
久しぶりに米車のネタをUpしたいと思います。
1961年にフルモデルチェンジされたリンカーンは、それまでのリンカーン(カプリ)、プレミア、コンチネンタルの車種構成から大幅に簡素化され
リンカーン・コンチネンタルに統一、ボディタイプは4drセダンと4drコンバーチブルの2タイプに整理されました。
エンジンは、7000ccのV8で300psを誇り3速ATが採用されていて総生産台数は33180台だったそうです。
ボディデザインも前年までのオーバーデコレーションされた派手なものから、シンプルで上質な印象を持つ高級車へと変身しました。
また、品質にも特に力が入れられていてアメリカ車で初めての
2年間または24000マイルのメーカー保証を謳ったクルマとしても有名なモデルだったそうです。
4drのコンバーチブルは1940年モデル以来の登場で、この1961モデルをベースに作られた
プレジデンシャル・リンカーンは
故ケネディ大統領が暗殺された時にパレードで乗っていたクルマでした。
このリンカーンは、次期ジョンソン大統領の為に大改造され、固定式の防弾ガラスにエンジンやミッション、サスペンションなどを強化して1962年モデルのフロントフェイスに変更されました。
こちらは4drコンバーチブルのリアビューで、トランクリッドにはグリル風のガーニッシュがデザインされています。
この1961年モデルは製造ライン完成後、一台毎に12マイルのテスト走行が行なわれてから出荷されたとあります。
そう言えば現行シーマもテスト走行後に工場出荷されているみたいですね。
エボニー&アイボリーのカラーコンビネーションがとてもシックで、派手さが無いのに高級感が演出されているのは流石ですね。それに4drのコンバーチブルだけあって解放感も素晴らしいものがあります。
パワー式のソフト・トップは自動でトランク内に格納されるためにリアデッキ周辺は綺麗に処理されているのが分かります。
しかし、1967年モデルを最後に、この4drコンバーチブルは姿を消してしまいました。
1951年モデル以来の
センターオープニング・ドア(観音ドア)が採用されたのも特徴のひとつでした。リアドアはこんな感じで開きます。
センターオープニング・ドアはショーファー(運転手)がゲストの為にリアドアを素早く開けるためのモノだったそうですが、彼の地では
スーサイド・ドア(SuicideDoor)つまり
自殺ドアと呼ばれるそうです。
一説では、半ドアのままでドアにもたれ掛かっていると、走行中の風圧でドアが開きやすい事から
スーサイド・ドアと呼ばれるみたいです。確かに、進行方向に向かって開口部が開いているので通常の前ヒンジドアに比べると風圧の影響が出やすいのかも知れませんね。
どちらにしても半ドアはとても危険な事には変わらないです。自分も幼少の頃に父親の運転する縦目グロリアの助手席から半ドアだった為に転げ落ちたことがありました。
でも、低速だったので擦り傷くらいで済みましたけど・・・。(汗
あと、もう一つ特徴的なのが、左ハンドルなのに右側のピラーに向かって拭き払うようにワイパーの取り付けがされている事です。
つまり右ハンドル車のようなワイパーの取り付けになっているんですよ。これはセダンがフルモデルチェンジされる1969年モデルまで続きました。
理由は分かりませんが、1961年モデルではワイパーの駆動にハイドリック・モーター、つまり油圧モーターを採用したために機構のレイアウトの都合でこのような取り付けになったのかも知れません。
それにしても、半世紀も前のこんな超高級車でも、女性が運転しているイラストがカタログに載っているなんてアメリカって凄い国だったんですね。
参考までに1958年モデルでデビューしたリンカーン・コンチネンタルマークⅢコンバーチブルです。
縦目4灯ヘッドライト、それも斜めのつり目ライトでクロームメッキとテールフィンの組み合わせは正に50’Sそのまんまですね。
1961年モデルが、いかに思い切ったデザインを採用したかがお分かりにあると思います。
これはツリ目ライト最終年の1960年モデルで、リンカーン・コンチネンタルシリーズのマークⅤコンバーチブルです。
1950年代のコンチネンタルのマークシリーズは、
1956~57年モデルとして発売されたスペシャルモデルの
コンチネンタル・マークⅡ(ちなみに当時、コンチネンタル・デビジョンが独立部門として設立された為、このマークⅡはリンカーンの名は付きません)からイヤー毎に続いていて、1958年モデルが
マークⅢ、翌1959年モデルが
マークⅣ、そして1960年モデルが
マークⅤとなっていました。
個人的に、この1958~60年モデルのツリ目ライトを見るとどうしても、このおばちゃんのメガネを思い出してしまいます。。。(笑
話は脱線しましたが、1961年モデルが登場してからマークシリーズが廃止されてしまい再び登場するのは1968年モデルになってからでした。その名も
リンカーン・コンチネンタルマークⅢ。
これは
コンチネンタル・マークⅡが真の高級パーソナルカーだったという原点に戻り開発されたことから、
マークⅢの名前がついたとされています。
この
マークⅢは
映画「フレンチ・コネクション」や
「ザ・カー」のベース車になったり、邦画では
「海燕ジョーの奇跡」に登場したりしていたのでご存知の方も多いでしょう。
後年のリンカーンについては、機会がありましたらUpしたいと思います。。。
と、言いながら途中で放置しているネタが多すぎですね・・・。(汗