
歌舞伎役者女形の人間国宝、中村芝翫丈が逝去されました。
此処最近は、舞台を休む事が度々あると聞いてましたが、成駒屋贔屓の僕としては、非常に残念です。
僕が歌舞伎を見始めてまだ10年も経たないので、勿論芝翫丈の若い頃は知るはずもなく、当たり役と云われているものも観た事ありません。
そんな中でも印象に残っているとしたら、「恋女房染分手綱」俗に云う「重の井子別れ」でしょうか。
この時もそうでしたが、孫達と一緒に舞台に出ているのが多く、非常に楽しそうでした。
今の若い歌舞伎役者には無い、面長で胴長短足で如何にも古典的な女形が見られないというのは、歌舞伎界にとって大きな損失だと思います。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
で、亡くなったばかりなのに不謹慎かもしれませんが、此れからはある程度僕の妄想的なものを書かせてもらうの許されたい。
芝翫丈は、次は中村歌右衛門を継ぐ立場にありながら、襲名はしませんでした。
何でも、「芝翫と云う名前を大きくしたのは、俺しかいない」と云う自負があったんだとか。
其れで、6世歌右衛門が亡くなってからは、歌右衛門が不在だったわけですが、芝翫丈が7世歌右衛門を追贈されるのは間違い無いでしょう。
そして、近いうち(恐らく3回忌とか、5回忌を機に)に長男である9代目福助が8代目芝翫を、6代目児太郎が10代目福助を襲名するじゃないかなと。
(もしかしたら、橋之助も何かしらの名前を襲名するかもしれません。)
福助が8代目芝翫したら、大して時間を置かずに8代目歌右衛門をするんじゃないかなあ。
松竹としたら、歌右衛門と云うビッグネームを空けたくないだろうし、襲名公演は客が呼べますから。
以下プロフィールは、Kabuki on the webより抜粋。
中村芝翫
昭和3年3月11日生まれ。五代目中村福助の長男。祖父は五代目歌右衛門。8年11月歌舞伎座『桐一葉』の女童で四代目中村児太郎を名のり初舞台。15 年から六代目菊五郎に師事。16年10・11月歌舞伎座『忠臣蔵』九段目の小浪ほかで七代目中村福助を襲名。42年4・5月歌舞伎座『鏡獅子』ほかで七代目中村芝翫を襲名。
昭和42年度芸術選奨文部大臣賞。49年度日本芸術院賞。平成元年紫綬褒章。同年日本芸術院会員。5年眞山青果賞大賞。同年放送文化賞。8年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。18年文化功労者。ほか受賞多数。
本日は此れ切り。
Posted at 2011/10/10 20:29:59 | |
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