみればどれだけ住宅があったことか、容易に想像ができます。
なのにそれが一切無い。
津波の被害の大きさを物語っていると思います。

電信柱も倒れたまま
がれきの撤去はだいぶ進んだのでしょうが、まだいたるところに残骸が残っています。

ふたたび石巻街道の風景
海岸線からちょっと離れている事もあり、車通りはけっこうありました。
店も再開しているところが多く、幹線道路ぞいは活気を取り戻しつつあるようです。
「復興をめざして!がんばろう石巻」
石巻の方々の強さを感じます!

ホット横丁石巻?
信号待ちしているときに見つけました。
店舗がたくさん入っているのでしょうか?
ちょっと気になったのですが、右折レーンにいたために寄れませんでした。
残念。なかにはどんなお店があったんだろう?
ここを右折すると目的地の門脇です。
この直後、目を疑うことになります。

門脇の風景
先ほどのホット横丁石巻を曲がり、製紙工場を通過したとたん風景が一変。
見渡す限り建物がありません。
いや、正確には人の気配がありません。
地面を見てみれば家の基礎らしきものはたくさん見られるのに。
ここにはたくさんの家があって、たくさんの家族の笑顔があったはずなのに。
想像するだけで胸が締め付けられ、涙がこみ上げてきます。

海の方へ向って撮影
そこかしこに花束が手向けられていました。
そのひとつひとつに大事な人への想いがこめられています。

新しい車道と手つかずの歩道
車道はキレイに整備されていました。
そこを絶え間なく大型のトラックが走ってゆきます。
がれき処理や流通のために道路などのインフラ整備が優先されているのでしょう。
対して、手つかずの歩道。
波打ち、ひび割れたままです。

高台に向かう階段
去年のあの日もここの階段をたくさんの方々が登ったのでしょう。
津波から逃れる事が出来た方も、大事な大事なものを失う瞬間をここで見ていたのでしょう。
自分はただ、手を合わせることしかできませんでした。
その後、石巻駅に向かってみることにしました。

石巻駅の風景
このすぐ下辺りに石巻観光案内所があり、そこで職員の方としばしお話しをさせていただきました。
ここは海岸からはだいぶ離れているので、津波により建物が被害を受けることは無かったようです。
それでも入り込んだ海水は高さ1m以上、4日くらい引かなかったらしい。
最近は観光客も少しずつ増えてきましたが、以前ほどではないらしいのです。
ぜひ、皆さんに来てほしいとのこと。
今年の夏休みはぜひ石巻を訪れてください!!!
テレビや雑誌で見るのと、この目で見てこの肌で感じた事は全然違いました!
ひとりでも多くの方にこの体験をしてもらいたい。
そしてお土産の一個でも買って地元に貢献し、あなたの周りの方にもこの石巻で見た事を伝えて欲しい。
石巻を始め、被災地と呼ばれる地域の方々は元気に頑張っていらっしゃいます。
自分が最初に感じていた後ろめたさは最後には全く無くなっていました。
むしろ、自分が元気をいただいて帰ってきました。
東北に笑顔が戻る事はぜ~ったい間違いありません。
そのためにもぜひまた訪れたいと思います。
長々と書いてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。