
夜の館山自動車道です。地方部の高速道路の例に漏れず、ICやSAなど分合流があるところにしか道路照明がありません。このような区間の中央分離帯には対向車のヘッドライトによる眩惑防止のために遮光板が設置されたり低木が植えられていたりします。乗用車の視点からはお互いのヘッドライトが直視できないようになっているため、ハイビーム同士でも問題無しです。前方に先行車が見えなければハイビームにしたいところです。
しかし、運転席の位置が高いトラックやバスは遮光板や植栽の上から対向車のヘッドライトを直視できてしまうため、対向車がハイビームだと眩しいわけです。ですから、対向車がトラックやバスだとわかる場合にはロービームに切り替えるのが親切というかマナーというか、そういうものだと思っています。
では、夜間に対向車がトラック・バスであるかをどのように見分けるかというと、車体の上のほうに付いているマーカーランプ(前部上側端灯)の存在によってわかります。バン型のトラックやバスの前面上部両端にある白色(やオレンジ色など)の小さなランプです。これが見えたら運転席が高い位置にある車ですので、もしハイビーム走行中でしたらロービームに切り替えるとスマートです。
しかし、平ボディーやローリーなどのように荷台の高いところにランプが無いトラックですと乗用車なのかトラックなのかなかなか判断できません。ハイビームのまますれ違ってから「あ、トラックだった・・・」ということも。でも、これは仕方が無いと思います。
昔の大型トラックには速度表示灯という緑色の3つのランプが運転台の上部中央にありましたので、これが見えたら大型トラックが来るということが一目瞭然でしたが、最近の大型トラックには付いていないのです。(これが廃止されたかわりに速度抑制装置が義務付けられました。)
ちなみに荷台にランプが無くてもトラックだとわかる数少ない車はふそうの大型トラック(スーパーグレート)です。速度表示灯が廃止されてからのこの車の運転台には標準でマーカーランプが付いているためです。またベンツなど輸入車にも付いているものがあるようです。夜間に背が高い車(すなわち大きい車)であるということを(いろんな意味で)周囲にアピールするためには是非とも必要なランプだと思います。
【4月12日追記】
2009年11月より、新灯火器規制(自動車基準調和世界フォーラムへの準拠でしょうか)に適合するためキャブ上のマーカーランプを廃止したそうです。(ウィキペディアより)
なんと残念なことでしょう・・・。前部上側端灯の保安基準の「前面に4つ備える場合」の要件を満たさないのでしょうか(推測です)
2003年にふそうのHP上におけるプレスリリース(まだサーバー上に残っているのか、何故かググれちゃいました)
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/030422/030422.html
には、’03年型スーパーグレートについて下記のように掲載されています。
~ここから引用~
ルーフマーカーランプの採用
ルーフ上部の左右にマーカーランプを採用して夜間の視界と被視認性の向上に配慮しました。このマーカーランプはスーパーグレートの外観上の新しい特徴になります。
~引用終わり~
だそうです。夜間の視界にどれほど貢献するのかは???ですが、”被視認性の向上に配慮”は、まさにその通り!ただの飾りにしか見えないマーカーランプですが、見る人が見ればトラックであるということが一目でわかる実用的なランプでもあるわけです。
中央線の無いような狭い道路で対向車がトラックのように車幅のある車かどうかを判断するため(相手の車幅により余裕ですれ違えるのか、ぎりぎりですれ違うのかをあらかじめ判断するため)個人的には4t車クラスにもルーフマーカーを備え付けたほうがいいと思っているのですが、私の意見は時代に逆行しているようです。
余談:
自動車基準調和世界フォーラムへの準拠は基本的には望ましいことと思いますが、今まで育まれてきた日本の文化を否定するような基準にまで調和するのは個人的にちょっとどうかと思います。大型貨物の速度表示灯は非関税障壁ではなくて日本の文化です。北米の乗用車の側方に黄色と赤色のマーカーランプが付いているのと同じレベルの話だと思います。
Posted at 2010/04/11 01:08:56 | |
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