
写真は、25日オランダGP・アッセンTTコースで見事にmotoGPクラス初優勝を飾ったヤマハの『ベン・スピーズ』選手です。
ヤマハ50周年を記念した往年のカラーリングも良かったし、低温で雨上がりな難しい路面でもスピーズ選手の走りは完璧でした。
レース展開・結果等のレポートは、みん友である『カルロス.』さんのが常に詳しいので、興味のある方はそちらをご覧下さいませ。
※カルロス.さん勝手にゴメンね!(笑)
オイラが興味深いのは、写真のようにコーナー立ち上がりフル加速状態でフロントタイヤが路面を離れ浮いてますが、その現象は高度で緻密なコントロール制御のおかげで、実は意図的に起こしているという事。
2輪車の場合ある段階からフロントタイヤが浮く現象が発生し、ソレはマシンを速く走らせる上で凄く邪魔になってきます。
フロントタイヤが一瞬路面を離れる現象を俗に「フロントアップ」又は「ノーズリフト」と言い、前輪を浮かせたまま走り続ける事を「ウィリー走行」と呼びます。
レーシングマシンをロードレースサーキットコースで速く走らせる時の問題は、ハイグリップタイヤやレース用スリックタイヤが高性能化したおかげで、リヤタイヤのグリップが勝ってしまい、馬力やトルクが有るほどフロントが浮いて持ち上がってウィリー走行してしまいます。
浮き過ぎると空気抵抗は増すし、当然前は見えずやむなくアクセルを戻すロスが発生します。ソレでは全開脱出加速が出来ないので、今は人間の手よりもエンジン側を制御しコントロールするようになりました。
最近の市販車高性能バイクでも、後輪が空転スピンした時に出力を絞る「トラクション・コントロール」や、ボタン切替式ECU(ローパワーやレインモード等)が標準装備されつつ有りますが、今の最新motoGPマシン達は一段と進んでます。
※メーカーファクトリー・ワークスマシンは、公開しないデータが多くなにぶん推測になりますが…
今回のmotoGP中継のゲスト解説で、元HRCホンダワークスライダー「岡田忠之」氏が技術的一端を明かしてくれました。
シケインコーナーからの立ち上がりフル加速スロー映像で、少しフロントが浮いたまま加速していく現象を語ってくれました。
前輪・後輪に独立した回転センサーが有り、回転数の前後差を検出して出力補正させウィリー対策していると。(この辺はABS技術の応用なのかな?)
そしてこの浮き具合は、各ライダー好みのセッティング調整が可能であると。
確かにリヤタイヤにトラクション荷重最大値を掛けるなら、フロントがホンの少しだけ浮いた状態が最も効率が良いと思われます。
同時にアクセルグリップは、ON・OFFスイッチのように操作するとも語ってました。
※例え装備が判ってても、普通の人が簡単に出来るワケ無いと思いますがね…
990cc時代のmotoGPは、250馬力以上と言われたパワーで、トップギア6速250キロからでもフロントアップしてウィリー走行できたとか…
速すぎて危険という事で排気量を800ccにダウンしましたが、ソレから5年経ち各種制御やタイヤの進化により、各サーキットのレコードタイム・最高速共に現在のが速くなりました。
テクノロジーの進化も凄いですが、ソレを操るライダー達はやっぱり凄いと思いますね。
最後にひとつだけ疑問。
ウィリー制御が付いているならば、ゴール間際やゴール後にウィリー走行させるには、「ウィリー用解除ボタン」でもあるのかいな?
(*^-^)b

Posted at 2011/06/29 22:23:57 | |
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