2011年12月20日
スウェーデンの個性派自動車メーカーである『サーブ・オートモービル』が、オランダで“破産申請”されたそうです。
現在はオランダの『スパイカー・カーズ』が権利を持っている。
※スパイカー(F1レースやスーパーカー)自体とは違うからややこしいが…
スパイカーの販売権を持つ会社ではある。
現有するスパイカー・カーズは、元々負債を抱えたサーブを中国系新興メーカーに売り飛ばそうとしたら、元親会社の『米国GM』から、現在のサーブを構成するのはGM傘下時代の遺産であり、自社の中国戦略とバッティングするから了承出来ないと断られ頓挫。
結局その後救済の道がなくなり、負債を抱えたままオランダでの破産申請に至る。
コレで航空機由来自動車メーカーのひとつであるサーブは姿を消すかもしれない…。
それは残念な事では有りますが、こと日本に於ける輸入車としての『SAAB』という車は、輸入販売権を巡るゴタゴタに巻き込まれた印象が強いです。
自動車ヒョーロンカでもないオイラがなんでそんなこと語れるか?
それは、自動車陸送会社に長く居たからなんですね。車を所有せずとも、仕事上頻繁に運んでいた多数の車のひとつで、車雑誌にも載らない現実も見てきたというワケ。
丁度バブル全盛期の1990年に陸送業界入りしたオイラ。
当時サーブ車の輸入販売権は、『西武自動車販売(セゾングループ)』が長い間持ってました。
神奈川県鶴見区国道1号線脇(場所判る方なら鶴見川近くの今現在ニトリが有る辺り)に、PDIモータープールが有りまして、当時の西武自動車販売の主力『シトロエン』や『プジョー』と共によく運んでました。
荷揚げ保税倉庫は神奈川区の鈴繁埠頭。(在日米軍横浜ノースドックへの橋を左奥に行くと、東京国際埠頭という会社が有る)
ココにも毎日のように車両運搬の為出入りしてました。
バブル全盛期のサーブという車は、お洒落なカタカナ職業の方にそれなりの人気が有りました。しかし、バブル崩壊と共に92年頃『西武自動車販売』が撤退し、輸入販売権を本国主導の『サーブ・ジャパン』という会社に譲渡。
そこにポルシェ輸入販売で一時代を築いた『ミツワ自動車』が、ミツワ・インターナショナル(通称サーブ・ミツワ)という会社を興し輸入販売権をも取得し、サーブジャパンと共同で販売してました。
しかし販売は更に低迷し、当のミツワ自動車でも重荷に。
ココから一般の方がまず知らない話を少し。
96年頃ミツワ自動車は、売れ行き不振なサーブの輸入販売権を当時の『日本GM』へ譲渡した。
その関係か、鈴繁埠頭の保税倉庫にストックされていたサーブ車を急遽移送する必要性が生まれた。
全搬出には期日が切られ差し迫っていた為、各地から車両積載用トラック・トレーラーが多数集まり、オイラも搬出応援に行きましたが行ってビックリ!
鈴繁埠頭奥の立体駐車場保税倉庫には、売れ残り長期在庫のサーブ車が溢れる程一杯。それもホコリかぶってバッテリー上がりの放置状態!
あんなに大量のサーブ車は見たことがなかった。しかもバッテリー上がり車というのは陸送屋泣かせで、新車だろうが仲間内では“クズグルマ”認定されるものなんで…搬出には苦労しました。
オイラには、サーブってそんな悪いイメージしか残ってないなぁ…。(センターコンソールにメインキーシリンダーが有った時は独特で好きだったが…)
翌97年には『日本GM』から『ヤナセ』に輸入販売権譲渡。
2002年再びヤナセから『GMアジアパシフィックジャパン(GMAPJ)』へ輸入権譲渡。ただし販売はヤナセと共同のまま。
その後ヤナセとGMAPJ扱いが長く安定したかと思いきや、『本国のサーブ会社自体』が負債で傾き、オランダのスパイカーカーズへ売却されて、2010年にはまた輸入販売権を譲渡。
今現在は、『ピーシーアイ株式会社』が輸入販売権を持ってるらしい?(今は業界に居ないから詳しく知りません…)
この先SAABという会社が消滅したら、現在サーブオーナーの方々は補修パーツが不安で大変になると思いますね…。
(ρ_-)o

Posted at 2011/12/20 20:56:34 | |
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