バラスポと呼べるのは初代だけのブログ一覧

連投ご容赦。

宗一郎さんの思い出

私が本田宗一郎さんに会えた最後の世代。でもただ会えただけで一緒に仕事をしたことはなかったです。私は85年入社なので既に宗一郎さんは引退してたし。
私がいた部署が宗一郎さんがいたエンジン研究開発部隊(第一研究ブロック。略して1K “1研”と称してました)。
なので明日オヤジさんが来るぞ！となると、オヤジさんと一緒に仕事をした経験のある先輩たちは皆一瞬で顔が青くなったです。
ちょっとでも職場が乱雑だったり汚れてたりするとオヤジさんのカミナリが落ちるから。
で、前日は急遽仕事を止めて大掃除になるのです。
準備万端問題なし！となっても先輩たちはピリピリ。
運悪く作業机の上にピストンが一つ置いてあった！何も知らない新人くんが置いてしまったんだね。
もちろんオヤジさんはそれを逃さず、「なんでピストンのこんなとこにカーボンが付いてるんだ！ もっと広げろ！広げろ(ピストン径を大きくしろという意味)」

で、超特急で広げたピストン作ってそれをエンジンに組んでテストすると、すぐ焼き付いた！
そんでもって若い子たちは「だから宗一郎さんの時代は終わったんだってば！」なんて敬愛の念を込めて言ってたね。

私の宗一郎さんの数少ない思い出としては、
私が組合の役員をやって(やらされて)、その時丁度組合結成25周年を迎え、伊東で泊まり掛けで一大記念大会を催したのでした。
組合がここまで来れたのは宗一郎さんのおかげでもあるので、ということで宗一郎さんを呼んで講演してもらうことに。
壇上に上がり、組合委員長が宗一郎さんを紹介してる時、宗一郎さんは椅子に座ってすごい貧乏ゆすりしながら、あたりをキョロキョロ。なんでオレがこんなとこに呼ばれなきゃならないんだ！？たまんねぇなぁって感じに見えた。

委員長が「組合がこんなに大きく育ちここまで来られたのは宗一郎さんのおかげです！これを記念に差し上げます」とかなんとか言って、高さ2メートルくらい？の陶器(だったと思う)の壺の置き物を指差したら、いきなり宗一郎さんが、顔が真っ赤になり「なんだ！？これオレにくれるのか！？」と喜んで、更にいきなり話し始めたのでした。話の内容は全て忘れてしまったけど、お付きの人が「そろそろ次のご予定が・・・」と言うと、「うるさい！ いいんだよ！オレは話したいんだよ！」と言って時間オーバーで話をしてくれました。

なんか無邪気なお子ちゃま(失礼！)のようでしたよ。

研究所の中に4キロメートルのオーバルの高速周回路が出来た時も「なんだこのバンクの傾斜角度は！？　こんなの一般道にないだろ！何考えてんだ！？作り直せ！」と言ったそうで、そう来るだろうと予想してた先輩は「このバンク角だと、テストドライバーがハンドル切らずに走れるから、負担が少なく疲れないんですよ」と答えたら、宗一郎さんただ一言「そうか！ならいい！」と言ったそうな。先輩から聞いた話。
まだまた逸話は沢山あるけど書ききれないや。

１研のベンチ(エンジン単体で実験できるテスト室)の事務所には“安全なくして生産なし”という宗一郎さん直筆の言葉が、同じく宗一郎さんが描いた蛙の絵と共に額に入って飾られてました。
きっと間違いなく今でも飾られてるだろうなぁ

数年前宗一郎さんのお墓参りに行くことが出来て本当に良かったなぁ

HONDA Twin Link Motegi Circuit & HONDA Collection hall
坐骨神経痛になってしまい(トホホ)、
6年ぶりの9連休というのにギター弾き籠り。それも飽きてきたので好きなものを眺めながら少し歩くのも良いかと、もてぎサーキットのコレクションホールにGo‼️
古いバイクに古いクルマを眺めるのはサイコー！
でもやっぱりお尻が痛くて右足痺れるのに我慢ならず早々に退散。
せめて帰り際にサーキットホテルのレストランで食事でもと思い行ってみたら、コロナ感染予防で宿泊客さまだけの利用制限で更に凹んで退散。
昔よく“籠り”と称してここにエンジン開発チームで会議に来たなぁ〜
※ 足痺れてて写真もランダムに適当に撮ったので失礼